『ディストラクション・ベイビーズ』ネタバレ解説考察|泰良の正体、喧嘩神輿との関係など | 映画の解説考察ブログ - Part 2

『ディストラクション・ベイビーズ』ネタバレ解説考察|泰良の正体、喧嘩神輿との関係など

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解説・考察2ページ目

泰良の歯が抜ける

暴力団組員の河野らと戦った後、泰良の奥歯が抜けます。
殴られて抜けたのでしょうが、抜けた奥歯は何だか小っちゃくて乳歯のようでした。
関連して、将太の友人も「喧嘩して抜けた」と歯が抜けたことをアピールするシーンが数回登場します。

この時も、まるで子供が乳歯が抜けたのを自慢しているかのようでした。
なので、歯が抜ける描写は泰良の幼児性の強調だったり、成長(恐らく人間的な成長ではなく『破壊の子』としての成長)を象徴していたのではないでしょうか。

 

裕也について


(引用:https://eiga.com

裕也は泰良と出会った当初はただのビビりで、自分だけは被害に遭わないように必死な情けない少年でした。
裕也は彼自身と対極的な強さと度胸を持つ泰良に惹かれて声を掛けます。
裕也の言う『デカいこと』が具体的に何だったのかはわかりませんが、裕也がブレーンとなり泰良を操ることで『海賊王』ばりの大物になろうとしていたのでしょう。
例えばですが、松山市の暴力団に2人で乗り込んで制圧し、裕也が暴力団組長になって伝説の男になるだとか、そういう類です。
裕也自身が大物になるために、泰良にはもっと強くなってほしいので、裕也は泰良に『四国巡礼』を提案しました。

また、彼が泰良の喧嘩動画をアップロードしたのは強さを誇示するためです。

泰良からの影響で開花した裕也の狂暴性は、自分よりも弱者にのみ向けられます。
女性か、自分よりも明らかに弱い男性だけです。
一度、思い切り女を殴ってみたかった」という裕也の告白にはドン引きしますが、その願望のルーツは過去に関わった女性(親や姉妹や同級生など)とのトラウマにあるのかもしれません。

また、裕也が泰良の標的(喧嘩の相手)にならなかったのは、裕也が泰良よりも明らかに弱かったからです。
泰良は自分よりも同等程度かそれ以上の男としか喧嘩しないので、裕也は泰良の選考に漏れたのです。
それは那奈も同様で、泰良が女性にことごとく関心を示さないのは喧嘩の相手としてふさわしくないからです。

四国巡礼の途中で裕也が明らかにいら立っていたのは、泰良が思い通りにならないことと、警察に追われていたからです。
裕也が警察に指名手配されて怒っていたのは、裕也は逮捕されるようなことはしてない(全部泰良のせい)と思いこんでいたからです。




那奈について


(引用:https://eiga.com

那奈は裕也に拉致されてしまった可哀そうな立場でしたが、農家の男を轢いてから急速に狂暴性が開花します。
恐らく彼女の中で、わざとではないにしても人を轢いたことが『一線を越えた瞬間』だったのでしょう。

元々、彼女は万引きでストレス解消したり、気に入らない同僚キャバ嬢をいじめて排除しようとする、お世辞にも性格が良いとは言えないタイプです。
那奈が中国人キャバ嬢をいじめていたのは、那奈が好意を持っていた(あるいは取り入ろうとしていた)店長の三浦(池松壮亮)が中国人キャバ嬢に優しかったからです。

那奈は三浦に「触るな」と拒絶されたり、将太たちが店で暴れた時、三浦は中国人キャバ嬢には「大丈夫?」と声をかけたのに、那奈には心配するそぶりすら見せませんでした。
三浦は那奈の性格を知って嫌っていたか、嬢を人気度合で区別(人気な嬢は大切にして不人気な嬢はぞんざいに扱う)していたかどちらかなのでしょう。
「触るな」と怒った辺りはただ嫌いなだけにも見えましたが。

那奈が将太や健児をキャバクラに入れて接客したのは、健児に万引き現場を見られて脅されたからです。
健児は最終的に那奈を脅してでも肉体関係を持とうと狙っていたようですが、将太と喧嘩してしまったせいで店を追い出され、チャンスを逃しています。

那奈は警察に保護された後、全ての犯行を泰良と裕也になすりつけて世間的にも誘拐の被害者になることに成功します。
彼女が何度も刑事2人をチラチラ見るのは、嘘がバレていないか確認する目です。
あの目つきの演技は上手だなと思いました。

ですが、恐らく農家の男を殺したことも、裕也を殺したことも後の検証で明らかになって逮捕されると思われます。
農家の男の首に残る指の痕や、裕也を何度も蹴りつけた足跡などが女性のものだと判明すれば、必然的に彼女が怪しまれるからです。

 

将太について

ディストラクション・ベイビーズ

(C)2016「ディストラクション・ベイビーズ」製作委員会

将太は泰良と比べて温厚ですし、友達も作れるし、無意味な喧嘩もしないので、まともな優しい少年として描かれていました。

ラストの秋祭りで将太が喧嘩神輿を眺めていたシーンは、喧嘩神輿で発生した『闘争の念』のようなものが将太にも乗り移りつつあった、という解釈で間違いないと思っています。

秋祭りについて『昔は喧嘩神輿で死人が出ていた』、『祭りで人が死んでも警察は大目に見て捜査しない』と語っていたのを伏線として、将太はあの後、祭りの喧騒に乗じて健児と『勝負(喧嘩)』しに行って殺してしまうのではないでしょうか。

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