『機動警察パトレイバー2 the Movie』ネタバレ解説|台詞を元に考察しました | 映画鑑賞中。

『機動警察パトレイバー2 the Movie』ネタバレ解説|台詞を元に考察しました

パトレイバー SF

劇場版『機動警察パトレイバー2 THE MOVIE』の解説・考察をしています!
前作から約1年後。横浜ベイブリッジが爆破された事件を発端に政府と警察の間に大きな亀裂が生じ、平和だったはずの日本は内戦がいつ起きてもおかしくない危機的状況に陥った。
特車二課第二小隊長の後藤は突然接触してきた謎の男 荒川と共に、一連の事件の犯人である元陸上自衛隊員 柘植行人の行方を追う。

制作年:1993年
本編時間:113分
制作国:日本
監督:押井守
脚本:伊藤和典
原作漫画:ゆうきまさみ著『機動警察パトレイバー

 

キャスト&キャラクター紹介


(引用:https://twitter.com
後藤 喜一(ごとうきいち)…大林隆介
特車二課第二小隊長の警部。
元は公安所属だったが、頭が良すぎたために特車二課に左遷された。
第一小隊長で課長代理の南雲しのぶに好意を抱いている。
『横浜ベイブリッジ爆破事件』を発端とするクーデターを起こした犯人逮捕に尽力する。

 

パトレイバー2
(C) 1993 Production I.G All Rights Reserved.
南雲しのぶ(なぐもしのぶ)…榊原良子
特車二課第一小隊長の警部兼課長代理に昇進した。
元々は出世コースに乗る非常に優秀な人物だが、『柘植学校』時代の柘植行人との不倫が明るみになり、現在の地位に落ち着いていることが明らかになる。
柘植行人がベイブリッジ爆破事件を指揮した容疑者になっていると知り動揺する。

 


(引用:https://type-r.hatenablog.com
荒川 茂樹(あらかわしげき)…竹中直人
陸幕調査部所属の謎多き男。
『横浜ベイブリッジ爆破事件』発生後、後藤としのぶに接触して柘植行人捜しの協力を依頼する。

 


(C) 1993 Production I.G All Rights Reserved.
柘植 行人(つげ ゆきひと)…根津甚八
レイバーに軍事的価値を見出して『機関研究会多目的歩行機械運用研究準備会』、通称『柘植学校』を設立した元陸上自衛官。
東南アジアにレイバーを派遣しようとして敵兵に襲撃され、その後消息を絶っている。
クーデターの主犯。

・その他のキャスト
松井(警視庁捜査課の刑事)…西村知道
篠原遊馬(元第二小隊員)…古川登志夫
泉野明(元第二小隊員)…富永みーな
太田功(元第二小隊員)…池水通洋
シバシゲオ(整備班主任)…千葉繁
山崎ひろみ(元第二小隊員)…郷里大輔
榊清太郎(整備課長)…阪脩
進士幹泰(元第二小隊員)…二又一成
佐久間(教官)…仲木隆司
ブチヤマ…立木文彦
海法部長(警視庁警備部長)…小島敏彦
山寺(警備部長)…大森章督 ほか

 

あらすじ紹介

あらすじ①:特車二課の現在

2002年の日本。産業ロボット『ヒト型作業機械』である『レイバーシステム』が一般社会に普及し、レイバーが人間に代わって重労働を行う時代です。
人間はレイバーに乗り込んで操縦することで、どんな重労働も楽にこなすことができるようになりました。
前作から約1年が経過し、当時東京の首都圏にしかなかったレイバーは大阪や愛知などの全国主要都市に広まり、伴ってレイバー絡みの犯罪も増加しつつあります。

当時の第二小隊は解体され、隊長の後藤喜一(大林隆介)を残してその他のメンバー(遊馬、野明、太田など)は他部署に出向しています。
第一小隊長だった南雲しのぶ(榊原良子)は特車二課の小隊長兼課長代理に昇進していますが、レイバー部隊はもはや解散を待つばかりの状態です。

 

あらすじ②:横浜ベイブリッジの爆破と柘植行人


(爆破したベイブリッジを見る人々 引用:https://twitter.com

ある日の夕方。しのぶは、二課に戻る途中の高速道路で渋滞に巻き込まれます。
渋滞の原因は『横浜ベイブリッジに違法駐車してある車に爆弾が仕掛けられている』と通報があり、神奈川県警交通機動隊員が交通規制をかけて通報の真偽を確かめていたからでした。
しのぶがため息をついた直後、ベイブリッジが本当に爆発しました。

事件は『横浜ベイブリッジ爆撃事件』と名付けられて日本社会を震撼させ、世界的にも大きなニュースになりました。
マスコミが公開した映像から、違法駐車の車が爆発したのではなく、どこからともなく現れた米軍戦闘機『F-16J』が車に向けてミサイルを発射していたことが発覚します。
通報そのものは元々イタズラだったのに、米軍機が現れてミサイルを撃ったことで通報がイタズラではなくなったのです。
日本で唯一戦闘機を保有する自衛隊は関与を否定しており、警視庁は特別調査委員会を設置しました。

松井刑事は後藤に頼まれて映像会社から爆撃映像の元データを押収しようとしますが、元データはすでに刑事を名乗る何者かの手に渡ってしまっていました。

パトレイバー
(VHSを見る後藤、しのぶ、荒川 (C) 1993 Production I.G All Rights Reserved.)

そんな中、陸幕調査部別室の荒川(竹中直人)と名乗る謎の男が後藤としのぶを訪ねてきました。

陸幕調査部:陸上幕僚監部調査部の略称。防衛省の特別機関で、電波情報収集での諜報活動を専門に行う。

荒川は2人に「ベイブリッジ爆破事件の真相究明に協力してほしい」と言うと、独自のルートで入手したという爆破直前までの映像を見せてくれました。
それは、事件発生当時にたまたまベイブリッジを背景に撮影を行っていた会社から手に入れたカラオケ用の映像でした。

そのカラオケ用の映像から、ニュースで流されている映像は加工されていることがわかりました。
加工されているのは米軍機で、それは日本航空自衛隊は所有していないけれど、日本の米軍基地に保有している最新型の機種でした。
さらに事件発生前夜、米軍から「夜間訓練中に失踪した米軍機がある」と、日本に非公式に報告もあったようです。
これらの状況から、ベイブリッジを爆破した犯人は米軍基地から戦闘機を盗んで犯行に及んだのだろうと荒川は推理していました。
そして、その犯人は『国防族』の一員であり、現在は行方不明になっている柘植行人という男である可能性が濃厚で、陸幕調査部ではすでに柘植の行方を捜していると後藤としのぶに明かします。

陸幕調査部は約1年前から『国防族』という組織の内偵をしていました。
国防族は日本の政治家や幕僚OB、米軍人などで結成されており、彼らは日本の軍備による防衛強化を望み、日本政府に危機感を持たせることを目的とする組織です。

ある時、国防族は日本の平和ボケを正すべく『軍事的茶番劇』を思いつきます。
それが『ベイブリッジの違法駐車の車に爆弾が仕掛けられている』というウソの通報の真相でした。
国防族の狙いはこのウソの通報で日本国民を動揺させ、危機意識を高めてもらうことでした。
しかし、国防族の計画を知った柘植がこの計画を利用して、米軍機を盗んで違法駐車の車にミサイルを撃ち込んだのです。
幕僚(自衛隊幹部)は事実を公表して自衛隊にかかる疑惑を晴らしたがっていますが、政府は「柘植が犯人である証拠が無い」と渋っています。

荒川の説明が終わった直後、青森県にある三沢基地から『米軍機3機が東京に向かっている』と報告が入りました。




あらすじ③:スクランブル騒動


(府中COC職員 引用:https://twitter.com

北から東京に向かってくる米軍機『ワイバーン』3機を監視モニターで発見した府中COC(東京都府中市にある空軍通信施設、戦闘指揮所)の職員は、ワイバーンのパイロットに無線でコンタクトを取ろうとしますが反応はありませんでした。
ワイバーンを危険とみなした自衛隊は戦闘機『ウィザード』を派遣して、ワイバーンが首都圏上空に到着するまでに打ち落とすよう命じます。
モニター上、ウィザードとワイバーンは至近距離に近づきますが、ウィザードのパイロットは飛行機らしき機体を視認できませんでした。

その直後、ワイバーン3機はモニター上から忽然と姿を消し、府中COCのモニターがハッキングされていたことが発覚します。
モニターには戦闘機が東京に向かって飛んできているかのように映っていましたが、実際には存在しなかったのです。
米軍からの「米軍機3機が東京に向かっている」という報告も、恐らく犯人が仕込んだ虚偽の報告です。
この事件は『スクランブル騒動』と名付けられました。

数日後、後藤は荒川から『スクランブル騒動』の全貌を教えてもらいました。
犯人はドイツの情報サービス会社のゲートウェイからアメリカにある大学のネットを経由し、在日米軍基地のシステムに潜り込み、府中COCのモニターをハッキングしていました。

先日、府中COCが新しい監視システムを導入した際の派遣技術者の中に犯人の一味が紛れ込んでいて細工したと見られますが、ハッキングされた事実を隠蔽したい政府と防衛庁はマスコミや世間には何も公表しませんでした。
後藤が「柘植は戦争でも始める気か?」と問うと、荒川は「戦争はもう始まっている。どうケリをつけるかが問題だ」と答えます。

 

あらすじ④:練馬駐屯地

パトレイバー 2
(戦車と自衛隊員の前で記念撮影する市民 (C) 1993 Production I.G All Rights Reserved.)

後藤が荒川と別れて二課に戻った直後、警備部部長から練馬駐屯地の警備をしろと突然命令されました。

後藤が二課に戻る30分前、三沢基地の各飛行隊に警察から飛行禁止命令が出されました。
三沢基地の司令官は抗議するため警察庁に向かおうとしましたが、青森県警は司令官を連行してしまったので防衛省は怒り、自衛隊の各基地では籠城による抗議が始まりました。
警察は自衛隊の暴走を最小限に抑えるため、警察官達に駐屯地を警備するよう命じたのです。
後藤としのぶは練馬駐屯地に出動しますが、後藤は「レイバーが壊れた」とウソをついて ただその場にいることだけに徹します。

防衛省側では籠城事件の責任を取って数名の幕僚長が辞任しますが、未だかつて無いほど警察と防衛省の関係は悪化してしまいました。
数時間後、自衛隊高官は『警察が信用できないので、これからは我々が警察に代わって治安維持活動を行う』と公共の場で宣言し、自衛隊員を首都圏各所に配備して警察の仕事を奪い始めました。

そんな中、松井刑事は捜査資料を元に金の流れを辿り、いかにも怪しげな飛行船会社にたどり着いていました。
この会社は約1年前までは廃業寸前でしたが、なぜか防衛省に買収されて経営を立て直しています。
そして半年前にこの会社が購入したアメリカ製の飛行船3機が先日から都内を飛び回っていて、ベイブリッジ爆破事件の1週間前にも、アメリカから『かなり高額な物を3つ購入した履歴』がありました。
米軍経由で購入して税関をスルーしているので、何を買ったのかはわかりません。
松井は会社に侵入して手がかりを探ろうとしますが、ボディガードに捕まってしまいました。

同じ頃、柘植から数年ぶりに連絡を受けた しのぶはこっそり待ち合わせ場所に向かいましたが、そこには後藤と荒川が待ち受けていました。
しのぶの様子からなんとなく事態を察知した しのぶの母が、心配のあまり後藤に知らせていたのです。
やがて待ち合わせ場所に柘植が現れますが、後藤と荒川に気付くとすぐに逃げていきました。
しのぶは「止まりなさい!」と柘植に警告して銃を向けますが、発砲はできませんでした。

 

あらすじ⑤:結末

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(榊宅で考え事をするしのぶ (C) 1993 Production I.G All Rights Reserved.)

翌朝。後藤としのぶは警察上層部に呼び出され、許可無く神奈川県警に出動要請していたことで説教を受けました。
会議の途中、後藤は松井刑事からの電話で、飛行船会社から飛び立った戦闘機3機が特車二課を襲撃したことを知りました。
後藤が会議に戻ると、上層部の説教に口答えしたしのぶは第一小隊長兼課長代理の地位をはく奪され、身柄を拘束すると告げられていました。

後藤は保身に夢中で事態の深刻さを理解していない上層部に怒りをぶつけ、しのぶと一緒に処分を受ける覚悟を決めた直後、例の米軍機3機が二課のレイバーをすべて破壊した後、東京湾横断橋を襲撃したと報告が入りました。

その後、戦闘機3機は首都圏の主要な電波塔や橋を次々に破壊し、警察庁も襲撃され、東京は大混乱に陥ります。
騒ぎに乗じて身柄の拘束から逃れた後藤としのぶは『整備の神様』と呼ばれたの自宅に逃げ込みました。

後藤はしのぶに「これはクーデターを装ったテロ行為だ。柘植を逮捕する以外に解決の方法は無い」と言います。
後藤がしのぶに言い聞かせるのは、しのぶが柘植の味方になることを避けるためです。

後藤が榊の家から去った後、は元第二小隊のメンバーが集まっ野明、しのぶ、太田が乗るためのレイバー3台を急ピッチで修復しました。

同じ頃、東京上空を飛んでいた例の3機の飛行船の1機を警察部隊が威嚇射撃したところ、飛行船は街に不時着したと同時に黄色いガスが噴出して周囲に充満しました。
「毒ガスかもしれない」と街は大パニックに陥りますが、それはただの「着色されただけの無害なガス」だと判明しました。
しかし、飛行船の中には本物の毒ガスが入っていると思われるボンベが積まれていました。

後藤は荒井から、野戦用の強力なパラボラアンテナを立てている18号埋め立て地の写真を見せられました。
そこは飛行船を操縦するための基地になっていて、柘植もそこに潜伏しているに違いないと荒井は後藤に教えます。
その写真は米軍から提供されたもので、それは米軍も柘植の動向を見張っていることを意味していました。
明日の朝7時までに政府と警察が和解の方向に向かわなければ、米軍は「喧嘩に介入する」と大使館を通して通告も入ったそうです。
荒川は「この国は、もう一度戦後からやり直すことになるのさ」と笑いました。

後藤の元には柘植に奇襲を仕掛けるための要員として南雲しのぶと、元第二小隊員の篠原遊馬、泉野明、太田功、進士幹泰、山崎ひろみが集まりました。
18号埋め立て地は見晴らしが良く海上や陸上から行くとすぐ見つかってしまうので、バビロンプロジェクト進行当時に使われていたレイバー搬入用の海底トンネルから侵入することにします。

その日の深夜、後藤は柘植を捕まえに行くしのぶと元第二小隊員達を見送った後、荒井を逮捕しました。
荒井も実は国防族の一員で柘植の元仲間で、柘植を暗殺しようとしていたことがわかったからです。

荒井は柘植が今回の事件を計画・実行したことで窮地に立たされていました。
もし逮捕された柘植が「荒井も仲間だった」と漏らせば、荒井に未来はありません。
荒井は柘植の元恋人のしのぶと切れ者の後藤に頼んで誰よりも早く柘植を見つけてもらい、暗殺するチャンスを狙っていたのです。

一方、海底トンネルを進んでいたしのぶと第二小隊員は、トンネルの奥にアメリカ陸軍が開発した移動砲台ロボット『グスト』が3台設置されているのを確認します。
一行は激闘の末にグストを破壊しますが、壁に穴が開いてしまいトンネルに海水が流れ込んできたので、隊員たちは柘植の逮捕をしのぶに任せて撤退しました。


(柘植行人としのぶ 引用:https://animeanime.jp

18号埋め立て地に居たのは、無数のカモメと柘植1人だけでした。
しのぶは柘植を説得し、逮捕しました。
数分後、18号埋立地にヘリで駆けつけた後藤は、柘植としのぶが手を繋いでいるのを見て失恋を確信しました。

柘植をヘリに乗せて連行している途中、松井刑事が「これだけの事件を起こして、なぜ自決しなかった?」と聞くと、柘植は「もう少しこの街の未来を見ていたかった」と答えました。




解説、考察、感想など

理解できれば面白かったんですが、個人的には観たことを後悔するくらい難解でした(笑)
押井監督は本作について、戦争や、日本の自衛隊が抱える問題について考えて欲しかったと、ジブリの宮崎駿氏との対談で語っています。
さっきも言いましたが私には難解過ぎて、押井監督が提起していた問題について考えるまでに至らず、あらすじの咀嚼だけでいっぱいいっぱいでした(汗)

柘植行人について


(引用:https://spice.eplus.jp

事件の犯人だった柘植行人の過去は荒川さん大体語ってくれていたのでおさらいします。

元陸上自衛隊員の柘植はレイバーシステム創設当時、その軍事的価値にいち早く注目した人物で『多目的歩行機械運用研究準備会』、別名『柘植学校』を発足し、自衛隊技術研究本部と民間企業との連携に多大な成果を上げました。

この『柘植学校』には当時キャリア組のエリートだった南雲しのぶが本庁代表として派遣され、その後しのぶと柘植は不倫関係になります。
このスキャンダルが原因で、しのぶは出世コースから外されて特車二課に左遷されています。
この2人の不倫騒動は本庁の人間なら誰もが知っている有名な話で、漏れなく後藤もこの件を知っています。

そして本作の舞台から約3年前、PKO(国際連合平和維持活動)にレイバーの派遣が決まった際、柘植は自ら名乗りを上げて部下と共にカンボジアへ赴きますが、目的地に到着するまでに敵兵に襲われてしまいます。これが冒頭のシーンです。

敵兵から攻撃を受けた際、柘植は上層部に応戦許可を求めますが許可はおりず、柘植はいよいよ自らの命が危険となった時に命令を無視し応戦して何とか生き残ったものの、柘植の「応戦するな」という命令に従った部下は全滅しました。
その後、柘植は日本に帰国してそのまま行方をくらまします。

柘植は日本国家に対する恨みを晴らすと同時に『偽物の平和』に甘んじている日本に危機感を持たせるため、国防族のメンバーと共に過激な方法で日本の防御力を高めようとします。

ちなみにですが、本作を見た宮崎駿さんは柘植について「押井ワールドとして楽しんだけど、柘植についてはリアリティがなさすぎる」と異論を呈していましたので紹介します。

宮崎:帆場映一が悪意をもっていろいろ仕掛けをして、東京を引っかき回したいと思うのは、何となくわかった。
でも柘植に関しては、全然わからなかった。
押井さん自身にも、実は現在の東京への関心はずっと薄くなっているのだと思う。
そもそも、クーデターを起こすほどの組織力の持つ人間は、前線指揮官にはならないからね、普通に考えれば。
でも、そんなことは押井さんは全部わかってやっている。だから話しにくい。
(中略)
これはもう、押井さんの内面世界に自分たちが引きずり込まれるということだから、リアリズムから出発して、ああでもない、こうでもないと言ってもそれはしょうがないこと。
この時間を押井ワールドとして楽しむしかない。  (引用:「アニメージュ」1993年10月号より)

上記はほんの一部で、宮崎さんと押井さんのやり取りは全体的に面白かったので、気になる方は押井守監督作品に関するインタビュー記事をまとめた『すべての映画はアニメになる 』をご一読ください。

個人的には、柘植の自衛隊時代や柘植学校時代、しのぶさんとの馴れ初めなどの精神的に健康だった頃の描写が欲しかったです。
アニメか漫画にはあるんですかね?探してみようかな。




飛行船にカラス、埋立地にカモメなど、鳥が登場する場面が多くありました。
前作の犯人 帆場暎一が鳩とカラスにメッセージ性を持たせていたので、今回も何か意味するところがあるのかな〜と思いながら見ていたんです。

例えば特に印象的だった飛行船のカラスは、帆場暎一のような『純粋な悪意』が柘植にもあるのかも?と視聴者に疑いを抱かせるためだったのかなと考えていました。
実際には柘植に悪意は無かったし、沢山のカモメと一緒に埋立地に立っていた柘植からは少年のような純粋さを感じました。
ということはあのカラスは、後藤隊長や我々が飛行船を『危険な仕掛けがあるかもしれない』と思った気持ち(疑念)が反映されていたことになり、柘植の本心が反映された鳥ではなかったようです。

などと書き連ねていたんですが、押井監督のインタビュー記事を拝見していたら、鳥は無意味なノイズだとコメントされていたようです。

鳥そのものにメッセージ性は無く、ただ雰囲気作り(正確には『世界観に奥行きを持たせるため』)のために描いたとのことです。
とは言え意味が無いことにも意味があったようで『様々な解釈のきっかけになって欲しい』という思いが込められているとのことです。

アニメという性質上、意味の無い物は描かないだろうという前提で見ていたので驚きの答えでしたが、意味が無いことに意味があるってなんだか不思議な感覚になると共に勉強になりました。

鳥さんに関しては以下の記事を参考にさせて頂きました。

pixivision:偶然性まで意図して描く、だから世界が”奥行き”を持つ。『METHODS 押井守「パトレイバー2」演出ノート』 〜レジェンド本を学ぶ〜

 

後藤、しのぶ、元第二小隊員のその後

後藤としのぶは騒動に乗じて上層部の拘束から逃げたり、遊馬と野明などの部下を招集して勝手にレイバーを使って柘植に奇襲を仕掛けたり、やりたい放題していましたね。

本来なら解雇されてもおかしくない暴れっぷりでしたが、柘植の逮捕は日本中の誰もが待ち望んでいたことで、大きな功績になるのは間違いありません。

ということで、柘植の逮捕に免じて全員お咎め無しになる可能性が高そうです。
辞める気で海法部長や山寺警備部長とやり合ったしのぶさんが心配ですが、彼女こそ柘植逮捕に大きく貢献したので、しばらくは彼らも何も言えないでしょうし、しのぶさんも肝が座ってるので問題無いと想像します。

 

次のページに続きます!

2ページ目は気になった台詞の考察です。




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