劇場版『名探偵コナン』の21作目。監督は前作に続き静野孔文、脚本は推理作家の大倉崇裕が手がけている。
数日後に行われる全国かるた大会の特番撮影の見学のため、関西のテレビ局に来ていたコナン達は、突然テレビ局の爆破テロに巻き込まれた。
生還したコナンと平次は事件の真相を探り始める。
かるた大会に出場することになった和葉の活躍にも注目!
制作年:2017年
本編時間:112分
制作国:日本
監督:静野孔文
脚本:大倉崇裕
原作:漫画/青山剛昌『名探偵コナン』シリーズ
声優&キャラクター紹介
(引用:http://jin115.com)
江戸川コナン…高山みなみ
工藤新一…山口勝平
江戸川コナンの正体は、黒の組織に謎の薬を飲まされて身体が縮んでしまった高校生探偵 工藤新一。
子どもの姿になってから江戸川コナンと名乗り、幼馴染みの毛利蘭の家に居候している。
爆破テロと矢島俊弥殺人事件が関係があるとにらみ、探偵仲間の服部と共に事件解決に迫る。
(引用:http://b9life.hatenablog.com)
服部平次…堀川りょう
幼少時代…比嘉久美子
『浪速の高校生探偵』と呼ばれる、大阪に住む工藤新一の友人。
コナンの正体を知っている人物の1人。
大阪を訪れたコナンと共に事件の真相を追う。
(引用:https://instagrammernews.com)
遠山和葉…宮村優子
服部平次の幼馴染みでガールフレンドのような存在。
合気道の有段者。
平次を巡ってかるたの大会に出場することになる。
(引用:https://instagrammernews.com)
毛利蘭…山崎和佳奈
工藤新一の幼馴染みでありガールフレンドのような存在の女子高生。
関東大会で一位になるほどの空手の達人。
平次と和葉の恋を温かく見守っている。
・その他のキャスト
毛利小五郎(蘭の父親)…小山力也
鈴木園子(蘭の親友)…松井菜桜子
阿笠博士(発明家)…緒方賢一
灰原哀(コナンと同じ薬を飲んだ女)…林原めぐみ
吉田歩美(少年探偵団)…岩居由希子
円谷光彦(少年探偵団)…大谷育江
小嶋元太(少年探偵団)…高木渉
服部平蔵(平次の父親、大阪府警刑事部本部長)…山路和弘
服部静華(平次の母親、剣道の達人、元かるたクイーン)…勝生真沙子
遠山銀司郎(和葉の父親、大阪府警刑事部部長)…てらそままさき
大滝悟郎(大阪府警捜査一課の警部)…若本規夫
綾小路文麿(京都府警の警部、リス)…置鮎龍太郎
(レギュラーメンバー以外の特別キャラ)
(引用:twitter.com)
大岡紅葉(おおおかもみじ)…ゆきのさつき
京都に住む蘭たちの同級生。
かるたの皐月会に所属しており、昨年の高校生かるた大会では優勝した凄腕の持ち主。
平次とは子どもの頃にかるたの大会で会ったことがあり、それから平次のことを”未来の旦那さん”と思っている。
彼女は漫画版やアニメ版にも何度か登場している。
(引用:http://ginblackcrow.tokyo)
名頃鹿男(なごろしかお)…一条和矢
本作のキーパーソンで、かるた”名頃会”の代表。
数年前に失踪し、名頃会は現在解散している。
・その他のキャスト
阿知波研介(あちわけんすけ/皐月会の会長。”阿知波不動産”の社長)…阪脩
阿知波皐月(あちわさつき/研介の亡き妻、皐月会の元会長)…吉田美保
関根康史(せきねこうじ/皐月会メンバー、カメラマン)…宮川大輔
枚本未来子(ひらもとみきこ/和葉の同級生、かるた部部長)…吉岡里帆
海江田藤伍(かいえだとうご/阿知波研介の元秘書)…石井康嗣
矢島俊弥(やしまとしや/最初の被害者。皐月会メンバー、紅葉のライバル)…石川英郎
伊織無我(いおりむが/大岡紅葉の執事)…小野大輔) ほか
あらすじ:起
大阪にある日売テレビ局は、2日後に開かれる百人一首の大会『高校生皐月杯』の特集番組の撮影をしようとしていた。
このテレビ局で、コナン、蘭、小五郎、和葉、平次、歩美、光彦、元太は、現かるたクイーンの大岡紅葉と、牧本未来子(和葉の同級生・かるた部キャプテン)による かるたのリハーサル試合を見学していた。
コナン達が大阪に来たのは、この番組で大会主催者の阿知波研介と小五郎が対談を行う予定だったからだ。
その大会には紅葉と未来子も出場予定だ。
阿知波会長はかるた会の名門 『皐月会』の会長でもあり、不動産会社『阿知波不動産』の社長でもある。
彼は3年前に亡くなった元かるたクイーンで皐月会会長だった妻・皐月のあとを継いで会長になり、妻の生前は、大事な試合の前には必ず車を綺麗に洗って弦を担いでいたそうだ。
当時、会長の秘書をしていた海江田藤伍という男性がいて、会長の右腕として働いていたかなりの切れ者だったらしいが、現在は秘書を辞めて表舞台からは姿を消しているという。
番組本番開始が近くなって阿知波会長がスタジオ入りしたが、本番での紅葉の対戦相手である矢島選手がまだスタジオ入りしていないらしく、関係者たちが慌て始めた。
撮影開始が遅れるようなので控室に行こうとしていたコナン一行の前に、突然 紅葉が現れた。
紅葉は平次を見るなり「やっと会えた…平次さん、私の未来の旦那さん!」と涙を流したので、居合わせた全員がびっくり仰天した。
紅葉の反応とは反対に、平次は訳が分からない様子でうろたえるばかりだった。
(平次を見つめる紅葉と戸惑う平次 引用:https://conanvideos.com)
紅葉が去った後、平次は紅葉と会った覚えがないようで困るばかりだったが、和葉の怒りは収まらなかった。
同じ頃。大阪府警察には『日売テレビを爆破する』という爆破予告状が届いていた。
予告状の下には百人一首の句の1つ※『奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき』が一緒に印刷されていた。
※訳:山奥で雄鹿が女鹿を求めて鳴く鳴き声を聞くと、秋が悲しいものに感じられる
刑事はこの予告状を愉快犯と見たが、念のためにテレビ局に注意喚起を行うことを、刑事部本部長の服部平蔵に報告した。
その後、本当にテレビ局の爆破が起こり、平次と和葉がビルの中に取り残されてしまった。
コナンは隣のビルからターボエンジン付きスケボーで大ジャンプしてテレビ局のビルの窓ガラスを破って侵入し、平次と和葉を助け出した。
(ビルからビルへ大ジャンプするコナン 引用:http://www.onigiriman.work)
蘭、小五郎、歩美、元太、光彦は、警察による避難警告で事前に避難していたため無傷、コナン、平次、和葉、紅葉、阿知波会長も軽傷ですんだが、未来子は利き腕を骨折してしまっていた。
「大会ならまた来年出ればいいやん」と和葉は慰めたが、未来子が所属しているかるた部は今年の大会で良い成績を収めないと廃部になってしまうという。
そこに紅葉が現れて『優勝した方が先に平次に告白できる権利を得る』と条件を出して和葉を挑発し、和葉は未来子の代わりに大会出場することになった。
実は和葉も少しだけ百人一首をしたことがあり、その実力は未来子が認める腕前だった。
その後、紅葉は帰り際にパスケースを落とすが、気づかずに病院から出て行ってしまった。
パスケースを拾ったコナンと蘭は、紅葉の連絡先を知ろうとケースを開くと、写真が2枚入っていた。
1枚目はコナンも蘭も知らない袴を着た男性の写真で、もう1枚は、幼い平次と紅葉が笑って指きりをしている写真だった。
平次は忘れているようだが、確かに平次と紅葉は会ったことがあるようだ。
「この写真を見たことは和葉には内緒にしよう」と蘭とコナンは約束した。
(紅葉が持っていた平次と紅葉の写真 引用:http://ginblackcrow.tokyo)
その直後、テレビ局に現れなかった矢島選手が殺されていたことを知ったコナン、平次、小五郎は、急いで京都にある矢島邸へ向かった。
あらすじ:承
被害者の矢島俊弥は造り酒屋の御曹司で、この広い屋敷に1人で住んでいた。
死亡推定時刻は午前6時頃、死体発見は同日の午後2時らしい。
矢島の周りには百人一首のかるたが散らばっていて、死の直前までかるたをしていたようだ。
部屋が派手に荒らされているのを見て、警察と小五郎は強盗と見て捜査を進めようとしていた。
一方コナンは被害者の手に不自然な血痕を見付け、被害者の手と散らばっていたかるたをスマホで撮影。
テレビのリモコンに多量の血が付いているのを見た平次がテレビを付けると、画面には大岡紅葉が映っていた。
それは録画映像で、DVDプレーヤーには『高校生かるた大会過去戦』のDVDが入っていた。
コナンと平次は部屋の荒らされ方などから、この事件を『かるた絡みの連続殺人』になるのではないかと推測した。
矢島邸から出た後、コナンは東京にいる灰原哀に連絡して、かるた札の解析と、大岡紅葉が持っていた写真の袴姿の男性の調査を依頼した。
その時、一台の車が矢島邸に到着し、テレビ局で阿知波会長の口から名前が出ていた かるた選手の関根康史が登場した。
関根は矢島のライバルで、全国大会ではここ2年連続で矢島に負けていた選手だった。
会長はずっと関根と連絡が取れなかったようで、関根は「深酒してしもて、電源が切れていることに気づかなかった」と謝った。
会長が矢島が殺されたことを告げると、関根は驚くと同時に残念がっていた。
その後すぐ、関根は事情聴取のため綾小路警部に連れていかれた。
同じ頃。蘭たちは蘭の親友の鈴木園子が手配してくれた宿泊先のホテルに到着していた。
本当なら園子も一緒に大阪に来る予定だったが、風邪をひいて行けなかったようだ。
和葉は、平次が小学生の頃に百人一首の大会で優勝していたことを思い出して練習相手を頼んだが、平次は忙しくてそれどころではなかった。
その後、元かるたクイーンの平次の母・服部静華が平次に頼まれて和葉の稽古相手をすることになり、和葉と静華は翌朝まで練習を続けた。
翌朝。コナンと平次は小五郎を麻酔銃で眠らせて関根をホテルの会議室に呼び出し、関根を犯人だと疑っていることを明かした。
関根が誰も教えていないのに矢島が『撲殺』されていたことを知っていたからだ。
実際、関根は矢島が殺されたことを皆が知るよりも前に、阿知波会長からの電話を無視しながら殺害現場で何かをしていた怪しい人物だった。
しかし、関根は犯行を強く否定して会議室から出ていった。
外に出たコナンと平次は、警察に付き添われて車で皐月杯の会場に移動する阿知波会長、関根、紅葉をバイクで追いかけた。
会場に向かう途中、関根の乗っていた車が爆発して関根は重症を負い、病院に運ばれた。
コナン、平次、阿知波会長は事情聴取のため警察署に連れてこられた。
そこで阿知波会長は、紅葉がパスケースに入れていた写真の男『名頃鹿男(なごろしかお)』について話し始めた。
京都には昔、”名頃会”という少数精鋭のかるた会があり、名頃鹿男はそのリーダーだった。
名頃鹿男のかるたの腕は見事だったが、勝ち負けにやたら執着する傾向があった。
阿知波皐月が健在だった頃のある日、名頃が『お互いの会の存続をかけて』皐月にかるた勝負を申し込んできた。
だが試合当日、名頃は会場に現れず、試合は皐月の不戦勝となった。
名頃鹿男はそのまま姿を消し、名頃会は解散になったという。
名頃会の元メンバーは申告があれば皐月会に移籍していいことになり、実際に移籍したのは関根康史と、名頃の一番弟子と言われていた大岡紅葉の2人だけだったという。
この事件が名頃の復讐なのではないかということになったとき、新たな事件の詳細が明らかになった。
テレビ局が爆発する直前、関根のスマホに差出人不明のメールが送られてきていたという。
メールの中身は添付ファイルのみで、それは※『このたびは ぬさも取りあへず たむけ山 紅葉の錦 神のまにまに』のかるた札だった。
※訳:神様へのお供え物が用意できず、代わりに紅葉をお供えします。これをどう受け取るかは神様にお任せします。
この句が名頃鹿男の得意札だったことがわかると、平次は急いで紅葉に電話した。
名頃の得意札がメールで送られてきた人物が殺害のターゲットになっていることに気付いたからだ。
あらすじ:転
メールを確認させると、紅葉にもかるた札のメールが届いていた。
紅葉に届いていたのは※『嵐吹く みむろの山の もみぢ葉は たつたの川の 錦なりけり』だった。
※訳:風で舞った三室の山の紅葉で龍田川はとても美しい
この時、コナンと平次は「関根は犯人ではなく、矢島の殺害現場に残されていたはずのかるた札を隠しただけだったのではないか」と推理した。
恐らく関根は矢島が殺されて間もなく矢島邸を訪問、遺体を発見したが、矢島が手にしていた札を見て犯人が関根の師匠だった名頃鹿男だと直感し、それを知られたくなくて部屋ををめちゃくちゃにして、警察には通報せずに現場から離れたのだろう。
灰原の解析から、矢島が握っていた札が※『山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり』だったと分かった。
※訳:山の川の中に、風が集めた綺麗な紅葉の集まりを見付けた。
これも名頃の得意札で、”紅葉”が入っている句だった。
警察は名頃鹿男が犯人とみて捜査を続けることにした。
同じ頃、蘭は紅葉に忘れ物のパスケースを届けていた。
このとき蘭は、小学生のときに紅葉は平次からプロポーズされていて、今もそれを信じているという話を紅葉から聞いてしまった。
蘭は複雑な心境で和葉が稽古をしているホテルの部屋に戻った。
そして『得意札』を決めかねていた和葉を手伝って、一緒に得意札を決めた。
蘭は『めぐり逢ひて』を選び、和葉は『しのぶれど』を選んだ。
警察から出たコナンと平次は、阿知波会長の家で名頃鹿男について詳しく話を聞いていた。
名頃が来なかった試合の前日、名頃は皐月に前哨戦を挑みに来て、その試合に名頃は負けたと会長は話した。
前哨戦で負けて勝ち目がないと思った名頃が逃げたと言いたかったのだろう。
そのときコナンは、皐月と名頃が試合の約束をしていた当日の写真を見て違和感を感じていた。
皐月杯当日、阿知波会館。
和葉は道着で大会に出ていてかなり浮いていたが、確実に決勝へと勝ち進んでいた。
会場の警備もぬかりなく、事前に登録している警備員しか会場内に入ることはできなかった。
コナンと平次が試合を見守っていると、「関根が意識を取り戻した」と連絡が入った。
確認したところ、関根の不審な動きはコナンと平次の推理通りだった。
関根は名頃鹿男の消息を掴みたくて矢島をマークしていて、殺害直後の矢島の遺体を見付けてしまった。
そして名頃鹿男が犯人だと警察に思われたくなかったため、とっさに隠蔽工作をしたという。
その頃、警備の管理室には阿知波会長の元秘書である海江田藤伍が入り込み、警備員を銃で撃ち、コンピューターの回線をオフにした。
その後、海江田は会館内にある人けのない小屋に入って爆弾を取り出した。
その爆弾は設置すると共に爆発し、海江田は死亡した。
爆発音に驚いたコナンと平次は急いで現場に向かい、散らばっていた遺留品の指輪から、死亡したのが海江田だと知った。
この時コナンと平次は、真犯人は『海江田の死体を名頃鹿男だと思わせるつもり』だったんじゃないかと推測した。
さらに、まだ送られていない残りの名頃の得意札はあと2枚で、その内1枚は阿知波会長の携帯に今朝届いていたらしい。
残りの1枚は、この皐月杯の決勝に残って大岡紅葉と戦う者になるだろうと推理した。
それは試合が進まなければわからないため、まだ送られていないのだ。
もしも和葉が決勝に出ることになれば、ターゲットは和葉になる。
平次は至急、警察に和葉のスマホをチェックするよう依頼し、決勝が行われる場所へコナンと向かった。
あらすじ:結
その頃、すでに和葉と紅葉は決勝まで勝ち進んでいて、決勝戦が行われる会館横の滝のすぐ傍に建てられた『皐月堂』に移動していた。
綾小路警部は決勝戦の中止を指示しようとしたが、警備員が皐月堂につながる電話の受話器を上げた瞬間、滝のすぐ近くで爆発が起きた。
警察はすぐに消防に連絡したが、お堂までの道が狭すぎて消防車が入ってこれず、また海江田がコンピューターをダウンさせていたため、防災システムも作動しなかった。
通信が遮断されたお堂では、何も知らない和葉と紅葉の決勝戦が始まっていた。
(和葉と紅葉の決勝戦 引用:https://www.animatetimes.com)
一方、コナンは平次が運転するバイクで山道を走りながら、互いの推理の答え合わせをした。
この事件の真犯人は名頃ではなく阿知波会長で、このお堂の爆破で紅葉と和葉を殺して自分も死のうとしていること。
阿知波会長は「皐月と名頃の前哨戦で『皐月が勝った』」と言っていたが、『皐月が負けて』いれば全ての辻褄が合うこと。
つまり、前哨戦で皐月が負け、名頃を口封じのために殺した可能性が高いこと。
これは『試合前は必ずゲン担ぎで洗車をする』と言っていた会長の車が、名頃が来なかった試合の日は汚れていたのを、コナンは当日の写真で気付いたからだった。
これは名頃が試合に来ないと知っていた証拠だ。
そして、被害者の矢島選手は真相に気が付いていて殺されのではないかということ。
皐月堂のどこかに名頃の死体が隠されていて、名頃を犯人に仕立て上げたまま会長は死ぬつもりだということ。
これでこの一連の事件のすべてが繋がる。
コナンと平次はバイクで崖から飛び、皐月堂に突撃した。
突然のコナンと平次の登場に、和葉と紅葉は混乱した。
コナンと平次が会長に真相を問いただすと、会長は全て認め「認めるから、かるたを証拠として提出するのはやめてくれ」と言った。
それはつまり、名頃を殺したのは阿知波ではなく、妻の皐月だということを意味していた。
阿知波会長は、名頃と皐月の前哨戦の時、皐月は自分の練習用のテープを使い、かるたの読み上げる順番も覚えていて、皐月が圧倒的に有利だったにも関わらず、皐月は負けてしまったと明かした。
翌日の試合でも負かされれば、大勢の前で皐月会を辱められると予測した皐月は、名頃を殺してしまった。
会長は皐月の罪を背負って墓まで持っていく覚悟だと告げ、爆弾の起爆スイッチを取り出した。
皐月堂にはまだ爆弾が仕掛けられているのだ。
ここで、名頃の本当の思惑は、会長や皐月が考えていたのとは違うことを紅葉が明かした。
名頃は周囲には隠していたが、当時 目の病気を患っていて、もうかるたを続けることが出来なくなっていたという。
名頃が皐月に前哨戦を挑んだのは、名頃の初恋の相手だった皐月に一言「すごい」と言われたかっただけだったそうだ。
そして、翌日の試合で名頃は皆の前で負けて、名頃会の会員たちを皐月会に引き取ってもらう予定だったという。
真相を知った会長がショックを受けている隙に、爆弾のスイッチを平次が回収した。
だが一回目の爆発の影響でお堂はすでに崩れかかっていた。
コナンは会長と紅葉を連れてお堂から脱出したが、また平次と和葉がお堂に取り残されてしまった。
平次はバイクの後ろに和葉を乗せて「しっかりつかまっとき!手ぇ離したら殺すで!」と叫び、2人は崩れかかる皐月堂から近くの安全な岩場まで大ジャンプした。
(「手ぇ離したら殺すで」の平次と和葉 引用:https://masamunenet.com)
ジャンプ中、続けて平次は「死ぬまでにお前に言わなあかんことがあんねん!」と和葉に叫んだ。
岩場に着いて安全を確保した後、和葉は「言わなあかんことって何?!」と平次に詰め寄ったが、平次は照れてはぐらかした。
こうして阿知波会長は逮捕されて事件は解決した。
コナン一行が帰る前のホテルのロビーで、和葉は蘭に「紅葉との試合には負けたけど、『しのぶれど』の句だけは逃さんかった!平次に『しのぶれど』を送ってみようかな?」と相談していた。
そこに紅葉が現れて、平次に「昔、私にプロポーズしたじゃない!」と詰め寄ったが、平次は当時のことをやっと思い出して、プロポーズ自体が紅葉の聞き間違いだったことが明らかになった。
紅葉は顔を真っ赤にしてそそくさとその場から逃げていった。
帰りの新幹線の中で、蘭は「新一に『めぐりあひて』の句を送ったら、『せをはやみ』の句が帰ってきたんだけど、どういう意味?」と園子に電話で聞いていた。
園子は意味を知っていたが、にやにやしただけで蘭に教えなかった。
主題歌: 倉木麻衣『渡月橋 ~君 想ふ~』
作品に登場した句の一覧・解説
本作には沢山の百人一首の句が登場しました。
あまり百人一首に詳しくない方には意味が分からない句があったかもしれないので、一つずつ解説していきます。
奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき
しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
このたびは ぬさも取りあへず たむけ山 紅葉の錦 神のまにまに
嵐吹く みむろの山の もみぢ葉は たつたの川の 錦なりけり

山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜はの月かな
瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ
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