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結末:
(引用:https://images.fanpop.com)
グルヌイユに死刑が決まりました。
牢屋に入れられた後、グルヌイユは隠し持っていた香水を体に塗ると、香りをかいだ看守は彼を高貴な人間のように扱いました。
処刑当日。グレースに住むほぼ全員が集まる中、グルヌイユは貴族の衣装で処刑場に現れました。
グルヌイユが歩いて香水の香りが広がった瞬間、人々の罵声が歓声に変わります。
処刑台に立つと、香りをかいだ処刑人は目出し帽を脱ぎ捨てて「彼は無罪だ!」と叫びました。
一番離れた場所で見物していた司教まで香りが行き渡ると、司教は「彼はまさに天使だ!」と叫びます。
香水が持つ陶酔作用の虜になった人々は服を脱ぎ捨てて、だれかれ構わず愛し合い始めました。
(香水の香りを振りまくグルヌイユと翻弄される人々 引用:https://tsutaya.tsite.jp)
そんな中、憎しみだけで唯一正気を保っていたリシは独断でグルヌイユを処刑しようとしまが、香水の強い香りを嗅ぐと、グルヌイユを抱きしめて嬉し涙を流しました。
その後グルヌイユは何かを悟ったように、とぼとぼと処刑場から立ち去ります。
人々は香水がもたらす感情に夢中で、グルヌイユが逃げたことに誰も気付きませんでした。
やがて香水の香りが薄れると、我に返ったグレースの人々は慌てて服を着ました。
彼らが陶酔していた間の記憶はなく、この時の出来事は闇に葬られました。
翌日。事件の再調査が行われてドリュオーが逮捕、絞首刑となり事件は終結しました。
その後、グルヌイユは生まれ故郷のパリに戻りました。
グルヌイユはもう香水を使う気にならず、無気力に陥ります。
生まれ落ちた魚市場に戻ったグルヌイユは1766年6月25日の夜、ホームレスが集まる場所で残っていた香水を全部頭からかぶりました。
すると、強烈な香りに陶酔した浮浪者たちはグルヌイユを食べてしまいました。
香水の効果が切れた浮浪者たちは、何を食べたのか覚えていませんでした。
翌朝。路上に落ちていたグルヌイユの衣類は子どもたちが持ち去ります。
路上に残った香水瓶から、香水の最後の一滴が地面に落ちました。
解説、考察、感想など
(引用:http://wap.filmz.ru)
前情報なく見たので、快楽殺人系のサスペンスかなと思っていたら全然違ってました。
中間が若干長く感じましたが、全体的には面白かったです。
完成した香水がどんな匂いなのかめちゃくちゃ気になりました。
Dホフマンさんの白塗りの顔が意外とキュートで良かったです。
以下、気になった点や感じた内容をまとめました!
グルヌイユが香水を作った理由
グルヌイユが人間由来の香水を作ったのは、若い女性特有の体臭に魅了されたからですが、それは恐らく彼が母からの愛を求めていたことに由来しています。
グルヌイユの持つ母親の記憶は恐らく胎内で感じていた香りしかないので、それを再現したかったのではないかとも思いました。
愛を欲したからこその香水作りだったのかもしれませんが、香油を作る過程には彼女達に対する愛や配慮は全くありませんでした。
酷い環境に育ったので愛を知らなくても仕方ないですが、愛されたいと思う一方で、生き物の命を平気で奪ってしまう様子には明らかな倫理観の欠如があり、本末転倒を感じてしまいます。
そう考えると『愛に触れられるのは、愛を持つ者だけである』というのがこの映画の教訓もしくは伝えたい内容だったのかもしれません。
グルヌイユはなぜ自殺した?
グルヌイユはリシに抱きしめられた時、求めていたのは『誰かを愛し、愛されること』だと気付きました。
しかし同時に、この香水にもグルヌイユ自身にも愛される能力が無いと悟ったと、ナレーションのジョン・ハートさんが語っていました。
つまりグルヌイユは愛を求めていたものの、人間として決定的な何かが欠けていることを自覚し、これからも誰かから愛してもらえることは無く、誰かを愛することも出来ないと確信したから自殺したのです。
グルヌイユは愛のために香水を作りましたが、それもまた人々を利用するためにしか使えないことがわかって絶望したのではないでしょうか。
香水を使って得られる愛情は一時的なもので、しかも効果が消えた後は記憶すら残らず香水を使ったこと自体無かったことになるのは若干辛いです。
それほどグルヌイユは愛から遠い存在だったんですね。
以上です!読んで頂きありがとうございました。
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