映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』の保管箱のクマのぬいぐるみや、恩田すみれの死亡説、ビール大量誤発注事件などの気になる描写から、
本作が「期待外れ」「つまらない」と言われる理由についても、気になったポイントもまとめました。
解説、考察、感想など
保管箱のくまのぬいぐるみ
冒頭に鳥飼が誘拐事件に使われた拳銃を箱に保管するとき、箱の中にクマのぬいぐるみが入っていました。
最初に見たときは日向真奈美のぬいぐるみかと思い「?!」となりましたが、あのぬいぐるみはおそらくひろみちゃんのものだと思われます。
ひろみちゃんのぬいぐるみと日向真奈美のぬいぐるみが似ていたのは、恐らく鳥飼の犯行は、姪であるひろみちゃんの死と、前作『ヤツらを解放せよ!』で鳥飼が日向真奈美と接触して影響を受けたことにより発生した事件ということを暗示するために、あえてよく似たモチーフを使用していたと思われます。
すみれの死亡説について
すみれは映画2(レインボーブリッジを封鎖せよ!)で撃たれた肩に後遺症が出てしまい、警察を辞めて実家のある九州に帰る決意をします。
ちなみに病名は「左胸部神経障害性疼痛」です。
すみれは辞職して九州行きのバスに乗りますが、テレビニュースで青島が辞職勧告されたことを知ると、乗っていたバスをジャック(?)して青島のいるバナナ工場に駆け付けました。
工場にバスが突っ込むシーンは、青島たちが死んでもおかしくない危険運転をすみれがやらかしている点が腑に落ちず気になりました。
このシーンで一番気になるのは、バスから出てきたすみれの体が透けていたことです。
さらに事故現場以降のシーンですみれが一切登場しなかったため、映画公開当時は「すみれさん死亡説」が浮上して話題になりました。
映画公開後のインタビューで、本広監督は「警官としてのすみれの死」を象徴するために「すみれの死を連想させる描写」を意図的・実験的に取り入れたと語っています。
現実的に考えるとすみれは警察手帳を持っていないし、警察ではないすみれがバスを乗っ取ると犯罪行為になってしまいます。
もし本当に駆けつけるなら、バスを降りてタクシーを使うと思います。
それに、もしすみれが死んでいたとしたら、みんなが悲しむシーンやお葬式のシーンが全くないのは不自然です。
なので、恐らくすみれはバス車内で青島と室井に関するニュースを見た後、助けに行きたかったが、警察をやめる意思は変わらないし、肩が痛くて現場でまともに動ける自信もないため、感情を押し殺してそのまま九州に帰った というのが真実だったのではないでしょうか。
そうなると、すみれがバスで駆け付けたこと自体が青島(と和久)の妄想だった可能性があります。
青島は、現場にすみれが来ないことで彼女の辞職を確信したのかもしれません。
ちなみに後作の『室井慎次 生き続ける者』で、恩田すみれは後遺症に苦しみながらも大分で家族と生活していると語られており、生きていることがわかって安心しました。
ビール大量誤発注事件
青島が王刑事(滝藤賢一)に捜査本部の捜査員が飲むお茶を注文しろと指示すると、王はビールを大量に注文してしまいました。
特別な理由がない限り、捜査費用でお酒を購入するのは違反行為にあたります。
これは王が指示を正しく理解していなかった(?)ことと、青島が注文内容や領収書をよく見もせずサインしたことが原因ですが、青島は自分の過失を隠蔽して真下署長に責任をなすりつけます。
部下に責任を擦り付けた警察トップと、上司に責任を擦り付けた青島たちという笑える隠ぺいと笑えない隠ぺいの対比みたいになっているのが面白いです。
本作が「期待外れ」「つまらない」といわれる理由
本作は、シリーズ完結編として大きな注目を集めた一方で、一部のファンや視聴者の間で「期待外れ」「つまらなかった」といった厳しい声も見られます。
その理由を個人的な目線も入れながら分析します。
1. シリアスで重いシーンが多かった
初期のシリーズが持っていた最大の魅力は、所轄と本庁のリアルな対立や、泥臭く働く刑事たちの日常の延長線上にある空気感でした。
しかし本作では、警察トップの陰謀や誘拐事件が次々に発生し、「湾岸署らしさ」が薄れてしまったという声が多く上がっています。
2. 恩田すみれ(深津絵里)の扱い
長年シリーズを支えてきた恩田すみれの最後の姿がファンの期待から大きく外れたことが、「がっかりした」と言われる最大の理由ではないでしょうか。
青島とすみれは恋人になり、いずれ結婚すると信じていたファンが大多数(私も)なので、この完結編では『青島とすみれが恋愛関係に発展する過程』が期待されていました。
しかし製作側はこの期待に寄り添わないどころか「すみれは青島を助けに来て死んだように見える(さらに事件解決後にすみれの不在を誰も気にかけていない)」という可哀そうな結末になっていたので、心理的なショックや不満を覚える視聴者が少なくなかったと思われます。
3. 犯人たちのその後、湾岸署のその後がほとんど描かれない
鳥飼、小池、久瀬が逮捕された後どうなったのか、
真下と勇気くんがはしゃぐ場面を見た小池が何を思ったのか、
新しい警察トップはどういう人間なのかなど、気になる細かい部分が描かれていない点が多く、モヤモヤが残ってしまったと感じる人が多く見られました。
主にこれらが賛否両論を呼ぶ大きな理由となっています。
まとめ
この記事では映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』の鳥飼と過去の誘拐事件につながるクマのぬいぐるみや、今でも議論になる恩田すみれの死亡説などについて書きました。
また、ビール大量誤発注事件のようなコミカルな場面も含め、本作には細かく見ると気になる描写がたくさんあります。
一方で、シリーズ完結編として期待が大きかったからこそ、「期待外れ」「つまらない」と感じた人がいたのも納得できる部分があります。
特にシリアスな展開の多さや、すみれの扱い、事件後の描写不足などは、賛否が分かれた大きな理由だと思います。
賛否両論ある作品ですが、細かなシーンまで振り返ってみると、また違った見方ができる作品なのではないでしょうか。
記事③に続きます。


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