「Dr.パルナサスの鏡」ネタバレ解説|悪魔ニックの正体、トニーの役割など考察 | 映画の解説考察ブログ - Part 2

「Dr.パルナサスの鏡」ネタバレ解説|悪魔ニックの正体、トニーの役割など考察

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ダークファンタジー

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トニーが最後に鏡の中に入った本当の理由

パルナサスとニックがヴァレンティナを巡って賭けをしていることを知ったトニーは、「俺が5人目になってパルナサスの道を選べばいい!」と言って鏡の中に入っていきます。
しかしその後、トニーは自分のことしか頭にない人物で、ヴァレンティナのことも愛していなかったとわかります。
つまり、トニーの目的は最初からヴァレンティナを救うことではありません。

トニーがマフィアから逃げるために鏡に入った時、鏡の世界はトニーの欲望が反映された『富と名声(雲の上)を目指す世界』になっていました。
マフィアが消えた後、トニーがアントンに「雲の上(富と名声の世界)に行くハシゴにはどう行けばいい?」と結構しつこく聞いています。

これがトニーの正体を表す伏線で、彼は富と名声を欲しています。
トニーはヴァレンティナを救うという名目で再び鏡に入り、この世界では今度こそ上手くやって、最終的には鏡の世界の住人になってテッペン取ってやろうと考えていたのです。
しかし、鏡の世界でもトニーの正体は露見し、トニーは再び世間からの非難を受けてマスコミから逃げ惑うことになります。

 

トニーが持っていた石板と、おでこの赤い文字

パルナサス
(魔術師のタロットカード 引用:https://ja.wikipedia.org

トニーが発見されたとき、トニーは落ちない塗料でおでこに赤い文字を書かれ、ポケットには星のマークが書かれた石板のようなものが入っていました。
 
パルナサスはトニーを発見する直前に、タロットカードで『吊るされた男』を引いていて、さらに、この石板のマークがタロットカードの『魔術師』のマークと似ていたため、この男が運命を左右する男だと気付きます。
後に石板は出てこないためあまり重要ではないですが、この石板もおでこの文字も、トニーを吊るしたマフィアが仕込んだものです。

マフィアたちは、Jロウがトニーかどうか確かめる際、おでこに文字があるかどうかで判断していましたし、石板の☆マークが出てくる『魔術師』のカードには「裏切り」という意味があります。
恐らく裏社会の人々の間で裏切り者を殺した後は、☆印の石板を持たせる約束(マフィアの関係者などに暗に知らせるための行動)があったのではないかと思われます。

ちなみに、『吊るされた男』には逆位置で「欲望に負ける」という意味がありますから、トニーが後に悪人だとわかる伏線でもあります。




結局トニーの役割は何だったのか


© 2009 Imaginarium Films, Inc. All rights reserved. 2009 Parnassus Productions Inc. All rights reserved.)

最終的に悪役になってしまうトニーですが、パルナサスにとって運命の男だったトニーの役割は、
・見世物に絶えずお客さんを連れてくること
・ヴァレンティナの最初の男になること
だったのかなーと思いました。

トニーが来るまでは主な客引き係はアントンでしたが、アントンは客引きが上手ではありませんでした。
パルナサスとニックの賭けはお客さんがある程度来ないと始まらないので、人とお金を集める才能のあるトニーが必要でした。

次のヴァレンティナですが、彼女はトニーと初めての恋愛を経験し、ダメンズと付き合ってアントンとトニーを比較することで、アントンの真実の愛に気付くことができ、本当に大事に思ってくれているアントンと結ばれることができたのです。
この点においても、トニーは重要な役割を果たしていたと解釈しています。

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