映画「マスカレード・ホテル」解説考察|片桐が盲目のフリをした理由、殺人計画全貌 | ページ 2 | 映画の解説考察ブログ

映画「マスカレード・ホテル」解説考察|片桐が盲目のフリをした理由、殺人計画全貌

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マスカレード・ホテル サスペンス・ミステリー
©2019 映画「マスカレード・ホテル」製作委員会
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長倉の殺人計画をおさらい

新田の潜入捜査が始まる約1ヶ月前、長倉は元勤務先の動物病院から盗んでいた筋弛緩薬を持参し、都内に引っ越していた松岡の自宅に侵入して殺害しました。

松岡を殺した後、長倉はネット掲示板で仲間3人を集め、それぞれが殺したい人物を殺し、座標が書かれた共通のメモを犯行現場に残すことで連続殺人事件に見せかけます。

連続殺人に見せかけたのは、警察は犯人が1人だと思い込み捜査をかく乱できるからです。

また、松岡も山岸も薬品注射で殺すつもりだったので、無計画にただ殺すと犯人が特定されやすくなると予想した長倉は、松岡を単体の事件、山岸を連続殺人に見せかけた殺人事件に紛れ込ませることで、さらに複雑化させました。

新田は能勢刑事(小日向文世)と協力して推理・捜査することで事件の全体像が見え、松岡が所属していた劇団に片桐(長倉)がいたことで犯人が長倉だと確信しました。

片桐が盲目のふりをしていたのはなぜ?

長倉がホテルに「盲目の老婆」を演じていた理由は、視覚障害の老人であれば、何かと山岸を部屋に呼んでも不審に思われないからです。

それに老婆に成り済ますことで長倉の実年齢と外見も隠せます。
さらに、長倉は警察が数字の暗号を解いてホテルに潜入捜査に来ることも予想していたので、刑事が誰なのか1人でも特定するためにあえて盲目の演技をし、見抜いた人物の顔を覚えておくためだったと思われます。

もし盲目の演技が見抜かれなければ、有能な刑事がいないということで良しとして、犯行の直前まで盲目の老婆を演じるつもりだったのでしょう。

恐らく長倉が最初に宿泊したのは犯行現場や逃走ルートの下見をするためです。
長倉は新田に盲目の演技を見抜かれたことで、新田が刑事であると確信してマークします。

翌朝、新田と山岸に怪しい印象を残さないため、長倉は「夫が視覚障害者で霊感が強くて心配だから様子見で宿泊しにきていた」と作り話で取り繕ってからホテルを去りました。

その後、長倉は警察の注意を他に向ける演出として、ホテルで挙式予定の高山佳子(前田敦子)のストーカー被害をでっち上げました。

挙式当日には、ネットで知り合った男(勝地涼)に依頼して不審者を演じさせて警察の目を逸らします。

長倉は結婚式の最中に再びホテルに現れて山岸を殺そうとしましたが、新田に見抜かれて捕まりました。

余談ですが、新婦役の前田敦子のストーカー役が、当時、前田さんの夫だった勝地涼だったのが面白いです。このキャスティングは絶対わざとですよね?
お二人は2021年に離婚されたので、この映画を見るたびに「そういえばこの2人離婚したんだっけ」と思い出してしまいますw




宿泊客たちの演出上の役割とは?

マスカレード・ホテル

栗原 ©2019 映画「マスカレード・ホテル」製作委員会

ホテルに次々に現れた豪華キャストの宿泊客たちは、それぞれ演出上の役割がありました。
印象的だった来客だけですが、登場の意図を考えました。

バスローブを隠した古橋(高嶋政宏)は、新田の推理力の高さを示すため。

ストーカー被害を偽装した安野(菜々緒)と館林(宇野剛士)の件は、一見すると嘘をついた安野が犯罪者としての怪しさ満点でしたが、フタを開けてみるとやましいことをしていたのは夫の館林であり、妻の安野は夫の不倫を現行犯で捕まえるためにホテル側に嘘をついていたことがわかりました。

安野はホテル側がどう対応するか知り尽くしていたので、以前にも別のホテルで夫に内緒で部屋に侵入を試みたことがあったものの、ホテル側に危険人物とみなされて部屋番号を教えてもらえなかった経験があると思われます。

この2人の話で大事なのは、嘘をついている側が悪人だと決めつけてはいけないということです。
新田は刑事として、必ずしも嘘をつく人間イコール悪人ではないという教訓を得ました。

ホテルマンの山岸は、お客様を信用するという信条がありましたが、安野を信用しすぎた結果、館林の部屋番号を安野(他の客)に教えてしまう致命的ミスを犯しました。
そのため、ホテルマンとしてお客様を信じることとルールを守ることは別であることを学びました。

新田にしつこく絡んでいた栗原(生瀬勝久)は、新田に電話帳登録のトリックを気づかせてくれた人物です。
また、新田には身に覚えがなくても栗原は一方的に恨みを持っていたという状態は、長倉が山岸に恨みを持っていたことと類似しています。

栗原の存在は、自分でも気づかない内に他人を傷つけているかもしれないことや、恨まれている可能性がある事が表現されていたキャラクターでした。

明石家さんまはどこにいる?

さんまさんはエンドロールに名前が出ていて驚いて探したのですが見つからなくて、結局ネットで検索しました笑

さんまさんが出てたのは『明石家さんま(友情出演)』と画面に文字が出ていたまさにその時でした(笑)
映画の雰囲気を崩さないためなのか、遠目に映っていただけでしたね(笑)

まとめとその他感想

この記事のまとめです。

①主人公の新田が潜入捜査を嫌がっていた理由は、一件目の殺人事件の容疑者である手嶋の捜査がしたかったからです。

②手嶋のアリバイは、知人の井上と共謀して、手嶋に気がある本田を利用して偽装していたことがわかりました。

③一連の事件の主犯は、盲目の老婆になりすまして来客していた片桐瑤子(松たか子)です。

④片桐は元恋人と山岸を恨んでおり、完全犯罪で2人を殺すために元恋人を単独の殺人事件、山岸を連続殺人事件の犯人の被害者に見えるよう偽装して捜査をかく乱していました。

⑤片桐が盲目の老婆になりすましていた理由は、山岸をホテルの自室に呼びやすくし、2人きりの状況を作りやすくするためです。

⑥ホテルに現れた宿泊客たちは、それぞれ映画の演出上の意味が込められていました。

以上です。ここからは個人的に単純に疑問に思ったことを書き連ねてます。

接客業の大変さと、お客様との心が通じ合う瞬間の感動も描かれていましたが、良いホテルってあんなに何でも言うこと聞いてくれるものなんでしょうか?

ホテルの宿泊客が特定の人物の宿泊を拒否できるとか、ベルボーイが居るのに常連客でもない人の荷物をわざわざフロント係が持って部屋に案内するとか、まかり通るんですかね。
高級ホテルに泊まったことがなくてピンときませんでした笑

あと、毒殺された駆け出しの役者さんが高級ホテルに泊まっていたというのも違和感があります。親がお金持ちだったんでしょうか。

色々思うところはありましたが、細かいことを気にしなければ面白かったです。
ホテルや接客業の裏側が知りたい方にもおすすめです☆

以上です。読んでいただきありがとうございました。
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