映画『インセプション』ネタバレあらすじと感想|夢と投影に囚われるドミニク・コブの話 | 映画の解説考察ブログ

映画『インセプション』ネタバレあらすじと感想|夢と投影に囚われるドミニク・コブの話

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SF

映画『インセプション』のネタバレあらすじと感想を紹介しています!

他者との夢の共有が可能になった近未来。夢に侵入してアイディアを盗むプロのドム・コブは、アイディアを他者に植え付ける仕事を受けることになった。

原題:INCEPTION
制作年:2010年
本編時間:148分
制作国:アメリカ
監督・脚本:クリストファー・ノーラン

・本作の解説記事はこちらです↓

映画『インセプション』解説・考察|ラストの解釈、サイトーやモルについてなど16の考察
映画『インセプション』の解説、考察をしています! SFの世界特有の複雑な設定が背景にあり、3つの階層が慌ただしく変わるので状況理解が大変でしたが面白かったです。 情報の整理と疑問点を考察します。 鑑賞済みの方向けの解説、考察記事です。 まだ...

キャスト&キャラクター紹介

インセプション
(引用:https://i.redd.it
ドム・コブレオナルド・ディカプリオ
他人の夢から深層心理に入り込み、アイディアを盗む『エクストラクト』のプロ。
最愛の妻のモルを亡くしてから精神バランスを崩し、仕事に支障をきたしている。
現在アメリカ全土で指名手配中の身で国外逃亡中だが、子ども達と再びアメリカで暮らすことを切望している。

インセプション
(引用:https://www.insider.com
サイトー渡辺謙
石油関連会社の社長。コブに仕事を依頼して、成功したらコブの指名手配を取り下げさせる約束をした。
インセプション
(引用:https://www.moviefanatic.com
モル(マロリー・コブ)マリオン・コティヤール
死んだコブの妻。コブの心の中で生きていて、夢の世界にのみ登場する。
コブの持つダークサイドが反映されているため、コブに都合の悪いように行動することがある。
アーサー…ジョセフ・ゴードン=レヴィット
アリアドネ…エレン・ペイジ
イームス…トム・ハーディ
ユスフ…ディリープ・ラオ
ロバート・フィッシャー・ジュニア…キリアン・マーフィー
ブラウニング(会長秘書)…トム・ベレンジャー
マイルス教授…マイケル・ケイン
マウリス・フィッシャー会長…ピート・ポスルスウェイト
ナッシュ…ルーカス・ハース
タダシ(新幹線の日本人)…タイ=リー・リー
日本人護衛…トオル・マサムネ、ユージ・オクモト
地下の老人…アール・キャメロン
フィリッパ…クレア・ギアテイラー・ギア
ジョーンズ…マグナス・ノーランジョナサン・ギア ほか

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あらすじ:起


(引用:https://www.npr.org

他人の夢の中からアイディアを盗み出す『エクストラクト(アイディア泥棒)』のプロ ドム・コブ(レオナルド・ディカプリオ)は、サイトー(渡辺謙)という石油関連会社社長のアイディア泥棒に失敗して逃走しようとします。

そこにサイトーが現れて、コブは彼自身にかけられていた国際指名手配を取り下げてもらうことを条件に、ターゲットの夢の中に入り込んで特定のアイディアを植え付ける『インセプション』という作業の依頼を受けました。

サイトーの目的は、彼のライバル会社の次期会長ロバート・フィッシャー(キリアン・マーフィー)が、会長就任後に会社を手放すように仕向けることです。

コブの仕事はロバートの深層心理に『会社を確実に手放す動機』を植え付けることでした。
現会長のフィッシャー氏(ピート・ポスルスウェイト)は高齢で癌を患い、いつ死んでもおかしくない状態でした。

コブは作戦を完璧に遂行するため、相棒のアーサー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)に加えて建築学を先行する大学生のアリアドネ(エリオット・ペイジ)、コブの元仕事仲間で、心理戦が得意な偽造師のイームス(トム・ハーディ)、天才的な薬の調合師ユスフ(ディリープ・ラオ)を仲間に引き入れました。


(夢の世界で作戦会議 引用:http://hellotailor.blogspot.com

コブは、ロバートが抱える父フィッシャー氏との確執を利用して『親に敷かれたレールの上を歩きたくない』という思いを植え付ければ会社を手放すだろうと考え、夢の第3階層まで潜って深層心理にインセプションを行うことに決めました。

夢の中に入るとユスフの特別な睡眠薬の効果で脳が活性化され、時間の流れが現実世界の20倍になります。
計画ではロバートを最低でも10時間眠らせる予定のため、第1階層は現実の10時間が約8日、第2階層は約半年(正確には5.5か月)、第3階層は約10年(正確には9年1か月と数日)を過ごすことになります。

夢から覚める方法は『キック』と呼ばれ、三半規管に大きな振動を与えれば1つ上の階層に戻ることが出来ます。

今回のチームには夢初心者がいることもあり、コブ達はキックの方法やタイミングについて入念な打ち合わせと練習を何度も行いました。

ロバートは仕事で長時間フライトをする機会が多いため、サイトーが航空会社ごと買収して、練習を重ねながらロバートが飛行機を予約するのを待ちました。

その後、フィッシャー氏が死去し、ロバートがフライトの予約を取るという絶好のタイミングが訪れます。
ロバートと同じ飛行機に乗ったコブのチーム6人は、ロバートを薬で眠らせて夢の第1階層に入りました。

 

あらすじ:承


(飛行機に乗ったコブとロバート 引用:https://www.fanpop.com

夢の世界はオフィスビルが並ぶロサンゼルスの路上でした。
ロバートは夢の中にいることに気付いていません。

6人はロバートをタクシーで拉致して目的地の廃工場に連れて行く途中、武装した男達に襲われます。
彼等は、ロバートがエクストラクトに対する自衛訓練を受けていたために出現した防御システムです。
6人とロバートは廃工場に着きますが、サイトーが胸を撃たれて重症を負ってしまいました。

通常なら夢の中で死んだら現実に戻りますが、コブは他の4人に内緒でユスフにかなり強力な薬を用意させていたので、夢の中で死ぬと現実に戻るのではなく、更に深い階層の『虚無』に落ちてしまい、ちゃんと現実に戻れるかわからない(植物状態になるかもしれない)と、その時初めて他のメンバーに明かしました。

コブ以外のメンバーは怒りますが、喧嘩している場合ではないため、計画通りロバートを監禁し、イームスはフィッシャー氏の秘書で会社の実権を握る男ブラウニング(トム・ベレンジャー)に化けました。

イームスはロバートに「フィッシャー氏が残した君宛ての遺言状が金庫の中にある。それには『会社はお前の好きにしろ』と書かれているはずだ。お前は会社を継ぐか潰すか選べる」と告げました。

第1階層での目的『ロバートに父親との関係を意識させる』を達成したので、全員バンに乗りこむと、夢のホストであるユスフ以外の6人が眠り、夢の第2階層に入りました。


(ホテルで眠った仲間を守るアーサー 引用:https://www.vulture.com

第2階層は高級ホテルの中でした。
ここでの目的は、ロバートに『自分自身の力で何かを始めたい』と思わせることです。

そのために、イームスが再びブラウニングに化ける予定でしたが、ロバートの『意識の投影』としてのブラウニングが勝手に登場し、コブたちに都合良く『ロバートの裏切り者』になってくれました。

投影のブラウニングは「ロバートより先に遺言状を見付けて始末するつもりだった。会社は私の全てだ。潰すなど絶対に許さない」と語りました。

ロバートは、ブラウニングが会社を何よりも大切にしていることを知り、ロバートのやりたいことは何なのか意識します。

目的を達成したので、第2階層にホストのアーサーを残し、残る5人(コブ、アリアドネ、イームス、サイトー、ロバート)が第3階層に潜りました。




あらすじ:転


(第3階層 引用:https://adsheehan.files.wordpress.com

第3階層は雪山とシェルターでした。
シェルターの中には巨大な金庫(ロバートの深層心理)があります。

コブ達がロバートに金庫を開けさせようとした時、コブの亡き妻モル(マリオン・コティヤール)が現れてロバートを射殺してしまいました。

ロバートが居なくなってしまうと計画そのものが止まってしまいます。
皆が諦めかけた時、アリアドネが「もう一度眠った先にロバートが居るはずだから、キックで助けだせば良い」と提案しました。
イームスと瀕死のサイトーを第3階層に残し、コブとアリアドネが眠って虚無の世界に行きました。

虚無の世界では、海沿いの都会の街が崩壊し続けています。
この世界はかつてコブがモルと一緒に作り上げていた世界でしたが、現在はコブの精神状態が投影されているのか荒廃しています。
コブはアリアドネに、モルが死んだ経緯を語りました。

かつてコブとモルは、夢の共有装置で2人きりの時間を過ごす『夢デート』に熱中していた時期がありました。
2人は夢に深く潜るうちに虚無にたどり着き、何も無かったその世界にお気に入りの場所や思い出の場所を再現した2人だけの町を作り出し、50年以上をそこで過ごしたと言います。(現実世界の約2時間半)

ロバートはそろそろ現実世界に戻らなければいけないと感じますが、モルは夢の世界に心酔して現実に戻ることを拒否しました。
ロバートは悩んだ末に、モルの深層心理に『ここは夢の世界だ。現実に戻るには死ななければならない』というアイディアを植え付けました。
ロバートはモルにインセプションをしたのです。


(虚無にいるモルとコブ 引用:https://twitter.com

やがてモルは現実に戻りたいと考え直し、一緒に電車に轢かれて現実に戻りましたが、戻った後も、モルは『ここは夢だ』と思いこんでいました。
コブが何度説得してもモルは納得せず、ついにホテルの窓から身を投げて自殺してしまいました。
コブは妻殺しの容疑者にされてしまい、逃亡を余儀なくされました。

結末と感想は次のページです!




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