是枝裕和監督の映画『万引き家族』の柴田一家が集まった経緯について解説・考察しています。
鑑賞済みの方向けの考察記事のため、未鑑賞の方はネタバレにご注意ください。
本編時間:120分
制作国:日本
監督・脚本・原案:是枝裕和
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治と信代の出会い
『万引き家族』の主犯格であり、柴田一家の核だった治(リリー・フランキー)と信代(安藤サクラ)の出会いについてです。
治の本名はショウタ、信代の本名はユウコなので、紛らわしいですが本名で表記します。
映画では、ユウコの「私も(出会いは)お客さんだった」という発言から、2人は水商売のお店で店員とお客さんという形で出会ったことが示唆されています。
元々ユウコはショウタと出会う前は別の男性と結婚していましたが、ユウコは夫からの深刻なDVに悩まされていました。
お店で出会って意気投合したショウタとユウコは、経緯まではわかりませんが共謀して夫を殺害しています。
この時、ユウコの夫を殺した罪はすべてショウタがかぶって刑務所に服役しました。
ショウタの出所後、2人は夫婦として一緒に暮らし始めますが、ショウタは前科のせいもあって仕事が見つからず、ユウコのパート代で何とか生活していましたが、2人は住む場所にも困るような毎日を送っていました。
恐らく治はこの頃から既に食べるのに困ったときは万引きしていたと思われます。
夫婦と初枝の出会い
ショウタ(=治)& ユウコ(=信代)と初枝の出会いは映画公開後に発売された小説版『万引き家族』に記されています。
2人が極貧生活を送る中、ショウタはパチンコ店をうろついていた時に、他人のパチンコ玉をくすねている老婆に興味を持ち、声をかけます。
その老婆が当時独居老人だった柴田初枝(樹木希林)でした。
そして、会話の流れからショウタが住む場所にも困っていることを知った初枝は、ショウタとユウコを自宅に招き入れて同居を許します。
同居後にショウタは初枝の実の息子『治』、ユウコは治の妻『信代』を名乗るようになりますが、それを提案したのも恐らく初枝だったのではないでしょうか。
初枝の過去
初枝が独居老人になるまでの経緯です。
元々初枝は家庭を持っていましたが、夫とは不倫が原因で離婚して、老後は本物の息子『治』と妻の『信代』夫婦と3人で生活していました。
しかし、初枝は本物の息子夫婦とは上手に関係を築けず、息子夫婦は初枝を置いて(捨てて)福岡に引っ越してしまいました。
その後、趣味のパチンコで寂しさを紛らわせる生活を送っていた初枝は治(ショウタ)と出会い、新しい家族との同居生活を始めます。
初枝の元夫は離婚後、不倫相手と再婚して別の家庭を築きました。
元夫と新しい妻の子どもが、初枝が訪ねていた譲(緒形直人)です。
また、亜紀が『治』と『信代』が偽名だと知らなかったことから、亜紀が初枝の所に来たのは初枝と治と信代の同居後ということになります。
亜紀と初枝達が一緒に住み始めた経緯
ややこしいですが、亜紀は譲(初枝の元夫の再婚相手の息子)の娘です。
こちらは小説版からの情報ですが、亜紀と初枝が初めて会ったのは亜紀の祖父(初枝の元夫)のお葬式です。
亜紀は元々は譲の家庭にいましたが、両親とも妹とも関係が良くなく、居場所がありませんでした。
真剣に悩んでいた時に初枝に「家に来ても良いよ」と言われて家出して、初枝の家族に仲間入りしています。(具体的な同居開始時期は不明ですが、1年以上は同居していたように感じます)
祥太が拾われた経緯
祥太が治と信代の実の子どもではなかったことは、祥太自身も知っていました。
祥太は赤ちゃんの頃、パチンコ店の駐車場に止められていた車の中に放置されていたところを治が見つけ、放っておけずに連れて帰ったのがきっかけでした。
祥太は自分の本名を知らない(覚えていない)ので、物心がつく2歳頃以前の出来事になると思われます。
逆算すると、治と初枝が出会った頃には祥太はまだ拾われていなかったので、治と信代と初枝は10年近く一緒に住んでいたことになります。
リン(ユリ、ジュリ)が拾われた経緯
リンは2月の真冬の夜にアパートのベランダに閉め出されていた所を治(と祥太)が発見して、放っておけずに柴田家につれて帰りました。
信代は反対して一度は元居た場所に戻そうとしますが、信代と治がリンのアパートの前に着いた時、リンがいなくなっていることに気付いた両親がお互いに責任を擦り付け合うように言い争っている声を聞いて誘拐を決意しました。
信代が供述で「誰かが捨てたのを拾った」と発言していた通り、本当の家族から見放されたり、虐待を受けていた子どもたちで構成された家族でした。
以上です。読んでいただきありがとうございました。
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