『プロミシング・ヤング・ウーマン』ネタバレ解説考察|ネックレスの謎、メタファー、ラストの意味など | 映画鑑賞中。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』ネタバレ解説考察|ネックレスの謎、メタファー、ラストの意味など

サスペンス

映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』のあらすじ紹介、解説、考察をしています!

昼はコーヒーショップで働きながら、夜は女を軽く見る男達への私刑を生きがいにするキャシーが、元同級生との出会いがきっかけでくすぶっていた憎しみを爆発させる。

プロミシング・ヤング・ウーマン

原題:Promising Young Woman
制作年:2020年
本編時間:113分
制作国:イギリス、アメリカ
監督・脚本:エメラルド・フェンネル
この作品はPG12の年齢制限があります。
簡潔な薬物使用の描写がみられるためです。(映倫参照)




主要キャスト紹介

プロミシング・ヤング・ウーマン
(引用:https://www.looper.com
カサンドラ・トーマス(キャシー)…キャリー・マリガン
地元のコーヒーショップで働くアラサーの独身女性。
毎週末のようにナイトバーで泥酔するフリをしては、彼女に近づいてきた『持ち帰り男』たちを撃退する日々を送っている。
元々は高学歴で『人生を約束された女性(プロミシング・ヤング・ウーマン)』だったはずの彼女が成功の道を選ばなかった理由が徐々に明かされていく。

 

プロミシング・ヤング・ウーマン
(引用:https://watch.plex.tv
ライアン・クーパーボー・バーナム
真面目な小児科医師でキャシーと同じ大学に通っていた元同級生。
コーヒーショップで再会してからキャシーに熱心なアプローチを仕掛ける。

 

アル・モンロー(水着モデルと結婚)…クリストファー・ローウェル
ジェリー(持ち帰り男)…アダム・ブロディ
ジム(ナイトクラブの男)…レイモンド・ニコルソン
ポール(持ち帰り男)…サミュエル・リチャードソン
スーザン(ママ)…ジェニファー・クーリッジ
スタンリー(パパ)…クランシー・ブラウン
ゲイル(コーヒーショップ店長)…ラバーン・コックス
ルビー(コーヒーショップの客)…アリ・ハート
ジェフ(持ち帰り男)…ローレン・ポール
トニー(ホテルの男)…ブライアン・リリス
ニール(自称小説家)…クリストファー・ミンツ=プラッセ
マディソン(元同級生、双子の母)…アリソン・ブリー
アンバー(校長の娘)…フランシスカ・エステベス
ディーン・ウォーカー(フォレスト大学校長)…コニー・ブリットン
グリーン(弁護士)…アルフレッド・モリーナ
サイモン(謎の男)…ヴィンス・ロザーノ
ミス・フィッシャー…モリー・シャノン
ジョー(アルの親友)…マックス・グリーンフィールド
ウォーラー刑事…スティーブ・モンロー ほか

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※このページの情報は2022年4月時点のものです。最新の配信状況はサイトにてご確認ください。

あらすじ紹介

田舎町のコーヒーショップで働くキャシー(キャリー・マリガン)は、毎週末ナイトバーで泥酔したフリをして、彼女に近づく『持ち帰り男』たちを撃退する日々を送っています。
彼女が隠し持つノートには、過去に撃退してきた男達の数が刻まれていました。

キャシーは現在も実家暮らしで、両親は恋人も友人もいない娘を心配しますが、キャシーにとっては面倒でしかありませんでした。

ある日、キャシーは大学時代の元同級生で現在は小児科医師のライアン(ボー・バーナム)と再会します。
この時、キャシーには医大を中退した過去があることや、ニーナという親友の存在が明らかになりました。

独身だったライアンはキャシーに熱心にアプローチして、誠実さに癒されたキャシーはライアンと真剣交際を始めます。
その一方で、ライアンから大学時代の元同級生アル・モンローの結婚話を聞いたキャシーは目の色を変え、SNSをチェックして秘密のノートにメモを取り、行動を開始します。

 

解説・考察、感想など

冷静沈着に、ただ淡々と復讐を果たしていくキャシーの執念深さに引き込まれつつ、この執念を他に向けていたら全く違う人生を送れていただろうなと思うと切なくなりました。

余談ですが、クリストファー・ミンツ=プラッセ氏演じる小説家の鼻キスが絶妙に気持ち悪くて笑ってしまいましたw
彼のシーンが年齢制限が付く理由にもなったと思うとじわりますw

こちらも余談ですがジャック・ニコルソン氏の息子レイモンド氏を本作で初めて見て、勝手に親戚気分に浸りましたw
キャシーが最初に持ち帰られていた男性の連れ役で出演されていたので気になる方はチェックしてみてください。

以下、復讐のおさらいや印象的だったシーンについて書いていきます。

ニーナの事件概要

プロミシング

(C)2019 PROMISING WOMAN, LLC

キャシーが復讐していたのは全てニーナのためでした。
ニーナはキャシーの親友で、4歳の頃の話も出ていたので姉妹同然に育った幼馴染みだったようです。
ニーナとキャシーは同じ医科大学に入学出来るほど共に頭脳明晰で、特にニーナは周囲から一目置かれる程の秀才ぶりを発揮していたようです。

ニーナは同級生が集まって開かれたパーティーで泥酔するほどお酒を飲み(飲まされた可能性もあります)、アル・モンローに部屋に連れ込まれて友人達の前で犯されるおぞましい被害に遭いました。
この時のパーティーにキャシーは行っておらず、ニーナを助けることが出来ませんでした。

さらにレイプ現場をアルの親友ジョーが撮影していて、後に陽キャ生徒の間に出回って笑いものにまでなり、ニーナは徹底的に辱しめられました。

このレイプ事件が原因でニーナは学校に行けなくなり退学し、キャシーもニーナのために退学して彼女の心のケアに専念しました。

キャシーとニーナはレイプを学校と弁護士に訴えてアル・モンローを罰してもらおうとしますが、学校からは「証拠不十分」で却下され、弁護士からも見放され、レイプ事件は無かったことにされました。

それから何年後かわかりませんが、ニーナは立ち直ることが出来ずついに自殺してしまいます。
ニーナの死後、キャシーは地元に残って恋人も友人も作らず、女性を食い物にするような男達への復讐だけを生きがいにしてきました。

キャシーが30歳になる頃に再会した元同級生ライアンから、アル・モンローの結婚話を聞いたキャシーは、復讐心に駆られて行動を開始します。

 

キャシーの復讐をおさらい

1.マディソン:元同級生(事件の間接的な加害者)

プロミシング・ヤング・ウーマン
(引用:https://www.dailymail.co.uk

1人目の復讐相手は大学時代の同級生マディソンです。
マディソンは現在は主婦で双子の母親として貞淑な女性になり切っていた風ですが、学生時代はかなりやんちゃしていたらしき人物でした。

マディソンはレイプ事件の直接的な加害者ではありませんが、レイプされるニーナを見て面白がっていたようです。
その後に動画が出回った時も友人たちと見て笑っていたような発言をしていました。

キャシーがマディソンをニーナの件で責めた時、マディソンは「泥酔する程飲む方が悪い」とニーナの非を強調して「私は何も悪くない」と主張しました。

キャシーはマディソンが泥酔する程お酒を飲ませた後、雇った男性にマディソンをホテルの部屋に連れ込んでもらい、彼女の酔いが覚めるまで一緒に居るように命じ、マディソンが「見知らぬ男性との間に間違いがあったかもしれない」と思わざるを得ない状況を作りあげました。

キャシーはマディソンをニーナと似たような状況に追い込んで考え直してもらい、彼女に非を認めさせたかったのです。
言い変えると、ホテルの部屋で目覚めた後のマディソンが、それでもなお『泥酔した方が一方的に悪い 何をされても仕方ない』と言えるかどうか試したのです。

 

2.ウォーカー:大学の校長(事件を無視した)

プロミシング

(C)2019 PROMISING WOMAN, LLC

2人目の相手はキャシーとニーナが通っていたフォレスト大学の校長ウォーカーです。
彼女はキャシーとニーナがレイプ被害を訴えた時、アル・モンローの言い分を信じて「若気の至り」と判断して問題にしませんでした。

ウォーカー自身も女性でありながら、彼女はなぜか全面的に男性の味方に付く発言をしていました。
男性至上主義が根強い社会の中で、ウォーカーは男性目線の意見を理解して行動することで出世に繋げていたのかもしれません。

キャシーはそんなウォーカーに「あなたの娘を見知らぬ青年に紹介して部屋に2人きりにした」とウソをついてウォーカーを動揺させました。
本当はカフェに置き去りにしただけだったようですが、キャシーは『もし自分の娘がニーナと同じ状況に立たされたら、その時もニーナの時と同じような対応をするかどうか』をウォーカーに問いたかったのです。

 

3.グリーン:事件の担当弁護士(事件をもみ消した)

プロミシング・ヤング・ウーマン
(引用:https://variety.com

弁護士のグリーンは、アル・モンローのような将来有望な青年が犯した罪を何件ももみ消してきた弁護士でした。
グリーンは罪を犯した青年たちの親から「告訴を取り下げさせるか示談に出来たらボーナスを払う」と言われる度、金欲しさに多くの被害者達に訴えを取り下げさせたり示談に収めてきました。

加害者青年の親は我が子に犯罪歴が付いてしまうと未来が無くなってしまうので、必死でグリーンに高額を支払います。
グリーンは告発してきた被害者を黙らせるために、時にはSNSで被害者の過去の失敗を探って武器にしながら「君にも悪い所はあっただろう」「君がもっとしっかりしていればこんな事件は起きなかったはず」など被害者側の落ち度を突き付けて黙らせてきたのでしょう。

とんだ悪徳弁護士でしたが、キャシーがグリーンを訪ねた時、グリーンはキャシーを心待ちにしていました。
グリーンは年月が経つにつれて罪の意識に苛まれるようになり、罪悪感で精神を病んでいたのです。

「長いこと眠れないんだ。俺を許してくれ」と懇願するグリーンに、キャシーは赦しを与えて去りました。
キャシーは自分の罪を認めて悔い改めようとしている人物には裁きは必要ないと考えたのです。
多くの事件を扱ってきたグリーンがニーナをちゃんと覚えていた点にも真剣さを感じます。

グリーンの家を出た後、キャシーを待ち構えていた怪しげな男性に対して、キャシーは「帰って良い」と言いました。
あの怪しげな男は恐らくキャシーが雇っていた『何でも屋』的な人で、もしグリーンに反省の色が見られなかったら、あの男にグリーンを痛めつけてもらうつもりだったと思われます。
男は「(仕事をしなくても)ギャラはもらえるだろ?」と聞くので、キャシーは男に報酬だけを支払いました。

もしグリーンが見知らぬ男に突然痛めつけられたとしても、グリーンは最終的には泣き寝入りするしかなくなるでしょう。
もし男を雇ったキャシーを訴えるとすると、キャシーはグリーンの過去の悪どい仕事を明かすので、そうなるとグリーンが弁護士を続ける上で困るからです。

キャシーはグリーンがニーナにしたのと同じく『泣き寝入りせざるを得ない辛さ、屈辱感』を経験させようとしていましたが、グリーンは猛省していたので復讐の必要はなくなりました。

 

4.アル・モンロー:元同級生(主犯)

プロミシング・ヤング・ウーマン
(引用:https://screenrant.com

アルはニーナをレイプした張本人で、キャシーが最も憎んでいた人物です。

キャシーは未だにアルと交流のあったライアンからアルの独身さよならパーティーの開催場所を聞き出して、ストリッパーに扮してパーティーに参戦しました。

キャシーはアル以外の参加者には睡眠薬入りの酒を飲ませて眠らせてから、アルを別室に連れ込んでベッドに縛り付けます。
キャシーはアルの体にナイフで『ニーナ・フィッシャー』の文字を刻みつけようとしますが、アルの返り討ちに遭って殺されてしまいました。

キャシーは「ニーナ・フィッシャーという名前はあなたにこそ一生ついて回るべき」という考えを物理的に実現しようとしたのです。
もし成功していたら、アルの体には一生消えない『ニーナ』の傷跡が残ったでしょう。

この復讐方法は他のターゲットに対する『目には目を』のやり方では無かったので地味に疑問でした。
今までの復讐方法から推測すると、アルには『アルが誰かに強姦に近いセックスをさせられているか、少なくともそう見える動画か写真』を撮ってアルの知人や家族に送る方、もしくはアルのレイプ動画を公表して社会的に殺す方が今までの流れを汲む形になっていた気がします。

もしかしたらナイフで文字を刻んだ後で撮影しようとしていたのかもしれませんが、キャシーが死んでしまったので真相はわかりません。

 

5.?

プロミシング・ヤング・ウーマン

(C)2019 PROMISING WOMAN, LLC

キャシーが死んだ後のアルとアナスタシアの結婚式にも、キャシーが復讐を始める時に登場していた数を数えるマークが現れました。

この時に行方不明になっていたキャシーの遺体が見つかり、アルが殺人容疑で逮捕されました。
これはキャシーが事前に準備していた『プランB』の発動を意味します。

キャシーはアルの独身卒業パーティーに行く直前、グリーン弁護士に『もし私が失踪したら、この携帯を警察に届けてください』というメッセージと、アル・モンローのパーティー会場の住所を託していたのです。

グリーンに託した携帯は、アルがニーナをレイプしている動画が入っている携帯で、マディソンがキャシーに渡したものです。

キャシーはこの携帯を警察に渡すことで、アルをレイプ事件で裁いてもらおうとしたのではなく、キャシーの復讐の理由、ニーナとアルの関係、キャシーがなぜ殺されたかを警察に悟ってもらおうとしたのです。

この証拠無しではキャシーはただの異常者に仕立て上げられてしまうかもしれず、アルの罪が軽くなる可能性を少しでも潰そうとしたのではと思っています。

長くなってしまいましたが、5人目のターゲットは誰だったのかを考えると、復讐を遂行していたキャシー本人以外には考えられません。

キャシーはニーナの母らしき人物と話した時「ニーナを助けられなかった自分が許せない」と語っていました。
キャシーはパーティーに行っていないのだから仕方無いのでは?とも思ってしまいますが、キャシーはどちらかというとレイプ事件を止められなかったことよりも、彼女の自殺を止められなかったことに罪悪感を持っていたのではないでしょうか。
言い換えるとキャシーはニーナのピンチを2回とも救えなかったのです。

なので、キャシーはどの道すべての復讐を果たしたら死ぬつもりだったのでしょう。
『人を呪わば穴二つ』という諺があるように、キャシーは自らの命と引き換えに復讐を果たしました。
命が惜しくないと思える程、キャシーにとってニーナは大切な人だったのです。

次のページに続きます!

2ページ目は『ライアンのウソ』、『カサンドラ』、『ネックレス』、『顔文字の意味』『印象的だったシーン考察』などです。




感想などお気軽に(^^)

  1. たまき より:

    キャシーのネックレスがコーヒー店のレジから出てきたのは、
    あの店主に対するキャシーの挨拶だと思いました。

    キャシーはニーナに友情を感じてニーナのネックレスをつけて復讐した。
    残ったキャシーのネックレスは
    あなたが持っててね。
    お互いズケズケ言いあった仲だけど、私アンタの事けっこう好きだったよ。
    ということなのかな?と咄嗟に思いました。

    最後のウインクの絵文字は、
    完全に涙にしか見えませんでした。
    絵文字を横に見る習慣さえ知りませんでした。

  2. くわちゃん より:

    丹念な解説ありがとうございます。

    ケチャップのくだりは私は逆に思えました。
    キャシー自身の血ではないかと。自分の将来を棒に振り男に警告を与える、毎週やってもそんな男が減るわけでもない。

     彼女は復讐に楽しみは感じていない。虚しさを感じていた。弁護士が眠れずに苦しんでいたことを知ると、許してしまう。暴力を振るわせることもやめる。

    交差点でのピックアップトラックにキレるシーンでも。彼女にも非があるとはいえ、性的な非難に怒りを覚えた末の行動(だと思いますが)。
    男が走り去ったあと、がっくりと肩を落とします。
    私は何をやっているのか、と虚しくなったからではないでしょうか。

    • mofumuchi より:

      くわちゃん さん

      こんばんは、管理人です。
      くわちゃんさんの見解、超が付くほどしっくり納得いきました。
      そうですよね、キャシーは全く楽しんでないというのは出まくってましたね。
      言葉の持つ意味に気が行き過ぎてました。。
      大変勉強になりました!(そして修正しました。)ありがとうございました(^^)

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