映画「桐島、部活やめるってよ」ネタバレ解説|宏樹が泣いた理由など6の考察 | 映画の解説考察ブログ - Part 2

映画「桐島、部活やめるってよ」ネタバレ解説|宏樹が泣いた理由など6の考察

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ヒューマンドラマ

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実果が梨紗と沙奈に逆らったのはなぜ?


(引用:https://ameblo.jp

実果は元々沙奈と梨紗が苦手だったけれど、今まではうまく隠しながら友人として振る舞っていました。
しかし、実果は小泉の気持ちもバレー部が怒るのもわかるため、沙奈の暴言にはさすがに腹が立って不快感を隠せなくなったのです。

一方で沙奈は「他人の不幸は蜜の味」タイプなので、桐島のことでバレー部が騒ぎ、梨紗が落ち込んでいるのも内心楽しんでいるのでしょう。
梨紗に冷たくされてすぐに宏樹をデートに誘うのは「私は梨紗と違って彼氏と順調だ」という優越感に浸るためです。

実果が梨紗と沙奈の会話を聞いてうすら笑っていたのも、人によってコロコロと態度を変える沙奈に滑稽さ感じていたからのように見えました。

かすみが交際を隠す理由


(引用:https://renote.jp

かすみは竜汰と付き合っていたことを周囲に隠していて、竜汰は隠すことを面倒くさがっていました。
かすみが「女の子は大変なの」と発言していたように、隠していた大きな理由は実果との友人関係を良好に保つためだったと思われます。

今までは彼氏あり組が梨紗、沙奈で、彼氏いない組がかすみと実果でしたが、かすみも彼氏ができたとなると実果だけが『おひとり様』になって何となくバランスが崩れますし、実果が居づらさを感じるかもしれないと考えたからです。
それに、沙奈に知られたら詮索されたり陰で馬鹿にされそうで想像しただけで怖いです(笑)

そうはいっても仲が良いと思っていた人に彼氏がいることを隠されていたらそれはそれでショックだと思うので、かすみの対応が正解かどうかはわかりません。




宏樹はなぜ幽霊部員だったのか

桐島

©2012「桐島」映画部  ©朝井リョウ/集英社

宏樹が最後にグラウンドを眺めるのは、宏樹がこれから野球部の練習に参加するようになる暗示です。
そういえば宏樹は野球部キャプテンに試合に誘われて断るのも気まずいなら辞めた方がすっきりするはずなのに、なぜ野球部をやめていなかったのでしょうか。

宏樹は野球部キャプテンに「(他の3年は引退しているのに)キャプテンはなぜ引退しないのか?」、「スカウトされたのか?」と聞きました。
キャプテンは3年生で大学受験を控える中、部活に出続けているのが宏樹には不思議だったのです。
キャプテンは「スカウトされてないけど、ドラフトが終わるまでは参加する」と答えます。
つまりキャプテンはプロにはなれなくても純粋に野球が好きという気持ちだけで部活に出続けていたのです。

恐らく宏樹の少年時代の夢はプロ野球選手になることでした。
宏樹は淡い希望を胸に高校でも野球部に入りますが、あるタイミングでプロ野球選手の門の狭さと自分の実力を知り『どうせプロになれないなら本気でやっても意味がない』と、頑張る前から諦めて野球に興味がなくなったフリをしていたと思われます。
そこには『本気でやって失敗したら恥ずかしい』という思いや、自分自身の天井を思い知らされる怖さもあったのでしょう。

確かにプロ野球選手になれるのはほんの一握りですし、宏樹は賢いのでこのまま勉強を適度に頑張れば良い大学に行けるので、野球よりも得意な勉強を頑張る方が楽で堅実です。
宏樹は頭ではそう思っていても、野球が好きな気持ちまでは捨てられないから部活を辞められなかったのです。

失敗を恐れて挑戦しない宏樹とは逆で、キャプテンはたとえ周囲から陰で笑われても好きなことに夢中になっています。

宏樹は『何でも出来る優等生』という周囲が作り上げた宏樹のイメージに囚われて、イメージを守るために本当にやりたいことや情熱から目を背けていました。
宏樹は努力家なキャプテンがスカウトされなかったという事実にスポーツ界の厳しさを見て、宏樹自身の選択が間違っていなかったとある意味安心したのではないでしょうか。
一方で、周囲にどう思われても、プロになれなくても好きな事に打ち込み続けられるキャプテンを、宏樹は無意識に羨ましいと思っていたはずです。

宏樹というキャラクターには、現代の若者に『好きという気持ち』にもっと素直になってほしいというメッセージが込められていたように思います。

 

宏樹はなぜ泣いた?

桐島

©2012「桐島」映画部  ©朝井リョウ/集英社

宏樹は映画撮影やビデオカメラについて熱く語る前田を見て、野球部キャプテンと重なる部分を見出します。
キャプテンも前田も「将来プロ選手、映画監督にはなれないかもしれないけど、ただ好きだから全力でやる」という所が一緒です。

さらに、前田の自主制作映画中のセリフ「僕たちはこの世界で生きていかねばならないのだから」も宏樹の心を刺激しました。
前田と話した時、宏樹はやらない理由ばかり探して真剣に向き合うことから逃げていた自分に気付いて悔しくなり泣いたのではないかと思われます。
宏樹は『好きなことを思いきりやってみたい』という情熱から目を背けていたのです。

『好きなこと』と『得意なこと』が一致して、しかもそれを仕事に出来る人はそう多くありません。
最近は働き方の多様化で好きなことを仕事にしやすくなってはきましたが、それでも本当の夢は心の片隅に追いやって安定重視の仕事を選ぶ人が大半だと思います。

宏樹は合理的なので「プロ野球選手になれないなら野球をやっても意味がない」と考えながら、かといって自分が得意な勉強には夢中になれず、野球を好きな気持ちが消せないからモヤモヤしていたのです。

最近の若い世代は、優秀だけど将来の夢や目標が無いから活躍できない、能力を発揮できない、という方が増えているというのを何かで見聞きしたことを思い出しました。

あくまでも個人的な推測ですが、宏樹の抱える葛藤は何となく彼の性格によるものではなくて、親の性格か教育方針が原因でこうなってしまったのではないかと感じました。
子どもの頃に将来の夢を親に否定されるなど、夢を語って傷ついた経験があるのではないでしょうか。
ともあれこれから宏樹は興味のあることに何でも挑戦していってほしいです。

以上です。読んで頂きありがとうございました。
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