『プロミシング・ヤング・ウーマン』ネタバレ解説考察|ネックレスの謎、メタファー、ラストの意味など | 映画の解説考察ブログ - Part 2

『プロミシング・ヤング・ウーマン』ネタバレ解説考察|ネックレスの謎、メタファー、ラストの意味など

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サスペンス

2ページ目

4.アル・モンロー:元同級生(主犯)

プロミシング・ヤング・ウーマン
(引用:https://screenrant.com

アルはニーナをレイプした張本人で、キャシーが最も憎んでいた人物です。

キャシーは未だにアルと交流のあったライアンからアルの独身さよならパーティーの開催場所を聞き出して、ストリッパーに扮してパーティーに参戦しました。

キャシーはアル以外の参加者には睡眠薬入りの酒を飲ませて眠らせてから、アルを別室に連れ込んでベッドに縛り付けます。
キャシーはアルの体にナイフで『ニーナ・フィッシャー』の文字を刻みつけようとしますが、アルの返り討ちに遭って殺されてしまいました。

キャシーは「ニーナ・フィッシャーという名前はあなたにこそ一生ついて回るべき」という考えを物理的に実現しようとしたのです。
もし成功していたら、アルの体には一生消えない『ニーナ』の傷跡が残ったでしょう。

この復讐方法は他のターゲットに対する『目には目を』のやり方では無かったので地味に疑問でした。
今までの復讐方法から推測すると、アルには『アルが誰かに強姦に近いセックスをさせられているか、少なくともそう見える動画か写真』を撮ってアルの知人や家族に送る方、もしくはアルのレイプ動画を公表して社会的に殺す方が今までの流れを汲む形になっていた気がします。

もしかしたらナイフで文字を刻んだ後で撮影しようとしていたのかもしれませんが、キャシーが死んでしまったので真相はわかりません。

 

5.?

プロミシング・ヤング・ウーマン

(C)2019 PROMISING WOMAN, LLC

キャシーが死んだ後のアルとアナスタシアの結婚式にも、キャシーが復讐を始める時に登場していた数を数えるマークが現れました。

この時に行方不明になっていたキャシーの遺体が見つかり、アルが殺人容疑で逮捕されました。
これはキャシーが事前に準備していた『プランB』の発動を意味します。

キャシーはアルの独身卒業パーティーに行く直前、グリーン弁護士に『もし私が失踪したら、この携帯を警察に届けてください』というメッセージと、アル・モンローのパーティー会場の住所を託していたのです。

グリーンに託した携帯は、アルがニーナをレイプしている動画が入っている携帯で、マディソンがキャシーに渡したものです。

キャシーはこの携帯を警察に渡すことで、アルをレイプ事件で裁いてもらおうとしたのではなく、キャシーの復讐の理由、ニーナとアルの関係、キャシーがなぜ殺されたかを警察に悟ってもらおうとしたのです。

この証拠無しではキャシーはただの異常者に仕立て上げられてしまうかもしれず、アルの罪が軽くなる可能性を少しでも潰そうとしたのではと思っています。

長くなってしまいましたが、5人目のターゲットは誰だったのかを考えると、復讐を遂行していたキャシー本人以外には考えられません。

キャシーはニーナの母らしき人物と話した時「ニーナを助けられなかった自分が許せない」と語っていました。
キャシーはパーティーに行っていないのだから仕方無いのでは?とも思ってしまいますが、キャシーはどちらかというとレイプ事件を止められなかったことよりも、彼女の自殺を止められなかったことに罪悪感を持っていたのではないでしょうか。
言い換えるとキャシーはニーナのピンチを2回とも救えなかったのです。

なので、キャシーはどの道すべての復讐を果たしたら死ぬつもりだったのでしょう。
『人を呪わば穴二つ』という諺があるように、キャシーは自らの命と引き換えに復讐を果たしました。
命が惜しくないと思える程、キャシーにとってニーナは大切な人だったのです。




その他の疑問

キャシーが会っていた女性は誰?

プロミシング・ヤング・ウーマン
(引用:https://www.thisisbarry.com

1ページ目にも書いてしまいましたが、グリーン弁護士と会った後、キャシーが会いに行った女性は会話の内容から恐らくニーナの母親だと思われます。

ニーナの母はキャシーに「もうニーナのことは忘れて前に進みなさい。私達ももう会わない方が良い」と言いました。

なぜ会うのもやめようとまで言うのかわかりませんでしたが、ニーナの母もまだニーナの死から立ち直れておらず、誰よりもニーナの死から抜け出せていないキャシーを見るのが辛かったのかもしれません。

 

ライアンはなぜ刑事に嘘を付いた?

キャシーの元恋人ライアンは、キャシーを探していた刑事に対して居場所についての情報を与えず、刑事が「自殺の可能性はあると思う?」と聞くと「イエス」と答えました。

この時のライアンがキャシーとの約束「パーティーに行くことは誰にも言うな」を純粋に守っていたのか、ただ保身のために知らんぷりをしていたのかはどちらか微妙ですが、ライアンは小心者のようなので保身だったのかなと思います。

ライアンはキャシーが「罪無き傍観者」と皮肉っていたそのままの人物だったのでしょう。

アルが逮捕されて裁判が始まると、キャシーがグリーンに託したレイプ動画も時が来れば証拠のひとつに出されると思うので、そうなるとライアンの医師生命も絶たれることになると思われます。

ライアンが言っていたように「ただ見ていただけ」であれば罪にならないなら、ライアンはあの動画を他人に見られても医師生命をが絶たれることはないはずです。
しかし、実際にあの動画がライアンの勤務先や患者に知れ渡れば医師で居られなくなることはライアン自身もよくわかっていました。
ということは、やはり傍観者に罪はないとは言い切れないことになります。

 

キャシーについて

プロミシング・ヤング・ウーマン
(引用:https://japan.topnews.cloud)

キャシーの本名だった『カサンドラ』からは、『カサンドラ症候群』、『カサンドラ・コンプレックス』などの病名の語源ともなったギリシャ神話に登場する王女カサンドラを連想します。

カサンドラには未来予知の能力があり、太陽神アポロンから愛の告白をされた時に破局する未来が見えたためお断りしたところ、怒ったアポロンに『予言を誰からも信じてもらえなくなる呪い』をかけられてしまった悲しい王女です。

彼女の呪いがカサンドラ・コンプレックスの語源になっているわけですが、元同級生や校長に対してキャシーの述べる正論が全く取りあってもらえない姿が、カサンドラ・コンプレックスと似たような感覚に思えました。

一方、キャシーが天使かのように見えるシーンがいくつかあったのも大きなポイントだと思います。
キャシーの抱く悲しみに心を痛めた復讐の天使が舞い降りていたかのようです。

プロミシング・ヤング・ウーマン

(C)2019 PROMISING WOMAN, LLC

ちなみに鏡を見ながらビッチ風の化粧をするキャシーは、ホアキン・フェニックス氏の『ジョーカー』を彷彿とさせていましたし、制作陣に『ハーレイ・クイン』役で有名なマーゴット・ロビー氏の名前があるのを見て、キャシーの心の内とは対照的な可愛らしい衣装やパステルカラーの色使いの由来が分かった気がします。

 

キャシーのネックレスについて

プロミシング・ヤング・ウーマン
(引用:https://japan.topnews.cloud)

『キャシー』と『ニーナ』が刻印されたペアのネックレスが登場しました。
キャシーは『ニーナ』の刻印の片割れをいつも身に着けていましたね。

このネックレスはキャシーとニーナの親密さが語らずともわかるようなアイテムでもありますが、ハートのペアネックレスとなるとどうしてもカップルを連想するので、キャシーがニーナにここまで執着するのはもしかしたら2人は親友というよりも恋愛関係だったのかもしれません。
そうだとしたら何となくこの執着ぶりは腑に落ちます。

『ニーナ』のネックレスをキャシーが着けていたので、キャシーの遺体が見つかった後でキャシーとニーナの関係も携帯の動画などの証拠、グリーン弁護士の証言などと合わせて警察に知られることになるはずです。

まだわからない謎は『キャシーと刻印されたネックレスがカフェのレジに入れられていた理由』です。
自宅でも良いはずなのにあえて勤務先のレジの中なので、何か意味があるとは思うもののピンとくる理由が浮かびません。

もう少し考えてみて何か思いついたことがあれば更新しますが、キャシーがライアンからアル・モンローの話を聞いて復讐衝動に駆られたのがレジでお金を計算していた時だったので、きっかけというか復讐に命を捧げることを決意したと同時に、キャシー自身の魂(心)はその場所に封印したというような意味あいだったのかなとも思っています。

何か気付いたことがある方はコメントなど下さると嬉しいです!

次のページに続きます!

次は印象的だったシーンの考察です。




感想などお気軽に(^^)

  1. たまき より:

    キャシーのネックレスがコーヒー店のレジから出てきたのは、
    あの店主に対するキャシーの挨拶だと思いました。

    キャシーはニーナに友情を感じてニーナのネックレスをつけて復讐した。
    残ったキャシーのネックレスは
    あなたが持っててね。
    お互いズケズケ言いあった仲だけど、私アンタの事けっこう好きだったよ。
    ということなのかな?と咄嗟に思いました。

    最後のウインクの絵文字は、
    完全に涙にしか見えませんでした。
    絵文字を横に見る習慣さえ知りませんでした。

  2. くわちゃん より:

    丹念な解説ありがとうございます。

    ケチャップのくだりは私は逆に思えました。
    キャシー自身の血ではないかと。自分の将来を棒に振り男に警告を与える、毎週やってもそんな男が減るわけでもない。

     彼女は復讐に楽しみは感じていない。虚しさを感じていた。弁護士が眠れずに苦しんでいたことを知ると、許してしまう。暴力を振るわせることもやめる。

    交差点でのピックアップトラックにキレるシーンでも。彼女にも非があるとはいえ、性的な非難に怒りを覚えた末の行動(だと思いますが)。
    男が走り去ったあと、がっくりと肩を落とします。
    私は何をやっているのか、と虚しくなったからではないでしょうか。

    • mofumuchi より:

      くわちゃん さん

      こんばんは、管理人です。
      くわちゃんさんの見解、超が付くほどしっくり納得いきました。
      そうですよね、キャシーは全く楽しんでないというのは出まくってましたね。
      言葉の持つ意味に気が行き過ぎてました。。
      大変勉強になりました!(そして修正しました。)ありがとうございました(^^)

      • えすと より:

        キャシーのネックレスがレジ内にあった理由は冒頭で本人が述べてますね

        「アタシはここが良い」
        多分最後を覚悟していたんでしょう

        お客さんのオーダーを無視してでもあの場所が良かった
        だからこそあの場所にココロのマークであるハートを置いて行った

        と考察します

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