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ロイドとエディの対立の原因
(ロイドとエディ ©2004大友克洋・マッシュルーム/STEAMBOY製作委員会)
長年一緒に同じ研究を続けていたロイドとエディ親子ですが、スチームボール完成後に仲間割れしてしまいます。
仲間割れの経緯は描かれていないので想像するしかないですが、恐らく2人はスチームボールの使い道で喧嘩になってしまったのでしょう。
ロイドは蒸気機関で動く巨大な遊園地を作って子どもたちを楽しませるために使いたかったようですし、一方エディは空飛ぶお城が作りたかったようで、その使い道は何となくに通う部分があります。
そしてオハラ財団と手を組んでの金銭的援助を受けながらお城を作ります。
ロイドの遊園地がお城に含まれていたので、お城と遊園地を作る所までは一緒に活動していたのでしょう。
なので、仲違いしたのはお城と遊園地が完成した後のことです。
恐らくエディはお城と遊園地を作るのにかかった膨大なコストを回収するようにサイモンや会長に迫られて兵器を作ってしまい、ロイドは軍事利用に反対だったため喧嘩になったのではないでしょうか。
ロイドは少年の心を持っているような人物だったのに対し、エディはどこか達観している所があったので、スチームボールを開発してしまった以上は遅かれ早かれ軍事利用される日が来るのは避けられないという考えがあったのでしょう。
スチーブンスンとデイビッドの目的は?
科学技術院の一員だったスチーブンスは元帥と相談してスチームボールを国の財産として独占してしまい、他の国に技術を盗まれないように保護しようとしていました。
なので、蒸気機関の武器をアメリカやロシアなどの軍要人に販売しようとするオハラ財団を何としても止めたかったのです。
スチーブンスンの弟子だったデイビッドは頭は良かったものの、主に金と地位のことしか頭になかったようです。
2人がその後どうなったのかは明かされませんが、少なくともデイビッドはスチーブンスンからは排除されてしまうのではないでしょうか。
スチーブンスンはモデルがいました。
(引用:https://www.networkrail.co.uk)
本作で科学技術院の1人でロイドの研究仲間だったロバート・スチーブンスンのモデルは、イギリスの土木技術者ロバート・スチーブンソン(1803-1859)です。
彼は映画の舞台でもあった年代に、イギリスにおける蒸気機関車の普及に貢献した人物です。
実在したスチーブンソンが当時のコンテストで設計した『ロケット号』という蒸気機関車は、本作に登場したレイを追いかけていた自走蒸気機関車にスケールは違うものの、デザインが似ていたような気がします。
・スチーブンソンのロケット号↓
(引用:https://collection.sciencemuseumgroup.org.uk)
・スチームボーイに登場した自走蒸気機関車↓
©2004大友克洋・マッシュルーム/STEAMBOY製作委員会
その他感想
解説記事を書いたものの、ストーリーは全体的に謎が多かったりモヤっとする部分のある作品でした。
個人的な謎は、レイは「お父さんとおじいちゃんを助けに行く!」と言ってお城に乗り込んだのに、結局助けられなくて後で「2人は生きてる気がする」と探そうとすらしない感じだったり、レイとロイドが再会した時、ロイドは孫に突然大事なボールを託して命の危険にさらしたのに、レイの心配を全くせずボールのことしか頭にない感じなんだかモヤっとました。
オハラ財団も悪っぽい雰囲気を漂わせていましたが、レイは結局成長したら財団の一員になっていたり、どういう組織なのか謎でした。
あとはレイに最後まで攻撃していた声が寺島進さんの黒スーツの存在も。
もしかしたら原作漫画を読んだ方向けの作品だったのかもしれません。
筆者は未読なので、いつか読んでみようと思いました。
以上です!読んで頂きありがとうございました。
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※本ページの情報は2022年2月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
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