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結末:新子とタツヨシとヤクザ
その頃、新子とタツヨシは夜の港町でバーカリフォルニアを見つけました。
新子とタツヨシが恐るおそる階段を上がっていくと、ドアから金髪の女と、ヤクザらしきガラの悪そうな男たちが現れます。
新子が勇気を振り絞って「タツヨシがお父さんの敵討ちに来ました!」と叫ぶと、金髪の女は驚いた顔をしてお店に入れてくれました。
タツヨシがタツヨシの父の息子だと知った金髪女は泣いてしまいました。
女もまさかタツヨシの父が自殺するとは思っていなかったようです。
タツヨシはヤクザから父親の話を聞くと、タツヨシも泣き出しました。
新子はタツヨシが泣き止むまでマイマイをざわつかせながら見守りました。
数分後、タツヨシは叫びながら店を飛び出し、新子もタツヨシを追いかけました。
帰り道を走って見慣れた景色の道まで戻ってくると、タツヨシは、明日から母親の実家の大阪に行くことを明かします。
タツヨシは「将来自分に子どもが出来たら、父ちゃんが好きだったおもちゃの作り方を教える!」と力強く言うと、新子にお父さんの形見の木刀をプレゼントしました。
このとき新子は、タツヨシの笑顔を初めて見れて嬉しくなりました。
タツヨシと別れた後、新子は近くにある川に金魚を見付けたので喜伊子を呼びに行くと、喜伊子は新子よりも早く走って川に向かったので新子は驚きました。
美しい天の川の夜空の下で、新子と喜伊子は金魚を見付けました。
やがて懐中電灯の電池が切れて金魚は見れなくなりましたが、美しい蛍と天の川を眺めて過ごしました。
しばらくすると、新子の父 東介が新子を迎えに現れました。
新子と喜伊子は「明日も遊ぼうね!」と約束して別れました。
月曜日。ひづる先生が退職すると、先生の悪口を言っていたはずのシゲル、ヒトシ、ミツルは大泣きでひづる先生を見送りました。
その後も、新子と喜伊子は毎日のように一緒に遊びながら、おじいちゃんに色々なことを教えてもらいます。
その年の冬の終わりにおじいちゃんが亡くなり、春になると、今度は新子が父親の職場の近所に引っ越すことが決まりました。
新子の引っ越しの日、よく一緒に遊んだメンバー全員が新子を見送りにきてくれました。
住む場所は離れても、新子と貴伊子の友情は続きます。
解説・考察や感想など~
ほんのりファンタジーの効いた、優しくてちょっと切ないお話でした。
冒頭の音楽が特に独特だったので、新子登場のシーンは新子よりも音楽に聞き入ってしまいました。
本作は当初 小規模での劇場公開で宣伝もほとんど行わなかったため、お客さんが入らず約1か月で上映終了となっていましたが、作品を観たファンによる宣伝と署名活動が行われ、上映を再開して約2年間のロングランになった作品です。
この作品は結構沢山の『死』と『空想』が出てきました。
なので、本作のテーマは『身近な人との別れの辛さ、淋しさをどう乗り越えるか』、『想像力の大切さ』だったんじゃないかと感じました。
母親の死を受け止められていなかった喜伊子は、新子の持つ想像力の影響を受けたおかげで母親の死を乗り越える(受け止める)ことが出来ました。
父親が自殺したタツヨシは、新子の想像と行動力のおかげで父親の人となりをきちんと思い出して、泣いたり笑ったりすることが出来るようになっていました。
新子も一番大好きだったおじいちゃんを失くします。
この過程はあまり描かれていませんでしたが、新子は持ち前の想像力のおかげで「おじいちゃんはいつも私のそばにいる」と思うことが出来たのではないでしょうか。
以上です。読んでいただきありがとうございました。
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