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あらすじ⑤:結末
由香は社宅からも追い出され、彩と一緒に遠方に引っ越します。
賢治は「頑張るから一緒に居て欲しい」と言いますが、由香は「あなたが戻ってきたからこうなった。好きになるんじゃなかった」と答えて去りました。
続けてついに柴咲も亡くなってしまい、賢治は全てを失いました。
賢治は翼が加藤に復讐しようとしていることを知ると、由香の留守電に愛と感謝の伝言を残してから金属バットを持って1人で出かけます。
翼たちが加藤と大迫が密会する中華料理店に着いた頃には既に警察が包囲していて、加藤と大迫は瀕死状態でした。
翼は一足先に賢治が来ていたことを察して呆然とします。
そのころ、賢治は血まみれで港にいました。
そこに細野が現れて「お前のせいだ」といいながら賢治に包丁を突き刺します。
賢治は「ごめんな」とつぶやくと、そのまま海に落ちて死にました。
数か月後、彩は賢治が海に落ちた場所に花を供えに行き、同じく賢治を偲んでいた翼と出会います。
彩に「私のお父さん、どんな人だった?」と聞かれた翼は、微笑んで「少し話そうか」と答えました。
解説・考察など
賢治が裏社会に属している時はいつも外は夜だったり薄暗かったりしたのに対し、ヤクザをやめてからは始終昼間で外は明るかったりと、登場人物の状態によって気候や時間帯が使い分けられていたのが印象的でした。
1つの暴力団組織を通して時代の移り変わりを描いた作品で、賢治の末路も切なくなりましたが、裏社会に生きるのはそういうことなのかなとも思えてしまったり、何が正しいのかわからなくなり考えさせられました。
以下、気になる点や疑問など考察します。
賢治がヤクザになった理由
賢治が当初ヤクザになりたくないと思っていたのは、ヤクザは賢治の大嫌いな麻薬売買をしているものと思っていたからです。
しかし、柴咲組の柴咲は義理と人情を重んじ、麻薬には手を出していなかったことが賢治のヤクザに対する印象を和らげました。
賢治が柴咲組に入ることにした一番の理由は、柴咲組長の人柄に惚れたからです。
賢治は実の父からは受けられず、無意識に求めていた『父性』を柴咲に求めたのです。
ラスト考察:賢治が逮捕されず港にいたのはなぜ?
翼が侠葉会の加藤に復讐するために中華料理店に突撃したシーンで、お店には翼や警察と一緒に賢治が居たように見えましたが、次のシーンでは血まみれの賢治が港に座っていました。
「賢治はなぜ逮捕されてないの?」と不思議になりますが、もしあの時に賢治もあの場に居たのなら逮捕されないのはおかしいので、正しい時系列は以下です。
↓
誰かが警察に通報し、警察が集まる
↓
翼が店に着いた時には既に警察がいて、誰かが先に加藤と大迫を半殺しにしていたことを知り、翼は賢治が自分の代わりに復讐してくれたのだと確信する
現場に警察が居たのは翼を捕まえるためではなく、翼よりも先に賢治が店で暴行事件を起こして通報されていたから警察がいたのです。
あの場に賢治が居るように見えたのは、賢治の仕業だと翼が察したことを示す演出です。
細野はなぜ賢治を刺した?
細野は賢治を刺した時「お前が戻って来なければ、俺は幸せだった」と由香と全く同じ恨み言を言います。
細野も賢治と同じく元ヤクザだったことがバレて生活出来なくなり、奥さんは子どもを連れて逃げてしまいました。
細野自身も同じ場所では生活出来なくなり、またヤクザを辞めた直後の状態からやり直しを強いられます。
全てを失った細野は、怒りのやり場がわからず賢治に全てぶつけてしまったのです。
賢治自身も細野を暴力団に入れてしまった負い目を出所後から感じていたはずなので、細野に殺されるなら納得できる死に方だったのかもしれません。
細野は殺人でしばらく服役することになると思われますが、出所後は賢治の分もちゃんと生きて行って欲しいです。
以上です!読んで頂きありがとうございました。
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感想などお気軽に(^^)
時系列おかしくない?1999年→2005→2019のはず
ピーマンさん
ご指摘ありがとうございました(^_-)-☆