映画「ゼロの焦点(2009)」ネタバレとちょっと解説 | 映画鑑賞中。

映画「ゼロの焦点(2009)」ネタバレとちょっと解説

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ミステリー

2009年版『ゼロの焦点』のあらすじ紹介、解説、考察をしています!

昭和32年。結婚して間もない禎子(広末涼子)の夫・鵜原憲一(西島秀俊)が出張先の金沢へ行ったまま行方不明になった。
禎子は憲一を探すため、金沢に向かう。

制作年:2009年
本編時間:131分
制作国:日本
監督:犬童一心
脚本:犬童一心、中園健司
原作:小説/松本清張『ゼロの焦点
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キャスト&キャラクター紹介


(引用:https://www.itsfun.com.tw

鵜原禎子(うはらていこ)…広末涼子
結婚して間もない鵜原憲一の妻。
行方不明になった鵜原を必死で探す。
外国語を勉強していたため英語が堪能。

 


(引用:http://blog.livedoor.jp

室田佐知子中谷美紀
憲一の会社の取引先の社長室田の妻。
禎子が室田の会社を訪ねた時に出会い、親しくなる。
女性の社会進出の支援活動家で、現在は日本で初めての女性市長候補・上条保子の支援に専念している。

 


(引用:https://movie.walkerplus.com

田沼久子木村多江
室田の会社の受付係。
禎子は彼女を初めて見た時から妙な違和感を抱いた。

 


(引用:http://ron405.blog105.fc2.com

鵜原憲一西島秀俊 
禎子の夫。
結婚式を挙げてからわずか1週間で行方不明になった。
寡黙で多くを語らないが、禎子を大切にしている様子だった。

 

室田儀作(佐知子の夫、憲一の得意先会社の社長)…鹿賀丈史
鵜原宗太郎(憲一の兄)…杉本哲太
宗太郎の妻…長野里美
鳴海享(なるみりょう、佐知子の弟)…崎本大海
本多良雄(憲一の会社の後輩)…野間口徹
金沢警察署の米田警部…モロ師岡
羽咋駐在の警察官…江藤漢斉
立川署の葉山警部補…小木茂光
山室刑事…本田大輔
上条保子(金沢市長候補)…黒田福美
大隈ハウスの女性…左時枝
鵜原憲一夫婦の仲人…小泉博
青木所長(憲一の上司)…本田博太郎
板根絹江(禎子の母)…市毛良枝 ほか

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※このページの情報は2022年5月時点のものです。最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。

あらすじ前半

禎子と鵜原憲一の馴れ初めと憲一の失踪

昭和32年8月。禎子(広末涼子)は、東京の広告会社に勤める鵜原憲一(西島秀俊)とのお見合い結婚が決まりました。

婚儀の1週間後の12月1日。
憲一は、禎子とお見合いする直前までの2年間は金沢支社に配属されていました。
この度、憲一の後輩の本多良雄(野間口徹)が金沢に配属になったので、憲一は引き継ぎのため、金沢に1週間出張することになりました。

憲一はお気に入りのキャラメルを禎子に渡して笑顔で別れましたが、この時が禎子が憲一を見た最後になります。

ゼロの焦点(2009) | シネドラおやつ/ほぼ毎日!!シネマか♡ドラマか♡おやつの♡感想文♡時々雑記
(駅のホームで憲一を見送る禎子 引用:https://ameblo.jp

憲一の帰宅予定日の12月8日(日)。
自宅に憲一の荷物は届いたものの、本人が帰ってきません。
不安になった禎子は会社に問い合わせますが、詳しいことはわかりませんでした。

翌日。憲一はまだ戻りません。
禎子が憲一の荷物を片付けていた時、辞書から写真が2枚飛び出しました。
1枚は古い和風の小さな一軒家、もう1枚は立派な洋風の屋敷の写真です。
禎子はどちらの家にも見覚えがありませんでした。

 

禎子、金沢に行く

 
(羽咋の海岸での禎子、本多、青木 引用:http://blog.livedoor.jp

その日の夜。禎子は憲一の兄・宗太郎(杉本哲太)を訪ねますが、宗太郎は「その内帰ってくるさ」と真剣に取り合ってくれないので、禎子はひとりで金沢に行くことにしました。

金沢は一面の雪景色で、駅には憲一の後輩の本多と金沢所所長の青木(本多博太郎)が迎えてくれました。

本多と青木はさっそく禎子に「今朝、羽咋はくいの海岸で30代半ば、茶色の背広を着た男性の死体があがった」と告げました。
憲一が着ていた服と年齢が一致するので、3人は死体を確かめるために羽咋の海岸に行きます。

車で海岸線を走っている途中、青木は「この辺一帯の海岸線は能登金剛のとこんごうと言う自殺の名所だ」と空気の読めない発言をしました。
海岸に着くと、禎子はすぐ死体を見せてもらいました。

遺体はひどく腐敗して判別が難しい状態でしたが、禎子は「憲一ではない」と判断しました。

 

鵜原憲一の謎

その後、禎子は憲一の金沢赴任時代の下宿先に行きたいと言いますが、本多と青木は「鵜原はそこに入居してから半年程で退去している」と答えました。

赴任は2年間だったので、1年半は別の場所に住んでいたことになりますが、禎子は他の下宿先は知らされておらず、本多と青木も鵜原がどこに住んでいたか知りませんでした。

翌朝。宗太郎から「今出張で京都にいるので、仕事が終わり次第そちらに行く」と連絡を受けました。

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室田儀作社長に会う

その後、本多が「鵜原が懇意にしていた得意先『室田耐火煉瓦株式会社』の室田儀作社長に話を聞いてはどうか」と提案してくれました。

青木とはここで別れて、禎子と本多は室田耐火煉瓦に向かいます。

室田はアクが強く営業に苦戦していましたが、憲一が室田社長と妻の佐知子にいたく気に入られて、今では得意先になっているそうです。
室田社長と佐知子とは約3年前に再婚したとも本多が教えてくれました。

禎子は会社に向かう途中、日本で初めての女性市長候補者上条保子(黒田福美)を見かけると、佐知子は上条の影の支援者だと本多は語りました。

会社に着いた禎子と本多は、受付の女性(木村多恵)に何とも言えない違和感を覚えました。
彼女が外国人客に話していた英語が『どこか変』だったのです。

禎子は本多と別れ、室田儀作社長(鹿賀丈史)と会いました。
室田は事情を聞くなり「男が突然消えると言ったら、大概は女だ」と笑い、禎子を傷付けます。
この時、禎子は室田の妻佐知子(中谷美紀)と明日改めてふたりで会う約束をしました。

 

室田佐知子と憲一の不倫疑惑

室田の会社から出ようとした時、室田は禎子に「鵜原は佐知子のお気に入りだった」と真顔で囁きました。
佐知子は美しく魅力的なので、禎子は2人がただならぬ関係なのではと不安にかられました。

その後、禎子は宿泊先のすぐ近くでタクシーに乗り込んだ宗太郎を見かけます。
宗太郎が来るのは明日だと聞いていたので不思議に思いましたが、何か用事があるのかもしれないと思い、追いかけませんでした。

 

憲一と室田佐知子の不倫疑惑


(室田邸を見る禎子 引用:https://eiga.com

佐知子と会う日。
禎子は佐知子を室田邸に招待してくれました。
この室田邸が、憲一の辞書に挟まっていた写真の豪華な洋風のお屋敷でした。

屋敷に入ると、佐知子は「鵜原さんとは6日の夜にここで夫と3人で食事をしたが、それ以降は知らない」と言いました。
※憲一の帰宅予定日は7日。

禎子が思い切って佐知子と憲一の関係を問い詰めてみると、佐知子は笑って否定しました。
禎子は佐知子が嘘を付いているようには見えなかったので、不倫疑惑は消えました。

 

憲一の前職

その日の夜。禎子の母親が鵜原の親戚に聞きまわって仕入れた情報を教えてくれました。
憲一の前職は警察の巡査で、以前は立川署に勤めていたらしいです。
禎子も母も、憲一が警察官だったことは知らされていませんでした。

12月16日(月)の昼間。宗太郎が禎子の宿泊先を訪れました。
宗太郎が「さっき金沢に着いたとこです」と嘘を言うので、禎子は宗太郎が何か隠していると確信します。(禎子は昨晩に宗太郎を目撃しています)

禎子が憲一の前職の話を出すと、憲一は終戦後すぐ警察官になったものの、1年足らずで辞めてしまったと宗太郎は明かしました。
宗太郎は「憲一は私が必ず探し出します!」と宣言して禎子と別れました。

 

宗太郎の死

その日の夜。宗太郎が、石川県の鶴来にある茶屋で毒殺されました。
宗太郎は人と会う約束をしていたようです。
店の仲居が、宗太郎がいた個室から『赤いコートにサングラスをかけ、頭にネッカチーフを巻いた女』が逃げるのを見たと証言しました。

さらに、米田警部(モロ師岡)の調べによると、宗太郎は『京都出張』と言っていましたが、実際は会社に3日前から休暇願を出して個人的に金沢に来ていたことも判明します。
しかし、宗太郎が誰に会おうとしていたのかはわかりません。

その後、宗太郎の訃報を受けた本多が駆けつけてくれて、さらに、上条保子のボディガードを警察に頼みに来ていた佐知子と偶然再会しました。

警察署から出た後、禎子は佐知子と本多に「今回のことで、私は憲一さんを何も知らなかったと実感しました。
もし最悪の結果だとしても、早く真実を知りたいと思う自分がいる。私はひどい人間です」と打ち明けました。
佐知子は禎子の手を握り「そう思うのも当然よ」と慰めました。

翌日。禎子は宗太郎の葬儀のために一旦、東京に戻ることにしました。
駅には本多が見送りに来てくれています。

禎子は列車に乗った時、受付の女性に抱いた違和感の原因がわかりました。
受付女性が話していた英語は、まるでパンパン(アメリカ軍人相手に売春する女性)が使うような現地のスラングでした。
禎子が本多に伝えると、本多は受付の女性を調べておくと約束してくれました。

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あらすじ後半

受付女性の素性

宗太郎の葬儀が終わった頃、本多から電話で報告がありました。
受付女性は田沼久子という名前で、宗太郎が殺された16日から会社を休んでいるそうです。

先日、田沼の夫は能登金剛から身投げして亡くなりました。
未亡人になった彼女を不憫に思った室田氏が、受付として彼女を雇ったばかりだそうです。
亡くなった田沼の夫と室田氏がどんな関係だったかまでは、社内の人間は誰も知らないといいます。

社内では、『田沼久子は室田の新しい愛人ではないか』という噂もあり、それは佐知子と室田の馴れ初めにも関係ありました。

室田と佐知子は、室田の前妻が亡くなる前から関係があった元愛人でした。

本多は「このあと田沼久子と会う予定です」と告げて電話を切りました。

憲一の後輩 本多の死

翌日。田沼久子の自宅で本多が包丁で刺されて遺体で発見されました。

禎子と青木所長は本多の本人確認のため警察に呼ばれます。
警察は『宗太郎と本多殺しの犯人は田沼久子で間違いない』とみて、彼女を指名手配しました。

本多が殺された夜、中学生が近所のバス停で『赤いコートにネッカチーフの女を見た』と証言もあったからです。
宗太郎が殺された時も同じ服装の女が目撃されています。

 

容疑者の田沼久子と夫の曽根益三郎

田沼に親族はおらず、彼女と内縁関係だった夫の曽根益三郎(36歳)は、8日に海から遺体が上がったそうです。
禎子は『曽根益三郎』と憲一が同じ年齢で、帰宅予定日と遺体発見日が一緒だったので嫌な予感がしました。

禎子は警察署から出たその足で田沼の自宅近くに行き、近所住民に田沼久子と曽根益三郎の話を聞いて回りました。

田沼は戦後からここに住んでいて、彼女が田舎には似合わない派手な服装だったので目立っていたといいます。

曽根益三郎は仕事関係なのか金沢と東京を行ったり来たりしていたと近所住民は語りました。

田沼の家は、憲一が持っていた2枚目の写真の家でした。
家の中に物は少なく、居間に遺骨と線香がぽつんと置かれていました。
床には憲一のお気に入りのキャラメルの箱が落ちています。
禎子はそれを見て、憲一は金沢で『曽根益三郎』として田沼久子と暮らしていたと確信しました。

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益三郎の遺書

禎子は警察署に戻って、米田警部に「益三郎と憲一は同一人物で、別れを切り出された田沼が憲一を崖から突き落としたに違いない」と訴えました。

米田警部は困った顔をして、禎子に一枚の手紙を見せました。
それは田沼の自宅で見つかった憲一(益三郎)の遺書でした。
遺書には『久子へ 色々と思うところがあって、生きていくのが辛くなった。
詳しい事情はお前に知らせたくない。
ただ僕は、この※煩悶を抱いて永遠に消えることにする。
これまでありがとう。 益三郎
』と書かれていました。
※煩悶:悩み苦しむこと
米田警部はこの遺書と、会社にあった憲一の書類とを筆跡鑑定にかけて、同一人物の筆跡だと結果が出ていることも告げました。

憲一の自殺が納得できなかった禎子は佐知子に会いに行きました。
禎子は佐知子に、「憲一が自殺するとは思えない。田沼久子には遺書があったのに、私には何も無い理由もわからないし、もし私がどうでも良かったのなら、憲一が許せない」と訴えました。

佐知子は優しく禎子を抱きしめて「あなたは頑張った。後のことは警察に任せて、東京に戻ってしばらく休んだ方がいい」と慰めました。

 

憲一の前の職場

その後、東京に戻った禎子は、憲一が勤めていた立川警察署に行き、憲一と同僚だった交通課の葉山警部補(小木茂光)に話を聞きました。

葉山と憲一は日本がアメリカ占領下にあった当時の『風紀係』でした。
葉山と憲一はアメリカ軍人目当てに集まったパンパンの狩り込み(捕まえて指定の施設に収容すること)を行っていたそうです。
風紀の乱れを嫌った米軍が『風紀係』に狩り込みを命じていました。

アメリカ軍人は刈り込みで捕まえた女性を殴ることもありましたが、日本警察は文句が言える立場ではありません。
「そんなあり方を鵜原は悩んでいたようだった」と葉山は語りました。

禎子は葉山に田沼久子の顔写真を見せて、この女性を見た記憶はあるかと尋ねました。
すると葉山は「この女性に見覚えは無いが、おとといも同じ事で訪ねてきた男がいた」と答えて室田儀作社長の名刺を出しました。
さらに葉山は、中神にこの種の女性が集まる『大隈ハウス』という下宿があると教えてくれました。

大隈ハウス

大隈ハウスに足を運んだ禎子は、管理人らしき初老の女性(左時枝)に田沼久子のことを聞くと、老婆は「またか」という反応で話してくれました。
田沼は『エミー』という名前でパンパンをしていたそうです。
管理人は「おととい来た男(室田社長)にも見せたから」と言い、田沼が写っているという当時の写真を見せてくれました。

そこには十数人の華やかな女性達が写っていて、その中に田沼久子と室田佐知子の姿がありました。
管理人は、室田佐知子が『マリー』という名前で働いていたことや、マリーは空襲で両親をなくし、肺病を患っている弟のためにパンパンを始めたこと、大隈ハウスからいなくなる前は将校の※オンリーをしていたと語りました。
※オンリー:特定の人物しか相手にしないこと。
田沼久子と室田佐知子は、ほぼ同時に大隈ハウスから出ていったそうです。

室田は佐知子の過去を調べていたようです。
田沼と佐知子が繋がっていたことを知り、禎子は血相を変えて金沢行きの列車に飛び乗りました。

結末と考察は次のページです!

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