映画『インセプション』解説・考察|ラストの解釈、サイトーやモルについてなど16の考察 | 映画の解説考察ブログ

映画『インセプション』解説・考察|ラストの解釈、サイトーやモルについてなど16の考察

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SF

映画『インセプション』の解説、考察をしています!

SFの世界特有の複雑な設定が背景にあり、3つの階層が慌ただしく変わるので状況理解が大変でしたが面白かったです。
情報の整理と疑問点を考察します。

鑑賞済みの方向けの解説、考察記事です。
まだ観ていない方はネタバレにご注意ください。

 

映画『インセプション』の概要紹介


原題:INCEPTION
制作年:2010年
本編時間:148分
制作国:アメリカ
監督・脚本:クリストファー・ノーラン

 

あらすじ紹介※ネタバレなし

主人公のドミニク・コブは特殊な装置で他人の夢に侵入してアイディアや情報を盗みだす『エクストラクト』のプロです。

ある日、コブは石油関連会社の社長サイトーに実力を見込まれて、サイトーのライバル会社の次期社長ロバート・フィッシャー・ジュニアが将来会社を畳むように仕向ける仕事を依頼されました。
コブの仕事はフィッシャー・ジュニアの夢に忍び込み、ロバートが自ら会社を畳みたくなるようなアイディアを深層心理に植え付ける『インセプション』と呼ばれる作業で、コブがインセプションを引き受けるのは初めてでした。

コブは仕事を遂行するため5人の仲間を集めて入念に計画を練ると、飛行機に乗ったロバートを眠らせて仕事を始めます。

 

主要キャラ&キャスト紹介

ドミニク・コブレオナルド・ディカプリオ
夢に入り込む『エクストラクト』を得意とする産業スパイ。
諸事情で国際指名手配されてしまい、引き離された子どもたちとの再会を切望している。

サイトー渡辺謙
コブに仕事を依頼した石油関連会社の社長。
仕事に成功したら、コブの指名手配を取り消させる約束をする。

マロリー・コブマリオン・コティヤール
自殺したコブの妻。通称モル。
コブの夢に度々現れて仕事の邪魔をする。

アリアドネエレン・ペイジ
コブがスカウトした建築学勉強中の大学生。
コブの過去とトラウマを知り、助けようとする。

マイルス教授マイケル・ケイン
モルの父(コブの義父)で、アリアドネの教師でもある大学教授。
コブにアリアドネを紹介した。

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夢の基本設定について

夢に侵入する基本的な設定や、コブの仲間の役割などを整理しました。

夢の仕組みについて


(引用:https://foryourviewingpleasures.files.wordpress.com

夢の世界の設定をおさらいします。

夢は多層構造

夢は3つの階層に分かれていて、1、2、3と進むにつれて、より深層心理に近づきます。
階層が変わって世界が変わっても、前の階層の世界は消えるわけではなく同時進行しています。
3つの階層とは別に『虚無』という性質の異なる世界も存在しています。(後述)

コブ達がロバートにインセプションするために入った階層と目的を整理します。

第1階層
ホスト:ユスフ(体調が夢に影響していたから)
場所:ロサンゼルスのオフィス街
目的:ロバートに父親との関係を意識させる
第2階層
ホスト:アーサー(「夢の主は俺だ」と発言している)
場所:高級ホテル
目的:ブラウニングの裏切りから自分自身の今後の目標を意識させると共に、父の遺言状に執着を持たせる。
第3階層
ホスト:ロバート(「ロバートの夢に入る」と発言あり)
場所:雪山とシェルター
目的:父の遺言通り、ロバートが会社を継がずに自分自身の道を探す決意をさせる。

 

ホストとは?

夢の主です。夢の共有は、装置に繋いだ人物の誰か1人の夢に他のメンバーが入る形で共有します。
ホストがいなくなってしまうと世界が崩壊するので、次の階層に行く際はホストが残る必要があります。
例えば1階層から2階層に行った際、1階層のホストはユスフだったので、ユスフは1階層に残って世界の維持とキックの準備をするのが重要な仕事になります。




キックとは?

夢から覚めるための行動です。
眠っているときも三半規管(平衡感覚を認識する器官)は働いていて、平衡感覚が不安定になると目覚めます。
説明では、眠っている体をキックで覚醒させることで、下の階層から1つ上の階層に戻れる仕組みです。
各階層ごとにキックが必要なため、階層に残ったメンバーがそれぞれキックの準備をしていました。

第3階層でのキックは計画通りに進めば必要なかったはずですが、死んで虚無に落ちてしまったフィッシャーを第3階層に連れ戻すために行われています。

虚無に落ちたコブはフィッシャーをアリアドネに任せ、サイトーを助けるため虚無に残りました。

 

夢の中の死

夢の世界で死ぬと、通常は目が覚めて現実に戻りますが、眠りに入るために薬を使用しているため、薬の効果が切れる前に夢の中で死んでしまった場合は虚無の世界に入ってしまいます。

ただし、最下層の『虚無』から脱するためには上の階層のキックではなく虚無で死ぬ必要があるようです。

 

チームの役割について

インセプション
©2010 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

彼らの役割についても整理します。

設計師=アリアドネ

夢の世界で必要に応じて町の風景や建設物の構造を作る人物です。
ロバートのインセプションの際はアリアドネが担当しています。
サイトーにエクストラクトを仕掛けた際はナッシュという男が担当していて、彼はサイトーに捕まって始末されてしまいました。

偽造師=イームス

夢の世界でターゲットのキーパーソンに化けてターゲットを騙す人物です。
ギャンブル詐欺で生計を立てていたイームスが担当しています。
サイトーへのエクストラクトの際は偽造師らしき人物はいなかったため、仕事の内容によって必要とされないケースもあるようです。

調合師=ユスフ

全員が同時に夢に入るためのトリガーとなる液体の睡眠導入薬を調合する人物です。
天才調合師のユスフが担当しています。
コブとユスフの会話から、調合師自身が夢に一緒に入ることは稀なケースのようです。
普通は恐らく調合師がコブ達のような仕事に関わることはなく、事前に薬を購入しておくだけなのでしょう。

アーサーの役割

アーサーはコブの相棒のような存在でした。
コブの補佐と、夢のホストになりキックの準備を担当することが多かったようです。
サイトーへのエクストラクトの際も、夢のホストはアーサーが担当していました。
コブは精神不安定だったので、精神状態の安定しているアーサーの夢の中の方が仕事がやりやすいからでしょう。

次のページに続きます!

次は『名前について』、『Mr.チャールズ作戦』、『投影について』、『虚無について』などです!




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