映画『シャッターアイランド』徹底解説考察|伏線、原作とのラストの違い、周辺人物についてなど | 映画の解説考察ブログ - Part 3

映画『シャッターアイランド』徹底解説考察|伏線、原作とのラストの違い、周辺人物についてなど

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シャッターアイランド サスペンス

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その他の伏線らしき発言と行動まとめ

主要人物の発言の多くがテディ自身に向けられているものばかりです。
特にコーリーの発言は意味深なのが多かった気がします。
気になった発言を抽出して意味を考えます。

テディ「妻は死んだ 勤務中の火災でアパートが火事になって4人死んだ中の1人だった

テディとチャックの自己紹介の時の発言です。
火事で4人が死に、その中の1人がテディの妻で、他の3人は同じアパートの住人ということでした。

『4人』は死んだテディの妻と子どもたち3人の合計人数なので、テディの無意識は『4人の大切な人を失った』ことを覚えているけれど、子供達のことは忘れていることになります。

 

テディ「ピリピリしてるな」
マクフィアソン「そういう状況でね

島に到着した直後、警備員の多さに驚いたテディとマクフィアソン(警備副隊長)の会話です。
女性患者の逃亡で警備員が増えているように見えますが、実際にはテディという危険患者を野放しにしているので、何か起きたらいつでも対応出来るように見張りを増やしていたのです。

 

REMEMBER US FOR WE TOO HAVE LIVED AND LAUGHED
=ここに眠る我々も愛し 笑い そして人生を生きた

テディがアッシュクリフの敷地内に入る前に見かけた墓前脾のような物に彫られていた言葉です。
重要なのは『REMEMBER US(=私たちを思い出して)』な気がします。

 

チャックが銃を外すのにもたつく

病院の敷地内に入る時、マクフィアソン副隊長の指示で拳銃を預けます。
この時にチャックが銃を取り外し方がわからずもたつくのは、彼が保安官ではないことの伏線です。

マクフィアソンも呆れ顔な上にテディも変な目で見ていますが、4年目の新人ということで大目に見てもらえたようです。




テディ「電流が通ってる」
チャック「なぜわかる?」
テ「前にも来たことがある

病院の外堀に張り巡らされた鉄線に電気が通っていることをテディは知っていました。
覚えている理由は「過去に脱走しようとして感電したことがある」からなのでしょうが、テディ本人は前にも捜査で来たことがあると思い違いしています。

 

テディ「感染する病気か?

C棟に危険な患者がいると説明したときのテディの反応です。
マクフィアソンが笑ったのは、テディ自身がC棟の患者だからです。

 

テディにサインを送る本物の患者たち
シャッターアイランド

© 2012 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

足枷をはめた男性患者や、髪がほとんど残っていない女性患者がテディに何かしらサインを送ります。
テディは覚えていませんが、彼らにとってテディは顔見知りです。

「シー」と口に人差し指を当てる女性患者は特に印象的でした。
患者達は「テディと喋ってはいけない」と命じられているのか、逆にテディに「何も喋るな」とメッセージを送っているのか、どちらにも受け取れます。

 

ここの患者はカセをはめられ汚物まみれ 病気を叩き出すためにムチで叩かれて 脳にはドリルで穴を空けられ 意識を失うまで冷水に浸けて 溺死する者もいる

この時コーリーは、テディのおでこの絆創膏が貼ってある場所と同じ箇所を指したので、すでにテディは手術されて失敗したんじゃないかと思いました。

しかしテディの様子からはロボトミーされた雰囲気は無いですし(元気過ぎる)、頭蓋骨に穴を空けたのなら2週間ちょっとで動き回れるほど治るのも変な気がするので、この発言は観客に『疑わせる』ための演出だと判断しています。

また『溺死』という単語にもテディの子どもたちの死因が暗示されています。

 

コーリー「私は彼らに『治療』を施す 病を癒すため たとえ失敗しても安らぎを与えてやりたい
テディ「でも患者は皆凶悪犯なんでしょう?他人を傷つけたり殺害したり」
コ「大半がね」
テ「そういう奴らに安らぎを与えるので?

これは完全にテディに向けられた言葉ですが、テディは「凶悪犯に安らぎは必要ない」と完全否定しています。
これはテディも自分自身を批判していることになります。




テディ「彼女は現実に目覚めないんですか? こういう施設にいることをいつかは気付くはずだ」
コーリー「人間は思い込みを正せない

この発言もテディの自虐発言になっています。
その他にも、スコセッシ監督はコーリーを通して「保安官」「医師」「患者」などの立場から生じる思い込みを捨てて観てほしいというヒントを与えているようにも思えます。

 

やる気のない警備員

捜索部隊の視察にテディとチャックが外に出た時、地面に座り込んだり海に石を投げたり、明らかにやる気のない警備員がちらほら居ました。

テディは警備体制に問題があるとみなしましたが、実際にはレイチェルは存在していないので、警備員達は存在しない逃亡者を探す演技をさせられていたのです。
やる気がない警備員は『捜索ごっこ』に付き合いきれなかったのでしょう。

 

雨が心配だ 食事がまずい

テディがナースたちにレイチェルは何か言っていたかと聞いた時のナースの答えです。
ナースは「レイチェルはいつも同じことを言う」とも言いました。
「雨が心配」「食事が不味い」といつも言っていたのはテディ自身ということです。

 

ネーリングに絡むチャック

テスト初日の夜、テディとチャックはコーリーの自宅にお邪魔します。
同席していたネーリング医師がテディに絡むと、チャックがすかさず反論します。

これはチャック(シーアン)がコーリー側の医師で、ネーリングと対立関係であることを示す伏線です。

 

レイチェルには凶暴性を抑える薬が処方されたが、効果は安定せず、彼女は自分の行為を認めようとしなかった

コーリーが「レイチェルの症状」として説明していたのは全てテディの症状です。
テディに投薬治療が効かないから進歩派による治療テストが行われていて、それがダメならロボトミーだと示唆していることにもなります。

 

ナースが用意している注射器

カーンズへの聞き取り調査の直前に大きな注射器を用意して待機しているナースが登場します。

この注射は恐らく強力な麻酔薬で、テディが暴れた時のために用意していたものです。




俺ならそいつを二度殺す

レディスに対するチャックの意見です。
深い意味は無いようにも思えますが、もし伏線だとしたら、レディスが記憶を失ってテディ保安官になるのが今回で3回目だということになる気がします。

 

精神を病んだ者の言葉は誰も信じない

テディの発言です。自虐発言になっています。

 

謎のおじさん「4の法則ってやつか

テディとチャックが会議室に入った時、スーツ姿の見知らぬ男性が4の法則を知っていました。

このおじさんが4の法則を知っているということは、『4の法則 67人目は誰?』という謎が理事会で考案されたものであることを意味します。

この謎のメモは『テディに与えるヒント』のひとつであり、一連の事件も手がかりも全て仕込みだったことが仄めかされています。

 

ここでの価値ある試みは中々理解されない 人はすぐ簡単な解決方法に飛びつく 理解されなくとも、私は諦めずに戦う

コーリーの発言です。
『簡単な方法』というのはロボトミーのことなのでしょう。

 

トラウマの語源はギリシャ語の『傷』 夢はドイツ語で『トラウム』」 

ネーリング医師の発言です。
夢とトラウマは密接な関係で、夢を分析すればトラウマが見えてくると言いたいのでしょう。

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