『プレステージ』ネタバレ解説考察|自殺の理由、ボーデンの正体など | 映画の解説考察ブログ

『プレステージ』ネタバレ解説考察|自殺の理由、ボーデンの正体など

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プレステージ SF

映画『プレステージ』の解説・考察をしています!
マジックの3つの心得、自殺を繰り返す理由、ボーデンの正体などについて考察しています!

この記事は鑑賞した方向けの記事です。
まだ観ていない方はネタバレにご注意ください(__)

プレステージ

原題:THE PRESTIGE
制作年:2006年
本編時間:130分
制作国:アメリカ
監督:クリストファー・ノーラン
脚本:クリストファー・ノーラン、ジョナサン・ノーラン

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※このページの情報は2023年2月時点のものです。最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。

主要キャスト紹介

アルフレッド・ボーデンクリスチャン・ベイル
『人間瞬間移動』で人気を博したマジシャン。

ロバート・アンジャーヒュー・ジャックマン
『新・人間瞬間移動』でボーデンに対抗するマジシャン。
妻の死に関してボーデンに個人的な恨みがある。

ジョン・カッターマイケル・ケイン
マジックの種を考えてマジシャンに新ネタを提供する元マジシャン。

オリヴィアスカーレット・ヨハンソン
アンジャーのマジックショーのアシスタントであり恋人。
アンジャーのスパイとしてボーデンのアシスタントになる。

 

サラ・ボーデン…レベッカ・ホール
テスラ…デヴィッド・ボウイ
アリー…アンディ・サーキス
ジェス・ボーデン…サマンサ・マフリン
ジュリア(死んだアンジャーの妻)…パイパー・ペラーボ
ミルトン(マジシャン)…ミッキー・ジェイ
オーエンズ(コールドロウ卿の代理人)…ロジャー・リーズ
ホテル受付…ロン・パーキンス ほか

 

あらすじ紹介

舞台は1890年代のロンドンです。
『人間瞬間移動』マジックで人気を博した天才マジシャンのアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベイル)が、ライバルの天才マジシャン ロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)をショーの最中に溺死させた罪で逮捕・起訴されました。

ボーデンは「水槽でアンジャーが溺れていたので助けようとした」と無罪を主張しますが、2人が以前から敵対関係にあったのは周知の事実だったため、周囲は信じずボーデンに死刑判決が下りました。

ボーデンとアンジャーは元々は仲良しで、マジシャン見習いだった頃は先輩マジシャンのアシスタントとして一緒に働いていましたが、アンジャーが死ぬまでのここ数年は仲が悪いことで有名でした。

2人の間に何があったのか、観客を魅了し、ボーデンとアンジャーが憑りつかれたマジックがどのようなものなのかが徐々に明かされていきます。




時系列整理

ノーラン監督作品に時系列が前後しているものが多いのは「繰り返し見てもらうための工夫」のようです。
この映画もその工夫がこらされている作品の1つで、時系列がバラバラなので頭の中で整理しながら鑑賞する必要があります。

ここでは簡単に時系列を整理します。

①ボーデンとアンジャーの見習い時代

1897年、ボーデンとアンジャーはミルトンというマジシャンのアシスタントとして働いています。
アンジャーの妻ジョイスもアシスタントの1人で、彼女は水槽脱出マジックを任されていました。

ボーデンとアンジャーはジョイスが脱出マジックする時に手と足に縄を縛る役目をしていました。
危険なマジックなので本物の観客に縛らせるわけにはいかず、ボーデンとアンジャーがほどきやすい結び方をしていたのです。
しかし、ある夜ボーデンがいつもと違うほどきにくい縛り方をしたのが原因で、ジョイスは縄をほどけず水槽の中で溺れ死んでしまいました。
この件が原因でボーデンとアンジャーの仲は険悪になります。

ショーの最中に死人が出てしまい、ミルトンもしばらくショーが出来ません。
ボーデンとアンジャーはミルトンから離れ、それぞれ活動を始めました。

 

②売れないマジシャン時代

やがてボーデンとアンジャーは1人前のマジシャンとしてショーを行いますが、特別注目されることはなく鳴かず飛ばずの状態が続きます。
そんな中、ボーデンは観客の女性サラと恋に落ちて結婚し、やがてサラは妊娠します。

家族が増え収入を増やす必要に迫られたボーデンは、危険なマジックとされる『銃弾掴み』をするようになります。
ボーデンが家庭を持ったことを知ったアンジャーは嫉妬と怒りに駆られ、変装してボーデンのショーを見に行くと、ボーデンがマジックで使う銃に銃弾を仕込んで発砲しました。
この事件でボーデンは左手の薬指と小指を失いました。

同じころ、マジシャン相手にマジックのネタ(アイディア)を売っている元マジシャンのジョン・カッター(マイケル・ケイン)は、ジョイスが死んだ脱出マジックの発案者だったためマジック界から干されていました。
それでもマジックから離れられないカッターは、妻の死から立ち直れず呑んだくれになっていたアンジャーに仕事を持ち掛けました。

カッターは新しいハトの瞬間移動マジックを考案し、新しい美人アシスタントのオリヴィア(スカーレット・ヨハンソン)も雇い、劇場を借りて『グレート・アントン』という芸名でショーを行います。
しかし、ショーにボーデンが現れてアンジャーのハトを観客の前で死なせてマジックを失敗させました。
観客は気分を害し、アンジャーとカッターは劇場の支配人から契約を打ち切られてしまいました。




③人間瞬間移動マジックとジェリー

しばらく経つと、ボーデンが人間瞬間移動マジックを準備中だという噂が流れます。
アンジャーとカッターは、アンジャーに見た目がそっくりな男ジェリーを見つけ出して雇い、ボーデンよりも早く人間瞬間移動マジックを披露しました。

アンジャーのマジックは成功して人気が出ますが、先を越されて怒ったボーデンはアンジャーを潰しにかかります。
ボーデンがジェリーに『瞬間移動マジックでジェリーがいかに貴重な存在か』を教えると、調子に乗ったジェリーは破格の賃上げを要求し、断ろうとすると「瞬間移動のタネを世間にバラすぞ」と脅すようになります。

アンジャーとカッターはジェリーを雇ったことを後悔しますが、彼の代わりはいないので言うことを聞くしかありませんでした。

数日後、ボーデンはアンジャーの瞬間移動マジックの仕掛けに細工してアンジャーを怪我させたうえ、アンジャーのステージに立ちボーデンのショーの宣伝をして消えました。
この騒ぎと一緒にジェリーは姿を消しました。

 

④ボーデンのトリックを探る

その後、アンジャーはボーデンの人間瞬間移動を見に行き、その精巧さに驚きました。
瞬間移動マジックは『そっくりさん(代役)』と2人でやるのがテッパンですが、ボーデンのはどう見てもボーデン本人が瞬間移動しているようにしか見えなかったのです。

どうしてもトリックを知りたくなったアンジャーは、恋人でありアシスタントのオリヴィアにボーデンのスパイを命じました。
オリヴィアはアンジャーから「ボーデンと寝ていいからトリックを暴け」と言われて傷つきます。
オリヴィアは言われた通りボーデンのアシスタントになりますが、やがてボーデンを愛するようになりました。

数か月後、オリヴィアはアンジャーにボーデンの日記を渡して別れを告げました。
ボーデンの日記にはマジックに関する重要な情報が書かれていると思われますが、隠語と暗号だらけでアンジャーには解読できませんでした。

ボーデンは妻サラと娘ジェスとの家庭を持つ傍ら、オリヴィアとは愛人関係になり二重生活のような暮らしをしていました。
ボーデンが家に帰らない日が増えたため、不倫に気付いたサラとボーデンの関係は悪化していきます。
ある日、サラはボーデンがとても重要な隠し事をしていることを感づいて「私には全て打ち明けて」と迫りますが、ボーデンは拒絶しました。

傷ついたサラは、ボーデンが何よりも大切にしているマジックのために借りている倉庫で自殺しました。

 

⑤二コラ・テスラ

アンジャーはボーデンの日記にあった『テスラ』という単語から、交流電気を考案したことで有名な発明家の二コラ・テスラ(デヴィッド・ボウイ)に会いに行きます。
テスラの発明お披露目会にはボーデンも顔を出していたため、ボーデンの瞬間移動のヒントはテスラにあると確信したアンジャーは、わざわざロンドンからコロラド州にあるテスラの自宅兼実験場まで出向きました。

アンジャーはテスラに「私のマジックのための発明品を作ってほしい」と頼み、開発費として大金を援助してテスラの発明品の完成を待ちました。
数か月後、テスラは『物体を複製するコピーマシン』を開発しましたが、テスラ本人は『危険なマシンだから使わない方が身のためだ』とアンジャーに警告しました。

このマシンに全てを賭ける気持ちで大金を投じていたアンジャーは警告を聞くはずもなく、アンジャー自身のコピーを作ってカッターと共に再び人間瞬間移動マジックを再開します。
しかし、アンジャーの瞬間移動マジックは『籠の中の鳥を瞬間移動させるトリック』と同じで、アンジャーのコピーはマジックで役目が終わると同時に水槽に閉じ込められて死んでいました。

次のページに続きます!




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