映画「アリーテ姫」ネタバレあらすじと感想|生きる意味を探す少女と生にしがみつく少年 | 映画鑑賞中。

映画「アリーテ姫」ネタバレあらすじと感想|生きる意味を探す少女と生にしがみつく少年

ファンタジー

アニメ映画『アリーテ姫』あらすじを紹介しています!

生きる意味を探し続けるアリーテ姫と、生きることに執着する引きこもりの魔法使いボックスの物語。

制作年:2000年
本編時間:105分
制作国:日本
監督・脚本:片渕須直
原作小説:ダイアナ・コールス『アリーテ姫の冒険』

アリーテ姫の冒険(通常版) [ ダイアナ・コールス ]

価格:1,650円
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感想(1件)

解説・考察記事はこちらです↓

声の出演・キャスト


(引用:https://t.livepocket.jp

アリーテ姫…cv桑島法子
人間の国のお姫様。
いつからかお城の別棟に幽閉状態で暮らしている。
誰にも知られていない秘密の通り道を開拓して、夜になるとよくお城から抜け出して冒険している。

 


(引用:https://blog.goo.ne.jp

ボックス…cv小山剛志
少年のボックス…cv陶山章央

魔法使いの一族の生き残り。
巨大なお城に1人ぼっちで住んでいる孤独で卑屈な男。
魔法の水晶玉から『アリーテ姫に殺される』というお告げを受け、何とかしようとアリーテ姫の花婿候補に名乗りをあげた。
とにかく生き残ることに執着しているため、危険を避けてお城から出ることは滅多にない。
身の回りの世話は全て手下のグロベルに任せ、食事はお城の近くの村人アンプルに作らせて運ばせている。

 

アンプル高山みなみ
ボックスのお城の近くの村に暮らす女性。
ボックスとグロベルに毎日食事を運ぶ給仕係を何年も続けている。

 

アンプル(城に食事を運ぶ村人)…高山みなみ
グロベル(魔法で人に変えられたカエル)…沼田祐介
魔女…こおろぎさとみ
ダラボア(姫の花婿候補)…竹本英史
金髪の騎士(花婿候補)…森訓久
王様…長嶝高士
老臣…石森達幸麻生智久高塚正也
衛兵…永野善一小和田貢平
侍女…進藤尚美
仕立て屋の親方…西松和彦
仕立て屋の従弟…天神有海小谷伸子
ナレーション…佐々木優子 ほか

 

あらすじ前半

アリーテ姫のあらすじを紹介します。

幽閉された姫と花婿候補


(引用:https://tokushu.eiga-log.com

アリーテ姫はある国の王様の一人娘です。

アリーテはお城の中に幽閉状態で、外出が許されない生活を送っています。
姫は自分の部屋の暖炉から外に続く秘密の抜け道を作っていました。
出たい時は抜け道からこっそり町に出て、町の人々の観察をしたり、自然を見たり冒険を楽しみます。

その日もアリーテは朝から町に出て、お昼ご飯の時間に合わせてお城に戻りました。
昼食の最中外を見たアリーテは、自分の花婿を決めるための『宝探し大会』が行われていることを知りました。
旅から帰ってきた花婿候補の男たちが各々手に入れた宝物を、お宝収集が大好きな王様の前でお披露目します。
初めて見る不思議な物や動く宝箱など、さまざまなお宝に王様は喜びました。

その日の夜。重臣たちは、集まった魔法の道具や宝石を見て「これでしばらく金に困らない」とほくそ笑みます。
アリーテはタイミングを見計らって秘密の通路から外に出て宝物がしまわれた倉庫に入りました。
宝箱を開けると、中には輝く金銀財宝に、動く魔法の宝石箱などもあります。
アリーテはその中にあった『魔法の本』に惹き付けられ、こっそり持ち出しました。

部屋に戻って本を開くと、人間が魔法を当たり前のように使っていた時代のことや、様々な便利な魔法が書かれていました。

その時、花婿候補の1人ダラボアが、アリーテ姫とお近づきになろうと憲兵の目を盗んで窓から侵入してきました。

ダラボアは、自分がいかに男らしく勇敢かをアピールするために『魔法の水晶玉』を手に入れたいきさつを語りますが、アリーテ姫は、ダラボアが水晶玉を異国の村から力づくで奪ったことや、本来なら大人しいはずの魔物を殺したことなどを知って嘆きます。
アリーテがそれらを指摘すると、ダラボアは苦笑いしながら出ていきました。

 

アリーテ姫と魔女

やっと静かになってアリーテが安心していると、今度は秘密の暖炉の抜け道から、杖をついて歩く子どもが現れます。
その子は見た目は子どもですが、振る舞いや喋り方がまるで老人だったので、アリーテはこの子どもが魔女だと気が付きました。

魔女は昔、子供に変身して遊んでいる間に『魔法の源』を盗まれて元の姿に戻れなくなってしまったそうです。
そして、このお城に『盗まれた宝物』が集まっていると聞き、魔法の源を探しに来たと語りました。
しかし、ここにも探し物は無かったとがっかりしています。

魔法使いは『魔法の源』を失くすと永遠の命を失ってしまいます
魔女はアリーテ姫がそれらしき物を見ていないと知ると、暖炉の抜け道から出ていきました。

魔女と話して生きる意味を知りたくなったアリーテ姫は、旅の準備を始めました。

 

花婿候補の魔法使いボックス


(引用:https://blog.goo.ne.jp

翌朝。アリーテのお城にボックスと名乗る初老の魔法使いが突然現れて「アリーテ姫を嫁に欲しい」と告げました。

魔法使いの生き残りはとても珍しいのでお城の重臣たちが唖然としていると、ボックスは王様に「魔法使いと結婚すれば、私の魔法がこの国の発展にも役立つ」、「今は老人の姿だが、結婚すれば若返る」と結婚のメリットを語りました。
すると、重臣も王様も喜んでアリーテ姫とボックスの結婚に賛成しました。

その頃、アリーテ姫は既に家出して旅に出た後でしたが、すぐに見つかってお城に連れ戻されてしまいます。

アリーテが成長した姿はお城の中でも限られた召使いしか見たことがなかったので、家来や重臣達は姫のあまりに平凡な顔立ちを見て「これは何かの呪いじゃないか?」とひどいことを言います。

アリーテ姫が「私はお姫様じゃない何かになりたかった」と打ち明けると、王様は「娘よ、お前は従うしかない」と告げました。

その時、ボックスが「私が姫の呪いを解いてやろう!」と叫び、丸い水晶のついた杖をアリーテ姫に向けました。
すると、アリーテ姫はたちまち美人に変身しました。

美しくなったアリーテ姫にボックスがプロポーズすると、アリーテ姫はあっさり受け入れます。
家臣は感心して「これこそ本当の姫君だ!」と叫び、広間に歓声が上がりました。
アリーテ姫はボックスに『美人で馬鹿になる魔法』をかけられてしまったのです。

 

アリーテ姫とボックスの結婚

Princess Arete
(引用:http://blog.alltheanime.com

それからすぐにアリーテ姫とボックスの結婚式が行われました。
アリーテ姫の身支度には子どもの従者が集められ、その中に昨日の魔女が紛れていました。
魔女は、アリーテ姫が魔法をかけられたことに気付きます。

魔女は「私はこの城を出たら普通の人間として生きていく。記憶を失うから、これももう要らぬ」と言い、アリーテ姫に3つの願いが叶う魔法の指輪をプレゼントしました。

アリーテ姫はしばらくの間ボックスのお城で暮らすことになり、ボックスの小さな飛行船に乗せられました。

 

ボックスに捕まったアリーテ姫


(引用:https://tokushu.eiga-log.com

飛行船は野を超え山を越えて、ボロボロの廃墟のようなお城にたどり着きました。
ここがボックスのお城です。
すると、ボックスはカエルによく似た少年に姿を変えました。

今までのボックスは偽物で、手下のグロベルが変身していたのです。
グロベルはボックスに魔法で人間の少年に変えられたカエルです。
本物のボックスは、ずっとお城でグロベルがアリーテ姫を連れてくるのを待っていました。

グロベルは、アリーテ姫が持っていた魔法の本をボックスに渡します。
ボックスは「これで運命に逆らって辛い思いをすることもない。お前は幸せ者だ」と皮肉を言いますが、アリーテ姫には真意がわからずうなずくだけでした。

その後、グロベルはアリーテ姫を汚い地下室に閉じ込めてしまいます。

ボックスの本当の目的はアリーテ姫と結婚することではなく、アリーテ姫から知性を奪って死ぬまで監禁しておくことでした。
その理由は、先日ボックスの水晶玉が『アリーテ姫に寿命を縮められる』と予言したからです。

アリーテ姫は地下室で、自分がどういう状況にあるのか考えようとしますが、魔法の力が邪魔をしていつもの論理的な思考ができませんでした。

 

1つ目の魔法

『悪い魔法使いに捕まったのなら、王子様が助けに来てくれるまでここで待つことにしよう』と思ったアリーテ姫が部屋を見渡すと、地下室にはベッドもなくボロボロで、ネズミがそこらじゅう走り回っています。

その時、アリーテ姫が指にはめていた魔法の指輪がこすれました。
するとネズミがいなくなり、ボロボロだった壁は星がちりばめられた美しい夜空の模様に塗り変わり、天蓋付きベッドと椅子が現れました。

魔法を目撃したグロベルが慌ててボックスに報告すると、ボックスは「あの指輪か。せっかくの願いを部屋の掃除に使うとは!しかし、これは魔法が効いている証拠だ」と呟き、指輪を取り上げたりはしませんでした。

 

ボックスの願い

ボックス達魔法使いの種族は、貪欲な人間に永遠の命と魔法を奪われて絶滅しかかっていました。
ボックスは、また魔法使いを増やして魔法が栄えていた時代を取り戻したいと願っています。
そのために、自分だけは生きのびて文明を長らえさせて、いつか仲間が助けにきてくれる日を待ち続けていました。

グロベルは「おとぎ話でもあるまいし。『助けに来る』なんて、いくら待ったって来やしないものを!」とアリーテ姫の悪口を言ったつもりでしたが、ボックスは自分のことを言われたように感じて機嫌が悪くなりました。

 

ボックスの日常と2つ目の願い


(刺繍するアリーテ姫 ©『アリーテ姫』製作委員会)

その後、アリーテ姫は地下室で王子様が助けに来てくれるのを静かに待ち続け、ボックスとグロベルは城にこもりっきりの日々が続きます。
お城に来るのは食事を運んできてくれる村娘のアンプルだけです。

翌朝。グロベルは昨夜地上に落ちた流れ星のカケラを見付けてボックスに見せました。
それは壊れた魔法の水晶と隕石が合体したようなもので、またどこかで魔法使いが魔法を失ったことを意味します。
ボックスがショックを受けていると、カケラはやがて砂になって消えてしまいました。

ボックスは魔法の本を読み、壊れたままになっていた飛行船を魔法で直そうとしてみます。
しかし、魔法が上手く使えず直せないので「ただ退屈しのぎに試してみただけ」と自分に言い訳しました。

そこにグロベルがアリーテ姫の様子を報告しに来ました。
アリーテ姫は、王子様が来てくれた時にプレゼントする刺繍を縫うために、魔法の指輪を使って刺繍キットを出したそうです。
グロベルは「明日をも知れぬ身なのに退屈しのぎだとさ!自分の状況がわかってないんですかね?」と言います。
ボックスはまた自分のことを言われた気がして「黙れ!」と怒鳴りました。

その日の夜。眠れなかったボックスはアリーテ姫の地下室を覗いてみました。
姫がまだ起きていたので、ボックスは「助けがくると本当に信じているのか?お前の城の者たちでさえ誰も来ないではないか。一体何を待っている?」と聞きます。
アリーテ姫は「来ないということは、望みを抱き続けていられるということ。あなたは何を待っているの?」と聞き返しました。
ボックスは心を見透かされた気がして気分を害しました。

あらすじ後半

アリーテ姫を助けようとするアンプル

翌朝。ボックスはアリーテ姫をお城から追い出すことに決めました。
アリーテ姫に『宝探しをして来い』と命令して追い出せば、馬鹿になる魔法をかけられているアリーテ姫が1人で生きていくのは無理だろう(勝手に死んでくれるだろう)と考えたのです。

食事係のアンプルはボックスの話を盗み聞き、アリーテ姫を助けようと地下室の窓に付けられている鉄の棒を壊そうとしました。
アリーテはアンプルの行動に興味を示さず食事をします。

鉄の棒を自力で外せなかったアンプルは、アリーテ姫に「下の扉は開けられない?」と聞くと、アリーテ姫は「あの方(ボックス)が『この扉は開かない』とおっしゃったから、扉に触ったことはありません」と答えたので、アンプルは驚きました。

アンプルは手を止めて、彼女がボックスの食事係になった理由と、ボックスがここに棲みついた経緯を語ります。
アンプルの祖母がまだ子どもだった頃、水不足に困っていたこの村にボックスが現れました。
ボックスは「俺の魔法で水を出してやろう。その見返りに、俺に飯を食わせてくれ」と言うので、村人はボックスを受け入れました。
それからアンプルの祖母がボックスの食事係になり、アンプルは祖母から食事係を引き継ぎました。

アンプルの祖母は7年前に他界して村人もほとんど代替わりしたのに、ボックスは永遠に生きるため、今もアンプルがボックスに食事を作っています。
この村の水が枯れてしまう前は、広く青々と茂る美しい草原があったとアンプルは語ります。

アリーテは魔法に邪魔されて集中力が切れそうになりますが、心の中で『聞かなきゃだめ!』と言い聞かせて必死でアンプルの話を聞きました。
アンプルはボックスに食事を作り続ける人生が嫌になり、自力で村に井戸を掘って食事の契約を破棄する計画を立てていました。

アンプルの話を盗み聞きしていたグロベルは「ご主人に言いつけて、お前もカエルに変えてやる!」とわめきます。
アンプルは「お前もカエルのままだったら幸せでいられたのにね」と嘆きました。

アリーテ姫が「ここだと何もすることがなくて退屈です」と言うと、アンプルは「そういう時には、心の中でお話を作って過ごすんだ。」と教えてくれました。
アリーテ姫にワクワクするような感情が沸きましたが、同時に魔法の声が『せっかく考えることなどしなくて良くなったのに』と頭の中に響きました。

 

魔法が解けたアリーテ姫

魔法の指輪で出した刺繍が全て完成してしまった頃。
退屈になったアリーテ姫はアンプルの言葉を思い出し、心の中で物語を作ってみることにしました。

彼女自身の過去を土台に物語を作っていると、アリーテ姫は生きる意味を探したくて家出しようと思ったこと、元の姿に戻れなくなった魔女のことを思い出しました。
すると、アリーテ姫から煙があがり、『美人で馬鹿になる魔法』が解けました。

地下室から脱出しようと思い、扉と窓から脱出を試みますが、ダメでした。
考えていると地面か水の流れる音が聞こえたので、アリーテ姫は音を頼りに地面を壊して穴を空け、部屋の下にあった用水路に抜ける通路を作りました。
アリーテ姫は用水路から外を目指しますが、出口には鉄格子がはめてあり脱出は不可能でした。

 

お城からの脱出

同じ頃、ボックスは魔法の本を読み漁り、アリーテ姫に課すとびきりの難題を思いつきました。
アリーテ姫はボックスが彼女をお城から出そうとしているという会話を漏れ聞き、魔法が解けたことがバレないように、天蓋の布と刺繍糸で厚底靴を作り、壁にあった油絵の赤いインクを唇に塗って、ボックスがドアを開けるのを待ちました。
魔法で美人だった時は背がすらっと高く、唇も美しい赤でしたが、元の姿に戻ったアリーテ姫は背が低く顔は童顔で、唇に色は無かった(肌色)だったからです。

やがて、ボックスが天窓から声を響かせてアリーテ姫に難題を与えました。
北の方角にある最も高い岩山の頂上を飛んでいる、魔法で作られた金色のワシの目にはまっている魔法のルビーを持ち帰ることでした。
そして、グロベルが地下室の扉の鍵を開けました。

アリーテ姫はゆっくり地下室から出て、そのままお城の外に出ると、ボックスは「宝を手に入れるまで決して後戻りするな!一歩でも戻れば、その頭にいかずちが落ちるだろう!いざというときは指輪の魔法を使え!」と追い打ちをかけるようにお城の窓から叫びました。

アリーテ姫は、魔法の指輪をこすって、頭上に雷雲を作りました。
3つの願いを使い切ると、指輪は金色からくすんだグレーに変わりました。
お城から遠ざかっていくアリーテ姫を見ながら、ボックスは「これでやつが戻って来ることはない」と満足げに笑いました。

アリーテ姫はお城から見えない所までたどり着くと、恐る恐る後戻りしてみましたが、雷は落ちてきませんでした。
アリーテ姫は安心してドレスを脱ぎ、厚底靴代わりにしていた布を放り投げて、自由をかみしめました。

 

アンプルとの再会と、ボックスへの反撃

Princess Arete
(引用:https://alchetron.com

アリーテ姫が脱出に成功した頃、アンプルは食事をお城に運ぶために家から出たところでした。
アリーテ姫はアンプルを見付けて駆け寄り、驚いているアンプルに魔法にかけられていたことを打ち明けました。

その後、アリーテ姫はアンプルに成りすましてボックスとグロベルの部屋に入り込み、机の上に置いてあった魔法の本を取り返しました。
ボックスは食事を待つ間に水晶玉でアリーテ姫を見ようとすると、この部屋が映るので水晶が壊れたと勘違いします。
ボックスが焦っているのを見たグロベルが「あなたは偉大な魔法使いじゃないんですか?」と疑問をぶつけると、ボックスは「うるさい!」と怒鳴ってグロベルを少年から元のカエルに戻してしまいました。
ボックスは杖を放り投げて、椅子に座りこみました。

魔法の本を取り戻したアリーテ姫は、配膳し終えると、お城の出口で本を開いて役に立ちそうな魔法を探していて、【水蛇の小石】という、器に入れると水が無限に出てくる魔法の石の存在を知ります。

アリーテ姫は中庭に行くと噴水のてっぺんに壺が置かれていて、それが水蛇の小石だと確信して小石を取り出しました。

同じ頃、ボックスはアンプルを探していました。
唯一の話し相手だったグロベルを失って、新しい話し相手をアンプルにしようと考えたのです。
アリーテ姫は急いで持っていた鍋の中に水を入れて、壊れかけの飛行船に向かいました。

アリーテは飛行船に乗り込むと、鍋の中に水蛇の小石を入れて飛行船の中に水を貯め始めました。
飛行船の中に水が溜まる間に、飛行船の壊れている箇所を特定して、使い果たした魔法の指輪を使って飛行船を修理しました。
飛行船は水の重みでやがて倒れて、大量の水がお城の中にあふれ続けます。

その頃、ボックスはアンプルを求めて何十年ぶりにお城の外に出て、村に入りました。
ボックスの姿を見た村人は急いで家の中に逃げ込みます。
アンプルは少し離れた場所で、水源を掘り当てようとシャベルで地面と格闘していました。
アンプルは「お前みたいな奴の面倒を見るのはもうごめんだ!そんなに食べたきゃ魔法で食べ物を出せ!本当は出来ないんだろ!」と罵声を浴びせました。

ボックスは舌打ちすると「誰でもいいから食事を運んで俺を生かせ!さもないと水を止めるぞ!」と村人達に怒鳴ると、村人は「もうとっくに水は出てない」とボックスを睨み返します。
水路を見ると、確かに水が止まっています。

アリーテ姫は飛行船から大量の水を出してボックスのお城を水で満たして、お城そのものを大きな『器』にするつもりでした。
ボックスはいったんお城に戻ろうとして、魔法が解けたアリーテ姫がいるのを見付けて驚きました。
ボックスは「小石を盗んで俺に仕返しするつもりか!しかし、あんなものは他愛もないものだ!小石を返せ!」と意味不明な発言をします。
アリーテも負けじと「『他愛もない物』なら、また作ればいいのになぜそうしないの?
あなたたちの魔法って技術はとっても進んでいるけど、世界中にいる職人たちと同じ、人の手で作った道具のことなんでしょ?」とボックスに詰め寄りました。

ボックスは言い訳を始めました。
「そうさ!俺は所詮、他の誰かが作った魔法道具を使い続けるだけなのだ。
でも仕方ないんだ。俺が大した魔法を習わない内に、俺達の大陸が海に沈んだんだ!その時、俺はまだ、こんな子供に過ぎなかった!」
そう言いながらボックスが水晶を額に当てると、ボックスは老人から少年に姿を変えました。

アリーテ姫は「たったそれだけのことを認められずに、あなたは周りに八つ当たりばっかり!」と怒ります。
ボックスは「うるさい!俺が覚えた唯一の魔法は、『何かを役に立たない物に変える』だけだ!だが、これで何が出来るか見るがいい!」と言うと、お城に杖を向けて「最もくだらないものになるがいい!」と叫びました。

お城が音を立てて煙をあげると、巨大な『ボックスの銅像』に変わりました。
アリーテ姫は「なんでそんなに自分のことを貶めるの?」と聞きますが、ボックスは「うるさい!何もかも踏みつぶしてしまえ!」と命じました。
しかし、ボックスの銅像は少し動いただけですぐに止まってしまい、水の重みで壊れてしまいました。
ボックスは流れてきた水から逃げようとして転び、魔法の水晶を失くしてしまいました。

やがて大量の水は枯れていた大地に行きわたり、一面が水に覆われました。
アリーテ姫とアンプルは抱き合って喜びました。

結末と感想は次のページです

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