『TENET テネット』解説・考察|時系列整理、逆光と背景の整理、主要キャラの正体と謎、名も無き男のその後など | 映画の解説考察ブログ

『TENET テネット』解説・考察|時系列整理、逆光と背景の整理、主要キャラの正体と謎、名も無き男のその後など

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SF

映画『TENET テネット』の解説、考察をしています!

本作を観て難解さに震えて脳みそこねくり回しながら3回鑑賞しました。
この記事では、主要キャラの行動理由や目的、彼らの主義、名も無き男のその後などについて追及します!

この記事は本作を鑑賞済みの方向けの解説記事です。
未だ観ていない方はネタバレにご注意ください。

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作品概要

TENET
原題:TENET
制作年:2020年
本編時間:150分
制作国:アメリカ、イギリス
監督・脚本:クリストファー・ノーラン

 

主なキャスト

主人公(名も無き男)ジョン・デヴィッド・ワシントン
本作の主人公で世界を救うCIA諜報員。TENET作戦にスカウトされる。

ニールロバート・パティンソン
主人公の相棒。開錠の天才。

アンドレイ・セイターケネス・ブラナー
TENET作戦を阻止しようとする男。表の顔は英国情報部員、裏の顔は武器商人。

プリヤディンプル・キャパディア
主人公にTENET作戦の詳細やセイターの存在を教えたインド人武器商人。
セイターは商売敵。

キャサリン・バートンエリザベス・デビッキ
セイターの妻。息子を奪われてセイターを恨んでいる。

 

まずは逆行の仕組みをおさらい

本作の流れを理解するうえで重要になる『逆行現象』の仕組みについておさらいします。

逆行現象とエントロピー

逆行現象は未来から来ている全ての人物と物体に起こります。
そのため、未来から来た人物の行動は結果から現れます。

逆行現象について、バーバラ博士は「エントロピーが減少する」と説明していました。
エントロピーは科学や物理に登場する用語で、大雑把に言うと『不可逆性』で、『元の状態に戻らないこと』を意味します。
例えばコップからこぼれた水を元に戻すことが出来ないのも、人間や動物が若返らないことも『時間の不可逆性』によるものです。

逆行中に炎が氷に変わる現象は、逆行現象が単なる時間の逆戻りではなく、未来でエントロピーについての研究が進んだ結果、時間の逆行に成功したことを意味しています。

 

回転ドア

回転ドアも未来の研究者が開発したものです。
回転ドアを通過することで、通過した人や物体が逆行し、回転ドアをもう一度通過すると前向きに戻れます。

重要なのは、回転ドアはタイムスリップ装置ではないという点です。
回転ドアを通過した瞬間から逆行が始まりますが、例えば1時間前まで戻りたかったら1時間逆行し続けないといけません。

この辺がリアリティのある設定のように感じます。




逆行中の外出は酸素ボンベが必要

逆行中に外に出る際は酸素ボンベが必須で、ガスマスクを着けているかどうかが逆行中かどうかを判断する材料にもなります。
241を奪う時に現れたセイターが突然ガスマスクを着けていたので、体調崩したのか?と不思議に思っていましたが、逆行していたからだったんですね。

 

大まかな話の流れ解説など

主人公目線の分岐点と出来事を表にまとめました。
かなりおおざっぱですが、左上から大体こんな感じだと思います。
縦2列目と4列目の赤文字が逆行して起きた出来事です。
横列が大体同じタイミングで起きた出来事です。

映画冒頭のオペラハウス襲撃と、ラストのスタルスク12の爆発(主人公のアルゴリズム奪還)は、同時刻に起きたことになります。

スタート:オペラハウス襲撃
スタルスク12爆発
ベトナム旅行
    ラスト:セイター殺害
アルゴリズム奪還
ニールとの別れ
   
オスロ美術品金庫 過去主人公とバトル →
通常に戻る
プリヤに相談 アルゴリズム奪還計画に加わる → ↑逆行
   
カーチェイス
キャットの負傷 →
↑241奪われる
キャット治療のため逆行
   

 

オペラハウスから船で目覚めるまで

オペラハウスのテロ自体が主人公とその他候補者の実力を試すテストでしたが、その流れを整理してみます。

オペラハウスのテロから船に乗るまでの流れ

主人公はとある犯罪組織に捕まって仕事を命じられます。
それは犯罪組織がオペラハウスにテロを仕掛け、駆け付けた警察の部隊に紛れてベージュスーツの男を捕まえることでした。

しかし主人公が犯罪組織に捕まったのはわざとで、本当の任務ベージュスーツの男(仲間エージェント)を逃がして犯罪組織には替え玉を渡し、後にアルゴリズム241だとわかる四角いあれを確保することです。

男も241も保護した後は指定の合流場所に行く予定でしたが、オペラハウスには爆弾がしかけられていることがわかり、主人公は観客を見殺しにできず危険を冒して爆弾を処理します。

主人公はテロ部隊の1人に怪しまれて襲われた時に『逆行する兵士と銃』を初めて目撃し、その兵士に助けられました。
逆行する兵士は赤い紐とコインのチャームを付けたリュックを背負っていて、これが大きな伏線の1つになります。

主人公はベージュスーツ男の替え玉をテロ組織に渡しましたがすぐバレてしまい、捕まって線路で尋問&拷問を受けました。

主人公は隙を見てCIAから支給されている自殺ピルを飲んで自殺を図りますが、それは毒ではなく強力な睡眠薬(または鎮静剤)でした。
船の上で目覚めた主人公は、上司らしき男フェイから「君だけがテストに合格した」と告げられ、「TENET」という謎の作戦への参加を命じられます。

主人公が拷問された口の中が綺麗に直ったのは、恐らく主人公は眠っている間に逆行させられていたからだと思われます。

 

『黄昏に生きる』『宵に友なし』

序盤に度々登場した『黄昏に生きる』『宵に友なし』という合言葉は、主人公達CIAエージェントがお互いが仲間だと判断するために使っていた合言葉です。

ちなみに合言葉の元ネタはウォルト・ホイットマンの詩のようです。

セイターがこの合言葉を知っていたのは、セイター自身も英国情報部というイギリスのCIAに居たからなのでしょう。
自殺ピルまで持っていたのは疑問ですが、もしかしたらセイターも『テスト』を受けた1人だったのかもしれません。

次のページに続きます!

2ページ目はアルゴリズムの開発者が自殺した理由、アルゴリズムがプルトニウムと呼ばれた理由、主人公(名もなき男)の目的、プリヤを殺した理由、逆行カーチェイスをしたのはなぜ?などです。




感想などお気軽に(^^)

  1. 匿名 より:

    世界を滅ぼす逆行装置を発明した科学者を、原爆を発明したオッペンハイマーに例えただけで科学者=オッペンハイマーではないと思います

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