映画『パフューム ある人殺しの物語』ネタバレ解説|ラストについて考察 | 映画鑑賞中。

映画『パフューム ある人殺しの物語』ネタバレ解説|ラストについて考察

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ファンタジー

映画『パフューム ある人殺しの物語』の解説、考察を紹介しています!

ヨーロッパの人気小説を映画化した作品。
18世紀パリで天性の嗅覚持って生まれたジャン=バティスト・グルヌイユは『若い女性の体臭』に魅了され、香りを保存する方法を習得するために香水店で働き始める。

 

原題:PERFUME: THE STORY OF A MURDERER
制作年:2006年
本編時間:147分
制作国:ドイツ・フランス・スペイン
監督:トム・ティクヴァ
脚本:トム・ティクヴァ、アンドリュー・バーキンほか
原作小説:パトリック・ジュースキント著「香水 ある人殺しの物語

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キャスト&キャラクター紹介


(引用:https://note.com

ジャン=バティスト・グルヌイユベン・ウィショー

犬も驚く程の鋭い嗅覚を持つ青年。
産まれてすぐに母親が死に、孤児院で育った。
幼少時代からあらゆる『匂い』に夢中で他人を一切寄せ付けず、15歳まで必要最低限の言葉以外は発したことがなかった。
何人もの若い女性に手をかけては、夢中で『理想の香水作り』に取り組む。

 


(引用:https://www.imdb.com

ジュゼッペ・バルディーニダスティン・ホフマン

グルヌイユが弟子入りした老舗香水店の香水師。
かつては繫盛していたが、現在は新しい店に人気を奪われて開店休業状態が続いている。
グルヌイユの才能を見込んで弟子に迎え入れた。

 


(引用:https://eiga.com

ローラ・リシレイチェル・ハード=ウッド

グレースに暮らす貴族リシ氏の1人娘。
グルヌイユが匂いで一目ぼれした町一番の美人。

 


(引用:https://www.amazon.co.jp

アントワーヌ・リシアラン・リックマン

ローラの父親。町一番の商人であり権力者。
母親はローラが幼い頃に他界している。
殺人鬼がローラを狙っていることを察し、一刻も早い犯人逮捕を警察に求める。

ナレーション…ジョン・ハート
柑橘売りの娘…カロリーネ・ヘルフルト
マダム・アルニュルフィ(グルヌイユの師匠)…コリンナ・ハルフォーフ
ドリュオー(マダム・アルニュルフィの夫)…ポール・ベルロンド
マダム・ガイヤール…シアン・トーマス
グリマル(皮なめし屋の親方)…サム・ダグラス
ナタリー(犬の飼い主)…ジェシカ・シュヴァルツ
シェニエ…ティモシー・デイヴィス
グルヌイユの母親…ビルギット・ミニヒマイアー
バルディーニの妻…ドラ・ロマーノ
司教…デヴィッド・コールダー
町長…サイモン・チャンドラー ほか

 

あらすじ紹介

嗅覚の天才の出生

舞台は18世紀のフランスです。
首都パリの中でも最も悪臭漂う魚市場の一角で、ジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)は1738年7月17日に産まれました。

グルヌイユの母は魚市場で働く女性でしたが、屋台のすぐ裏にあるごみ捨て場でグルヌイユを産みそのまま放置したので、捕まって処刑されてしまいます。
孤児になったグルヌイユは、裁判所の取り決めでマダム・ガイヤールの育児所に引き取られました。

ガイヤールは、孤児を育てると毎月もらえる政府からの援助金目当てで孤児院を運営している女性でした。
お金はガイヤールが独占していたため、グルヌイユたちは必要最低限の厳しい暮らしを強いられました。 


(自然の匂いを感じるグルヌイユ 引用:https://www.psychologytoday.com

数年後。グルヌイユは5歳になってもまだ喋れませんでしたが、才能は既に目覚め始めていました。
グルヌイユは嗅覚がずば抜けて鋭く、それは神様からのギフトと言えるほどの感覚でした。
いつも何かの匂いを嗅いでいるグルヌイユに、他の子どもたちは近づきません。

グルヌイユは友達を必要とせずいつも1人で、嗅覚と香りだけが友達でした。
グルヌイユが13歳になると、ガイヤールは皮なめし屋の親方グリマル(サム・ダグラス)に彼を売ることにします。
援助金支給の対象が13歳以下だからです。

グルヌイユを売った直後、ガイヤールはチンピラに襲われ、金を奪われて殺されました。

 

理想の香りとの出会い


(娘の口を押えて隠れるグルヌイユ 引用:https://www.cinemacafe.net

皮なめし屋での仕事は過酷な重労働ですが、グルヌイユはとても丈夫だったので毎日休みなく無心で働きました。
仕事に慣れてくると、グルヌイユは商品配達の仕事を任されるようになります。
初めてグリマルと商店街に行った日、グルヌイユは香水の存在を知り、香水に関わる仕事をしてみたいと思いました。
そのお店からは、新作香水『愛と精霊』の香りが漂っていました。

その後、グルヌイユは香水店の近くに居た柑橘売りの娘(カロリーネ・ヘルフルト)の体臭の虜になり、我を忘れて娘を追いかけた末に窒息死させてしまいます。
しかし、グルヌイユは人を殺したことよりも彼女の体臭に夢中でした。
死んだ娘の服を脱がせて、体臭を夢中で嗅ぎ続けました。
死体を持ち帰るわけにいかず、泣く泣く皮なめし屋に帰ったグルヌイユは、勝手に傍から離れたことを怒っていたグリマルに殴られました。

その日の夜。グルヌイユは、若い娘の香りを保存する方法を学ぶために生まれてきたのだと確信しました。

 

香水屋に引き抜かれる


(香水を調合するバルディーニ 引用:https://www.cinemacafe.net

パリで香水店を営んで30年になるジュゼッペ・バルディーニ(ダスティン・ホフマン)は、若い頃は売れる香水をいくつも世に出していた実力者でしたが、現在はスランプが続いていました。
常連貴族からのお情け注文で何とか食いつないでいる状態です。

バルディーニは常連さんから「『愛と精霊』に似た香水を作ってほしい」という屈辱的な依頼を受けて、愛と精霊を超える商品を納品してやろうと意気込みますが、かなり苦戦していました。

その日の夜。グルヌイユはバルディーニの所に商品を届けることになりました。
グルヌイユはバルディーニの倉庫にあった材料と香りの記憶と直感だけで『愛と精霊』と、もう1つオリジナルの香水を調合して見せて「弟子入りさせてほしい」と懇願します。
バルディーニは一旦断わってグルヌイユを帰らせますが、グルヌイユの香水を試して才能を確信し、迷わず引き取ることにしました。


(グルヌイユの香水を嗅いで楽園にいる気分になったバルディーニ 引用:https://www.medialifecrisis.com

翌日。バルディーニは親方からグルヌイユを高値で買い取りました。
親方は大喜びでしたが、グルヌイユを売った後、セルフ事故で海に落ちて死んでしまいました。

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バルディーニの人気復活

数か月後。バルディーニの香水はグルヌイユのおかげで飛ぶように売れるようになりました。
ある日、グルヌイユに『匂いを永久に保存する方法』が知りたいと言われたバルディーニは、香水にまつわる伝説を話して聞かせました。

かつて、エジプトで1つの香水瓶が発掘されました。
それは作られてから何千年も経っているはずなのに、瓶の蓋を開けると、楽園と錯覚するかのような香りが充満したそうです。
その後、香りの成分が調べられ、使われていた『13種類の香油』の内の12種類は判明しましたが、最後の1種類だけが今だにわかっていない、というおとぎ話でした。


(バルディーニから蒸留法を教わるグルヌイユ 引用:http://cindy–mejia.blogspot.com

その後、グルヌイユは香油の精製方法の1つである『蒸留法』を教わると、すぐに実験を始めました。
様々な香りの抽出実験をした結果、生き物の香りが抽出出来ないことがわかると、ショックで病気になってしまいました。
バルディーニは実験のために猫を殺していたグルヌイユを不気味に思いますが、香水のレシピをグルヌイユに完全に頼っているので追い出せませんでした。

グルヌイユはベッドから起き上がれない位弱っています。
新作を作ってもらえず困ったバルディーニは、グルヌイユに「香油生産地の本場グレースに行けば、他の香油の製造方法を教えてもらえるはずだ」と言うと、グルヌイユは1週間で元気になりました。


(グルヌイユにグレースの話をするバルディーニ 引用:http://perfumethestoryofamurderer.weebly.com

グレースの香油製造所に弟子入りするには『香水調合師の職人証明書』が必要です。
バルディーニが「100種類の新作香水のレシピを書き残したら証明書を書いてやる」と約束すると、グルヌイユは数日で100種類のレシピを書きあげました。

グルヌイユがグレースに旅立った日、バルディーニは「これでもうお金に困ることは無い」と幸せな気持ちでベッドに入りますが、元々建付けが悪かった自宅が崩壊して死んでしまいました。

 

グレースへ

グルヌイユがグレースに行く最短距離の険しい道を歩いていると、岩に囲まれた小さな洞窟の中に『においが全くしない場所』を見つけました。
そこで生まれて初めてリラックスする感覚を覚えたグルヌイユは、グレースに行くのを忘れて洞窟暮らしを始めます。


(洞穴を見付けたグルヌイユ 引用:https://www.medialifecrisis.com

洞穴で足を止めてから数か月経ちました。
グルヌイユは自分が生きているかどうか確認しようとした時、彼自身に体臭が無いことに気付きました。
『香り』が何よりも大切なグルヌイユにとって、無臭であることは彼自身に価値が無いと神様から言われたようなものでした。
グルヌイユは自分の価値を確かめるために、洞穴から出て再びグレースに向かいます。

グレースに着いたグルヌイユは、偶然見かけた赤毛の美女ローラ・リシ(レイチェル・ハード=ウッド)の香りに心を奪われました。
ローラはグレースで一番大きな屋敷に住み、彼女の父親はグレースで最も成功している商人貴族のアントワーヌ・リシ(アラン・リックマン)です。
ローラの母は既に亡くなっていて、父娘2人暮らしでした。

 

若い女のにおいの抽出と収集


(女性から香油を作るグルヌイユ 引用:http://mingshiyang.blog.fc2.com

その後、グルヌイユはグレースでの修行も完璧にこなし、指導者のマダム・アルニュルフィも彼に一目置いていました。
一方でマダムの夫ドリュオーは、無口過ぎるグルヌイユを気味悪がっています。

グルヌイユはマダムから『冷浸法』という香りの抽出法を学びました。
冷浸法は、香りの元になる花などに動物性の脂を塗り、それを脂ごと冷却装置に入れて脂に香りを閉じ込めて、回収した脂にアルコールを加える方法です。
マダムの冷却装置は人間が1人や2人は丸ごと入るほど大きな円筒型の装置でした。

しばらくするとグルヌイユは『人間の香油』の作り方を模索し始め、2人目の実験でついに体臭の抽出に成功します。
まずターゲットを出血させない方法で殺して全裸にし、毛髪を剃ってから全身に脂を塗って、体臭が染みた頃に脂を回収すると死体はその場に放置しました。

グルヌイユは13個の香油が入るケースに1個目の香油を入れて嬉しそうに眺めました。
その後、グルヌイユは残り12人分の香油を集めるため、次々に若い女性に手をかけていきます。

 

人間由来の香水を作る


(香油瓶を眺めるグルヌイユ 引用:https://www.pinterest.jp

ドリュオーは、グルヌイユが最近こそこそ作業しているのを怪しんで探りを入れようとしますが、危険を感じたグルヌイユがとっさに貴族女性の香油を手に塗りました。
するとドリュオーは、グルヌイユが高貴な人物に思えて詮索出来なくなりました。
『人間の香油』は、嗅いだ人間を惑わす効果がありました。

町では緊急会議が開かれて、若い女性に外出禁止令が出されました。
禁止令が出た後も、グルヌイユは隙をついては美女を殺し続けて、とうとう香油は12人分たまります。
グルヌイユは、最後の13人目は絶対にローラだと決めていました。

連続殺人のせいで、グレースでは住民同士が疑心暗鬼に陥ります。
警察も犯人逮捕を急ぐあまり少しでも怪しい男は全員投獄しますが、グルヌイユは上手く警察の目から逃れ続けていました。

警察は犯人を特定できないものの、これ以上の治安の悪化を避けるため、適当に犯人を見繕って無理やり事件を終わらせようとしました。
捕まったが真犯人ではないと気づいたリシは捜査を続けて欲しいと訴えますが、警察はもう動こうとしません。
『美女ばかり狙う犯人がローラを狙わないわけがない』と考えたリシは、しばらくローラと一緒にグレースから離れて身を隠すことにしました。


(グレースから離れるローラとリシ 引用:https://www.medialifecrisis.com

リシとローラがグレースから離れた日の朝、グルヌイユはグレースからローラの香りが消えたことに気付き、残り香を頼りに行方を追います。
香油製作所からグルヌイユが消えた後、作業場の地面から殺された女性たちの衣類と大量の毛髪が見つかりました。
警察はグルヌイユが真犯人と確信してようやく動き始めます。

その後、グルヌイユはローラの潜伏先を特定して殺害し、13人の若い女性の香油で作った念願の香水を完成させた直後、警察に捕まりました。

 

死刑判決を受けたグルヌイユと結末


(引用:https://images.fanpop.com

グルヌイユは連続殺人の罪で死刑が決まりました。
牢屋に入れられた後、グルヌイユは隠し持っていた香水を体に塗ると、香りをかいだ看守は彼を高貴な人間のように扱いました。

処刑当日。グレースに住むほぼ全員が集まる中、グルヌイユは貴族の衣装で処刑場に現れました。
グルヌイユが歩いて香水の香りが広がった瞬間、人々の罵声が歓声に変わります。
処刑台に立つと、香りをかいだ処刑人は目出し帽を脱ぎ捨てて「彼は無罪だ!」と叫びました。
一番離れた場所で見物していた司教まで香りが行き渡ると、司教は「彼はまさに天使だ!」と叫びます。
香水が持つ陶酔作用の虜になった人々は服を脱ぎ捨てて、だれかれ構わず愛し合い始めました。


(香水の香りを振りまくグルヌイユと翻弄される人々 引用:https://tsutaya.tsite.jp

そんな中、憎しみだけで唯一正気を保っていたリシは独断でグルヌイユを処刑しようとしまが、香水の強い香りを嗅ぐと、グルヌイユを抱きしめて嬉し涙を流しました。

その後グルヌイユは何かを悟ったように、とぼとぼと処刑場から立ち去ります。
人々は香水がもたらす感情に夢中で、グルヌイユが逃げたことに誰も気付きませんでした。

やがて香水の香りが薄れると、我に返ったグレースの人々は慌てて服を着ました。
彼らが陶酔していた間の記憶はなく、この時の出来事は闇に葬られました。

翌日。事件の再調査が行われてドリュオーが逮捕、絞首刑となり事件は終結しました。

その後、グルヌイユは生まれ故郷のパリに戻りました。
グルヌイユはもう香水を使う気にならず、無気力に陥ります。
生まれ落ちた魚市場に戻ったグルヌイユは1766年6月25日の夜、ホームレスが集まる場所で残っていた香水を全部頭からかぶりました。

すると、強烈な香りに陶酔した浮浪者たちはグルヌイユを食べてしまいました。
香水の効果が切れた浮浪者たちは、何を食べたのか覚えていませんでした。

翌朝。路上に落ちていたグルヌイユの衣類は子どもたちが持ち去ります。
路上に残った香水瓶から、香水の最後の一滴が地面に落ちました。

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解説、考察、感想など


(引用:http://wap.filmz.ru

前情報なく見たので、快楽殺人系のサスペンスかなと思っていたのですが全然違ってました。
中間が若干長く感じましたが、全体的には面白かったです。
完成した香水がどんな匂いなのかめちゃくちゃ気になりました。
Dホフマンさんの白塗りの顔が意外とキュートで良かったです。

以下、気になった点や感じた内容をまとめました!

 

グルヌイユが香水を作った理由

グルヌイユが人間由来の香水を作ったのは、若い女性特有の香りがこの世の何よりも好きだったからですが、それは恐らく彼が母からの愛を求めていたことに由来しています。

グルヌイユは母親の胎内で常に感じていた香りを再現したかったのではないかとも思いました。
愛を欲したからこその作業でしたが、香油を作る過程で彼女達に対する愛は全く無く、むしろその逆でした。
酷い環境に育ったので愛を知らなくても仕方ないですが、愛されたいと思う一方で、生き物の命を平気で奪ってしまう様子には、明らかな愛情と倫理観の欠如や本末転倒を感じてしまいます。

 

グルヌイユはなぜ自殺した?

グルヌイユはリシに抱きしめられた時、求めていたのは『誰かを愛し、愛されること』だと気付きました。
しかし同時に、この香水にもグルヌイユ自身にも愛される能力が無いと悟ったと、ナレーションのジョン・ハートさんが語っていました。

つまりグルヌイユは愛を求めていたものの、人間として決定的な何かが欠けていることを自覚し、これからも誰かから愛してもらえることは無く、誰かを愛することも出来ないと確信したから自殺したのです。

グルヌイユは愛のために香水を作りましたが、それもまた人々を利用するためにしか使えないことがわかって絶望したのではないでしょうか。

香水を使って得られる愛情は一時的なもので、しかも効果が消えた後は記憶すら残らず香水を使ったこと自体無かったことになるのは若干辛いです。
それほどグルヌイユは愛から遠い存在だったんですね。

以上です!読んで頂きありがとうございました。
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