映画『12モンキーズ』ネタバレ解説|ラストの解釈、科学者の目的など考察 | 映画の解説考察ブログ - Part 2

映画『12モンキーズ』ネタバレ解説|ラストの解釈、科学者の目的など考察

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SF

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ホセの役割

ジェームズの囚人仲間だったホセに与えられていた役目について考えます。
ホセが現れたのはWW1と空港でした。
発言から考えても、ホセは恐らくジェームズが必ず科学者たちの意図した通りに行動するように見守り役(軌道修正役)を任されていたと考えられます。

ジェームズ少年が大人になった自分自身の死を目撃していたように、ジェームズがあの空港で死ぬことは決まっています。
空港でホセが目的を明かさずに銃を渡したのは、ジェームズは銃を持っているだけでよかったからです。
ジェームズは銃を持っていたから警官に撃たれたので、逆に銃を持っていなければ撃たれていなかった(死ななかった)かもしれません。

科学者たちの発言から察するに、ジェームズは科学者たちがウィルスの元株をゲットするために必要不可欠な人物であり、決まった運命をたどってもらわなければいけなかったので、ジェームズの人格や生き方がタイムスリップによって変わるのを避けるためにも、ジェームズ少年には銃撃戦を目撃してもらう必要があったのかもしれません。

 

夢の中の実行犯はジェフリーだった


(引用:https://mobile.twitter.com

ジェームズが何度も見ていた空港での銃撃戦の夢で、ウィルスをバラまいた実行犯はジェフリーでした。
実際にはピーターズに変わっていましたが、恐らくウィルス散布する人間を止めようとすることに意味はなく、ジェフリーがだめならピーターズ、ピーターズが駄目ならまた別の人が、となり運命は変えられないことを示していたと解釈しています。

恐らくはピーターズ博士も12モンキーズの一員で、元々ウィルス散布はジェフリーの仕事だったものの、ジェームズとキャサリンがジェフリーをマークしていることに気付いた組織は担当変えを行い、ジェフリーは注意を逸らす要員になり、ノーマークだったピーターズが実行犯に変わってしまったのです。

たとえもう一度タイムスリップしてジェフリーとピーターズ両方をマークしても、今度は別の構成員がウィルス散布することになり、阻止するのは不可能なのでしょう。

ちなみに、ピーターズ博士の思想(犯行動機)は全て、キャサリンに対する発言に集約されています。

「人類は今のままでは地球を滅ぼすことになる
核兵器 計画性のない人口の増加 陸 海 空気に対する環境汚染
なのに人類はそれらの警告を真剣に受け止めようとせず 目先の暮らしに浮かれている」




カサンドラ異常心理

カサンドラ異常心理(カサンドラコンプレックス)の意味については作中でキャサリンが簡単に説明してくれていましたが、改めて説明すると、名前の由来はギリシャ神話の予知能力を持つ女王カサンドラから来ています。

彼女は太陽神アポロンを怒らせてしまい『予言を誰にも信じてもらえない呪い』をかけられます。

本作においてキャサリンは、世界各地に出没した予言者の心理状態を分析して『カサンドラコンプレックス』と名付け、予言者を精神病者にしてしまったのです。
キャサリンはジェームズの未来についての発言を信じ、世間に広めようとしたことで、逮捕後は彼女自身がカサンドラコンプレックスと診断されてしまうのでしょう。

 

歯を抜いた浮浪者

ジェームズが1996年に出会った浮浪者は、ジェームズの幻聴の声の主でもありました。
彼が声だけでなく姿も存在していた点や、歯に追跡装置があると言い抜いていた点などから、恐らくこの浮浪者も未来から来た元囚人で、科学者に命じられてタイムスリップしていたと思われます。

この浮浪者もジェームズと同じように1996年で12モンキーズについて情報を集めるように命じられていたのでしょうが、彼は歯を抜いて科学者たちの監視から逃れ、そのまま浮浪者として1996年で余生を過ごしていたのでしょう。

 

落書きと留守電


(引用:https://gifer.com

『ここからウィルスが?50億人が死ぬ』を書いたのも、「メリークリスマス!」で終わる留守電も、残したのは1996年のキャサリンでした。

『We did it!(俺達がやった)』の落書きを残したのは12モンキーズのメンバーの誰かです。
ジェフリーが動物園の動物を解放したことを知った直後、ジェームズとキャサリンは『動物の解放のことだったのか』と安堵していましたが、恐らく動物園テロとウィルス散布の両方のことを指していたと思われます。

 

ヨハネの黙示録

キャサリンや、道端で演説する伝道師が何度もヨハネの黙示禄の中の同じ箇所を朗読していました。

「災害のはびこる時には予言が氾濫して 4頭の獣の1頭は神の怒りに満ちた金の鉢を7人の天使に渡した」

ヨハネの黙示禄は新約聖書の中で唯一、預言のような性質を持つ記録です。
上記の文の後、金の鉢を手にした7人の天使が1人ずつ鉢を逆さにすると7つの大災害が起こって地球上に住む生物のほとんどが死にます。
その後 地球は生まれ変わり、新しい天と地が新しい生命をはぐくみます。

黙示禄を通してみても、やはり科学者達の目的がウィルス蔓延を阻止することではなく、生き残った人類が動物たちと共生する新しい世界を作ることだと裏付けているように思えます。

以上です!読んでいただきありがとうございました
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・テリー・ギリアム監督作品

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  1. 匿名 より:

    クライマックス辺りの解釈が難しくて、こちらの考察を拝見して、なるほど、と思いました。ありがとうございました。ひとつ、実行犯がジェフリーではなくなったのは、パパ博士を拉致したときに、パパがジェフリーに、細菌室に入る暗証番号を私も知らない暗証番号に変ったんだよ。と言って、ジェフリーが、手遅れなんだよパパ。こっちは先を読んでいる。と言っていたので、この時点で実行犯はピーターズ博士に予定変更されていた。余談ですがパパをゴリラ檻に監禁の新聞一面の写真がおかしくておかしくて、なんど見ても笑ってしまいます。個人的にブラピに出演作で一番好きな作品です。

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