映画「御法度」の解説・考察をしています!
「土方の本音」「白い袴と赤い袴の意味」「桜の木を斬った理由」などについて書いてます。
ネタバレありきの考察記事です。まだ見ていない方はご注意ください。

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解説、考察や感想など
土方歳三の本音とは?

©1999 松竹/角川書店/IMAGICA/BS朝日/衛星劇場
土方は加納を入隊させた際、加納どうこうよりも、近藤が加納を気に入っていることの方が気になっています。
平たく言えば、土方は近藤が大好きで、誰にも2人の仲を邪魔されたくないと思っていたからです。
似たような関係が土方と沖田の間にもあったような気がします。
大好きといっても恋愛感情ではなく、家族同士のような感覚に近いように感じました。
土方は、近藤が加納の話をするたびに「気になるのか?」と近藤の心を探ろうとしたり、参謀の伊東が近藤と距離を縮めようとすると不機嫌になります。
これらは土方の近藤に対する執着を表しています。
また、土方と沖田の川辺での会話では、土方が「沖田も加納に嫉妬しているんじゃないのか」と言うのにイラっとした沖田が「土方さんと近藤さんの仲はどうなんです? 2人の間には誰も入れないけど、たまに誰かが入ろうとしたり、近藤さんが入れようとする。 それを、いつも土方さんが斬る」と言います。
沖田は「あんたも嫉妬してるじゃないか」と言いたいのです。
言われた土方は怒るので図星だったのでしょう。
沖田が言いたいのは、「好き」に嫉妬はつきものであり、友情も恋愛感情も家族間の愛情も、本質は似たようなものであるということでしょうか。
嫉妬や独占欲も、恋人だけでなく友人や家族に抱く人も大勢います。
土方の想像シーン

©1999 松竹/角川書店/IMAGICA/BS朝日/衛星劇場
加納と田代が川辺に来るのを待つ間、土方が沖田と話しながら想像(妄想)していたシーンの意味を考えます。
最初の想像の『白い袴姿の加納』は、土方が今まで加納に対して抱いていたイメージを反映したものだと感じました。
土方は加納を『ねんね』と言っていました。
『ねんね』とは『赤ん坊、世間知らず』という意味です。
土方は加納を10代の世間知らずのガキで、衆道に目覚めかけているかもしれないが、まだ若いからどうにかなる、そんな存在だと思っていたのではないでしょうか。
一方で加納の言動を見るたびに、土方はどこか違和感のようなものを感じていたのも事実です。
沖田との会話でだんだん加納の正体が分かってきたのか、2回目の想像では「沖田が待っている場所に赤い袴姿の加納が現れる」という想像でした。
加納の服の色が白から赤に変わっています。
赤い服は鬼や血を連想します。
これは、加納は土方が思っていたような『ねんね』ではなく、すでにどうしようもない、心に狂気(鬼)を宿したバケモノで、それを表す赤い袴だったのかな?と思います。
そして、その化け物が沖田を狙っていると。
土方が桜の木を斬る理由
(引用:https://unsplash.com)
屯所へ戻る途中で沖田が川辺に戻っていった後、土方が桜の木を斬ります。
このシーンは、原作小説では「土方は思わず桜の木を斬ったが、本当は何を斬ろうとしたのか土方自身にもわからなかった」という意味の言葉で締めくくられています。
なので『木を斬った理由は土方本人にもわからない(読者がそれぞれ答えを見つけてほしい)』ということなのでしょう。
一応、私個人の考えを記してみます。
斬られた桜の木は『加納の死の暗示』だけでなく、土方が沖田に言われて初めて自覚した近藤への執着、加納への嫉妬心や、加納への同情や哀れみ(新選組で衆道を覚えさせられ、その果てに18歳の若さで殺されることに対する哀れみ)の感情を断ち切る意味があったのではないかなーと、私は感じました。
④に続きます。
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