『花束みたいな恋をした』2人が結婚しなかった理由、麦が絹の転職に怒った理由など解説考察 | 映画鑑賞中。

『花束みたいな恋をした』2人が結婚しなかった理由、麦が絹の転職に怒った理由など解説考察

花束みたいな恋をした 恋愛

映画『花束みたいな恋をした』の絹と麦の言動から、それぞれの価値観などを考えました。

『絹が花の名前を教えなかった理由』『結婚式の後、麦が別れではなくプロポーズした心理』『2人が結婚しなかった理由』『絹の転職に麦が激怒した理由』について書いてます。

鑑賞済みの方向けの解説考察記事です。まだ観ていない方はネタバレにご注意ください(__)

制作年:2020年
本編時間:124分
制作国:日本
監督:土井裕泰
脚本:坂元裕二
関連書籍:『花束みたいな恋をした』坂本裕二 著

 

解説・考察

絹が麦に花の名前を教えなかったのはなぜ?

花束みたいな恋をした

©2021「花束みたいな恋をした」製作委員会

旅行で撮った記念写真を見返していた時、麦は2人の背後に写った花の名前を知りたがります。
すると、絹は「女の子が男の子に花の名前を教えると、教えられた男の子はその花を見る度に一生その女の子のことを思い出しちゃうんだって」と言い、結局麦に花の名前を教えませんでした。

ちなみに写真に写っていた花はマーガレットで、「恋占い」「真実の愛」「信頼」などの花言葉を持つ花です。

絹が麦に花の名前を教えなかった背景には、絹の恋愛観が関係していると思われます。

始まりは終わりの始まり。
出会いは常に別れを内在し、恋愛はパーティーのようにいつか終わる。
だから恋する者たちは好きなものを持ち寄ってテーブルを挟み、お喋りをし、その切なさを楽しむしかないのだと。
そんなめいさんが、今恋をしている
「この恋を一夜のパーティーにするつもりは無い」と書いていたのが1年前。
「数パーセントに満たない生存率の恋愛を、私は生き残る」
そう冗談めかして綴っていためいさんが死んだ。
めいさんは恋の死を見たんだろうか。
恋の終わりに殉ずることにしたんだろうか。
想像にしか過ぎないし、そこに自分の恋を重ねるつもりはない。
ただ私たちのパーティーは今、最高の盛り上がりの中で始まったというだけだ。

このナレーション(心の声)に、絹の恋愛観は集約されています。

絹は恋愛にいつか必ず終わりが来ることを知っています。
絹は最初から「いつか終わる」と思いながら麦と交際していたのです。
だからこそ、絹は麦が花の名前を知りたがった時にあえて教えなかったのでしょう。

 

麦はなぜ絹の転職に反対した?

絹がイベント会社に転職を決めたことを麦が知った時、麦は絹が資格を取って就職した今の事務職を辞めることを「簡単に放り出すな」と責め、絹が転職するイベント会社の経営理念をバカにして、絹が「好きなことで働きたい」と言うと「人生なめてる」ととにかく全否定しました。

麦がここまで絹の転職に反対する背景には、麦が夢だったイラストレーターを諦めた理由を絹のせいにしている背景があります。
麦は就職するときに「働きながらでも絵は描ける」「絹ちゃんとこれからも一緒に暮らしたいから」と言って就職しましたが、そのご麦がペンを手にすることはありませんでした。

つまり、麦は夢から逃げるために就職したという事実を認めたくなくて、絹と暮らすために夢を諦めざるをえなかったと思い込もうとし、仕事で辛いことがあった時「全ては絹ちゃんのため」と考えているうちに、いつの間にか夢を実現できなかった責任を絹に押し付けることでメンタルバランスを保つようになっていたのです。

麦が夢から逃げたことが分かるのは、夢を実現したAwesome City Clubのお姉さんを見ようとしない所や、夢を追っていた頃の自分を知る知人(海人の周辺人物)に会いたがらない所からわかります。

麦が大学時代に好きだった漫画や小説を就職してから読めなくなったのは昔の自分を思い出してしまうからで、そもそも漫画家も小説家も『夢を実現した人』のため、麦のコンプレックスを刺激するのでしょう。

麦が『好きなことを仕事にしたがる人』に腹が立つのは、全て麦が夢から逃げたことから生まれたコンプレックスが原因です。
麦は劣等感を隠すために『普通になること』『大人になること』に執着し、絹の母の発言を自分に言い聞かせるかのように繰り返していたのです。

前置きが長くなりましたが、麦が絹の転職に反対したのは、麦が絹のために必死で辛い仕事をしているのに、その絹が「好きなことを仕事に繋げたい」と言い、麦が封印した憧れを実現しようとするからです。

この時の喧嘩の流れで、麦は絹に結婚を迫りますが、これも最低のプロポーズでした。
個人的にも今まで見聞きした中でワーストです(笑)
この時の麦のプロポーズは絹に対する最上級の嫌味で、このセリフを思いついた人すごいなと思いました。

 

結婚式の後、麦はなぜプロポーズしたのか

花束みたいな恋をした

©2021「花束みたいな恋をした」製作委員会

知人の結婚式の時、麦と絹はそれぞれ同性の友人に「別れようと思う」と話します。
しかし、実際に別れ話が始まると、麦は急に「結婚しよう」と言い出しました。

結婚は恋愛の延長ではあるものの、結婚と恋愛は別物です。
それこそ恋愛をパーティーと例えるなら、結婚はトイレットペーパーです。
恋愛と結婚が別物であることは、お見合い結婚の方が恋愛結婚よりも離婚率が低いという統計データで証明されています。

麦は、別れがリアルになると過去4年間の思い出が沸き上がってきて、絹との関係を終わらせてしまうのがもったいなくなってしまったのではないでしょうか。
しかし、2人の間に恋愛感情が無くなっていることはお互いに認めています。

つまり、麦は恋愛と結婚が別物であることを掲げ、2人の関係が『恋愛』でなくなったなら『結婚』にしよう、別れる必要はない、と提案したのです。

 

絹と麦はなぜ結婚しなかったのか

絹が麦のプロポーズを断ったのは、恐らくまだ絹に結婚願望が無かったからで、恋愛への憧れを諦められなかったからだろうと感じました。

絹は麦のプロポーズの理論に頭では納得したので、麦の意見に押されて結婚に踏み切ろうとしましたが、その時に現れたのが昔の絹と麦を彷彿とさせる若いカップルでした。

このカップルはどう考えても麦の理論を貫きたい時に見てはいけないものでした。

絹と麦はもし結婚したとしても、また元のすれ違い生活が続くだけで、出会ったばかりの頃には戻れません。
なので、若いカップルを見て2人が泣いた理由は恐らく違っていて、絹は、もう二度と手に入らない最高の瞬間への切なさから泣いていて、麦は絹と同じ切なさにプラスして、プロポーズを断られることを確信して泣いたのではないでしょうか。

麦がプロポーズを断られたことを残念がっていたのは、サッカー監督のコメント「あと一歩だった」に集約されていたように感じました。

絹が麦と結婚出来なかった理由として思い浮かぶところがもうひとつあって、それは就職してからの麦が絹の母(戸田恵子)のようになってしまったことです。

絹は母の『普通の価値観』とその押し付けが嫌で実家を出た面があるので、その母と同類になってしまった麦とずっと一緒にいたいと思うはずがありません。

以上です。読んでいただきありがとうございました。
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