映画「何者」ネタバレ解説考察|拓人のその後、ギンジと隆良が似てない理由は? | 映画の解説考察ブログ - Part 2

映画「何者」ネタバレ解説考察|拓人のその後、ギンジと隆良が似てない理由は?

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ヒューマンドラマ

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拓人とギンジと隆良


(隆良とサワ先輩 引用:https://natalie.mu

拓人は「ギンジと隆良は考え方が似ている」と思い、サワ先輩に話しました。
サワ先輩は隆良と初めて会った後、拓人に「ギンジと隆良は全然似てない」と言いました。
その後、拓人は理香に「ギンジくんと隆良って似てるよね」と言われて困惑してしまいます。

烏丸ギンジと宮本隆良は、拓人や理香から見ると似ていて、サワ先輩から見ると違ったようですが、何が似ていて似ていなかったのか考えていきます。

まず、ギンジと隆良は『就活をしない(したくない)』という共通意見を持っています。
このざっくりした共通の意見から、拓人や理香は2人が似ていると感じたのだと思います。
しかし、サワ先輩はさらにその奥を見て「似ていない」と判断したと思われます。

2人が就職したくない理由は全く違っています。
まずギンジは舞台俳優で食べていきたいという具体的な夢や目標から就活しないことに決めています。
実際にギンジは毒ビスを立ち上げ、夢を実現すべく走っています。

そんなギンジに対して、隆良は特にこれと言った夢はなく『企業に依存したくない』『団体に所属するメリットを感じない』『就活という時代の流れに乗るようなこともしたくない』など就活や企業に対する負のイメージが理由になっています。
しかし、隆良はそれだけのことを言っておきながら隠れて就活していたり、匿名掲示板の誰かの発言をそのままパクッてしまったり、学歴で人を見るような場面もあるので、他人の考え方やネットの情報にすごく影響されやすいタイプのようです。

だからこそ、コロッと「やっぱりちゃんと就活してみる」と方向転換できる柔軟性もある憎めないキャラなんですけどね。
なので隆良は「就活は精神的にキツイからしたくない」「普通の会社に就職して普通の大人になりたくない」という思いが根底にあり、その理由付けのために『企業に依存したくない』など、どこかで拾ってきた意見を言っていただけだったのかもしれません。
ざっくりまとめるとギンジと隆良の違いは夢や目標があるかないかです。
サワ先輩は隆良のそういう部分を見抜いた上で「似ていない」と判断したのではないでしょうか。




理香が@nanimonoを「悲しい」と言った理由


(引用:http://kracpot.hatenablog.com

拓人はツイッターのアカウントを2つ持っていました。
1つは至って普通のアカウントで、もう1つは誰にも言えない愚痴や友人・知人の悪口を書き込む、いわゆる裏アカでした。

裏アカウント名は『@nanimono』で、理香は拓人の裏垢の存在を知っていました。
理香は拓人に「そのツイッターのアカウント名見て悲しくなった」と言いますが、具体的に何が悲しかったのか考えます。

理香は、拓人が周囲のことは良く見ているのに拓人自身のことは全く理解できていないこと、今現在の拓人は何者でもなく、いつかはかっこいい何者かになれるはずだと信じていることが「nanimono(何者)」というアカウント名ににじみ出ているのに、本人にはその自覚が無いことに悲しくなったんだと思います。

拓人自身のことが理解できていないというのは、自分にも周囲にも「演劇はもう諦めた」と言いながら本当は未練があったり、裏垢で無責任に愚痴を吐き出すストレス解消法や、拓人より就活歴の短い光太郎や瑞月に先を越されると、2人に「内定おめでとう」が言えない所など、他人と同じ位自分にもイタイ所があると気付けていない点です。

理香は拓人よりずっと自己分析が出来ていますし、自分は自分でしかないということをわかっていました。
理香は一生を左右する新卒での就職活動を悔いの無いように終えるために、たとえイタイと思われても行きたい会社に行くためなら何でもするべきだと考えて、周囲にイタイと言われることはある程度覚悟していたのでしょう。
だからこそ、拓人のイタさが誰よりも目に付いていたのかもしれません。

 

拓人のその後は?


©2016映画「何者」製作委員会

ラスト、どこかの企業の面接を受けた拓人は、面接官からの「1分間で自己紹介してください」という質問に「1分間では無理です」と答えて面接会場から出ていきました。
あの後、拓人はどうしたのか予想していきます。

拓人は1分間スピーチで演劇に対する思いを口に出したことで、改めて気持ちの整理がついたというか、自分が本当にやりたいことが見えたのではないかと思います。
だからこそ面接会場から出たわけですが、あの後、拓人は演劇関係の企業に絞って就活を再スタートしたか、烏丸ギンジと和解して演劇に全力を注ぐことにしたかのどちらかではないかと想像しています。

拓人はどこか吹っ切れていましたし、全力で夢を追いかけることが、たとえ周囲からイタイと思われたとしても気にすることはないと知ったので、ギンジと和解する方が可能性が高いかも、というかそうなっていて欲しいです!

以上です。読んで頂きありがとうございました。
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