『ナイトメア・アリー』解説考察③夫婦の自殺とスタンの関係、クレムはどうなった? | 映画の解説考察ブログ

『ナイトメア・アリー』解説考察③夫婦の自殺とスタンの関係、クレムはどうなった?

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サスペンス

映画『ナイトメア・アリー』で自殺したキンボール夫妻、クレムがどうなったのかなどについて考察しています。

鑑賞済みの方向けの考察記事です。
未鑑賞の方はご注意ください(__)

 

『ナイトメア・アリー』概要紹介

ナイトメア・アリー

原題:NIGHTMARE ALLEY
制作年:2022年
本編時間:150分
制作国:アメリカ
監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:キム・モーガン、ギレルモ・デル・トロ
原作小説:『ナイトメア・アリー 悪夢小路』ウィリアム・リンゼイ・グリシャム著

あらすじ紹介

死体ごと家を焼き払って旅に出た怪しい男スタントン・”スタン”・カーライルは、行く当てもなくバスに乗り、とある移動式カーニバルにたどり着きました。

スタンはカーニバルで座長のクレムに「金が無いならここで働かないか」と誘われて、しばらくカーニバルに住み込みで働くことになりました。
スタンは千里眼の出し物をするジーナピート夫妻の手伝いをすることになり、読心術を使いこなすピートに弟子入りします。

そのうち、スタンはピートが誰にも教えず封印しようとしている禁断の技術があることを知ります。
ピートが禁断の技術を教えてくれないことに逆上したスタンは、衝動的にピートがお酒と間違えてメチルアルコールを飲むように仕向けた結果、ピートは死んでしまいました。
その後、スタンは読心術の全てが書かれたピートのネタ帳を形見として手に入れました。

その後、ピートは必死で読心術を磨き、カーニバルで出会った恋人モリーと一緒に独立してニューヨークに拠点を移し、千里眼ショーで活躍してぐんぐん知名度を上げていきます。
スタンは知名度が上がるにつれて傲慢になり、妻でありショーのアシスタントをしてくれるモリーにも支配的になります。

そんな中、スタンは著名な心理学者リリス・リッターと愛人のキンボール判事と知り合いました。
キンボール判事に個人的なセッションを頼まれたスタンは、報酬目当てで霊媒師まがいの降霊セッションを思いつきます。

スタンはキンボール判事の個人情報を探るためにリリスの職場に押しかけて「インチキ降霊セッションに協力してほしい。儲けた金は山分けにしよう」と持ち掛けました。
リリスはスタンの突然の申し出に驚くこともなく「いいわよ」と答えました。

 

主要キャスト紹介

スタントン・”スタン”・カーライルブラッドリー・クーパー
ショービジネスでの成功を夢見る男。
リリス・リッターと手を組んでインチキビジネスに手を染める。

リリス・リッター…ケイト・ブランシェット
著名な心理カウンセラー。
資産家や政治家など街の権力者のカウンセリングをメインに行っている。

エズラ・グリンドルリチャード・ジェンキンス
NYで一番の富豪と呼ばれる男。
スタンの噂を聞きつけて個人セッションを依頼する。

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※このページの情報は2022年6月時点のものです。最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。




解説・考察

キンボール判事夫婦は何故心中したのか

スタンが謝礼金目的で個人セッションをしたキンボール夫人は、セッションから数日後に夫を道連れに無理心中してしまいました。

キンボール夫人はスタンのセッションに感動していましたが、スタンの言葉を盲信してあの世に希望を見出してしまったのです。

普通であれば『輪廻転生して生まれ変わった息子の魂と、親子としてではないかもしれないが別の形で再会できる』などと受け取ると思います。
しかし夫人はスタンのセッションで幽霊の存在を信じ込んでしまい、スタンは「すぐ近くにいる」と言っていたのに、夫人には霊感が無いため接触できないことをもどかしく思い、最終的に「自分達も幽霊になれば息子に会える」と盲目的に考えてしまったのでしょう。

スタンは霊能者のフリをする理由を「彼らを悲しみや苦悩から救いたかった」と話していましたが、本来なら夫人が息子の死を克服するように導くべきところを完全に失敗して、彼女があの世に希望を持つように仕向けてしまったのです。

 

クレムはどうなった?

ナイトメア・アリー
©2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

ラスト、カーニバル一座にスタンの顔見知りはおらず、新オーナーをかたる男が「前の座長から全て譲り受けた」と言っていました。
それ以外にクレムや他のメンバーが消えてしまった理由は詳しく語られませんでした。

個人的には、新オーナーの男はクレムに弟子入りしてギークの作り方や見世物商売の運営方法について一通り学んだ後、関係者を追い出すか殺すかして一座を乗っ取ったのではないか?(スタンがピートにしたのと同じことをした)とも思いましたが、クレムはいつ警察に追われてもおかしくない訳アリ人物だったので、単純に捜査の手がカーニバルに及んで逃げてしまっただけなのかもしれません。

ただ、クレムが崇拝に近い位大切にしていたエノクが残っていた点を考えると、やはりクレムは何かがあって死んでしまい、受け継いだ新オーナーが他のコレクションは処分してエノクだけ残したと考えた方がしっくりきます。

原作小説には答えが書かれているかもしれないので、機会があれば読んでみます!

 

その他わからなかった疑問

考えてもよくわからなかった疑問があるので残しておきます。
それは、ジーナがスタンを性的に癒したことと、それをピートが黙認するかのような態度だったことです。

ジーナが性的好奇心からスタンに手を出した、というだけの話ならまだ分からなくも無いですが、ピートは家から出て行く前に意味深に目配せして、まるでジーナがこれからスタンにすることを理解しているかのような雰囲気を出していました。

最初はピートの飲酒をジーナは黙認し、ジーナの男遊びをピートは黙認するような関係性なのかなとも思いましたが、そもそもピートの禁酒は夫婦間の約束だったので筋が通りませんよね。。
もしかしたら私が解釈間違いしてるのかもしれません。

以上です!読んでいただきありがとうございました。
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