『シャーロック・ホームズ2』解説考察|モリアーティの計画、ラスト考察、タイトルの意味など | 映画の解説考察ブログ

『シャーロック・ホームズ2』解説考察|モリアーティの計画、ラスト考察、タイトルの意味など

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シャーロック・ホームズ シャドウゲーム アクション
©2011 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

映画『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』『シャーロック・ホームズ2』の解説考察をしています!
考察内容はモリアーティの計画全貌、アイリーンの狙いなどです。

鑑賞済みの方のための記事です。まだ見ていない方はネタバレにご注意ください。

シャーロック・ホームズ シャドウゲーム

英題:Sherlock Holmes:A Game of Shadows
制作年:2012年
本編時間:129分
制作国:アメリカ
監督:ガイ・リッチー
脚本:マイケル・マローニー、キーラン・マローニー
原作小説:『シャーロック・ホームズ 最後の事件』アーサー・コナン・ドイル著

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あらすじ&キャスト紹介

キャスト

シャーロック・ホームズロバート・ダウニー・Jr.
世界的に有名な私立探偵。相棒のワトソンと事件解決の鍵となる女性シムザと共にモリアーティに立ち向かう。

ジョン・ワトソンジュード・ロウ
ホームズの友人の医師。婚約者のメアリーと晴れて結婚したが、ハネムーン中にモリアーティに命を狙われる。
ホームズに「これが最後だから」と頼まれて協力する。

マダム・シムザノオミ・ラパス
占い師のジプシー。アイリーンがモリアーティに届けようとしていた手紙を書いた人物の妹。
兄を探すためホームズの仲間になる。

ジェームズ・モリアーティ教授ジャレッド・ハリス
ホームズの宿敵でアイリーンを雇う謎の男。
表の顔は天才数学教授であり、首相の学友でもあり和平会議の顧問でもある一流の知識人だが、犯罪組織を率いる裏の顔を持ち、全世界を危機に陥れようとしている。

アイリーン・アドラー…エイミー・マクアダムス
メアリー(ワトソンの妻)…ケリー・ライリー
マイクロフト・ホームズ(ホームズの兄)…スティーヴン・フライ
セバスチャン・モラン(狙撃手)…ポール・アンダーソン
タマス(シムザの友人、ジプシー)…アフィフ・ベン・バドラ
ホフマンスタール医師…ヴォルフ・カーラー
アイリーンのボディーガード…クライヴ・ラッセル
レストレード警部…エディ・マーサン
レストレードの部下…ウィリアム・ヒューストン
ハドソン夫人…ジェラルディン・ジェームズ ほか

あらすじ紹介

1891年のロンドン。近頃ロンドン各地を主に爆破事件が相次ぎ、治安の悪い日々が続いていました。
シャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニー・Jr.)は前作の後から数か月にわたってモリアーティ教授(ジャレッド・ハリス)を調べ、最近世界各地で起きた重大事件の裏には全てモリアーティがいることを知り、目的を探ろうとしています。

ある日ホームズは、モリアーティの手駒として働く美人怪盗アイリーン・アドラー(エイミー・マクアダムス)が持っていた『ある男が書いた手紙』を盗み、彼女がホフマンスタールという高名な医師に渡そうとしていた小包が爆弾だと気づいて処理しました。
しかし、ホームズが目を離した隙にホフマンスタールは暗殺されてしまい、アイリーンは爆破の失敗と手紙をホームズに盗られた責任を負わされてモリアーティに毒を盛られて倒れてしまいます。

翌日、ホームズの相棒の医師ジョン・ワトソン(ジュード・ロウ)が恋人メアリーと(ケリー・ライリー)と結婚しました。
ホームズはこの日の午後にモリアーティに呼ばれて初めて直接対峙します。
ホームズが宣戦布告すると、モリアーティは「君のせいでワトソン夫妻は死ぬことになる」と脅し、さらにアイリーンの死をホームズに告げました。

翌日。ワトソン夫妻はハネムーン旅行に向かう汽車でモリアーティの部下たちに殺されかけますが、事態を予期していたホームズも変装して汽車に乗っており、夫婦は命を救われます。
ホームズはメアリーを汽車から降ろし、ワトソンと組んでモリアーティを倒す決意を固めました。

ホームズとワトソンは、アイリーンが持っていた『手紙』を書いた人物を追えばモリアーティの目的がわかるとにらみ、手紙を書いた男の実の妹シムザ(ノオミ・ラパス)を仲間に加え、手紙の主を探すことにします。




解説・考察・感想など

 

モリアーティ教授の目的は?何を企んでいた?

シャーロック・ホームズ シャドウゲーム

©2011 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

モリアーティが企んでいたのは軍需産業で莫大な富を得ることでした。
そのために、まずモリアーティは綿の生産世界一のインドで綿業界のトップを失脚させました。
恐らく後任にモリアーティの息のかかった人物が就任したと思われます。
続けて中国ではアヘン商人のトップ、アメリカで鉄鋼産業、化学兵器を含む武器製造のトップを殺すか失脚させ、モリアーティの協力者を置くことで業界を乗っ取ります。
こうしてモリアーティは戦争における『供給』を確保しました。

次は『需要』となる戦争そのものを起こすために動き始めます。
モリアーティはヨーロッパ各国の仲を険悪にして大きな戦争を引き起こそうとしていました。
戦争が起これば、モリアーティが確保していた軍需産業は必然的に大繁盛します。

 

モリアーティの計画とホームズの行動整理

ストラスブールの爆破

冒頭に登場したフランスのストラスブールでの爆破事件は、モリアーティの計画の一部です。
モリアーティはフランス国民が「ドイツの仕業に違いない」と思うような方法でストラスブールで爆破事件を起こし、2国の仲を険悪にしました。
その対応に追われていたのがホームズの兄で外交官のマイクロフトです。
マイクロフトは政府高官からの指示でドイツとフランスの仲を取り持つために仲介役をしたのが、ワトソンの独身さよならパーティーの夜でした。
この夜、マイクロフトはフランスとドイツの要人をロンドンに招いて話し合いをさせましたが仲直りには至らず、数日後にスイスのライヘンバッハで開かれる和平首脳会議で改めて話し合うことが決まります。

さらにモリアーティはホームズがレネイの手紙からさらに情報を掴むのを防ぐためにシムザを暗殺しようと殺し屋を派遣しましたが、ホームズに見抜かれてシムザは命拾いしました。




凱旋門ホテルの爆破

モリアーティは和平会議が開かれるまでの間に、さらに国同士の関係を悪化させるべく部下を動かします。
そしてパリの凱旋門ホテルで爆破事件を起こし、アルフレッド・マインハルトというイタリア人の政治家を暗殺しました。
爆破事件を起こしたのは暗殺の隠蔽と、イタリアが「ドイツによる攻撃だ」と勘違いするように仕向けるためでした。

一方ホームズはシムザの兄レネイを探してパリで武器の保管場所を突き止め、地下の隠し部屋を見て「モリアーティはオペラ座を爆破するつもりだ」と推理しますが、これはモリアーティが仕掛けていた罠でした。
モリアーティはホームズがこの地下室を探し当てるだろうと予想して、勘違いさせるためにオペラ座の関連資料だけを置いていたのです。
爆弾を探してオペラ座の舞台下に入り込んだホームズは、そこにチェスの駒が置かれていたことと、モリアーティ本人が呑気にオペラ鑑賞していたことから騙されたことに気付き、情報を整理し直して爆破されるのは凱旋門ホテルだと気付きました。
しかしホームズがたどり着いた時にはもう遅く、爆破と暗殺は完了していました。

 

豆知識:ドン・ジョヴァンニとは?

モリアーティがオペラ座で鑑賞していたのは、モーツァルト作曲のオペラ『ドン・ジョヴァンニ』でした。
ドン・ジョヴァンニを知らない方のためにあらすじをざっくり説明すると、主人公のドン・ジョヴァンニは2000人以上の女性と関係を持ったという大の女好きのスペイン人貴族です。
ある早朝、狙った女性に夜這いをかけたジョヴァンニは、叫び声で駆けつけた女性の父親を勢い余って斬り殺してしまいます。
その後、父親の魂は騎士の石像に宿って動き出し、ジョヴァンニの前に現れて「罪を悔い改めろ」と迫ります。
ジョヴァンニは拒否しましたが、やがて地獄の門が開いてジョヴァンニは地獄に連れて行かれてしまいました。

ホームズがオペラ座の舞台の下で爆弾を探していた時が、殺された父親の魂が宿った石像が喋り、地獄の門が開いたラストシーンでした。
ホームズがモリアーティに騙されたことに気付き、地獄の門に引きずり込まれるような感覚を表現していたようにも見えました。

 

和平会議、ホフマンスタールとレネイの正体

モリアーティは最終的に和平会議での事件を戦争勃発の決定打にしようと画策します。
モリアーティは医師を雇って暗殺の実行犯に整形手術を施し、どこかの国の大使として会議に紛れ込ませて大勢の前でドイツの大使を銃殺させようと計画しました。

和平会議でドイツ大使を殺す実行犯に選ばれたのがシムザの兄レネイで、レネイに整形手術を施したのが、冒頭で毒針で暗殺されたホフマンスタール医師です。
ホームズとワトソンがパリの武器庫で見た『双子の男』は、ホフマンスタールの整形手術の『練習台』でした。

アイリーンがホフマンスタールと会った時にはもうレネイの手術は終わっていて、ホフマンスタールがアイリーンに渡した手紙は、レネイがシムザにあてて書いた遺書でした。
情報流出を防ぐためにレネイの手紙はシムザには届かずアイリーンが回収してモリアーティに渡す予定だったと思われますが、ホームズが目にしたことでモリアーティの目的を知る糸口になりました。

 

ホームズはモリアーティの赤い手帳をどう使った?

ホームズがモリアーティの赤い手帳をどのように盗んで活用したのか振り返ります。
モリアーティは隠し財産の管理や関わってきた犯罪行為が増えるにつれて頭の中だけに記憶しておくことが不可能になったため、そのすべてを暗号化した上で事細かく赤い手帳に書き記していました。

ホームズはモリアーティの調査と尾行をするうちに、彼が赤い手帳を肌身離さず持っていることから、手帳に大事な情報が入っていることを見抜きました。
ホームズはモリアーティが宿泊したパリのホテルでベルボーイに変装して手帳を盗もうとしましたが失敗したので、ドイツの武器庫であえて捕まって拷問と尋問を受けた時にホームズはわざと小声で喋り、モリアーティがホームズに接近した隙にニセモノの赤い手帳をポケットに戻しました。

ホームズたちがモリアーティの追っ手から逃げて汽車に乗った後、ホームズは手帳と解読方法を書いたメモをシムズの友人タマスに託し、タマスがワトソンの妻メアリーに渡しました。
手帳には金の流れやモリアーティが手を組んだ人物が記載されていたので、メアリーが暗号を解き、レストレード警部が部下に命じて財産の差し押さえと共犯者の逮捕を一斉に行ったと思われます。

ものすごく余談ですが、暗号の解読はメアリーよりマイクロフトが担当した方が絶対早かった気がするんですが(笑)公務で忙しくて(もしくは興味が無くて)出来なかったのでしょうか。

 

次のページに続きます!

2ページ目は『アイリーンの目的』、『ラスト考察』などです。




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