『インターステラー』解説・考察|基本設定のおさらい、主要キャラの行動理由や事情など考えました | 映画の解説考察ブログ - Part 3

『インターステラー』解説・考察|基本設定のおさらい、主要キャラの行動理由や事情など考えました

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SF

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マンはなぜクーパーを殺そうとしたのか

インターステラー
(引用:https://co.pinterest.com

マンがクーパーを排除しようとしたのは、クーパーが地球に戻ろうとしていたからです。

マンの目的は地球に帰ることではなく、居住可能な他の星(あの時点で一番可能性が高かったエドマンズの星)に行くことでした。
その後具体的にどうするつもりだったのかはわかりませんが、とりあえず受精卵を持ってエドマンズの星に行き、またそこから地球に情報送信して応援を呼ぼうとしていたのではないでしょうか。(マンは子どもを産むことは出来ないので、アメリアを捨てたらまた地球から呼び寄せるしかない)

「私は人類のために目的を果たす」と何度も言うのは、クーパー達に対する裏切り行為を自分自身の中で正当化するためです。

 

クーパーの役目と本棚の裏

インターステラー

© Warner Bros. Entertainment Inc.

クーパーが本棚の裏で何を知って何をしたのか整理します。

クーパーが居た無数の本棚の裏側は、未来人『彼ら』がクーパーの役目のために用意した、マーフの部屋に繋がる5次元の世界でした。

前提として、プランAの実現にはガルガンチュアの中にある特異点の情報が必要でした。

ロミリー教授が「TARSにパルス信号装置を付けて、ガルガンチュアの中に行ってもらって情報送信させよう」みたいな会話がありました。

しかし、クーパーとTARSがガルガンチュアの中で再会した時、TARSは「どの信号でも送信出来ない」と言います。
マン博士の事件でパルス信号装置を付ける余裕が無かったか、パルス信号を使っても送信出来なかったかのどちらかです。

そこでクーパーの出番です。
クーパーはTARSに特異点情報を暗号に変えてもらい、重力を利用してマーフに情報送信しました。




クーパーは何故助かった?

5次元本棚が閉じた後、クーパーはワームホールを通って土星の近くに戻りました。
その後、気を失っていた所を偶然発見・救助されて土星に建設された宇宙ステーションにある病院で目覚めました。

このラストについてはネット上では意見が分かれていて、1つは『映画の内容そのままクーパーは助かった』という意見、もう1つは『本当はクーパーはワームホールから出た後は死亡していて、その後の出来事は全て夢』という意見です。

個人的に最後は救われる展開が好きなので1つ目の全て本当説を信じたいところですが、2つ目の死亡説も全否定はできないです。

死亡説が否定できない理由は、クーパーがワームホールの中で、別の銀河に向かっている途中の過去のクーパー達に遭遇しているからです。
その後ワームホールから出たのなら、クーパーが宇宙に放り出された時間軸は『探索に行く前』になるので、そこで偶然発見された というのはあまり現実的ではない気がします。

ただ、まだ1つ目の説の可能性を高める有力な点として『彼ら』の存在があります。
もしクーパーにまだ役目が残っていたとしたら、5次元の世界を操る『彼ら』ならクーパーを助けることは可能ではないでしょうか。

クーパーにまだ役目があるとしたら、それはアメリアと受精卵の救助しか考えられません。
救助に行くということは、エドマンズの星は居住可能ではなかったのか?など新たな疑問が出てきますが、そちらについては後述します。

 

エドマンズの星と死因

インターステラー

© Warner Bros. Entertainment Inc.

アメリアは無事にエドマンズの星に到着して、地上でヘルメットを取っています。
そこの大気が地球に似ていて、ヘルメットを取っても平気なほどに酸素は存在しることを意味します。

また、エドマンズのお墓らしきものが映ったので、彼は生存に失敗したことも示されています。
なぜ死んでしまったのか理由は明かされないので推測するしかないですが、「冬眠カプセルで10年以上は延命できる」という設定からすると、アメリアはミラー博士の星で地球時間の23年程費やし、エドマンズの星に最短距離で行くためにガルガンチュアを通ってさらに50年程経過してしまったので、単純に考えるとエドマンズの延命可能な時間を大幅にオーバーしていたことが原因でしょう。
その他は特に怪しい描写(事故の示唆など)は無かったと思うので、恐らく延命期間の限界を超えたためだと推測しています。

もしもエドマンズの星がミラーの星のように時間の速さが遅ければ大丈夫だったかもしれませんが、地球と似たような時間の速度だったか、もしくは早かったのかどちらかなのでしょう。

また、クーパーがスペースコロニーで救助された時、新しく住む星がまだ見つかっていなかった(確定していなかった)点や、マーフが「アメリアを助けてあげて」という発言から、エドマンズの星は『有望』ではあったものの、その他の観点から(気候や有機物の有無など)居住不可能だった可能性が高いです。

 

クーパーはなぜ1人でアメリアを助けに行った?

クーパーがアメリアを助けに行く1番の理由は彼女の救助、2番目の理由は受精卵の保護のためです。

なぜ『救助』なのかは、恐らくエドマンズの星が住める星ではなかったからなのでしょう。
もし住める星だったとしたら、アメリアが科学者に居住可能と情報送信して移住計画が進んでいたはずだからです。

クーパーが独断でアメリアを助けに行った理由は、住めない星にあたって燃料が尽きてしまった隊員は、そこで諦めて死ぬしかないとNASAは事前に告知しているからです。
それがラザロ計画のルールの1つでもありました。

なのでクーパーはあくまでも個人的に(愛ゆえに)彼女を助けに行くのであって、他人を犠牲にはできません。

そういえばよく考えたら受精卵も、プランAが実現した今となっては不要になってしまったので、やはりアメリアを助けに行くには私情を挟まない限りする必要の無いことになります。

もしも『彼ら』が意図してクーパーを生かし、アメリアを助けに行かせたのなら、エドマンズの星は工夫次第で住める星になるかもしれず、その『工夫』を発見するのはクーパーなのかもしれません。

 

『TENET テネット』との関連について

インターステラー
(引用:https://www.trtworld.com

本作とテネット(2020)は物語に共通点があるなーと思いました。

本作の未来人は人類を助けようとしてくれましたが、反対にテネットの未来人は人類の敵のような存在で、地球の時間を巻き戻そうとしていました。

もしも『インターステラー』と『テネット』が同じ世界だとしたら、テネットに登場する未来人は、インターステラーで地球から移住した人々から置き去りにされて地球に残されてしまった人々(反社会的組織など)だったのかもしれないなと勝手に想像しています。

以上です!読んで頂きありがとうございました。
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