「メメント」ネタバレ解説|時系列整理、電話の相手など考察! | 映画鑑賞中。

「メメント」ネタバレ解説|時系列整理、電話の相手など考察!

サスペンス(クライム)

映画「メメント」について考察・解説しています!
事件の後遺症で10分以上記憶を保てない『前向性健忘』という記憶障害を持つレナードが、妻を殺した男に復讐しようと奔走する。

Amazon | メメント [DVD] | 映画

原題:MEMENTO
制作年:2000年
本編時間:113分
制作国:アメリカ
監督:クリストファー・ノーラン
脚本:クリストファー・ノーラン
原作:ジョナサン・ノーラン

 

キャスト&キャラクター紹介

メメント」を観ました - ビールとポップコーン
(引用:https://somewherearoundhere.hatenablog.com

レナードガイ・ピアース

元保険調査員の男 
約1年前、強盗が自宅に押し入り妻を殺された上、レナード自身も暴行を受けて前向性健忘という記憶障害を発症してしまう。
事故以前の記憶はあるが、発症してからの記憶は10分経つと忘れてしまう。
妻を殺した強盗に復讐しようと、日々情報を集めている。
集めた情報を忘れないためにタトゥーを沢山入れている。

 

Joe Pantoliano as Teddy Gammell in "Memento" | Disaster film, Walter white,  Film trilogies
(引用:https://www.pinterest.jp

テディ(ジョン・ギャメル)…ジョー・パントリアーノ

自称レナードの友人の怪しい男。
レナードが記憶障害にかかった後に知り合ったため、毎回テディを忘れている。
様々な理由で何度もレナードの前に現れる。

 

The Sci-Fi Slob's Top 50 Favourite Movie Characters - Page 2 - Movie Forums
(引用:https://www.movieforums.com

ナタリーキャリー・アン・モス

レナードの宿泊モーテルの近くにあるバーの女店主。
彼女も恋人を殺され、憐れみからレナードの復讐に手を貸してくれる。
レナードは彼女を信じているが、テディは「信用するな」と言っている。

その他のキャスト

レナードの妻…ジョージャ・フォックス
サミー…スティーブン・トロボウスキー
サミーの妻…ハリエット・サンサム・ハリス
バート(ディスカウント・インの店主)…マーク・ブーン・ジュニア
ドッド…カラム・キース・レニー
ジミー(ナタリーの彼氏)…ラリー・ホールデン
コールガール…キンバリー・キャンベル
エマ(タトゥーの彫師)…マリアン・ミューラーミール ほか

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あらすじ(時系列順)

本作は一連の出来事の時系列が逆向きに進んでいるパートと、普通に話が進んでいるパートが交互に流れ、最後に時系列が重なる、変わった組み立てになっていて、時系列が逆向きに進んでいるのはカラーの映像で、順を追って進んでいるパートはモノクロになっています。
「観客にも前向性健忘の疑似体験をしてほしい」という監督の意向でこのような作品になったそうです。
ラストの、話が繋がってスッキリする感覚と、主人公の人間性が明らかになる驚きが同時にやってきて興奮します。
とはいえ、時系列を直してさらにスッキリしたいので、時系列順に書き起こして整理します。

 

・物語の背景
妻と幸せに暮らしていたレナードの自宅に深夜、強盗が押し入った。
妻はバスルームでビニールを顔に巻かれた状態で倒れており、そばには強盗が居た。
レナードは妻を助けようとして強盗1人を銃で撃つも、背後にもうひとり隠れていたのに気付かず、頭を殴られて倒れた。
妻は死亡、病院で検査を受けたレナードは、事件の後遺症で記憶障害を患ったことが発覚した。
レナードは妻を殺した男を探しだすため、独自に調査を始めた。

 

時系列順のあらすじ(前半)

Memento (2000) / メメント | 100Nolan.com
(引用:https://100nolan.com

レナード モーテルの部屋で目が覚める (チェック柄のシャツを着ている)

身体の入れ墨に気が付き、太ももに「剃れ」と書いた紙が貼り付けられている

シェービングクリームを太ももに塗っていたら電話がかかってきて、電話の相手にサミーの話をする。

電話の相手に「事件当日、家の外に停めてあった盗難車に麻薬と現金があったこと、その車には犯人の指紋もついていて、知り合いの警察官から関係資料をもらったが、その資料は一部欠けている」と話し、犯人は麻薬の売人だと推測する。

太ももに「事実5 麻薬の売人」の入れ墨を入れる。

電話の相手にサミーの妻の話をする。

電話で話しながら腕に貼られていたガーゼをはがすと「電話に出るな」と書いてあり、驚いて「お前は誰だ?」と聞くと、電話は切れた。

またすぐ電話が鳴ったのでがちゃ切りし、バート(モーテルの店主)に「電話を繋ぐな」と指示する。

隣の部屋の音を聞こうとしているとバートが部屋に来る。
バートは「警察から電話がかかってきたので例外だと思い知らせにきた」と言う。
レナードは「電話はだめだ、話すときは会って話す」と答えてドアを閉めた。

電話は鳴り続ける。レナードが出ずにいると、ドアの隙間から封筒が差し入れられる。
封筒の中のメモに「電話に出ろ」と書いてあり、レナードの笑顔の写真が添えられていた。

結局電話にでると、刑事を名乗る人物からだった。
刑事にサミーの妻の話をする。

電話の男に「外にいるから会おう」と言われ、特徴を聞いて電話を切り、フロントに出る。
ギャメル刑事と名乗る男(テディ)がフロントでレナードを待っており、一緒に駐車場へ行く。
刑事の写真を撮って「ギャメル刑事」と書こうとしたが「秘密捜査だから本名を書くな」と言われてテディとメモする。

テディが「レナードの妻を殺した犯人(麻薬の売人)と会う約束を取り付けたから会ってこい」と言うので、待ち合わせ場所の廃墟に行く。
この時のレナードの車は黒のピックアップトラック。

廃墟の中に入るとジミー(麻薬の売人)が現れた。
ジミーはテディと約束していたのにレナードがいたので驚く。
ジミーを殺し、ジミーが着ていた服(ベージュの高級スーツ)に着替え、遺体を廃墟の地下に移動させた。
後にテディに利用されていたことを知り、殺害を決意。
車に乗ると、「犯人の車のナンバー:SG137IU」とメモに残し(SG137IUはテディの車のナンバー)、テディの写真に「こいつのウソを信じるな」と書き込み、ジミーを殺した写真と自分の笑顔の写真を燃やした。

※補足
・レナードがテディの車のナンバーを新しい証拠としてメモしたのは、記憶を忘れた自分がテディを真犯人と思い込み殺すよう仕向けるため。
・写真2枚をを焼いたのは、殺したことを忘れる(自分に犯人捜しを続けさせる)ため。
・テディのメモに「奴のウソを信じるな」と書いたのは、レナードがテディを怪しい人物だと思うように(聞きたくない真実をテディが話した時に真に受けないように)するため。

ジミーの車でエマの入れ墨店に到着(ラストシーン)

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時系列順のあらすじ(後半)

Watch Christopher Nolan Break Down The Complex Narrative Structure of  MEMENTO — GeekTyrant
(引用:https://geektyrant.com

ラストシーンからの続き。
入れ墨店で犯人の車のナンバー(SG137IU)の入れ墨を彫る。
施術中、テディが店内に入ってきて「ひと目につく場所に車を止めるな!車を裏にまわせ!」と焦った様子で言う。

※補足
レナードが殺した男ジミーの車に乗っていたのでテディは注意したが、レナードは記憶がないのでテディが言っていることの意味が分からなかった。

テディは「悪い刑事が君を追っている。車も服も名前を変えてここから逃げろ。その刑事は麻薬の取引を調べていて、君は巻き込まれたんだ。見つかったら殺されるから、着替えてすぐに逃げろ」と言う。
レナードはテディの言うことに従おうとしたが、テディの写真に「奴のウソを信じるな」と書いてあったので着替えるのをやめた。
スーツのポケットにファディーズバーのコースターと、焼かれて丸まった写真があったが、写真はよくわからなかったので捨てた。
テディに見つからないように窓から外に出て車に乗り、ファーディーズバーへ。
バーに着くと、すぐにナタリー(バーの女店主)が話しかけてきたが、レナードが乗っているのを見て驚き、「人違いだわ、ごめんなさい」と言われる。

※補足
・スーツのポケットに入っていたファーディーズバーのコースターはジミーの物だったが、レナードは着替えたことを忘れたので自分の物と勘違いした。
・焼かれていた写真はジミーの死体の写真と自分自身の写真だったが、レナードは焼いたことを忘れたので何の写真かわからず捨てた。
・車でバーに到着した直後、ナタリーが話しかけたのはジミーの車だったから。ジミーが乗っていると思って話しかけたら中に居たのはレナードだったので「人違いだわ」と謝った。

ファーディーズ・バーのコースターの裏に『あとで来て ナタリー』と書いてあったので、バーに入る。
ナタリーに「なぜその格好で来たの?」と聞かれるが意味がわからない。
レナードの様子を見て、ナタリーは「何でもすぐに忘れる男をジミーと警察が探してたけど、あなたのことね」と言った。
何故来たのかと聞かれてコースターの裏を見せると、ナタリーは顔をしかめた。
ナタリーはレナードの記憶障害が本物か確かめるため、近くにいたおじさん、ナタリー、レナードのツバをグラスに入れ、ビールをついでかきまぜた。

※補足
ナタリーが「なぜその格好で来たの?」と聞いたのは、レナードがジミーの服を着ていたからだが、レナードは服(ベージュのスーツ)がジミーの物だったことは覚えていないし、ナタリーがジミーの恋人だという事も知らなかった。(テディから聞かされたかもしれないが、忘れた。)
レナードが出したコースターを見てナタリーが顔をしかめたのも、元はジミーあてのメモだったから。

ナタリーに出されたビールを飲むと、カウンターに座っていたおじさんが笑った。
レナードの様子を見たナタリーは「これは汚いから変える」と言い、ビールを取り換えた。

※補足
ナタリーが出したビールはおじさんとナタリーとレナードが唾を吐き入れたものだった。
レナードは忘れてビールを普通に飲んだのでおじさんは笑った。
ナタリーはレナードの症状が本物と確信した。
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ナタリーの家に行き、妻が殺された事件について話す。
レナードいわく犯人は2人いて、1人はレナードが銃殺、逃げたもう1人を探しているが、その人物は証拠を隠滅して逃げたので警察は「犯人は元から1人だった」と断定して捜査は終わっているそうだ。
ナタリーは「仕事に戻る、この家には好きなだけ居ていい」と言って出ていった。
レナードはナタリーの写真を撮った。

約10分後。ナタリーが部屋に戻ってきて「ドッド(マフィアの男)が私を探してる。ジミーの金を私が盗ったと思ってる。」と焦った様子で言った。
話しながら、ナタリーは部屋にあるペンをすべてバッグにしまった。
ナタリーはレナードを罵り続け、怒ったレナードが殴ると満足そうにまた出ていった。
レナードはナタリーの人間性を疑い、ナタリーが信用できない人物だとメモに残そうと慌ててペンを探した。

※補足
・ドッドはジミーの取引相手、もしくは仕事仲間で、ジミーが大金を持って消えたので、探すためにナタリーに接触しようとしている。
・ナタリーが部屋にあるペンを全てバッグにしまったのは、レナードにメモさせないようにする(忘れさせる)ため。
・ナタリーがレナードを罵ったのは、レナードがナタリーを殴るよう仕向けるため。

約10分後。必死でペンを探しているとナタリーが戻ってきた。
彼女の顔から血が出ていたのでレナードが心配すると、ナタリーは「ドッドに殴られた。あなたがドッドにテディの話をしてこいと言うから、会いに行ったらやられた。明日までに麻薬と金を持ってこないと殺すと言われた」と話した。
レナードは「俺がドッドと直接会って説得する。どんな奴か書け」と言い紙を渡した。
ナタリーは「向こうがあなたを見つけるはず。怖くてあなたの車を教えてしまったから」と言いながらドッドの特徴を紙に書いた。
レナードは自分の手に何かを殴ったあと(感触)があるのに気づくが、理由は思い出せなかったし深く考えなかった。

※補足
・補足の必要ないかもですが、ナタリーの顔の傷はレナードが殴った跡。ナタリーは実際にはドッドと会っておらず、レナードが忘れた頃を見計らって戻ってきた。(レナードを騙すため。)
・ナタリーが「向こうがあなたを見付ける」と言ったのは、レナードがジミーの車を使っているから。

ナタリーの家から出て車に乗ると、助手席にテディがいて驚く。
テディは「あの女は信用できん、ナタリーの彼氏は麻薬の売人で、ナタリーは連絡係だ。彼女はお前のスーツも車も見た。君を身代わりにするつもりだ。やばい女だから関わるな。『ナタリーを信用するな』と写真の裏にメモしとけ」と言う。
レナードには意味がわからなかったが、テディが真剣なので言われた通りメモした。
テディが出て行った後、テディの写真に「こいつのウソを信じるな」と書かれているのを見て、ナタリーの写真に書いたメモを消した。

車の中にいる。
コースターの裏に「ディスカウント・イン」と書かれていたのでそこへ行き、覚えておくためにディスカウント・インの看板の写真を撮る。

部屋に入って壁に地図を貼り付け、電話帳を出してコールガールを呼び出す。
コールガールに妻の遺品を渡し「これを適当に部屋に広げてほしい。俺が寝たらトイレに行って、俺が起きる位大きな音を立ててドアを閉めてくれ」と指示。

ベッドで目が覚める。妻がトイレに行ったと思い、ドアを開けたらトイレにコールガールが座って麻薬を吸っていた。
コールガールに帰ってもらい、妻の遺品を入れた紙袋を持って車に乗る。

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人気のない場所で妻の形見(本、目覚まし時計、クシ、くまのぬいぐるみ)を焼く。

車で道路を走っていたら白人の男に合図されて近場の駐車場に車を止める。
駐車場に入ると、男が「この車をどこで手に入れた?」と聞いてくる。
レナードには質問の意味が分からず、ガラの悪い人物だったので隙をみて逃げる。

※補足
レナードはまだ知らないが、この男がドッド。
ジミーの車を見たので追いかけてみたら、運転していたのがレナードだったので「この車をどこで手に入れた?」と訊ねた。

駐車場を走っている。
男に追われていることに気付き、車に乗って逃げる。
ポケットの中に「ドッド 白人  五番通りのクレスト・イン6号室」のメモ(ナタリーが書いたもの)を見て、この男がドッドだろうと推測。
先周りして倒そうとクレスト・イン6号室に侵入し、トイレで酒瓶(武器)を持ってドッドを待つ。

酒瓶を持ってトイレに座っていた。
酒瓶を持っている理由がわからなくなり、自分の部屋と勘違いしてとりあえずシャワーを浴びる。
ドッドが戻ってきてもみ合いになり、気絶させてガムテープで縛りクローゼットに入れて写真を撮る。
ポケットのメモに「ナタリーのためにドッドを消せ テディに連絡しろ」と書いてあったので、テディに連絡して到着を待つ。

居眠りしてしまい、気付くとモーテルの部屋のベッドの上にいた。
クローゼットに縛られた男(ドッド)が入っていて、理由がわからず慌てていたところにテディが来る。
テーブルの上にドッドの写真があり、見ると「消せ 詳細はナタリーに聞け」と書いてあった。
「町から出ていかなければ殺す」と脅してドッドを追い出し、ナタリーに事情を聞きに行く。

ナタリーの家に行き、ドッドについて事情の説明を求める。
ナタリーは「あなたが私のためにドッドを殺すと約束してくれた」と答え、レナードは多少疑問に感じたが、一応納得した。
その後も、会話の流れでナタリーも最近、恋人のジミーを亡くして悲しみにくれていることが判明。
ジミーはテディという男と会いに行って帰ってこなかったそうだ。
ナタリーの写真に「彼女も恋人を亡くし憐れみで協力を」と書き込んだ。
そのままナタリーの家に泊まる。

ナタリーの部屋の寝室で目覚める。
また会う約束をして、別れ際、ナタリーはレナードにキスをした。

ナタリーの家から出て車を出そうとしたところにテディが現れ、一緒にランチする。
テディは「君はハメられて全く関係ない男を殺すかもしれないから用心しろ」と助言した。
宿泊しているモーテルの部屋の鍵を持っていなかったので店主のバートに聞いたところ、レナードが忘れるのを良いことに2部屋借りさせられていた(2部屋分の料金を取られていた)ことを知った。

ナタリーと約束した午後1時が近づいていることに気付き、待ち合わせ場所のレストランへ向かう。

13時 レストランに到着。
持っていたナタリーの写真に「彼女も恋人を亡くし憐れみで協力を」と書かれていたので彼女を信じる。
ナタリーは手がかりの車の持ち主の免許証、車検証のコピー、殺すのに最適な廃墟の住所と、昨夜レナードが忘れていったモーテルの部屋の鍵を渡した。
ナタリーと別れてトイレに入る。

レストランのトイレから出ると、ウェイターに「お忘れですよ」と封筒とディスカウント・インの写真と部屋の鍵を渡された。
ディスカウント・インに到着。

部屋に貼られていた自作の地図にディスカウント・イン、ナタリー、自分の車(元はジミーの車)、テディの写真を貼り付ける。
封筒には「レナードへ ナタリーより」と書いてあり、中身はテディの免許証のコピーだった。
免許証の有効期限は「01-02-29(2001年2月29日)」だった。(存在しない日付)
資料を見て、レナードはテディが妻殺しの犯人と断定する。
テディに電話してモーテルに呼び出す。

着替えて、テディの写真に「奴が犯人だ 殺せ」と書き込む。

受付でバートに「テディ以外からの電話を繋ぐな」と指示した直後にテディが来る。

廃墟へ連れて行ってテディを殺す。

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解説・考察、感想など

ここからは本作を観て沸いた疑問について考察していきます。
この記事を読んでくださった方が探している内容があれば嬉しいです。

レナードの正体は

memento discovered by Noora on We Heart It
(引用:https://weheartit.com

レナードは表向き(?)は妻を殺した男に復讐しようという、いかにもクライム映画の主人公らしい目的を持つ人物ですが、実際のところは記憶障害と復讐心に翻弄され、怒りに囚われている連続殺人犯でした。

レナードは「探偵ごっこ」を続けるために資料をわざと一部抜き取ったり、ジョン・Gを殺した写真を破棄したりして記録を消して記憶が消えるのを待ち、再びジョン・Gを探すことに熱中していました。

胸に「I’ve done it.」のタトゥーと、そのタトゥーを撫でる妻がレナードの脳裏に浮かぶシーンが登場することから、レナードは心の底では復讐が終わっていることを知っています。
それでもレナードが探偵ごっこを続ける理由は、復讐を終えた先の未来が、医療施設で妻の死の記憶に苦しみながら虚しく過ごすことになるのがわかっているから。
妻の死を覚えていないサミーの方がレナードより幸せかもしれません。

なぜテディを殺したのか


(引用:https://chrispalmen.files.wordpress.com

そもそもレナードはなぜテディを殺そうと決めたのか整理していきます。

1番の理由は「テディがレナードの正体(本当の過去)を知っていたから」、次に「テディに利用されたことがわかったから」です。

テディはレナードの記憶障害と復讐心を利用してドラッグの売人ジミーをジョン・Gと勘違いさせるよう仕向けて殺させました。
ジミーを殺した後に、テディに利用されたこと、そしてテディがレナードの正体(レナードが知りたくない真実)を知っていることを知ったレナードは、テディ殺害を決意します。
記憶を失くした自分がテディを「ジョン・G 」だと思い込むように細工をしたのです。

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テディの正体

テディの正体と目的について考えます。
まずテディの正体について、テディはレナードが本物のジョン・Gを殺してからの約1年、レナードを利用して麻薬絡みの人間を殺し、金を得ていた悪人のようです。

テディは自らの職業を『刑事で麻薬の秘密捜査官』と言っていましたが、本当に刑事だったのかはぶっちゃけ疑わしいですよね。
しかし作中で確認のしようがない(ヒントが少ない)ので本当に刑事か元刑事ということで納得するしかないです。
答えになってなくてすみません(笑)

個人的に気になったのは、テディがレナードに「刑事か?」と聞かれた際、答える前にバートの様子を伺っていたシーンです。
秘密捜査官なら正体はバレたくないはずなので伺う事自体は納得できますが、わざわざこの描写を入れて怪しい雰囲気を増したのは、レナードの気分を少しでも体感してもらうためだったんですかね。
答えはわかりませんが、個人的にこの描写の意味が気になります。

続いてテディの目的についてです。
なぜテディはあんなにレナードの周囲をうろついていたのか。
答えはレナードの車(元はジミーの車)のトランクの中のお金で、それを回収したくて常に近くにいたのでしょう。
レナードは殺人犯ですし、不用心にも殺した男の車に乗っているので、いつ逮捕されてもおかしくない状況です。
逮捕されたら警察に車もお金も押収されてしまうので、それを恐れて常に近くで見張っていたのでしょう。

レナードが車のカギをかけ忘れていたのか、車に乗ったら既に助手席にテディがいるシーンがありますよね。
最初、車のカギが開いていたならお金を持ち出してしまえばいいのにと思って矛盾を感じていましたが、当時の車って席のドアは空いていてもトランクは閉まったままで、その都度カギをトランクの鍵穴にささないと開け閉めできない仕様になってるんですね。
今の車はボタンひとつで全てのカギが同時に開いたり閉まったりするし、そういうタイプの車しか知らなかったのでプチ驚きでした。
これは、本作を見た後に見たブラピとハリソンフォード主演の『デビル』で、車のトランクを開けようとするシーンで知りました。。

なので、テディはトランクからお金を回収出来ずにうろちょろしていたようです。
何となく、レナードが車から離れている隙にカギを壊して盗んでしまえば良いのでは?と思いましたがどうなんですかね(笑)

 

レナードのその後

レナードは真実を隠蔽するためにテディに手をかけてしまったので、ある意味『協力者』を失ったことになります。
本物の犯人を殺してからの約1年間、連続殺人犯のレナードが逮捕されないように上手く取り計らっていたのはテディだったはずです。
テディが消えた今、レナードを守ってくれる人は誰も居なくなったので間もなく逮捕されることになるでしょう。

 

レナードとサミー

Breaking Down The Twist: 'Memento' - mxdwn Movies
(引用:https://movies.mxdwn.com

レナードがタトゥーで身体に刻み込んでまで忘れたくなかったサミーとレナードの関係についてです。

念の為におさらいですが、サミーはレナードが保険調査員をしていた頃のお客さんで、交通事故の怪我の後遺症で前向性健忘を患い、記憶が2~3分しか保てなくなった男性です。
医師による診断の結果、サミーの症状は本物だが、原因は怪我でなく精神的なものであることが判明しました。
サミーの症状が回復する希望を捨てきれなかった妻は、悩んだ末に自らを犠牲にしてサミーを試しました。
糖尿病を患っていた妻は毎日決まった時間にインシュリンの注射を打つのが日課で、注射を打つのはサミーの役目でした。
妻はサミーが忘れるのを見計らって数分置きにインシュリン注射を何度も打たせて、サミーが異変に気付くのを待ったのです。
妻の願いも虚しくサミーは異変に気付くことなく、妻が頼めば何度でも注射を打ちました。
結果、妻はインシュリンの過剰投与で倒れ、そのまま亡くなりました。
サミーはその後、施設に入れられて妻が死んだことも忘れて過ごしています。

以上がレナードが話すサミーの話の概要です。

テディの話によると、サミーの話はレナードの作り話で、当時サミーの症状は演技だったことがわかり、保険金の許可を出さなかった客で、しかも彼は独身で、糖尿病だったのはレナードの妻、しかもレナードの妻は強盗事件の時には殺されかけたが死ななかったと言っています。
つまり暗にレナードの妻を殺したのはレナード自身だったということを示しています。
レナードの記憶のフラッシュバックにも、彼が妻に注射しているシーンが登場しています。

恐らく、妻を殺したのが自分自身ということを受け入れられなかったレナードは無意識のうちに自分に起きた出来事をサミーに置き換えて記憶を捏造し、強盗犯への復讐を生きがいにするという選択をしたのでしょう。
簡単に言い換えると現実逃避です。

ちなみに、様々な考察記事を読んでいると「サミーが施設に入れられていることと、テディの免許証の日付の件から、テディは実は架空の人物で、全てはレナードが見ている夢か妄想だ」と考察されている方もいました。
サミーの話そのものがレナードに起きた実際の出来事で、本作のお話自体が全て妄想、という説です。
その考え方もアリですが、個人的には妄想にしてしまうと考察のしがいがなくなってつまらないので、レナードの世界で実際に起きたこととして考えていきます。

 

ジミーの服と車を奪った理由

20 memories of Memento
(引用:https://filmotomy.com

これはスーツと車でそれぞれ奪った理由が違っています。
まずスーツを奪ったタイミングはジミーを殺す直前でした。
この時、レナードは本当にジミーが妻を殺した強盗犯だと思っていました。
自分の家を襲った強盗が高そうな服と車を持っているのを見たら、当然腹が立つし、同じ目にあわせてやりたいと多くの人が考えるでしょう。
殺す時にも「俺の人生を返せ!」と叫んでいます。
なのでレナードがジミーのスーツを奪ったのは、少しでも仕返ししてやるため(強盗されたから強盗しかえした)、また、強盗犯に奪われた未来を取り戻すための代償行為だったのだろうと考えています。

車を奪った理由は、何となく根底には「高級車だったから」という単純な理由があるようにも感じますが、主な理由はテディに対する仕返しと言うか嫌がらせだと思っています。
レナードはジミーを殺した後、テディから真実を聞いてジミーが犯人ではなかったことを知ります。
その時レナードは20万ドルがジミーの車の中にあることも知っていて、お金を手にすればテディの目的が達成されることもわかっていました。
そしてお金が入った車のカギはレナードが持っています。
一旦レナードは自分の車(黒のピックアップトラック)に乗りますが、テディの車のナンバーをメモした後、ほとんど思い付きで車にも手を付けたのでしょう。

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遺品を焼いた理由

 

“きっと前にも君の物を山ほど焼いた
でも忘れられない”

これは遺品を焼いていた時の心の声です。
レナードは妻の死を忘れたいと思っていたんですね。
言い換えると妻の死を克服、乗り越えたいから妻の遺品を焼いて弔ったのだと思われます。
忘れたいのなら、なぜコールガールに妻のフリをさせて存在を身近に感じるような演出をするのか、と不思議に思います。
恐らく妻の存在を身近に感じる行為は『お別れのキス』に相当するんじゃないのかな〜と解釈しています
が、よく考えてみるとコールガールを帰らせてから遺品を焼きに行く間に記憶がリセットされている(映像が別れてる)ので、コールガールに妻のフリをさせる行為と、遺品を焼く行為は全く別々の精神状態だった可能性もあります。
コールガールを呼んだ時は強盗事件のことをより鮮明に思い出したかった(復讐心を高めるため)けど、その後は180度心境が変化して忘れたくなって焼いた という可能性もあるということです。

こちらについてはあまり考察されてる記事を見かけないので、皆様の解釈も是非知りたい所です!

 

全身のタトゥー

メメント』: 孤独を愛せる人
(引用:http://takashijd.cocolog-nifty.com

次は、レナードのタトゥーの意味をいくつか考えます。
個人的に印象深かったのは『写真 車 家 友 敵』のタトゥーです。
レナードの行動を見ていれば意味はわかりますが、車、家、友、敵はレナードが忘れないように写真に収める対象です。

次は『NEVER ANSWER THE PHONE(電話に出るな)』についてです。
レナードがなぜこのタトゥーを入れたのかを考えると、タトゥーを入れた時点では、電話に出るとろくなことにならないとわかっていたからでしょう。
恐らくテディがレナードを利用しようとコンタクトを取ってくることを知っていたから、連絡を絶つためにタトゥーを入れたのです。
なのでレナードはテディに騙される前に、何らかの形で自分が騙されそうになっていることを知った。
(もしかしたらテディが打ち明けたのかも)
けれど、恐らく施術後にガーゼを貼られたためにメッセージを忘れてしまい、電話に出てしまった、ということだと考えています。

 

電話の相手は誰だった?

Memento | Chrispalmen's Blog
(引用:https://chrispalmen.wordpress.com

モノクロのシーンでレナードが長電話していた相手が誰なのかはっきりとは明かされませんでしたが、これもテディの発言から判断すると電話の相手はテディになります。
レナードが電話に出なかった時、ドアの下から差し入れた写真はテディが撮影したと言っていましたし、直接会う約束をしたときにレナードは電話の相手に特徴を聞いてから外に出てテディを電話の相手だと判断していました。
この情報だけで確定は出来ないですが、そもそも他に目ぼしい登場人物がいないので消去法でも電話の相手はテディで良いのではないでしょうか(笑)

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ナタリーの狙い

ナタリーの狙いについて考えていきます。
彼氏ジミーの服を着て車を乗り回している男レナードが現れ、ナタリーはジミーの死、レナードがジミーの死に関係していることを悟ります。

同時に、ジミーが大金を持ったまま消えたので、彼の仕事仲間ドッドに疑われ、脅されたりと危険な状況に陥ります。
そこでナタリーは復讐がてらレナードを利用し、ドッドを始末してもらおうと考えます。
また、ナタリーはジミーから「テディと会いに行く」と聞いていたことから、ジミーはテディに殺されたと考えていた可能性が高いです。(レナードに何度もテディについて尋ねていましたし)
なので、彼女はテディにも復讐しようと考えていたはずです。
だからこそナタリーはレナードにテディの免許証と車検証のコピーを渡し、レナードがテディを殺すよう誘導したのだと思われます。

ところでナタリーが用意したテディの免許証の有効期限は存在しない日付(うるう年ではない年の2/29)でした。
これは、この書類が偽造だったことを示唆していたんだと考えます。
ナタリーは麻薬の売人が彼氏だったので、偽の身分証を作ってくれるような人物と繋がるのも難しくないはずです。
レナードだけが見る書類ですし日付の件に気付いたとしても忘れてしまうので、からかうつもりで日付を存在しない日にした
もしくは作ってくれる人に急ぎで作らせたので、よく見ればニセモノとわかるようなものだったが、見るのがレナードだけなので問題無いと判断してそのまま渡した
ということだと思います。

そういえばナタリーはドッドを殺してもらうつもりでしたが、レナードは適当に脅して一時的に追い払っただけでした。
その後ナタリーは戻ってきたドッドに追われ、運が悪ければ殺されることになるでしょう。

 

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