映画『溺れるナイフ』ネタバレ考察|ラストの意味、カナの心理など考えました。 | 映画鑑賞中。

映画『溺れるナイフ』ネタバレ考察|ラストの意味、カナの心理など考えました。

ヒューマンドラマ
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映画『溺れるナイフ』のあらすじと考察をしています!

東京から浮雲町に引っ越してきた15歳の人気モデル夏芽と、不思議な雰囲気を持つ同級生コウの恋物語。

制作年:2016年
本編時間:111分
制作国:日本
監督:山戸結希
脚本:井土紀州、山戸結希
原作:別冊フレンド『溺れるナイフ 』ジョージ朝倉

キャスト&キャラクター紹介

望月夏芽(もちづきなつめ)小松菜奈

親の都合で東京から浮雲町に引っ越してきた15歳の少女。
東京では芸能活動をしていて人気が出始めていたため、引っ越しを不満に感じている。
同級生の航一朗と恋に落ちる。

長谷川航一朗菅田将暉

浮雲町にすむ15歳の少年。周囲からは『コウちゃん』や『コウ』と呼ばれている。
染めた金髪の髪がよく似合う。
地主の息子で態度がでかいが、周囲はそれを当然だと思っている。

大友勝利重岡大毅(ジャニーズWEST)

夏芽とコウの同級生。魚屋の息子でコウの親友。
2人の関係を優しく見守りながらも、密かに夏芽に恋心を抱いている。

松永カナ上白石萌音

夏芽とコウの同級生。
コウに幼い頃からずっと片思いしているが、叶わぬ恋と割り切って夏芽とコウの恋を見守る。

・その他のキャスト

広能晶吾(ひろのうしょうご)…志摩遼平(ドレスコーズ)
蓮目匠(はすめたくみ)…嶺豪一
長谷川航司朗(航一郎の祖父)…堀内正美
望月芽衣子(夏芽の母)…市川実和子
望月鉄男(夏芽の祖父)…ミッキー・カーチス
望月直樹(夏芽の父)…斉藤陽一郎
望月竜太(夏芽の弟)…伊藤歩夢
教師…河原健二
夏芽のマネージャー…水澤紳吾
コウの友人…夛留見啓助
夏芽の同級生…金子理江黒宮れい國武綾
浮雲町の住民…水野愛子 ほか

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あらすじ前半

ある年の夏、15歳の人気モデル望月夏芽(小松菜奈)は東京から父親の故郷である※浮雲町に引っ越してきた。
※浮雲町は架空の地名。
理由は夏芽の父 直樹(斉藤陽一郎)が実家の民宿を手伝うためだったが、人気モデルだった夏芽は芸能活動をやめさせられたことや、超が付く程の田舎町への引っ越しに不満を感じていた。

引っ越した日、夏芽は海に立つ鳥居の向こう側で金髪の美少年コウ(菅田将暉)を目撃した。 
夏芽がコウに見惚れていると、コウは「誰にも言うなよ!」と言いどこかに行ってしまった。


(鳥居の向こう側のコウ 引用:https://www.instagram.com

その後、転校先の中学校に登校した夏芽は、同じクラスでコウと再会する。
有名人の転校に生徒ははしゃぎ、夏芽は同級生に囲まれていた。

そんな中、コウは「こんな都合のえぇ顔の女、東京にはウジャウジャおるやろ」と酷評。

怒った夏芽は、コウが鳥居に入っていた事をバラすと教室がざわついた。
コウは「祟られるかもしれんから、お前らは行ったらあかんど!」と謎の警告をして教室から出ていった。

その鳥居には浮雲島の神様がいると信じられていた。
前に旅行者が入った後で海が荒れたことがあるため、鳥居に入ると神様が怒って海が荒れるという迷信があった。
そのため、町の漁師達は特に鳥居を大切にしていた。
クラスメイトの大友(重岡大毅)は「神さんが『おるかおらんか』じゃなくて、あの鳥居は皆が大事にしとる!だから、お前も近づくな」と夏芽に注意した。

その日の放課後、鳥居の近くでコウと偶然会った夏芽が「あんたは神様を信じてないんだね」と言うと、コウは「神さんは普通におる」と答える。
夏芽が「じゃあ何で鳥居に入るの?」と疑問をぶつけると、コウは夏芽を引っ張って鳥居の向こうの海に一緒に飛び込んだ。
コウは「俺はえぇんじゃ!海も山も、この町のもんは全部俺の好きにしてえぇんじゃ!」と笑った。


(夏芽を海に落としたコウ 引用:https://www.youtube.com)

翌日。コウは学校をサボっていた。
夏芽は、コウが浮雲町の大地主の長谷川家の子なので、ある程度のわがままは許されていることを知った。
だからコウが気分次第で授業をさぼっても、教師も誰も注意しない(気に留めない)のだ。

また、長谷川家は面職人の家系で、浮雲町の祭りなどで使われるお面は全て長谷川家で作られたものだった。

その後、夏芽に有名写真家の広能晶吾(志摩遼平)から写真集のオファーが舞い込んだ。
夏芽は広能を知らなかったが、夏芽の母 芽衣子(市川実和子)は「広能晶吾って、すごいじゃない!」と好反応だった。

その後、広能が夏芽に会いに浮雲町に来た。
広能の「良い写真撮って、一緒にもっと遠くまで行こう」という落とし文句に掴まれた夏芽は写真集を出すとこに決めた。

夏芽と広能が林の中で写真撮影していた時、コウが突然現れて広能に石を投げつけた。
コウは「この森も、その女も俺のもんじゃ!」と怒鳴って逃げた。

夏芽はコウを追いかけたが、結局逃げられてしまう。
疲れて地べたに仰向けになった夏芽に、広能はカメラのシャッターを切った。
夏芽が「私、あいつに負けたくなくて写真集決めたんです」と告白すると、広能は「もう勝ってるよ。あの子、君のこと『俺のもんじゃ!』って言ってたじゃん」と笑った。


(写真撮影中の夏芽と広能 引用:https://news.livedoor.com

写真集が完成した。
夏芽が写真集が出来たことをコウに知らせると、コウは夏芽をひとけの無い水路に連れてきてから写真集を見た。
夏芽が「私、ずっとコウちゃんのこと、近くで見ていたいんだと思う」と告白すると、コウは夏芽にキスをした。
それから、夏芽はコウと付き合うことになり、東京に帰りたいと思わなくなった。


(キスする寸前の夏芽とコウ 引用:https://xn--vcki1fxhx43muydhn0fs65b.net

ある日の放課後。夏芽に映画のオファーが来た。
「コウちゃんとの時間が減るの嫌だから、断っちゃおうかな」と言うと、コウは「つまらんのう!お前だけはわかっとると思っとったわ。『力』があったら使いたいんちゃうんか?」と突き放した。

夏芽は拗ねて「コウちゃんは、芸能界に入ってる私が好きなの?それなら受けるよ。コウちゃんが決めて!」と丸投げした。
コウが黙っているので、夏芽が「私のこと好きじゃないの?」と叫ぶと、コウは「お前はキレイじゃけぇ、自分のもんにしたろう思っとったが、もうええわ」とつまらなそうに答える。

夏芽が「そんなのいや!私、面白く生きて見せるから!コウちゃんが後悔する位、面白くなる!その時に何か言っても知らないから!」と反論。
コウはいつも身に着けている長谷川家の証のブレスレットをお守り代わりにくれたので、夏芽のエンジ色のブレスレットと交換した。

それから2人は自然に仲直りして、夏芽は映画のオファーを受けることにした。


(ブレスレットを交換する夏芽とコウ 引用:https://cinemagene.com

浮雲町で毎年夏に開かれる『火祭り』の日。
夏芽とコウはデートした。
もうすぐ始まる『火祭りの儀式』に参加出来るのは男だけで、コウが準備に行こうとすると、夏芽が「離れるのはイヤ!」と駄々をこねるので、コウはキスで夏芽を黙らせた。

その後、火祭りの儀式が始まった。
夏芽が儀式中のコウに見とれていた時、夏芽の民宿の客の蓮目匠(嶺豪一)が走って来た。

「君のおじいちゃんが倒れて病院に運ばれた。一緒に行こう」と言われた夏芽は、慌てて蓮目の車に乗った。

同じ頃、コウがつけていた夏芽のブレスレットが切れたので、コウは危険を察知して夏芽を探した。
蓮目のウソはすぐに判明し、カナとクラスメイトの大友(重岡大毅)は大人に事情を話して通報してもらった。


(夏芽に愛の告白をする蓮目 引用:https://blog-imgs-140.fc2.com

蓮目の狙いは夏芽と両思いになることだった。

蓮目は2人きり車内で「僕は夏芽ちゃんを初めて見た時から不思議な運命を感じてた。僕達はひとつになるべきだ。
さっき夏芽ちゃん、生意気そうな男の子とキスしてたでしょ。僕のために練習してくれてたんだよね?これからが本番だよ」と独りよがりな告白をすると、ひとけのない林の中で車をとめて、夏芽にキスしようとした。

夏芽は叫んで蓮目を突き飛ばし、車から飛び出した。
コウが助けに来てくれたが、コウは蓮目に見つかって石をぶつけられてボコボコに殴られてしまう。
夏芽は橋の下に隠れてコウが来るのを待ったが、現れたのは蓮目だった。
夏芽は恐怖のあまり気絶した。

その後、通報を受けた警察や男性陣が助けに来てくれて、夏芽は助かった。
事件は示談でケリがつけられ、夏芽は映画の話を断った。

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あらすじ後半※ネタバレしてます

約1年後。夏芽は高校一年生になっていた。
浮雲町に高校は恐らくひとつしかなく、大友、カナも同じ学校だった。
夏芽とコウは火祭りの日以来会っておらず、関係は自然消滅していた。

夏芽が襲われた事件は噂に尾ひれがつき、夏芽は押し倒された程度だったのに強姦されたことになっていた。
ネットで検索しても、夏芽の強姦に関する記事がたくさんヒットした。

夏芽はあの日以来ファンの恐ろしさを思い知り、おしゃれや肌の露出、目立つ行動を極力控えるようになっていた。
友達も作らず、夏芽のクラスメイトの女子が『火祭りの日のレイプ事件』をネタに盛り上がることも多かった。
そんな女子に、大友は「お前ら、品がないのう」と不快感を示した。

ある日、帰ろうとしていた夏芽に同級生のカナ(上白石萌音)が声をかけて来た。
カナは高校に入ってから大人っぽく成長し、髪型や服装もおしゃれになってあか抜けていた。
カナは「コウちゃんに会いたかったら、港に行ったらいいよ」と教えてくれた。


(高校で夏芽に話しかけたカナ 引用:https://images.cinema.ne.jp

ある日の昼休憩。夏芽は大友と久しぶりに会話した。
会話の中で自然とコウの名前があがると、大友は「コウは最近変な奴らとつるむようになって暴れとるらしい」と心配していた。

それから、夏芽と大友は自然と一緒にいるようになった。


(椿の蜜を吸って遊ぶ夏芽と大友 引用:https://rf0818.hatenablog.com

ある日、夏芽が大友と一緒に下校していた時、悪そうな友達とスクーターに乗っているコウとすれ違った。
久しぶりに見たコウは、以前よりも尖った雰囲気が増していた。

別の日、夏芽は下校中にたまたまコウと鉢合わせるが、コウは走って逃げてしまう。
夏芽はコウを追いかけて海に出て、ボートの上に2人きりになった。
夏芽は怒って「何で逃げるの?コウちゃんが来てくれるの、ずっと待ってたんだよ!」と気持ちをぶつけるが、コウはおどけるようにポケットからナイフを取り出して見せるので、夏芽は呆れた。

コウは「逃げとるのはお互い様じゃろ?お前は逃げ場があって良かったのう」と言った。
コウは夏芽が大友の優しさに逃げていると言いたいのだ。
怒りが抑えられなくなった夏芽はコウを海に突き飛ばし、自分も海に飛び込んだ。
海から顔を出したコウは「痛々しゅうて、お前の顔見とれんわ。お前は面倒くさい。お前の人生に巻き込まれるんはもうゴメンじゃ!もう俺に関わらんで」と突き放した。


(ボートの上で話す夏芽とコウ 引用:https://www.m-on-music.jp

翌日、夏芽は大友に告白されて付き合うことにした。
夏芽が交際を決めたのは、大友といると楽しいし、自然体でいられるからだった。

その頃、コウは今年の火祭りでつけるお面作りに専念していた。
コウが作ったお面を見た祖父の船司朗(堀内正美)は「なんちゅう顔の面を作るんじゃ。そんなもん付けたら魂焼き尽くされて、身体も捧げることになるぞ」とダメ出しするも、コウは「上等じゃ!」と笑った。

久しぶりに夏芽のマネージャーから電話があった。
マネージャーは「そろそろほとぼりも冷めてきたし、芸能活動再開しない?広能さんが、夏芽ちゃんを主演に映画を考えてるって言ってるんだ!」という。
夏芽がほとんど即答で断ると、マネージャーは「台本ももう出来てるんだよ。送るから、見るだけ見てみて!」と電話を切った。

届いた台本を開くと、主人公の女の子がレイプされるシーンがあった。

数日後、広能が高校の門の前で夏芽を待ち伏せしていた。
広能は「直接交渉しようと思って来てみたけど、なんか会ってみたら撮る気なくしたから、もういいや。」とあっさり帰ろうとした。
夏芽が「だって、レイプシーンってひどすぎませんか?」と問い詰めると、広能は「良いじゃん、晒しもので!あんたもそういう変態でしょ?」と開き直った。
広能は、人気が出るほどプライバシーが無くなる芸能界にいる人間は皆、少なからず変態だと考えていた。

夏芽の声を聞いた大友が近づいてくると、広能は夏芽と大友を見て「新しい彼氏?君たちお似合いだよ」と鼻で笑って本当に帰ってしまった。

数日後、夏芽は地元のヤンキー達と喧嘩した直後のコウと遭遇した。
2人はお祭り広場の傍にあるコウの隠れ家に行った。
「なんで、自分をすり減らすようなことするの?コウちゃんだけは、キラキラしたままでいて欲しいよ」と夏芽が言うと、コウは「お前の輝かしいコウちゃんはもう死んどるんじゃ」と答えた。

夏芽は「じゃあ私達、あいつ(蓮目)の呪いにかかったままなんだね!
海も山も、全部コウちゃんの物だよ!そういう風に触ってよ、」と言うと、コウは夏芽に触れてお互いに初めてのセックスをした。

終わった後、コウは「もう会うん最後にしよう」と言い出した。
夏芽が理由を聞くと、コウは「お前は俺のことなんか追い越してくれや。
初めて会うた時、お前のことが光って見えた。もうお前の天職はわかっとる。
お前に神さんは要らんじゃろ。俺はここに残って神さんと生きる」と言う。
コウは、夏芽は芸能界が向いているから東京に戻るべきだと言いたいのだ。

夏芽は「じゃあ私もここに残る!コウちゃんともう離れたくない!」と言うが、コウはそっぽを向き「遠くまで行けるんが、お前の力じゃ。俺は、お前に何もしてやれん。誇り高くおりたかったわ」と涙声で言った。
コウはあの事件以来、夏芽を助けられなかったことで自信喪失し、夏芽と向き合えなくなっていた。
コウは「もう姿見せんでくれ」とつぶやき、ナイフを夏芽の方に投げた。
夏芽はナイフを拾い、泣きながら出ていった。

翌日。夏芽は大友に「東京で映画に出ることにしたから別れよう」と切り出した。
大友は「遠距離でも良いから」と言うが、夏芽は譲らなかった。
別れの理由にコウのこともあると悟った大友は、泣きながら『俺ら東京さ行くだ』を歌い上げた後、潔く「友達に戻ろう!東京でがんばれよ!」と笑った。


(カラオケバーでの夏芽と大友 引用:https://vod-halloffame.com

夏芽にとって2回目の火祭りの日。
コウは去年と一緒で祭りの儀式に、大友は今年は儀式に参加せず、両親が出店するイカ焼き屋を手伝い、カナも両親の手伝いをしていた。

祭りの儀式が始まった頃、カナは長谷川家の物ではない天狗のお面をした不審人物を見かけた。
近くにいた大人に話しても相手にされなかったので、カナはコウに不審人物の存在を知らせて「やっぱり夏芽ちゃんは災いの元じゃ!もう近づかん方が良い!」と忠告した。
それが蓮目だと直感したコウは「あいつ、殺す」とつぶやき走りだした。

その頃、夏芽はコウの隠れ家で思い出に浸っていた。
すると、隠れ家の入り口が開く音がして、真っ赤な天狗のお面を付けた蓮目が入って来た。

夏芽はコウのナイフを振り回して逃げようとするが、蓮目に押し倒されてしまう。
必死で抵抗していると、蓮目は「大丈夫だから!」と言いながら夏芽を殴った。
夏芽は「コウちゃん助けて!」と叫び、そのまま気を失った。

夏芽はおぼろげに、コウが蓮目をやっつける現場を見た気がしたが、夢か現実かわからなかった。

その後、夏芽はカナに血まみれのコウのナイフを見せられて、コウと蓮目の乱闘が現実だったことを知った。
カナは「明日、全部海に沈める。もう二度とコウちゃんと会わんで!」と睨みつけた。

夏芽が気絶している間、コウとカナは隠れ家に駆けつけて夏芽を助けようとしていた。
乱闘の末にナイフを手にした蓮目は「僕は夏芽ちゃんの一生消えない影になる」と言い、自ら首を切って自殺していた。
蓮目の遺体、血の付いた衣類、コウのナイフは全て海に沈められて闇に葬られた。

 


(授賞式の夏芽 引用:https://www.amazon.co.jp

その後、上京した夏芽は広能監督の映画に出演し、ジパング国際映画祭で最優秀賞主演女優賞を獲得した。
特別カットとして、夏芽演じる主人公ユキコが上京するシーンが流れ始めると、夏芽はコウとビッグスクーターに2人乗りしながら語り合う場面を想像していた。

夏芽は「私は活躍する度、コウちゃんの背中が見えるよ。私はこれからもコウちゃんを、ずっとずっと思い出すよ!」と言った。
コウは「ここであったことは何も気にせんでえぇ。お前が天下取るとこ、俺に見せてくれや!ずっと見ちょるけのう!」と答えた。

夏芽は「この山も海も、全部コウちゃんのものだ!私もコウちゃんのものなんだ!!」と笑顔で叫んだ。

それからも夏芽は東京で芸能活躍、コウは浮雲町で生活する日々が続き、ふたりが再会することは無かった。
2人はお互いがお互いの『神さん』になり、心の支えにして生きていくことに決めたのだ。


(精神的につながっている夏芽とコウ 引用:https://prcm.jp

・主題歌
『コミック・ジェネレイション』ドレスコーズ
・挿入曲
絶対彼女 』大森靖子
ハンドメイドホーム 』大森靖子
水星 』オノマトペ大臣&tofubeats
『めぐり逢えたら』堀越千史
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考察や感想など


(引用:https://eigaland.com

原作未読です。とにかく小松菜奈と菅田将暉が美しい映画でしたが、個人的には意図がわからない追いかけっこのシーン(特に夏芽の写真集を見るまでの)は要らなかったなと思いました(笑)
あと熱狂的なファンの蓮目が夏芽を襲うシーンは、どうしても役者さんが小松菜奈に気を遣っているような触り方をしているように見えてあまり迫力がなかったのも残念でした。
行動などで理解出来ない点もいくつかあったけど、全て主演2人のキラキラ感でカバーされていたな~というのが感想です。

コウ演じる菅田将暉は、15歳の繊細な少年を演じるために体重を約15㎏も絞ったのだとか。
その他、本作の内容で気になった点を考察します。

夏芽とコウちゃんが別れた理由

1回目の火祭りの際の事件の後、夏芽とコウちゃんは自然消滅で別れています。
夏芽は別れた理由を大友に「会わないことがお互いに傷つかない唯一の方法だったから」と答えています。
蓮目に襲われた時、コウちゃんは夏芽を助けられなかった自分自身に絶望し、自分がまだ大人には勝てない子どもだと再認識させられたのでしょう。
コウちゃんは夏芽を見るとその絶望感を思い出してしまうため、会えなくなったのではないでしょうか。

夏芽は事件の後もコウちゃんが会いに来てくれるのを待ち続けていましたが、世界最強と思われたコウちゃんが蓮目にあっさりやられてしまったことは彼女なりにショックだったでしょう。
夏芽は、コウが来てくれるのを待ってはいたけれど自分から会いに行かなかったのは、付き合うのも別れるのも、全ての『選択』をコウちゃんに押し付けて逃げていたように感じます。
待っているだけで自分から動こうとしない夏芽の幼児性を示していたように見えました。

個人的な感想ですが、事件に気付いたコウちゃんが夏芽を助けに来て蓮目に殴られた時、夏芽がコウちゃんを助けようともせずに逃げたのが納得いかないというか薄情に見えました。
これも幼さの現れなんでしょうか。

あと、2回目の祭りの時に夏芽が気絶したり起きたりするのも『?』でした。
突然気絶して、突然起きて「行けー!」とか叫んでるとこは「これはこういう演出だ!」と心の中で割り切らないと見ていられませんでした。

夏芽のペディキュア

大友と映画デートに行く約束をした後、夏芽は久しぶりにお洒落してみようとペディキュアを塗ります。
そのペディキュアの色に、夏芽の心の中を占める人物と割合が現れています。
夏芽は5本の指の内、4本はネイビーを塗りました。このネイビーはコウです。
ネイビーなのは、夏芽の中でコウと海が結びついているからです。

そして、薬指だけに大友を表す鮮やかなえんじ色を塗っています。
大友がえんじ色なのは、椿の花の蜜が甘いことを教えてくれたのが夏芽にとって印象的だったからでしょう。
大友は指一本分しかありませんが、恋人を連想する薬指に塗っているという点が、『普通の幸せ』に憧れた夏芽が、大友に気持ちが傾きつつある様子を描いています。

その後、コウと再会した夏芽はコウが大好きだと再確認し、薬指だけえんじ色にしていたペディキュアをネイビーに塗り直します。

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蓮目が自殺した理由


(引用:https://vod-halloffame.com

蓮目は2回目の火祭りの際、また浮雲島に現れて夏芽を襲った末に自殺します。
この時、蓮目は「俺が死んだら夏芽ちゃんと俺の写真が並んで、俺は夏芽ちゃんの一生消えない影になる」と発言しています。
蓮目の目的は、死ぬことで新聞記事に一緒に載った上、夏芽の心に一生巣食ってやろうということだったようです。
しかしカナがその後、証拠隠滅のために蓮目と凶器を海に捨てたので、蓮目の願いは叶いませんでした。

 

カナが証拠隠滅した理由


(引用:https://www.club-typhoon.com

蓮目の自殺後、証拠隠滅したのはカナでした。
さらに、今まで夏芽に優しかったカナの態度が豹変した理由について考えます。
まず、カナはずっとコウが好きだったこと、モデルとしての夏芽のファンだったことが行動の理由にあります。
言い換えると、カナは夏芽とコウを神格化していたのです。

カナはコウに好意を抱いていましたが、普通の女の子である彼女自身はコウの恋人として釣り合わないと思っていました。
そこに、コウと同じくキラキラした存在である夏芽が現れたので、2人がお似合いだと感じたカナは、コウへの気持ちを殺してコウと夏芽の恋を応援します。
その後、1度目の火祭りの後にコウと夏芽が別れた後も、カナは夏芽にコウと会うように促しています。
恐らく、この時もカナは2人にヨリを戻してもらって理想の素晴らしいカップルになってほしいと思っています。
カナの心境は、一般人が芸能人の恋愛を見守るような感覚に近かったのではないでしょうか。

しかし2度目の火祭りの日、見慣れない天狗のお面を目撃したカナはコウにそのことを告げて「夏芽ちゃんは災いの元だから、もう近づかない方が良い」と発言します。
つまり、もう夏芽はコウにふさわしくないと思っていたのです。
カナの心境が変わったのは恐らく、夏芽が大友と付き合ったから。
この選択が、カナにとっての夏芽が『神』ではなくなった原因ではないかと思っています。
夏芽が『普通の男の子(大友)』を選んだのを知った時、カナの中で夏芽が『漫画のヒロインのような憧れの存在』から『顔が良いだけの男たらし』に変わってしまったのでしょう。

蓮目の自殺の後、カナが率先して全ての証拠を海に沈めています。
これはコウを犯罪者にしないための行動で、カナのコウに対する憧れ、好意は続いていたんです。
一方で、夏芽に対する感情は冷めたので「もうコウちゃんに近づくな」とにらみつけています。

 

夏芽が映画に出れたのはなぜ?

夏芽に主演映画のオファーが来た時、夏芽に会いに来た広能は「会ったら撮る気失くした」と言い東京に帰ってしまいますが、その後上京した夏芽は広能の映画に主演で出ています。

おそらく広能の「撮る気失くした」などの発言は、感じたことをそのまま言葉にしたものだったのでしょうが、晒し者になるのがいやで『一般人』になりかけていた夏芽に、広能が発した最後のメッセージだったのでしょう。

脚本にはレイプシーンが組み込まれていて、完全に夏芽のための脚本に仕上がっていました。
実際にレイプ事件で注目を集めた夏芽が出演してくれなければ映画を作っても意味がないので、広能にとってもある意味賭けだったのでしょう。

ただ普通にお願いしても、夏芽が『レイプシーンは無くして』など条件を出してくる可能性が高いです。
広能は恐らく交渉をする気が無かった(脚本を変えたくなかった)ので、あえて夏芽のプライドを傷つける発言をした上で断ってしまうことで、夏芽の方から「出たい」と頼んでくるように仕向けたのではないでしょうか。
夏芽はまんまと広能の罠にかかり、芸能界復帰しました。

 

タイトル『溺れるナイフ』


(引用:https://eightxjohnnist.hatenablog.com

タイトルの意味について。
蓮目が自殺に使い、その後カナが海に捨てて沈んでいった『溺れたナイフ』そのものと、ナイフのように尖って独特の輝きを放っていたコウが、蓮目の事件から自信を失くして悪に身を染め、精神的に溺れていく様子の両方が表れているタイトルだと感じました。
個人的にはかっこ良いタイトルだと思います。

以上です!主演の菅田将暉さんと小松菜奈さんのインタビュー記事、面白かったので最後にリンク貼ります。
FRaU:『豪華共演! 菅田将暉×小松菜奈『溺れるナイフ』撮影秘話 近づいては離れ、見つめあう…“恋心”を表現

 

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