映画『千と千尋の神隠し』のあらすじと感想を紹介しています!
日本の歴代興行収入第1位となった宮崎駿監督作品。
引っ越しで新居に向かっていた10歳の千尋と両親は、迷い込んだ山の中で不思議な世界に迷い込んでしまう。
千尋は豚に変えられてしまった両親を元に戻すため、魔女の湯婆婆が経営する温泉施設『油屋』で働くことになる。
本作の解説・考察記事はこちらです↓
声優&キャラクター紹介
© 2001 Studio Ghibli・NDDTM
荻野 千尋…柊瑠美
萩野家の一人娘。甘えん坊で泣き虫な10歳の女の子。
異世界で豚に変えられてしまった両親を助けるために油屋で『千』という名前をもらって働くことになる。
© 2001 Studio Ghibli・NDDTM
ハク…入野自由
湯婆婆の弟子として油屋で働いている少年。
ハクという名前は湯婆婆に付けられた名前で、本名は忘れてしまっている。
千尋は覚えていないが、ハクは千尋を小さい頃から知っているらしく、何かと手を貸してくれる。
油屋で働く従業員や湯婆婆の前では冷徹だが、千尋と2人きりの時だけは親切で優しい一面を見せる。
© 2001 Studio Ghibli・NDDTM
湯婆婆(ゆばーば)…夏木マリ
油屋の支配人の魔女。がめつくてずる賢い。
油屋に迷い込んだ生き物から本当の名前を奪って支配する。
息子の坊を溺愛している。
© 2001 Studio Ghibli・NDDTM
銭婆(ぜにーば)…夏木マリ
湯婆婆に瓜ふたつな双子の姉。
性格は湯婆婆よりも穏やかだが したたかな一面を持つ。
湯婆婆とは仲が悪い。
© 2001 Studio Ghibli・NDDTM
釜じい…菅原文太
油屋のボイラー室で客に出す特製の薬湯の準備をする老人。
石炭を運ぶ仕事をしているススワタリを仕切っている。
© 2001 Studio Ghibli・NDDTM
カオナシ…中村彰男
お面以外は真っ黒な謎の存在。千を気に入って油屋をうろつく。
欲しがっているものを手の平から出し、それを受け取るとカオナシに飲み込まれてしまう。
言葉を話せないが、喋れる生き物を飲み込むとその声を借りて話すことが出来るようになる。
・その他のキャスト
リン…玉井夕海
荻野明夫(千尋の父親)…内藤剛志
荻野悠子(千尋の母親)…沢口靖子
青蛙…我修院達也
坊…神木隆之介
番台蛙(ばんだいかえる)…大泉洋
河の神…はやし・こば
父役(ちちやく)…上條恒彦
兄役(あにやく)…小野武彦 ほか
あらすじ紹介
あらすじ①:迷い込んだ千尋
夏休みのある日、10歳の荻野千尋は、父親の明夫、母親の悠子と一緒に車で引っ越し先の新居に向かっていました。
山を越えている途中、明夫は道を間違えて小さなトンネルと祠ある場所にたどり着きます。
3人は休憩がてら車から降りて歩いていると、異国情緒漂う赤い廃墟と広大な草原、美しい浅瀬の川がありました。
何となく怖くなった千尋は車に戻りたがりますが、明夫と悠子はどこからか漂ってくる美味しそうな匂いに連れられて、川を越えてその向こう側に行ってしまいます。
仕方なく千尋がついて行くと、異国情緒漂う商店街に出ました。
明夫と悠子は匂いを辿って、中華料理のような惣菜が並べてある屋台を見つけました。
店員がおらず、我慢出来なくなった明夫と悠子は「後でお金を払えば良い」と勝手に食べ始めてしまいます。
食欲が無かった千尋は屋台から離れて散策していると、赤い橋の向こうに『油屋』という看板が掲げられた巨大な温泉施設がありました。
千尋が油屋に近づこうとすると、突然おかっぱ頭の美少年が現れて「ここに居てはいけない!暗くなる前に川の向こうに戻れ!」と怒鳴りました。
千尋が両親がいた屋台に戻ると、そこに人はおらず、2匹の豚が料理を食い散らかしていました。
不安になった千尋は来た道を走りますが、行くときは浅かったはずの川が、とても渡れないほど深くて広い川になっていました。
草原だった場所は水で埋め尽くされ、廃墟だった赤い建物には明かりが点いています。
さらに、川岸に巨大な船が到着して、明らかに人間ではない存在が大勢船から降りてきました。
あらすじ②:湯婆婆との契約
恐怖で動けなくなった千尋の所に再び美少年が現れて、千尋を落ち着かせてくれました。
美少年はハクと名乗り、千尋を昔から知っていると言いますが、千尋はハクを知りませんでした。
ハクはこの世界のことを簡単に説明してから「油屋のボイラー室に居る釜じいの所に行って『働きたい』と頼みなさい」と告げると、油屋に行ってしまいました。
・この世界で人間は良く思われていない
・働かない者は魔法で動物に変えられて食べられてしまう
・泣き言や弱音を吐いてはいけない
千尋はボイラー室にたどり着き、薬湯の調合をする釜じいに「働きたい」と頼むと、釜じいは気心の知れた従業員のリンに話をつけてくれて、油屋支配人の魔女 湯婆婆に会わせてもらえることになりました。
このとき千尋は釜じいとリンから「ハクは湯婆婆の弟子の『魔法使い見習い』で、油屋の番頭(支配人の次に偉い立場)だ」と教えてもらいました。
湯婆婆は千尋に、『油屋』は八百万の神様たちに癒しを提供する温泉施設で、千尋の両親は神様のために作った料理を勝手に食べたので、豚に変えたと告げました。
千尋は湯婆婆に何を言われても「働かせて下さい!」と言い続けて、折れた湯婆婆と雇用契約を結び、『千(せん)』という新しい名前を与えられました。
その後、リンが千の教育係に任命されて、千の油屋での生活が始まります。
翌日早朝。ハクに呼ばれた千は豚になった両親に会わせてもらいました。
両親は人間だったことを忘れているらしく、豚小屋で気持ちよさそうに眠っています。
その後、千はポケットに入っていた学校の友達からの手紙を見て、自分の本名が『千尋』だと思い出しました。
まだ一晩しか経っていないのに本名を忘れかけていたのです。
ハクは『湯婆婆は名前を奪って支配するから、本名を忘れるな』と教えてくれますが、ハク自身は本当の名前を忘れて思い出せないとこぼしました。
あらすじ③:カオナシとオクサレ様
油屋が営業するのは夜だけで、開店は日暮れと同時です。
千は開店準備の途中、雨の降る中で油屋の外に立っている黒い存在(カオナシ)が気になりました。
客だと思った千は、カオナシに「入っていいよ」と声をかけて油屋に招き入れました。
その日、リンと千はひどく汚れている神様専用の風呂場『大湯』を任されました。
大湯に案内するほど汚い神様はめったに来ませんが、その日、湯婆婆が『オクサレ様(腐れ神)』と呼ぶ、ヘドロまみれ神様が来店しました。
オクサレ様に大湯の湯船につかってもらった時、千はオクサレ様の体に何かが刺さっていることに気が付きました。
湯婆婆は従業員たちに、刺さっている物体を取り除くように命じました。
皆で力を合わせて刺さっていた物体を引っこ抜くと、自転車などの大量のゴミが飛び出しました。
ゴミが全部出ると、神様は本来の竜に姿に戻って気持ちよさそうに窓から空へ飛んで行きました。
湯婆婆いわく、その竜は『名のある川の神様』(有名な川の神様)だったそうです。
神様が帰った後、千の手には川の神様からのお礼らしき『茶色い団子』が握られていました。
また、川の神様から飛び出たゴミの中からはお礼の砂金が出てきました。
湯婆婆は大喜びで「よくやったよ!」と千を褒めました。
仕事の後、千は興味本位で竜神様からもらった団子をかじってみますが、あまりの苦さに体が震えてしばらく動けなくなりました。
翌朝。千が起きると、他の従業員は皆起きているらしくタコ部屋には誰もいませんでした。
寝坊かと思って慌てて支度をしていると、外に白い竜が飛んでいて、人型の紙きれに襲われているのが見えました。
竜は湯婆婆の部屋に向かっています。
竜がハクだと直感した千は、急いで湯婆婆の部屋に向かいました。
千は湯婆婆の息子の坊の部屋に侵入して会話を盗み聞きすると、湯婆婆が手下の妖怪の頭(かしら)に「ハクはもう死ぬだろうから捨ててしまえ」と命じているのが聞こえました。
湯婆婆が去った後、千はハクを助けようとしますが、頭、坊、湯バード(魔法をかけられた鳥)に邪魔されてしまいます。
(千尋、ハク、湯バード、頭 引用:https://cinemazuki.com)
そこに、湯婆婆の双子の姉の魔女 銭婆の分身が現れて、魔法で『坊→ネズミ』、『湯バード→ハエドリ』、『頭→坊』に変えました。
銭婆は『ハクに大切なハンコを盗まれたので、それを取り戻しに来た』と言います。
さらに銭婆は「ハンコには死の呪いがかけられているから、ハクはもう助からない」と千に告げました。
その直後、ハクが人型の紙切れを叩き切ると銭婆の姿が消えました。
その後、千とハクは釜じいのいるボイラー室にたどり着きました。
千はとっさに河の神様からもらったお団子を半分に割ってハクに飲ませると、ハクは黒い液体に包まれたハンコを吐き出して大人しくなりました。
この団子は釜じいいわく『ニガダンゴ』と言い、食べた人の中にある悪いものを吐き出させて浄化する効果があると教えてくれました。
ハンコには黒い芋虫のような『呪いの元』がくっついて動き回ったので、千は思わずそれを踏み潰しました。
ハクは人間の姿に戻りますが、意識は無く気絶したままです。
釜じいは作ってくれた薬をハクに飲ませて布団に寝かせると、ハクがこの世界に来た経緯を千に教えてくれました。
ハクは千のように突然油屋に現れて「もう帰る場所がないから、ここで働かせてほしい」と言い、魔法の力を手に入れるために湯婆婆の弟子になったものの、良いように利用されているのだそうです。
千尋はハクのために銭婆のハンコを返しに行くことにしました。
すると釜じいが、銭婆の家は列車に乗らないと行けないため、40年前に買ったという列車の片道切符をくれました。
結末と感想は次のページです!
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