『ミッドサマー』解説・考察|ラストの笑顔の理由、ダニーのその後の予想、ペレについてなど | 映画鑑賞中。

『ミッドサマー』解説・考察|ラストの笑顔の理由、ダニーのその後の予想、ペレについてなど

ホラー
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映画『ミッドサマー』の解説考察をしています!

美しい自然の中で起こる残酷な儀式の数々に鳥肌が立ちました!
可愛いと怖いが見事に融合して独特の雰囲気を味わえる素晴らしい作品でした。
多くの伏線が張り巡らされていて、公式サイトにも解説ページが作られる程丁寧に作り込まれています。

解説読まないとわからない部分も多くありましたが、登場人物たちの行動などから行動理由や目的を考察します。

鑑賞済みの方のための解説考察記事です。
まだ観ていない方はネタバレにご注意ください。

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映画『ミッドサマー』概要紹介

ミッドサマー

原題:Midsommar
制作年:2019年
本編時間:147分
制作国:アメリカ
監督・脚本・原案:アリ・アスター

ミッドサマー [ フローレンス・ピュー ]

 

 

あらすじ

家族を一気に失って心に大きなトラウマを抱えた女子大学生ダニーは、民俗学を勉強中の彼氏クリスチャンとその友人たちと一緒に、スウェーデンのホルガ村で90年に一度行われるという貴重なお祭り『大夏至祭(ミッドサマー)』の見学に同行しました。

美しくも恐ろしい祭りを体験していくうち、ダニーの心に少しずつ新しい価値観が芽生えていきます。

主要キャラ紹介

ダニーフローレンス・ピュー
アメリカ人大学生。精神を患っていた妹が両親を道連れに心中し、心に大きな闇を抱える。
彼女もパニック障害を抱え、彼氏クリスチャンに依存している。

クリスチャンジャック・レイナー
大学院生。ダニーとは交際4年目になるが、本当はかなり前から別れたがっている。

ペレヴィルヘルム・ブロングレン
クリスチャンの友人。スウェーデンのホルガ村出身で、ダニー達をホルガ村の大夏至祭に招待した。

ジョシュウィリアム・ジャクソン・ハーパー
クリスチャンの友人。北欧の民族文化を専門的に研究中で、ホルガ村の夏至祭を題材に論文を書こうとしている。

マークウィル・ポールター
クリスチャンの友人。短絡的で人間の三大欲求を満たすことしか考えていない。
セックスとドラッグを期待して祭りに参加。

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大夏至祭りの概要

ホルガの人々の夏至祭りについて、作中の発言などから祭りの由来や目的を推察します。

巨人ユミルについて

ダニー達が最初に話をしたホルガの賢人の1人オッドが、彼の衣装について「巨人ユミルを讃えるため」と言っていました。

巨人ユミルは北欧神話における世界を作り出した神様のような存在で、巨人族の祖先でもあります。
ユミルは氷の雫から産まれた存在で、ユミルと同じように雫から産まれた雌牛のお乳を飲んで育ちました。
オッドと会う少し前に牛ちゃんが登場するのも、このユミルと雌牛との関わりからです。
この雌牛から産まれるのが北欧神話に登場する神様たちです。

ユミルは自身の体から分身のように産まれた巨人でグループを作りますが、巨人族は原始的な存在だったせいか非常に粗暴だったため、先ほどの雌牛から産まれた神々のグループと対立して、最終的にユミルと巨人族のほとんどは神に殺されてしまいます。

ユミルから流れ出た血で大洪水が起こり、巨人族で生き残ったのは男女一組のペアでした。
その後、ユミルの様々なパーツを使って神が海、大地、山、岩などを作り、現在の自然豊かな北欧の土地が生まれたとされています。

ホルガの人々は巨人ユミルになぞらえて、神様に生贄を捧げていたということなのでしょう。
ダニーがメイクイーンになった後に祝福の儀式でお肉を土に埋めていたのも、ユミルの血肉が大地に変わったことを考えると納得できました。

 

『9』という数字

ミッドサマーでは数字の『9』が重要視されていました。

北欧神話で『9』は頻繁に登場する数字で、例えば神様の子孫オーディンは知識欲が非常に強く、片目と引き換えに膨大な知識を手に入れました。
さらに、ユミルから生まれた世界樹ユグドラシルに自分自身を9日9夜縛り付けて、自分自身にグングニル(神聖な槍)を突き刺して身を捧げた見返りとして『ルーン文字の秘密』を会得しています。

また、彼らの世代別の役割については18年ごとに変化して、季節になぞらえられていました。

・0~18歳→春
・18~36歳→夏(巡礼の旅をする)
・36~54歳→秋(労働)
・54~72歳→冬(人々の師となる)
・72歳→肉体を自然に還して生まれ変わりを待つ(休眠期?)

9の法則になぞらえると、恐らく72歳で死亡してから18年後の90年で本当のサイクルの終わりで、その後また0から始まる、ということを永遠に繰り返すのがホルガの『輪』の考え方です。

 

祭りが9日間無かった件について

祭りの開会式で、司祭のシヴが「大夏至祭は9日間続きます」と説明してくれますが、本作はどう見ても6日位しかありません。

実は、私達が見た通常版は、お祭りの日程が3日間ほどカットされていたのです。
私はまだ観れていないですが、池の儀式でコニーが死亡するシーンや、ダニーとクリスチャンの関係がより明確になるようなやり取りなどが含まれているとのこと。

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感想(1件)

ダニー達のキャラクター構成

アスター監督は、アメリカ人作家による童話『オズの魔法使い』の要素を取り入れていると発言しています。

『オズの魔法使い』の要素は、ダニー、クリスチャン、マーク、ジョシュのアメリカ人学生達のキャラクター構成に取り入れられています。

オズの登場人物とダニー達をあてはめてみると、家族を求める主人公のドロシーがダニー、勇気が欲しいライオンがクリスチャン、脳(知識)が欲しいカカシがマーク、心が欲しいブリキの木こりがジョシュでしっくり当てはまります。

クリスチャンがダニーと別れたいのに別れられない理由も、明らかに怪しい飲み物を断れずに飲んでしまうのも、全て勇気がないことに由来しています。

マークは基本女のことしか考えておらず、倒木の神聖さを理解しようとしないのも考える能力の欠如故ですし、ジョシュは論文のためにホルガの人々に対する裏切り行為が目立ちました。

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誰かが喜べば喜び、誰かが泣けば泣くホルガの人々

ミッドサマー
(C)2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.

ホルガの人々は、彼らの誰かが喜べば一緒に喜び、苦痛に泣き叫べばみんな一緒に泣き叫んでいたのが印象的でした。

彼らの行動は、ホルガ全体で1つの家族(集合体)であることを強調していたように見えました。
崖から飛び降りた老人ダンが、すぐに死ねずに痛みで叫べば、ホルガの人々も痛みを共有して叫び、ボランティアで生贄になったウルフが焼け死ぬことへの恐怖から悲鳴を上げれば、ホルガの人々にも恐怖が伝染していました。

何というか、ホルガの人々はそれぞれが個々の人間というよりも、彼らが1つでホルガという生命体で、個人個人はホルガを形成するための細胞の1つのような印象を受けました。

ダニーがクリスチャンの浮気を目撃して泣き叫んだ時に、一緒にいたホルガの女性達も泣き叫んだのは、ダニーがホルガの人々に家族だと認められた証拠だったのでしょう。

 

ペレの親の死因

ペレはダニーに「私の両親は炎に焼かれて死んだ」と言っていました。

これは9人の犠牲者たちが最期にどうなるのかを示す伏線でもあり、ペレの両親もボランティアとして自ら生贄になったことも意味しています。

ホルガのお祭りで人間の生贄を捧げるのは90年に一度の大夏至祭だけではないということになります。

大夏至祭以外の祭の説明が無かったですが、ペレがダニーに見せていた去年のメイクイーンの写真から、少なくとも夏至祭自体は毎年開かれているのがわかります。

とは言っても毎年生贄があるかどうかはホルガの人口的にも無理がある気がするで、今回の大夏至祭(90年に1度)がマックスの9人、その他は、例えば9年に1度等のペースで生贄を捧げていたのかもしれません。

 

9人の生贄をおさらい


(C)2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.

死亡した順に生贄メンバーをおさらいします。

①イルヴァ…ホルガの老人。アッテストゥパンで死亡。

②ダン…イルヴァと同じ

③コニー…ロンドン女子。溺死。

④マーク…アメリカ男子。ウルフにより愚か者の皮剥ぎの刑。

⑤ジョシュ…アメリカ男子。ハンマーで撲殺。

⑥サイモン…ロンドン男子。人身御供を捧げる儀式『血のワシの刑』

⑦ウルフ…ホルガの秋世代。ボランティアして神殿で焼死。

⑧イングマール…ホルガの夏世代。ボランティアで焼死。

⑨クリスチャン…アメリカ男子。ダニーに選ばれ熊の生皮を着せられて神殿で焼死。

次のページに続きます!

次は『イングマールとウルフが生贄になった理由』、『マヤがクリスチャンを選んだ理由』、『ペレについて』、『ラストの笑顔について』、『ダニーのその後』などです!

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