映画「桐島、部活やめるってよ」ネタバレ解説｜宏樹が泣いた理由など６の考察

映画「桐島、部活やめるってよ」の解説、考察、あらすじ紹介をしています！
「宏樹はなぜ泣いた？」「宏樹が幽霊部員だった理由」「実果が小泉に共感する理由」「実果が沙奈と梨紗に逆らった理由」「かすみが交際を隠すのはなぜ？」などについて書いてます。

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主要キャスト紹介

※登場する生徒は全員 松籟第一高校の2年生です。

©2012「桐島」映画部  ©朝井リョウ／集英社
前田涼也…神木隆之介
映画部の部長。監督として精力的に映画作りもする。
いわゆる陰キャラで同じクラスの武文といつも一緒。
桐島が学校に来なくなって騒いでいるクラスメイト達を傍観する。
クラスメイトのかすみに片思い中。

©2012「桐島」映画部  ©朝井リョウ／集英社
菊池宏樹…東出昌大
野球部の幽霊部員。桐島の親友で沙奈の恋人。
勉強、スポーツ万能で容姿も良くモテるが、いつもどこか冷めている。
学校では竜汰、友弘と一緒にいることが多い。
放課後はいつも桐島の部活が終わるのを待ちながら竜汰、友弘と中庭でバスケをしている。

あらすじ紹介

あらすじ①：金曜日　桐島の退部

松籟第一高校での出来事です。
ある金曜日の放課後、バレー部のキャプテン桐島が部活を辞めることが顧問から部員たちに伝えられました。
バレー部員は桐島がなぜ部活を辞めるのか聞きますが、顧問は何も答えませんでした。
バレー部は明日に大事な試合を控えているため、部員たちは唖然とします。

桐島が部活を辞めた話は瞬く間に学年中に広まります。
桐島の部活が終わるのを学校で待っていた宏樹（東出昌大）と桐島の彼女の梨紗（山本美月）は、クラスメイトから桐島の退部を知らされてショックを受けました。
桐島は梨紗と宏樹に何も言わずに先に帰っていて、梨紗は桐島に電話やメールをしますが反応はありませんでした。

桐島の退部が知れ渡る少し前、桐島と同じクラスで映画部部長の前田（神木隆之介）と副部長の武文（前野朋哉）は、職員室で顧問と『映画甲子園』に出品する自主制作映画について相談していました。

前田と武文は「生徒会・オブ・ザ・デッド」がいいと言いますが、顧問は去年出品した映画の続編を良いと意見が合いません。

前田と武文のすぐそばで、桐島がバレー部顧問と退部について話していましたが、2人は桐島に無関心でした。

職員室を出た前田と武文は、顧問の意見を無視して『生徒会・オブ・ザ・デッド』を作ることに決め、撮影をするために屋上に上がりました。

（屋上から中庭に居る宏樹を見つめる亜矢　引用：https://zilgz.blogspot.com）

前田たちが屋上に上がると、吹奏楽部部長の亜矢（大後寿々花）がサックスの練習をしていました。
宏樹に片思いしている亜矢は、放課後はサックスの自主練をしながら宏樹を盗み見るのが日課でした。

前田が「場所を譲ってほしい」とお願いすると、亜矢は難癖をつけて拒否します。
口論になりかけた時、宏樹が桐島の退部を知って中庭から居なくなったので、亜矢はあっさり屋上から去りました。
何も知らない前田は、亜矢が『話し合いの末に場所を譲ってくれた』と勘違いしました。

あらすじ②：週末

土曜日の試合で、桐島のいないバレー部は予選試合に負けました。
桐島の代わりにリベロを任された小泉（仲野太賀）は尽力しましたが、桐島との実力の差は明らかでした。

日曜日。前田がショッピングモールの映画館でゾンビ映画を見ていると、クラスメイトのかすみ（橋本愛）と出くわしました。
かすみは前田の片思いの相手です。
前田は嬉しくなって、かすみにゾンビ映画の良さを一方的に語ります。

しかし、かすみは映画を観に来たわけではなく、彼氏の竜汰（落合モトキ）とデート中に喧嘩して、逃げた先がたまたま映画館だっただけでした。
前田が喋る終わると、かすみはそそくさと行ってしまいました。
前田は嬉しさが勝ってかすみが落ち込んでいたことに気付きませんでした。

あらすじ③：月曜日　広がる波紋

月曜日、桐島は学校を休みました。
怒ったバレー部員たちは梨紗を質問攻めにしますが、梨紗も桐島と連絡が取れず機嫌が悪いため険悪な空気になりました。

その日の昼休み、沙奈（松岡茉優）は梨紗を元気づけるために男子バレー部の悪口を言いまくり、一緒にいた他クラスの友人 実果（清水くるみ）にも同意を求めますが、実果は「彼らにも事情がある」と答えたので沙奈はイラっとします。
実果が沙奈の悪口に同意しなかったのはこの時が初めてでした。

（実果の態度に機嫌を悪くする沙奈　引用：http://johnnyadepp2001.seesaa.net）

その日の放課後、宏樹、竜汰、友弘はいつものクセで中庭に集まりましたが、宏樹と竜汰は「桐島がいないなら意味ないじゃん」と帰ってしまいました。
友弘は放課後の３人の時間が好きだったので、あっけなく解散したことが寂しくなりました。

あらすじ④：火曜日　結末

火曜日。桐島に無視され続けていた梨紗は不機嫌マックスになり、沙奈にまで冷たく当たります。
呆れた沙奈は、宏樹を放課後デートに誘って科学棟の裏で待ち合わせしました。

その日の放課後、前田は教室に忘れものを取りに行き、かすみと竜汰が付き合っていることを知ります。
前田が教室から出ると、竜汰は「俺達のこと公表したい」と言いますが、かすみは「女子に知られると面倒だから嫌」と拒否しました。

その後、前田が科学棟の近くで撮影しようとしていると、今日もまた亜矢と鉢合わせてしまいます。
亜矢は宏樹が科学棟裏に行くと聞いて近くに居たのです。
前田が「屋上がいいんじゃないの？」と怒ると、亜矢は落ち込んだ様子で謝りました。
亜矢にも事情があると察した前田は、亜矢に場所を譲って屋上で撮影することにします。

科学棟の裏で宏樹と会った沙奈は、近くに亜矢が居るのを確認すると、亜矢に見せつけるように宏樹とキスをしました。
亜矢が走り去るのを見届けた沙奈はほくそ笑みました。

その頃、1人で中庭に居た友弘は屋上に桐島がいることに気付き、宏樹やバレー部員達に知らせて急いで屋上に行きました。
宏樹も沙奈を放置して屋上に向かい、梨紗、かすみ、竜汰、実果、バレー部員たちもみんな屋上に走りました。

宏樹たちが屋上に向かう直前、前田は階段の途中で桐島とすれ違いますが、お互いに気にも留めませんでした。
前田たちが撮影を始めようとした時に宏樹やバレー部員たちが屋上に着きますが、桐島はもう屋上にいませんでした。

久保（副部長）が怒り任せに映画部の小道具を蹴ったことで、前田と久保が殴り合い寸前になりますが、久保は小泉に警告されて引き下がりました。
この時かすみは沙奈の性格の悪い言動にかっとなり、思わず沙奈にビンタしてしまいました。

（かすみにビンタされた沙奈　引用：http://johnnyadepp2001.seesaa.net）

興奮状態の前田は、映画部員に「こいつら全員、食い殺せ！」と叫ぶと、映画部員は桐島を探しに来た生徒全員に襲い掛かりました。
前田は、かすみが作ったミサンガを着ける竜汰の腕をゾンビが食いちぎるシーンや、かすみの首がゾンビに食いちぎられるシーンを妄想しながら取っ組み合いをカメラに収めます。
数分後、前田は誰かとぶつかってしまい、拍子でカメラが落ちました。

（取っ組み合う生徒たちと興奮する前田　©2012「桐島」映画部  ©朝井リョウ／集英社）

撮影が中断すると映画部員達は静かになり、桐島を探しに来た生徒達は屋上から立ち去り、屋上には映画部員と宏樹が残りました。
宏樹は前田が8mmカメラについて楽しそうに喋る姿を見て、なぜかちょっと泣いてしまいました。

その後、帰ろうとした宏樹は、携帯に桐島から不在着信が入っていることに気付きます。
校庭で猛練習中の野球部員をぼんやり眺めながら、宏樹は桐島にリダイヤルしました。

感想や解説・考察など

事前に何も知識を入れずに鑑賞したら、冒頭の沙奈が話している段階で意味が分からず、一時停止して（録画だったので）Wikipediaにお世話になり、初めから見直しました。
なので、まだ見ていないかたはざっくり概要だけ調べてからの鑑賞をお勧めします。

ストーリーの進み方は「その土曜日、7時58分」みたいで面白かったですし、生徒たちの感情や人間関係の微妙な変化などの繊細な描写が秀逸で面白かったんですが、これは明日からどうなるの～？！ってところで終わってしまったので残念でした。
宏樹の未来だけは想像つきますが、バレー部と桐島、かすみと沙奈など関係がどうなったのかすごく気になるので続編待ってます(笑)

桐島を探す生徒が誰も前田に桐島を見たかどうかすら聞かないことや、前田からも何も言わないところが、同じ場所（学校）にいるけど住む世界が違うということを物語っていました。

以下は気になった点の考察を書いていきます！

放課後のバスケ

（引用：https://ameblo.jp）

宏樹、友弘、竜汰が放課後バスケをしていたのは、宏樹が桐島の部活が終わるのを待っていて、友弘と竜汰は宏樹に付き合って一緒にいたからです。
桐島が学校を休んだ日の放課後、宏樹と竜汰は「学校に残る意味が無いから」と帰ろうとします。
この時、友弘が2人を引き止めようとしたのは『放課後バスケ』を純粋に楽しみにしていたからです。
恐らく友弘だけが、放課後３人で過ごす時間に青春や友情を感じていたのです。

一方、宏樹と竜汰にとっては恐らく『放課後バスケ』は純粋な『暇つぶし』で、それ以上でもそれ以下でもなかったのでしょう。

実果が小泉に共感していた理由

（引用：https://ameblo.jp）

実果はバドミントン部だった姉を亡くしていたことが明らかになります。
実果の姉はバドミントンが強く一目置かれる存在だったようで、実果自身もそんな姉に憧れてバドミントン部に入部しました。
実果は『バドミントンが強かった生徒の妹』として周囲から期待されていたものの、彼女自身はどんなに努力しても周囲の期待通りに強くはなれませんでした。

そのため『周囲の期待に応えられない自分』と『桐島の代わりとして過度な期待・責任を背負わされた小泉』を重ね、共感していたのです。

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２ページ目は「実果が沙奈と梨紗に逆らった理由」「かすみが交際を隠す理由」「宏樹はなぜ幽霊部員だったのか」「宏樹はなぜ泣いた？」です。