『来る』ネタバレ解説|オムライスの意味、ラスト考察、あれの正体、原作との違いなど | 映画鑑賞中。

『来る』ネタバレ解説|オムライスの意味、ラスト考察、あれの正体、原作との違いなど

来る ホラー

映画『来る』の解説・考察をしています!
「あれ」の正体、オムライスの意味、琴声はどうなった?などについて書いています。

鑑賞済みの方のための記事です。まだ観ていない方はネタバレにご注意ください。

来る

制作年:2018年
本編時間:134分
制作国:日本
監督:中島哲也
脚本:中島哲也、岩井秀人
原作小説:『ぼぎわんが、来る』澤村伊智 著
この映画はPG-12の年齢制限があります。
大量の流血および簡潔な性愛描写がみられるためです。(参照:映倫

キャスト紹介

田原 秀樹(たはら ひでき)…妻夫木聡
東京の製菓メーカーに勤務する30代男性。
妻の香奈との間に1人娘がいる。
周囲から『イクメンの鑑』と呼ばれるほど立派な父親・夫として振る舞うが、実際には育児も家事も香奈に任せきりで自分のことしか考えていない。
子供の頃に耳にした人さらいの妖怪に命を狙われる。

田原 香奈(たはら かな)…黒木華
秀樹の妻。結婚後に秀樹の本性を知り結婚したことを後悔するが、離婚する勇気もなく家事と育児に忙殺される日々を送る。

野崎 和浩(のさき かずひろ)…岡田准一
金になるならジャンルを問わず記事にするオカルト好きなフリーライター。
秀樹に霊媒師の比嘉姉妹を紹介する。
若い頃に恋人を堕胎させたことを後悔し続けている。

比嘉 真琴(ひが まこと)…小松菜奈
除霊やお祓いに近いことができる霊感の強いキャバ嬢。
姉の琴子の能力に嫉妬している。
大の子ども好きだが、彼女自身は子どもを産むことができない。

比嘉 琴子(ひが ことこ)…松たか子
真琴の姉。警察庁長官や政府高官とも繋がりのある本物の霊媒師。
見よう見まねで除霊行為を行う真琴を良く思っていない。

 

津田大吾(民俗学の研究家、大学の准教授)…青木崇高
高梨重明(秀樹の後輩)…仲野太賀
逢坂エツ子(霊媒師)…柴田理恵
田原の友人…奥野瑛太
美咲(秀樹の浮気相手)…手塚真央
田原澄江(秀樹の母)…石田えり
志津(秀樹の祖母)…ヨネヤマママコ
香奈の母…蜷川みほ
スーパー店長…伊集院光
パパ友…小澤慎一朗
お祓いの男…松本康太(レギュラー) ほか

 

あらすじ紹介

あらすじ①:田原秀樹の結婚と知紗の誕生

いつも明るく社交的な青年の田原秀樹(妻夫木聡)は、子どもの頃に同級生の女の子の失踪事件に遭遇します。
女の子は失踪する直前、秀樹に「お山に呼ばれた 連れていかれる」「秀樹もいつか連れていかれる あんたは嘘つきだから」と言いました。

秀樹はすくすくと成長して地元三重県の国公立大学を卒業し、東京の製菓メーカーに就職します。
その後、秀樹は営業先のスーパーに勤務していた香奈と恋愛結婚しました。

やがて香奈が妊娠すると、秀樹は大喜びで「2人で子育てしよう」と約束し、イクメンブログなるものを立ち上げて毎日欠かさず日記を更新したり、パパのための講習会などに参加するようになります。

約2年後。香奈と秀樹の娘の知紗は2歳になりました。
秀樹が続けているブログは家族への愛情や子育てへの情熱が感じられる素晴らしい内容でしたが、実際の秀樹の行動はブログの内容とはかけ離れたもので、家事・育児には一切協力せず、ただ香奈に育児本から得たウンチクを言い聞かせるだけでした。

ある夜、知紗が秀樹に「さっき何かが来た。知紗をお山に連れてくって」と言うので、秀樹は戦慄します。
翌日の夜、秀樹が帰宅すると家の中がひどく荒れていました。
秀樹が呆然としていると、固定電話に明らかに人間ではない何かから電話があり、それは秀樹と香奈と知紗の名前を呼び「お山へ行こう」と誘いました。
危険を感じた秀樹は民俗学に詳しい大学准教授の友人 津田大吾(青木崇高)に助けを求めます。

秀樹は津田の紹介でフリーライターの野崎和浩(岡田准一)を紹介してもらうと、野崎は秀樹をお祓いができるキャバ嬢の比嘉真琴(小松菜奈)に会わせてくれました。
真琴が霊視したところ、秀樹を襲った『あれ』は基本は遠くに居て、時々街に出てきては連れ去りたい人間を探しているらしく、今『あれ』は秀樹を狙っているということでした。

真琴は秀樹に「家族にもっと優しくすれば『あれ』は来なくなる」とアドバイスすると、秀樹は怒って帰ってしまいました。
秀樹が怒りを静めてから帰宅すると、自宅に野崎と真琴が来ていました。
秀樹は嫌がりますが、香奈と知紗が2人を歓迎して笑う姿を見ると何となく任せてみる気になりました。

 

あらすじ②:狙われた秀樹

翌日、真琴と野崎が田原家にいる時に『あれ』が現れました。
真琴が霊力を駆使して『あれ』を追い払った直後、真琴の姉の琴子(松たか子)から秀樹に電話が入ります。

琴子は「『あれ』は凶悪でとても執念深く真琴では払えないので、知り合いの霊能力者を紹介するから相談してみてほしい。真琴が下手に追い払ったため『あれ』は怒ってしまった」と秀樹に告げました。

秀樹は野埼と一緒に琴子の知り合いの霊能力者 逢坂セツ子(柴田理恵)に会いました。
セツ子と落ち合った直後、秀樹の携帯に「あれ」から電話がかかってきました。
セツ子が「電話に出てください。何を言われても答えなければ大丈夫」と言われて秀樹は電話に出ますが、うっかり答えてしまい「あれ」に居場所を特定されてしまいました。
その直後、セツ子は「あれ」に襲われて右腕をちぎられてしまう大惨事になります。

セツ子が「ご家族が危ない」と言うので、秀樹は香奈に電話して「自宅から離れろ」と命じてからタクシーに乗りました。
どこに行けば良いか迷っていると、秀樹の携帯に琴子から電話がかかってきます。
琴子に「『あれ』を退治するために田原さんの自宅に誘い出してほしい。協力してください」と言われ、秀樹は言われるままに自宅に戻り『あれ』を呼び寄せる準備をしました。

準備が整った直後、秀樹は「あれ」に騙されていたことがわかり、襲われて死んでしまいました。




解説・考察・感想など

電話の琴子はどっちが本物だった?

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©️2018映画「来る」製作委員会

逢坂セツ子が腕をもぎ取られた後、秀樹のスマホに琴子から電話がかかってきました。
秀樹は琴子に言われるまま1人で自宅に戻り、床に水を入れたお椀を並べ、刃物を全て隠し、鏡を全て割りますが、その直後、固定電話にも琴子から電話がかかってきます。
秀樹は混乱し、どっちが本物の琴子だったのかわからないまま「あれ」に殺されてしまいました。

秀樹がスマホで喋っていたのは最初から「あれ」でした。
「あれ」は琴子に成りすまし、秀樹を罠にはめたのです。
のちに本物の琴子が「魔物は刃物と鏡を恐れる」と言い、儀式にも鏡を使用していた点や、固定電話に本物の琴子から電話がかかってきた直後にスマホの琴子の声がおかしくなることからわかります。

秀樹は「あれ」に騙されて、「あれ」の嫌いな刃物と鏡を片付けさせられていたのです。

 

津田大吾(青木崇高)はなぜ魔導符を置いた?

津田は香奈と不倫していたり、秀樹の仏壇に魔導符を置いていたことから呪われていたことが発覚します。
津田が魔導符を置いたのは「あれ」に操られてやったことです。
「あれ」は秀樹の次は知紗を狙っていたので、香奈の部屋に行きやすくするために津田を利用したのです。

いつ津田が呪われたのか映画では明確にわかりませんが、原作小説では津田が「あれ」に呪われたのは秀樹が津田に居酒屋で相談した時になっています。

 

この世とあの世の境界が曖昧になったのはなぜ?

最初に真琴が「あれ」を追い払った直後、琴子は秀樹に「他の案件で忙しいから行けない」と言っていましたが、秀樹が死んだ後、「あれ」が千紗を狙っていることがわかった頃に真琴の前に現れました。

琴子が多忙な中でも真琴と野崎に会いに来たのは、あの世とこの世の境界が曖昧になり、「あれ」の本格的なお祓いが必要になったからです。
あの世とこの世の境界が曖昧になってしまったのは、秀樹の死後、千紗が寂しさのあまり「あれ」と遊ぶようになり、生のパワーを得た「あれ」の力が増大したからです。

 

琴子は真琴に何を言いかけた?

1人で「あれ」のお祓いを続行しようとする琴子に、真琴は心配からそばに居ようとしますが、琴子は「これ以上わたしに…」まで言って続きは口にせず、そのまま真琴を部屋から出て行かせました。
この時、琴子は恐らく「これ以上私に大切な人を失わせないで」という類のことを言いかけたのだと思います。

琴子が野崎に「私とあなたは似ている。友人も家族も作らないのは、失うことを誰よりも恐れているから」と語ります。
これは琴子の自己紹介的な発言で、彼女は一見冷徹で人間嫌いのようにすら見えますが、実は人一倍大切な人を失って傷つくことを恐れているのです。

次のページに続きます!

2ページ目はラスト考察、「あれ」の正体などです。




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