映画「ミラーズ」のあらすじ解説・考察をしています!
夜警として働き始めた元刑事のベン(キーファー・サザーランド)は、施設内の鏡に『拭いても落ちない不気味な手形』を見てから、身の回りで鏡に関する恐ろしい被害に遭うようになる。
本編時間:111分
制作国:アメリカ
監督:アレクサンドル・アジャ
脚本:アレクサンドル・アジャ、グレゴリー・ルヴァスール
キャスト&キャラクター紹介

©️2008 TWENTIETH CENTURY FOX
ベン・カーソン…キーファー・サザーランド
誤って同僚を射殺してしまった停職中の刑事。
現在は家族と別居して実の妹アンジェラの住むアパートに居候している。
社会復帰のために始めた夜間警備の仕事で不気味な鏡に出会う。

©2008 TWENTIETH CENTURY FOX
エイミー・カーソン…ポーラ・パットン
別居中のベンの妻で監察医。
実家で母親と2人の子供たちと一緒に暮らしている。
喧嘩になるとすぐ高圧的になるベンの性格に嫌気がさしている一方で、深夜の仕事を始めたことを心配せずにいられない。
デイジー・カーソン…エリカ・グラック
ロレンゾ・サペッリ(ベンの上司)…ジョン・シュラプネル
ラリー・バーン(刑事)…ジェイソン・フレミング
ドクター・モリス…ティム・アハーン
ロバート・エシカー(アンナの兄)…ジュリアン・グローヴァー
ゲイリー・ルイス(ベンの前任者)…ジョッシュ・コール
テレンス・ベリー(放火犯)…エズラ・バジントン
ローザ(ベビーシッター)…ドイナ・アイダ・スタン
ジミー・エシカー…ダレン・ケント
ジミーの母…ロズ・マカッチョン
エイミーの同僚…ウィリアム・メレディス
警部…バートン・シドレス ほか
あらすじ紹介
あらすじ①:夜間警備員で社会復帰に挑む元刑事
(ベンの勤務先メイフラワー 引用:https://macabreish.com)
主人公のベン・カーソン(キーファー・サザーランド)はNY市警の刑事ですが、1年前に誤って相棒を撃ち殺す事故を起こしてしまい、現在は停職中です。
この事故がきっかけで精神不安定になったベンはアルコール依存に陥り妻子と別居が決まりますが、行く当てもお金も無いため実の妹アンジェラ(エイミー・スマート)のアパートに居候していました。
別居してから禁酒はできているものの、処方された禁酒用の薬が手放せなくなっています。
ベンは一日でも早く社会復帰するため、メイフラワーという会社で深夜警備員の仕事を始めることにました。
勤務初日は研修で、ベンは上司となるベテラン警備員のロレンゾ(ジョン・シュラプネル)から、警備対象である火事で焼けた施設と、敷地内に設置されている警備員用の事務所を案内され、仕事内容の説明受けました。
その施設は約5年前に大火事が起きた元デパートで、現在もデパート側と保険会社の裁判が片付いていないため放置されていました。
ここはデパートになる前は『聖マタイ病院』という精神科病院でしたが、メイフラワーの経営者となるメレディス氏が1952年に買収してデパートに立て替えたそうです。
デパートの中は焼けた商品や設備がそのままですが、2階にある大きな鏡だけは火事にあったとは思えないほど綺麗でした。
ベンが鏡に見入っていると、ロレンゾは「その鏡に近づくな。前任のルイスはこの鏡に憑りつかれて毎晩狂ったように磨いてた」と忠告しました。
あらすじ②:怪異の始まり

鏡に手形を見つけるベン ©2008 TWENTIETH CENTURY FOX
ベンが初めて1人で警備する夜。
ベンは決まった時間に施設内を見回ります。
2階にある例の鏡の前を通りかかると、先日はあんなにきれいだった鏡に手の痕が付いていました。
ベンは不審に思って拭きますが、痕は鏡の内側に付いているようで全然消えません。
しかも、よく見ると手形は沢山ありました。
ベンが驚いた直後、ベンの背後にある通路の奥の扉がひとりでに開くのが鏡越しに見えました。
ドアの向こうには地下に続く階段があり、地下には病院の施設が当時のまま残されていました。
元々病院だったこの施設はデパートとして使う部分だけを改装し、使わない地下は経費節約のために病院だった状態そのままで放置されていたのです。
しかも、どこかの配管が破損しているらしく床は膝下まで浸水していました。
翌朝、仕事を終えたベンがアパートに戻ると、アンジェラはこれから出勤するところでした。
アンジェラに「健康のために昼間の仕事を探して、禁酒の薬を飲むのもやめた方がいい」と注意されますが、疲れていたベンは聞く耳を持ちません。
その後、ベンが洗面所で鏡を見ると、鏡に映った自分の顔が溶けていくように垂れ下がる幻覚を見ました。
あらすじ③:前任者の手がかり
(鏡の中の顔が垂れ下がるベン 引用:https://www.firstshowing.net)
次の出勤日、ベンは興味本位で例の鏡に鏡を触ってみました。
すると突然鏡にヒビが入り、ベンは左手の平を怪我してしまいます。
鏡を見直した時にはヒビが無くなっているので不思議に思った次の瞬間、今度は鏡に映るデパート内で火事が起きました。
鏡にはデパートが燃える様子と苦しむ人が大勢見えましたが、現実には火事も起きておらず誰もいません。
この時、ベンは鏡の近くに財布が落ちているのを見つけます。
財布の持ち主はベンの前任者ゲイリー・ルイスでした。
事務所に戻ったベンは怪我の手当てをしてから財布の中身をよく見ると『esseker(エシカー)』と書かれた意味深なメモが入っていました。
数時間後の見回りでも、ベンは鏡越しに火事で苦しむ人々の幽霊を目撃して戦慄しました。
同じ頃。眠ろうとしていたベンの息子マイケル(キャメロン・ボイス)は「女の人が鏡の中で叫んでる」と母エイミー(ポーラ・パットン)に訴えました。
エイミーも鏡を見ますが何も見えなかったので、なだめて布団をかけました。
ベンが帰宅して寝ていると、ベン宛てに荷物が届きました。
差出人はベンの前任者ルイスからです。
不審に思いつつ開けてみると、中身はメイフラワーデパートの火事関連の新聞記事で、火事による死者45人、負傷者は数百人出たことや、放火犯としてテレンス・ベリー(エズラ・バジントン)という男が逮捕されたと書かれていました。
その日の夕方、ハーレムの駅でルイスが死んでいたことが発覚しました。
ベンは勤務中の妻エイミー(監察医)を訪ねて「ゲイリー・ルイスの遺体を見せてほしい」と頼みます。
エイミーは「停職中の捜査は禁止事項よ」と怒りますが、ベンの熱意に負けて見せてくれました。
ルイスは駅構内のトイレで、鏡の破片で自分の喉をかき切って死んでいました。
この時もベンは安置所の鏡に映るルイスが「エシカー!」と叫ぶ幻覚を見ます。
ルイスの遺体発見当時の写真も見せてもらうと、写真に不審な点を発見しました。
鏡に映ったルイスが持っている破片には血がべっとり付いていますが、実際にルイスが持っている破片には血が全くついていません。
ベンは「メイフラワーの鏡とルイスの死は関係してる」と訴えますが、エイミーはベンが服用している禁酒用の薬には強い副作用があることを指摘して「薬の飲みすぎだ」と注意されてしまいました。
あらすじ④:エシカー
(ベンとアンジェラ 引用:https://www.imdb.com)
その日の夜、妹アンジェラがバスルームで鏡の魔物に襲われて下あごを引き裂かれて死亡しました。
ベンは翌朝の仕事終わりにアンジェラの死を知ってショックで泣き崩れます。
アンジェラの死は明らかに殺人ですが、密室殺人で証拠も一切出てこず手がかりがありませんでした。
ベンはアンジェラを殺したのがメイフラワーの鏡の霊だと確信し、メイフラワーに直行します。
ベンは怒り任せに鏡を何度も椅子で殴りますが、鏡には傷1つつきません。
興奮したベンが銃を発砲すると、鏡に穴が空きますが、数秒で塞がってしまいました。
ベンが「何が望みだ!?」と叫ぶと、鏡にピシピシと傷が入って『ESSEKER(エシカー)』と浮かび上がりました。
ベンはアンジェラの事件担当の刑事仲間ラリーに電話して、ニューヨークにエシカーという人物がいるか探して欲しいと依頼しますが、該当者は居ませんでした。
ベンが関連新聞記事を読み漁ると、かつてメイフラワーに放火して逮捕された男ベリーが『妻子を鏡に殺された』と主張していたことがわかりましたが、彼は既に死亡していました。
ベンはベリーが収容されていたジェファーソン精神科拘置所を訪ね、ドクター・モリスからベリーの話を聞きます。
モリス医師は「鏡に映る自分を別人だと認識すると、人は全く別々の2つの自我と世界に直面します。
そのショックで人格が分裂し、多重人格障害になる。そして患者は『世界が2つある』と誤った認識を持ちます。」と意味深な話をしました。
ベリーの記録映像を見せてもらうと、彼はメイフラワーに放火した後も逃げずにいたのか、重度のやけどを負っていました。
映像は質疑応答式で、まとめるとベリーは鏡に要求された『エシカー探し』をしなかったせいで妻と3人の子どもを殺され、鏡を破壊するためにメイフラワーに放火したと語っていました。
家族が危険だと察したベンは急いで自宅に戻って鏡や鏡代わりになる物を全て撤去しようとしますが、エイミーが戻って来て「あなたはおかしい。もう出て行って」と怒ります。
言っても信じてもらえないため、ベンは銃で鏡を撃ち抜きますが、この時は鏡の破損は元に戻りませんでした。
(元に戻らない鏡に呆然とするベン 引用:https://www.imdb.com)
エイミーと子どもたちに異常者を見る目で見られ、ベンは耐えきれず車で家を離れました。
運転していると、カーブミラーに貼られていた『鏡に映るものは思ったよりも近くにあります』という注意書きが目につきました。
ベンはメイフラワーの地下に行き手がかりを探すと、壁のレンガの一部が水漏れでもろくなっているのを発見し、壊して向こう側に行ってみました。
そこには鏡を使った不気味な実験室がありました。
実験室の壁はマジックミラー張りになっていて、中央に拘束椅子が1台ポツンと置かれています。
外からは中が見えますが、部屋の中からは自分の姿しか見えません。
(鏡部屋を発見したベン 引用:https://fathersonholygore.files.wordpress.com)
ベンは同僚刑事ラリーに電話して聖マタイ病院の関係者を調べてもらうと、アンナ・エシカーという当時12歳だった女性患者がヒットしました。
ベンはラリーと直接会い、エシカーと聖マタイ病院で過去に起きた事件を教えてもらいました。
1952年10月5日の深夜、入院患者たちが殺し合う事件が発生しました。
6日の朝に出勤した看護師が患者たちが死亡しているのを発見し、その犠牲者の中にアンナ・エシカーも含まれていました。
エシカーの担当医であり病院の責任者でもあったドクター・ケーンは逮捕されましたが、彼はその後鏡の破片で手首を切って自殺したそうです。
エシカーは統合失調症で重度の妄想、暴力などの症状で入院していました。
資料写真にはエシカーの自宅で撮影されたものもあり、写真の裏に『ペンシルベニア 51年8月』とメモ書きがありました。
さらに『10月6日付けのエシカーの死亡診断書』と『10月4日付けのエシカーの退院記録』がありました。
殺人事件が起きたのは5日の深夜なので、もし退院記録が本物ならエシカーは事件に遭遇していない可能性があり、死亡診断書がニセモノだとしたら、エシカー現在68歳で生きている可能性は十分考えられます。
ベンはエシカーは生きていると信じて探すことにしました。
その時、妻エイミーから「鏡が変だから助けてほしい」と連絡が入ります。
エイミーはベンが去った後で鏡類を元に戻しましたが、先ほど息子マイケルが鏡に何か話しかけていて、マイケルが鏡の前から離れた後も、鏡の中のマイケルは動かずにエイミーを見つめていたそうです。
自宅に戻ったベンは、エイミーと一緒にもう一度家じゅうの鏡や鏡代わりになるものを撤去して、動かせない物にはペンキを塗りたくりました。
エイミーはベンの話を信じなかったことを謝りました。
ベンはエイミーとマイケルにしばらく家から外に出るなと言いつけると、ペンシルベニアにあるアンナ・エシカーの実家に車を飛ばしました。
結末と考察は次のページです!
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