『愛を読むひと』ネタバレ解説考察|ハンナについての4つの疑問を考察 | 映画の解説考察ブログ - Part 2

『愛を読むひと』ネタバレ解説考察|ハンナについての4つの疑問を考察

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ヒューマンドラマ

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ハンナが何も言わずにいなくなった理由

ハンナは一見自分のことしか考えていないように見えますが、彼女はずっと火事で起きたことの罪の意識を持ち続けていて、自分が幸せになってはいけないと思っていたのかもしれません。

また、ハンナは非識字者であることを周囲に隠していたので、事務職への昇進が決まったときに職を辞めています。
ハンナは仕事を辞める理由をマイケルに言えなかったので、それも何も言わずにいなくなった理由の1つだと思います。

 

裁判で非識字者だと公表しなかった理由

ハンナが不当な刑罰を受けてまで字が読めないことを隠そうとした理由を考えていたんですが、当時、ジプシー民族はヨーロッパ各地で酷い差別を受けていました。
ジプシーは定住せずヨーロッパ各地で主に男は鋳掛、女は占いで生計を立てていた少数民族です。

そのジプシーの特徴として、彼らは文字の文化を持たないため、文盲はジプシーを連想させたそうです。
つまり、ハンナは差別されることを恐れてもいたということです。

それに、彼女が罪の意識を持って生きてきたと考えれば、自分の罪を軽くするような発言をするのが嫌だったのもあるし、公衆の面前で彼女が非識字者だと公にする事もためらわれた、だから抵抗しなかった、と考えたら納得がいきました。




ハンナが自殺した理由

ハンナは戦争の中を生きてきて、恐らくまともに教育を受けずに育っていると思われます。
裁判の時、あまり罪の意識がなさそうに見えたのも学が無かったからで、『言われた通りに仕事をしただけ』と考える一方で、アウシュビッツ刑務所に人を送ることの意味はわかっていたので、心の底ではずっと罪悪感を感じていたはずです。

その後刑務所で勉強して、文字が読めるようになった彼女は自分が看守として行ってきたことの罪の重さをより深く理解したのだと思われます。
収監されていた時のハンナを知っている看守が「今まではきちんとしていたけど、最近は身なりに気を使わなくなった」と発言していました。
これはハンナは鬱状態にあったことを意味しています。
まとめると、ハンナは刑務所の中で勉強の楽しみを知りますが、勉強するうちに自分がしてきたことの罪の重さに気付いてしまい、再び罪悪感に苛まれて鬱状態に陥り自殺したという流れになります。

悲しすぎますが、それが当時のハンナが選んだ人生で、彼女にとってベストの選択だったのでしょう。
戦争はそれだけ人生に影響を与えるという事です 。
とにかく色々考えさせられる作品でした!

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・参考記事

映画.com:愛を読むひと インタビュー

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