「バニラ・スカイ」ネタバレ解説|現実に戻れたのか、夢と現実の境目など考察。 | 映画鑑賞中。

「バニラ・スカイ」ネタバレ解説|現実に戻れたのか、夢と現実の境目など考察。

SF

映画「バニラ・スカイ」に関する疑問を考察・解説しています!
誰もが羨むような生活を送る出版社の若手社長デイヴィッドが、一目ぼれした女性ソフィアとの出会いをきっかけに、人生が思わぬ展開へ転がり始める。

原題:Vanilla Sky
制作年:2001年
本編時間:137分
制作国:アメリカ
監督・脚本:キャメロン・クロウ
制作:キャメロン・クロウ、トム・クルーズ、ポーラ・ワグナー
原作映画:『オープン・ユア・アイズ 』(1997)

 

主要キャスト紹介

バニラスカイ
TM & Copyright © 2013 Paramount Pictures. All rights reserved.
デイヴィッド・エイムス・Jrトム・クルーズ
幼いデイヴィッド…ロビー・ウォルシュ
NY大手出版社の社長33歳独身貴族。
社長だった父が早くに亡くなり、現在の地位を手に入れた。
交通事故がきっかけで人生が変わる。

 

バニラスカイ
TM & Copyright © 2013 Paramount Pictures. All rights reserved.
ソフィア・セラノペネロペ・クルス
ブライアンが図書館で一目惚れしてデイヴィッドの誕生日パーティーに連れてきたダンサーの卵。
デイヴィッドも彼女に夢中になる。

 

バニラスカイ
TM & Copyright © 2013 Paramount Pictures. All rights reserved.
ジュリー・ジアーニキャメロン・ディアス
デイヴィッドのガールフレンド。
デイヴィッドが『フランクな関係』を望んでいるので表面的には彼の調子に合わせているが、内心は本命になりたがっている。
美人でプライドが高く嫉妬心が強い。
デイヴィッドがソフィアに夢中になってからストーカー化する。

 

バニラスカイ
TM & Copyright © 2013 Paramount Pictures. All rights reserved.
ブライアンジェイソン・リー
デイヴィッドの会社社員で親友、良き相談相手。
『持てない男』を題材に本を執筆中。
モテモテのデイヴィッドを羨ましく思っている。

 


(引用:https://www.thisisbarry.com
マッケイブカート・ラッセル
デイヴィッド担当の精神分析官。
殺人事件の容疑者であるデイヴィッドに真実を語らせようとする。

 

エドモンド・ヴェンチュラ(LE社員)…ノア・テイラー
トーマス・ティップ(弁護士)…ティモシー・スポール
レベッカ・ディアボーン(LE社員)…ティルダ・スウィントン
アーロン(看守)…マイケル・シャノン
7人の役員…マーク・ブラムホールジャック・ホールデイヴィッド・ルイソンジェニファー・グリフィンアダム・ルグラントジョン・ケプリーロビン・バン・シャーナー
デイヴィッドの秘書…デライナ・ミッチェル
出版社の社員…シャローム・ハーロウジョニー・ガレッキ
パーティーの招待者…オオナ・ハートイワナ・ミルセヴィッチ
ポメランツ医師(形成外科医)…アーマンド・シュルツ
ベルリンの医師…レイ・プロシア
その他の医師…キャメロン・ワトソンロバートソン・ディーン
青いコートの男…ティム・ホッパー
リビー…アリシア・ウィット
ベアトリス(会社の受付)…キャロライン・バーン
司会者…キャノン・オブライエン(本人役)
バーのウェイター…マーティ・コリンズ ほか

 

あらすじ紹介

出版社の若社長33歳独身のデイヴィッド・エイムス・Jr(トム・クルーズ)は、なぜか仮面を着けた状態で『殺人の容疑者』として独房に監禁されています。
黙秘を続けるデイヴィッドに、精神分析官のマッケイブ(カート・ラッセル)は「何か話してくれないと、俺も君を助けることが出来ない。裁判まで時間が無いんだ」と優しく語り掛けると、デイヴィッドは何が起きたのか話し始めました。

デイヴィッドの父は大手出版社の社長でしたが、両親ともに約10年前に不慮の事故で他界しました。
デイヴィッドは両親から莫大な財産と会社の51%の株を受け継いだ上、社長の座も引き継いで若手社長の地位を手に入れます。

デイヴィッドは現在33歳で仕事も順調、超セレブで、誰もが羨むような生活を送っていましたが、いつもどこか孤独で不安を抱えていました。
とびきり美人のガールフレンド ジュリー(キャメロン・ディアス)からも愛されていますが、デイヴィッドは彼女と深い関係になるのを嫌がっています。
そのため、あくまで『フランクな関係(お互いのプライベートには干渉しない関係)』を望んでいました。
ジュリーには面と向かってそんなことは言いませんが、友人のブライアン(ジョナサン・リー)には「俺と彼女はセックスフレンドだ」と語りました。

デイヴィッドは自分自身の誕生日の日、自宅でパーティーを開いて多くの知人を招待しました。
そこで、親友ブライアンが出会って連れてきたダンサーの卵ソフィア(ペネロペ・クルス)に一目惚れします。

数日後。デイヴィッドはソフィアの自宅に行き、朝まで楽しく一緒に過ごしました。
肉体関係はなく、お互いの似顔絵を描いたり、生活や仕事について語り合ったり、一緒にテレビを見たりまったり過ごします。
朝が来て、デイヴィッドは帰る直前に初めてキスをしました。
彼女とキスした時、デイヴィッドは初めて心から『愛』を感じました。


(一緒にテレビを見るデイヴィッドとソフィア TM & Copyright © 2013 Paramount Pictures. All rights reserved.)

ソフィアの家から出た直後、デイヴィッドの前に、浮気に怒ったジュリーが現れました。
デイヴィッドは彼女の車に乗って話し合いをしますが、ジュリーの怒りは収まらず、デイヴィッドと無理心中しようと事故を起こしました。

事故でジュリーは即死しました。
デイヴィッドは生き残りましたが、顔の右側と腕に大怪我を負い、後遺症に苦しむことになります。




解説・考察や感想など

本作は夢と現実の境界が曖昧で、結末もいくつかの解釈の余地があるようなので、私なりの考察、解説をしていきます!

何が現実で何が夢だったのか


(引用:https://photos1.blogger.com

デイヴィッドは永久的にリアルな夢が見られるシステムを供給している会社(EL)と契約し、150年位夢を見続けていたことが明らかになりますが、デイヴィッドの現実と夢の境界線はどこだったのでしょうか。

これは終盤に救護員のヴェンチュラが『路上で目が覚めた朝』からが夢のつなぎ目だと語っています。
つまり、路上で眠るより前は現実、それ以降はELがデイヴィッドに提供した夢だということです。

現実の流れまとめ
デイヴィッドは出版社の若社長のイケメンセレブ。
女優の卵ジュリーとは肉体関係のあるフランクな関係が続いていた。

誕生日パーティーでソフィアに一目ぼれし、ジュリーが嫉妬してストーカー化。

ソフィアの家に泊まった翌朝、ジュリーの運転する車に乗って無理心中を図られる。

ジュリー死亡。デイヴィッドは顔と右半身に大怪我を負い、後遺症と醜形恐怖に苦しむ。

腕利きの形成外科医に症状と外見を改善して欲しいと依頼するも、さじを投げられ、代わりに傷の自然治癒力を高めるという美容マスクをもらう

デイヴィッドは事故後ソフィアと音信不通だったが、どうしても会いたくなって会いに行くと、ソフィアは喜んでくれて遊ぶ約束をした

ソフィアと約束したナイトクラブへ行くと、ブライアンも一緒にいた。(2人きりだと思っていたのでショック受ける)

ソフィアに警戒されていることを悟ったデイヴィッドは気分を害して酔っ払い 、自虐的で卑屈な冗談を言いまくり、2人に見放される

そのままソフィア宅近くの路上で眠る。

ヴェンチュラによると、ここまでがデイヴィッドが実際に体験した現実で、ソフィアに起こされてからはELがデイヴィッドに提供した夢で疑似体験です。
以下はヴェンチュラが語ったデイヴィッドの現実でのその後です。

・現実に起きたこと
路上でひとりで目覚め、帰宅。
(ソフィアとはそれっきり会っていない。)

醜形恐怖症と失恋うつから自宅にこもりがち(引きこもり)になる

後遺症からくる頭痛に悩まされて医師に相談するが「現代医療では治せない」と 言われどうしようもなくなる

絶望していたところ、ネットでELの存在を知り、会社に行ってみる

EL社員のヴェンチュラから話を聞き、契約を交わす

自宅で服薬自殺。
ELで凍結処理を施され、夢の世界に入る

約150年夢を見続けて現在に至る。

上記以外のソフィアとの恋人生活や、精神分析官マッケイブとのやり取りなどは、全てELが提供した夢ということになります。
『デイヴィッドの本当のその後』はELが記憶から削除して夢の記憶に塗り替えた、とヴェンチュラは語っていました。

 

次のページに続きます!

考察後半は『デヴィッドが殺したのは誰』『デヴィッドは現実に戻れた?』『猫になって』『精神科医が名前を言えなかった理由』についてです!




感想などお気軽に(^^)

  1. 散歩中 より:

    さっきまでテレビで見てました(笑)以前も映画館で観たのですが
    けっきょく「でも死んだんでしょ??」「なんで生き返れるのさ」
    という疑問がずーーっと解決できないまま、今日ここでこちらのブログを読み
    やっぱりそういう解釈をしていいんですよね、でないと矛盾しますもんね、
    という結論でようやく追われそうです(;´∀`)ありがとうございました。

  2. 通りすがり より:

    以前一度見たのですが、内容はすっかり忘れてしまっていて
    今日テレ東の午後ロードでやっていたのを見て初めて見たように楽しめました。

    吹き替え版だったので、最後の「目を覚まして」がソフィアと同じ声優さんだったのもあり、もう一度夢の中に目覚めたか、そもそもEL社との契約とかも全部普通の夢だったか、実はソフィアもEL社と契約していて150年後に生きていて起こされたか、150年後の現実で偶々ソフィアに似た声の女性に起こされたか、と様々想像させられるました。

    夢オチってなんでもありの反則で本来扱うのが難しいはずなのに、それをさらに謎を深める要素にするなんて。

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