映画「誰も知らない」ネタバレ解説|明達のその後の考察、元となった事件の概要など | 映画の解説考察ブログ

映画「誰も知らない」ネタバレ解説|明達のその後の考察、元となった事件の概要など

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誰も知らない クライムドラマ

映画「誰も知らない」のあらすじ紹介、解説、考察をしています!
考察内容はモデルになった事件『巣鴨子ども置き去り事件』について、明たちのその後などについて書いてます。

誰も知らない

制作年:2004年
本編時間:141分
制作国:日本
監督・脚本:是枝裕和

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キャスト&キャラクター紹介

誰も知らない
©2004-2007『誰も知らない』製作委員会
福島明柳楽優弥
福島家の長男12歳。
母・けい子に頼まれて妹弟の面倒を見る。
長男らしい真面目な性格で、特にけい子から過剰に頼りにされている。

 

誰も知らない
©2004-2007『誰も知らない』製作委員会
福島京子北浦愛
明の妹。10~11歳位。
けい子が不在がちになる本当の理由を察し始めている。
家族思いの優しい性格。

 


©2004-2007『誰も知らない』製作委員会
福島茂木村飛影
明と京子の弟。8~9歳位。遊び盛りでいつも騒がしい。
前の住居では、茂の遊ぶ声や物音が原因で現在の部屋に引っ越している。

 


©2004-2007『誰も知らない』製作委員会
福島ゆき清水萌々子
4〜5歳の末っ子。子どもたちの中では誰よりも母親が必要な年齢。
アポロチョコのイチゴ味が好物。

 


©2004-2007『誰も知らない』製作委員会
水口紗希韓英恵
不登校の中学生。
不登校を親に隠すため、朝から夕方まで制服姿で外で時間を潰している。
昼間に明たちと会うことが多く、いつの間にか仲良くなった。
明たちの置かれている状況を知り、力になろうとする。

 

誰も知らない
©2004-2007『誰も知らない』製作委員会
福島けい子YOU
4人兄弟の母親。
子ども達の世話を全て明に押し付けて新しい男と同棲を始める。
陽気な性格だが、基本的に自分のことで精一杯。
恋多き女で4人の父親は全員違う。
子どもたちの出生届も出しておらず、学校にも行かせようとしない。
宮嶋さなえ(コンビニ店員)…タテタカコ
杉原(ゆきの父親、タクシー運転手)…木村祐一
京橋(明の父親、パチンコ屋店員)…遠藤憲一
中延司(コンビニ店長)…平泉成
広山潤(コンビニ店員)…加瀬亮
吉永忠志(大家)…串田和美
吉永江里子(大家の妻)…岡本夕紀子
少年野球の監督…寺島進 ほか

 

あらすじ:起


(一家団らん中の福島家 ©2004-2007『誰も知らない』製作委員会)

ある夏の日、2DKのアパートに母の福島けい子(YOU)、12歳の長男 (柳楽優弥)、 長女の京子(北浦愛)、次男の(木村飛影)、4歳の妹ゆき(清水萌々子)の5人家族が引っ越してきました。

けい子は表向きは明と2人暮らしを装い、京子、茂、ゆきの3人は世間に隠しています。
けい子は子どもの出生届を全員出しておらず、学校にも行かせていません。
そのため けい子は明以外の3人の外出を一切禁止していて、京子は洗濯物を干す時だけベランダに出ることを許されますが、茂とゆきは部屋から一切出てはいけません。

家事は主に明と京子の仕事で、けい子は家事をせず日中は仕事、夜は遊んで深夜に帰ることが多い生活でした。
けい子は呑気で陽気な性格で、子どもたちもけい子が大好きなので、それなりに幸せでした。

子どもたちはたまに「学校に行きたい」と言いますが、けい子は「いじめられるよ」と答えるばかりで学校に行かせる気配はありません。
ちなみに子どもたちの父親は全員違います。

秋頃のある朝。けい子は1人でどこかに行ってしまいました。
テーブルの上には『明へ お母さんはしばらく留守にします。よろしくね!』と書かれたメモと、15万円程度の現金が置かれていました。
明はけい子が新しい男の所に行ったと察しますが、妹弟には「仕事でしばらく帰ってこれない」と言いました。

その後1か月経ってもけい子は戻らず、明の所持金は残り1万円程になりました。
危険を感じた明は ゆきの父親(木村祐一)と、明自身の父親(遠藤憲一)を訪ねて援助を頼みますが、ゆきの父からは援助してもらえず、明の父は5千円くれますが、事態の深刻さはあまりわかってもらえませんでした。


(父親を訪ねる明 ©2004-2007『誰も知らない』製作委員会)

生活費の残金が5千円を切った頃、ようやくけい子が上機嫌で帰って来ます。
茂とゆきは素直に嬉しそうですが、真実を知る明と、何となく事情を察している京子は不満気でした。

数時間後。けい子はまた荷物を準備してしばらく外泊すると明に言います。
駅まで荷物持ちした明は「母さんは勝手過ぎる」と不満をぶつけますが、けい子は「勝手なのはあんたたちの父親よ!」と屁理屈を言い始め、明は返す言葉がなくなりました。
その後、けい子は「クリスマスまでに帰るから」と言い残して行ってしまいました。

 

あらすじ:承

その後、けい子はクリスマスを過ぎても帰ってきません。
クリスマスの日、明は最寄りのコンビニでケーキが値下がりするまで待ってから買って帰りました。

翌日、我慢できなくなった明は公衆電話からけい子の勤務先に電話してみると、けい子は11月いっぱいで退職していたことが発覚します。
明はけい子からの現金書留を頼りに差出住所に電話をかけてみると、けい子は新しい男と新しい家庭を築こうとしていることがわかり、明はショックで電話を切ってしまいました。

けい子が帰ってこないままお正月になりました。
明は顔見知りのコンビニ店員、宮嶋(タテタカコ)に頼んでポチ袋に兄弟全員の名前を書いてもらい、4千円ずつ入れて「お母さんからもらった」とウソをついて3人にお年玉を渡します。
京子はポチ袋の筆跡でけい子ではないと気付きますが、何も言いませんでした。

数日後。ゆきの5歳の誕生日が来ました。
ゆきが「お母さんは今日絶対に帰って来る!駅まで迎えに行く!」と言って聞かないので、明はけい子が決めた『外出禁止ルール』を破ってゆきを駅に連れて行きます。
明とゆきは駅前で終電まで待ちますが、けい子が改札から現れることはありませんでした。
寂しそうなゆきに、明は「いつか一緒にモノレールに乗って、羽田空港で飛行機を見よう」と励ましました。


(駅から帰る明とゆき ©2004-2007『誰も知らない』製作委員会)

春休みの時期になると、茂はルールを破ってベランダで遊ぶようになり、明には同い年の男友達が2人出来ました。

明は初めての友達が嬉しくて、仕送りでゲームを購入して友達を自宅に呼んで遊びます。
友人2人は明の家に親がいないことを知ると、いつまでも明の家に入り浸り、何かと明に奢らせようとします。
京子とゆきは明に不快感を訴えますが、明は友達を失うのが嫌で何も言えませんでした。

ある日、いつものコンビニで友達の1人が明に万引きさせようとします。
しかし明はこのコンビニの店員が好きだったので何もしませんでした。
すると、友達は「つまらない もう遊ばない」と言い捨てて帰ってしまいました。

4月になると、明の友達は中学校に入学しました。
明は放課後に友人2人を遊びに誘いますが、理由をつけて断られてしまいます。
友達の1人が「ダサい」と文句を言いながら履いていた白いスニーカーが、明には輝いて見えました。


(明の誘いを断って帰る友達を見つめる明 ©2004-2007『誰も知らない』製作委員会)

夏が近づいてきました。けい子からの仕送りは途絶えていて、家賃や光熱費が払えなくなりました。
困った明はコンビニで働かせてもらえないかと宮嶋に頼みますが、日本では16歳以上でないと働けません。(明は12歳)
宮嶋は「児童相談所とかに相談した方がいい」と言いますが、明は「前に相談したら4人一緒に住めなくなりそうになったから、もう相談したくない」と答えて帰りました。




あらすじ:転


(植物に水をあげる茂 ©2004-2007『誰も知らない』製作委員会)

残りの生活費が5千円を切った時、京子がお年玉の4千円を明に返しました。
その日、明は外出禁止ルールを破って4人一緒にコンビニに行き、即席麺やおやつを買えるだけ買いました。
コンビニからの帰りには、道端に生えていた食べられそうな実や花の種を採取して、土を拾い、カップ麵の空き容器に土を入れて種を蒔きました。
その日、部屋の電気が止まりました。

本格的に熱くなってきた頃に水道も止まり、明たちは水を公園で調達するようになりました。
この頃に明に声変わりが始まりました。
また、明達は不登校の中学生 水口紗希(韓英恵)と仲良くなり、一緒に過ごすことが多くなりました。
紗希は不登校を親に言えず、平日は制服を着て家を出て、外で時間を潰して夕方に帰宅しています。
紗希は京子とゆきの姉のような存在になりました。

もう生活費は小銭しかありません。
事情を察してくれたコンビニ店員の宮嶋や広山(加瀬亮)が、店長の目を盗んで余り物の弁当やパンをくれるようになり、明たちは主にコンビニ食で食いつなぎました。

明が出かけていた日、紗希は明達がお金に困っていることを知りました。

誰も知らない
(大家が訪ねて来て固まる紗希、京子、ゆき ©2004-2007『誰も知らない』製作委員会)

その後、紗希は明に「私がお金を作ってくるよ」と言うと、援助交際に近いことをしてすぐに1万円をもらって戻ってきました。
明はそのお金が汚ない気がして受け取れず、紗希を無視して逃げました。

 

あらすじ:結

救いのない状況に怒り爆発した明が売れそうなけい子の私物を漁っていると、京子が「お母さんの物に触るな」と騒いで喧嘩になってしまいました。

明は頭を冷やすために外に出て、小学校の校庭の外で少年野球を眺めていると、監督(寺島進)に声をかけられて、明はピンチヒッターで野球チームの練習試合に参加することになります。
明は小学生に混ざって試合に参加して、初めてバットの持ち方や打ち方を教わりました。


(明に声をかける少年野球の監督 ©2004-2007『誰も知らない』製作委員会)

明が帰宅すると、ゆきが倒れて動かなくなっていました。
京子と茂が小さな声で「椅子から落ちた」と言いました。
ゆきは椅子に立ってベランダから外を見ようとして落ちてしまったようです。

明はなけなしの小銭を使って公衆電話からけい子に電話しましたが、けい子が出る前にお金が無くなって電話が切れてしまいました。
明は困った末にドラッグストアで湿布を盗み、ゆきに出来る限りの介抱をして回復を祈りました。

翌朝。ゆきは冷たくなっていました。
死んだことを悟った明は紗希に事情を説明して助けを求めます。
明と紗希は、ゆきが大好きだったアポロチョコイチゴ味をコンビニで買えるだけ買って部屋に戻ると、けい子から現金書留が届いていました。
中には数万円と『明へ みんなをヨロシクネ!頼りにしてるわよ!』と呑気なメモが添えられていました。

明達は部屋にあった旅行用トランクにゆきを入れ、ゆきが好きだった物やアポロチョコを一緒に入れました。
明は紗希と一緒にトランクを運び、モノレールに乗って羽田空港に行きます。
飛行機を見ようと約束していた明は、次々に離着陸する飛行機をしばらく眺めた後、近くの河川敷に紗希と一緒に穴を掘り、ゆきの遺体をトランクごと埋めました。

ゆきの死に周囲の大人たちは誰も気付きません。
明はけい子にも、ゆきが死んだことを報告しませんでした。
紗希は明と仲直りして、また明たちと一緒に過ごす日が増えました。
明たちはいつものようにコンビニで売れ残りの食材をもらい、公園で水を調達するとアパートに戻っていきます。

解説・考察は次のページです!




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