ジブリ映画『風の谷のナウシカ』の解説考察を書いてます。
観賞済みの方向けの記事なので、まだ見ていない方はご注意ください。

監督・脚本:宮崎駿
原作漫画:『風の谷のナウシカ』著者/宮崎駿
シンボルテーマ:『風の谷のナウシカ』唄/安田成美
キャスト紹介

©1984 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, H
ナウシカ…島本須美
風の谷の王女。風の谷住人のみんなから慕われている。
自然を愛し、争いや殺戮を嫌う。

© 1984 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, H
アスベル…松田洋治
ペジテの王子。
双子の妹ラステルをトルメキア軍に拉致され、復讐しようとする。

© 1984 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, H
クシャナ=トルメキア…榊原良子
トルメキア軍辺境派遣軍司令官。
・その他のキャスト
ユパ・ミラルダ(ナウシカの師匠)…納谷悟朗
大ババ…京田尚子
ジル(ナウシカの父)…辻村真人
クロトワ(トルメキア軍参謀)…家弓家正
ミト爺(風の谷の住人)…永井一郎
ゴル爺(風の谷の住人)…宮内幸平
ラステル(ペジテの王女)…冨永みーな ほか
『風の谷のナウシカ』のネタバレあらすじ
約1000年前、高度な文明を築いた旧人類は戦争の末に「火の七日間」と歴史に名を残す大戦を引き起こし、滅亡しました。
やがて地球は「腐海」と呼ばれる猛毒の森で覆われました。
生き残ったわずかな人類は腐海のない限られた地域でそれぞれ暮らしていますが、腐海は徐々に広がり、国同士の争いも絶えず人類は絶滅の危機にさらされています。
風の谷の王女ナウシカは、腐海や蟲(むし)と共生する道を模索・研究しています。
そんな中、軍事国家トルメキアの戦艦が風の谷に墜落したことがきっかけで、風の谷はトルメキア軍に支配されました。
軍事大国トルメキアの皇女クシャナは、ペジテ市で発掘された古代兵器『巨神兵の胚(卵のような状態)』を強奪し、風の谷を新たな拠点として腐海を焼き払う計画を立てたことから、風の谷は争いに巻き込まれます。
さらに、トルメキアへの復讐を企てるペジテの人々は蟲の大群・王蟲(オーム)を怒らせて風の谷を襲わせる作戦を実行し、風の谷は破滅の危機に陥ります。
王蟲の襲来に気づいたクシャナは急いで巨神兵を目覚めさせて王蟲の群れを止めようとしますが、巨神兵はいわざ早産の状態で、力を発揮できず崩れ落ちます。
暴走する王蟲の前に立ったナウシカは、傷ついた王蟲の幼生を救うため自ら群れの中へ身を投げ出し、その命を懸けた行動によって王蟲の怒りを鎮めます。
王蟲たちはナウシカを蘇らせ、争いは終結します。
こうしてナウシカは、人間と自然は力で支配するのではなく、理解し共存することが未来につながるという希望を示しました。
その後、トルメキア軍は風の谷から撤退して国に帰りました。
風の谷の人々は、腐海に少しずつ侵食される過酷な環境の中でも、自然との共存を目指してたくましく生きています。
解説・考察・感想など
見ていて思ったことや疑問に感じたことを書き出しています。
腐海と蟲の正体は?

© 1984 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, H
腐海は有毒な瘴気(しょうき)を放ち、巨大な蟲たち(オームなど)が生息する危険な森です。
人々は腐海を「人間を侵す恐ろしい場所」と考え拡大を恐れていますが、腐海を攻撃すれば、逆に人間が返り討ちにあったり腐海が増殖するため、腐海を消滅させることは不可能です。
ナウシカは、腐海の植物を清浄な砂や水で育てる実験を行い、腐海の植物が毒を出す原因は植物そのものではなく、汚染された土壌や水にあることを突き止めます。
そして腐海の底が美しい空洞だったことから、腐海は人間が汚した土や水などの汚染物質を清浄にしていたことが発覚しました。
蟲たちは森を守る存在であり、森の中で生きることで清浄化の営みを助けていた存在でもありました。
腐海は自然環境をきれいにしているのに、人々が腐海の中でマスクなしだと呼吸ができなくなるのは、掃除中にホコリが舞うのと同じで、植物や菌類が掃除中で、周囲に毒物のホコリが舞っていたからです。
また、原作漫画ではもっと複雑な構造になっています。
原作との違いについては別の項目に書きます。
蟲たちが怒るのはなぜ?

© 1984 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, H
蟲たちは集団で巣を営み守る蜂のような習性があります。
蟲たちは、自分たちの巣である腐海が攻撃されたり、蟲を攻撃されると怒って反撃します。
そもそもなぜ怒るのか、という理由は映画では描かれておらず原作漫画の内容に触れることになりますが、王蟲などの蟲たちや腐海そのものが、自然環境を清浄化するために旧人類が遺伝子操作をして生み出した生態系であり、蟲たちは自然界に生きる動物並みの知能を持ち、攻撃されると怒って反撃するようにプログラムされていたからです。
動物並みの知能を持つ、と書きましたが、漫画ではナウシカを「小サキ者(ちいさきもの)」と呼びテレパシーを使い言葉を発するシーンもあるので、具体的にどれくらいの知能があったのかはわかりません。
ペジテの王女ラステルが「積荷を燃やして」と言ったのはなぜ?
トルメキアの戦艦が風の谷に墜落し、ナウシカがラステルを救出した際、ラステルは「積荷を燃やして」と頼みます。
ラステルが燃やして欲しかったのは、巨神兵の胚(卵)です。
ちなみにラステルがトルメキアの戦艦に乗せられていたのは、クシャナがペジテを侵略した証拠として国に持ち帰るためと、ペジテが反乱を起こすのを防ぐために人質にしていたからです。
トルメキア軍とクシャナの目的おさらい

© 1984 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, H
トルメキア軍の目標は国家統一であり世界征服です。
司令官のクシャナは、ペジテ市から旧人類の遺物である超兵器・巨神兵の胚が見つかったと情報を聞き、部隊を派遣してペジテを侵略し、巨神兵を強奪します。
トルメキア軍は巨神兵を国に運ぼうとしましたが、胚の重みで戦艦は高度を保てなくなり、墜落したのが風の谷です。
クシャナは巨神兵の持ち運びが難しいことを知ると、無理して持ち帰るのはやめて、風の谷を拠点にして新しい国家を建設しようと企みます。
国家建設と言うと大袈裟ですが、恐らくクシャナは巨神兵を所有し、使いこなすことでトルメキア内での権力を強めようとしていたと思われます。
そのためにまずは巨神兵を目覚めさせようとしていたのでしょう。
映画には出てこない情報ですが、クシャナはトルメキアの第4皇女であり、3人の兄がいます。
兄妹間では激しい後継者争いが繰り広げられており、クシャナは兄達から排除されようとしている背景があり、クシャナが巨神兵を手にしたことは、彼女にとって兄達を出し抜けるかもしれない大きなチャンスでした。
ナウシカの父ジルが殺されたのはなぜ?
ナウシカの父ジルがトルメキア軍に殺されてしまったのは、ジルが風の谷のリーダー(王)であり、トルメキア軍の侵略を拒んだからです。
足の不自由な老人を殺すなんてひどいと思いますが、敵軍のリーダーを殺すことは戦争において勝利の象徴であり、残された敵側の人々の戦意をくじく有効な方法です。
記事②に続きます!
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