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くんちゃんの体験はそもそも妄想説
他の方の評価や感想なんかを見ていると、くんちゃんの体験は全て妄想や夢だったのではないかとホラー的な推測をしていた方もいらっしゃいました。
それは恐らく、ただ単にタイムスリップしていたというだけでは説明できない現象(くんちゃんの擬人化、陸の上の熱帯魚、夢落ち風の描写など)があったからです。
そう思ってしまうのもわかりますが、ただ単に妄想というのでは納得できない体験もくんちゃんはしています。
例えばくんちゃんが子供の頃のお母さんと会った後、お母さんは子どもの頃 靴の中に手紙を入れていたことが事実だったと裏付けるシーン(後のお母さんとばあばの会話)も、妄想だけでは片付けられない理由の一つです。
ではくんちゃんの体験は何だったのかと考えると、くんちゃんは樫の木を通して一族の記憶や精神世界の中にダイブしていて、そしてその能力(樫の木とつながる力)は くんちゃんと未来ちゃんだけが持っていたのではないか、というのが私の推測です。
例えば、くんちゃんがゆっこのしっぽを奪って半人半犬になったとき、家の中に入ってお父さんとお母さんの周りも走り回っています。
そのとき走っていたのはくんちゃんでしたが、現実で父と母がその姿を見たとき、走り回っていたのはゆっこでした。
このとき、くんちゃんはゆっこの精神世界に入っていて、ゆっこのしっぽを自分につけるという形でゆっこの身体をある意味乗っ取っていたと解釈できます。
そして、おっさん姿のゆっこは精神世界の中での姿(魂のようなもの)だと思われます。
また、くんちゃんが子どもの頃のお母さんの世界に行く前、中庭にはネオンテトラが泳いでいます。
(引用:https://ameblo.jp)
しかし くんちゃんの家では熱帯魚を飼っていませんし、実際にネオンテトラを飼っている水槽が登場するのはその後に行くお母さんの実家の中です。
つまりこのとき中庭はお母さんの精神世界を映し出していたもので、その中にくんちゃん(と未来ちゃん)が入った、という解釈ができます。
精神世界の中であれば、自分のその時の感情が具現化するのも納得できます。
駅のホームに赤ちゃんの未来ちゃんが突然現れたのも、くんちゃんがロボットに「家族の名前は?」と聞かれたときに未来ちゃんの名前を言わなかったことへの後悔や、未来ちゃんに助けを求めたくなってきた気持ちが具現化したのだと思われます。
このように考えると、ゆっこが現れたときの周囲の景色は外国のお城のバルコニーのような場所だったので、ゆっこは外国で生まれて日本に来た犬なのではないか?とか、中学生の未来ちゃんが現れた時は植物がたくさん生えていたので、未来ちゃんは植物が好きなのかも?など推測できます。
個人的にはひいじいじも良かったけど、お父さんの過去にも飛んで欲しかったです。
未来ちゃんの手にアザがあった理由
未来ちゃんの右手にピンク色のあざがあった理由は恐らく、4歳のくんちゃんにも中学生の未来ちゃんが未来ちゃんだとわかるようにするための目印だと思われます。
くんちゃんは手のアザを頼りに未来ちゃんが未来ちゃんだとわかった以外に、あざがストーリーに影響を与えるシーンは無いからです。
ちなみに、未来ちゃんの痣は新生児にたまに見られる「いちご状血管腫」だと思われます。
どうでも良い情報ですが、私にも生まれた時に背中にいちご状血管腫がありましたが、成長と共に消えました。
お父さんの「何事にも最初がある」という言葉も、未来ちゃんのアザと同じ意図を持つセリフです。
くんちゃんがひいじいじと会ったとき、ひいじいじがお父さんと同じ言葉「何事にも最初がある」と言ったことで、くんちゃんにも観客の私たちにも「この人はお父さんと関係のある人だ」と気づくことができます。
この作品が「つまらない」と言われた理由、原因
本作の評価を見ていると、「つまらない」「不快」といったマイナスな意見が多く見られました。
実際、私もあまり気持ちよくこの作品を観ることが出来なかったクチです。。
なぜ「面白くない」と言われてしまったのか、私が目にした評価内容をまとめて書き連ねてみます。
一応補足しておきますが、私は子供がおらず子育て経験とがありません。
なので、私の無知による先入観や偏見で批判している可能性もあるので、その辺を理解しつつ読み進めてくださればと思いますm(__)m
くんちゃんの声が違和感ありすぎる
(左:上白石萌歌、右:上白石萌音 引用:http://hanaflowerblooming.com)
一番多かった意見がこれです。
「4歳児の声とは思えない」、「なぜ本物の子どもを使わなかったのか」、「あんなに流暢に喋れて、会話の受け答えもちゃんとできる4歳児を見たことがない」といった意見が多くありました。
言われてみるとたしかに、私が学生の頃に職業体験で保育園に行った時、4~5歳の子たちと会話がちぐはぐになることが何度かありました。
しかし、くんちゃんはそんなことなく大人たちと普通に会話していましたね。
くんちゃんの声を演じたのは、女優の上白石萌歌さんです。
なぜ4歳のくんちゃんの声に子どもではなく彼女が選ばれたのかについては、芸能事務所が関係しているという噂があります。
姉の上白石萌音はアニメ映画『君の名は。』でヒロイン三葉の声を演じて一躍有名になりました。
芸能事務所は、本作の主演に萌歌を使うように圧力をかけ、萌音の二番煎じを狙おうとした、という噂があります。
真偽はわかりませんが、あくまでも噂ですので信じる信じないはご自身の判断にお任せします。
くんちゃんがあまりにもハイスペック
くんちゃんは4歳児にしてプラレールをたった1人であっという間に部屋いっぱいに組み立てて電車を走らせて遊んでいます。
4歳にしてあんなに複雑な線路を組み立てられるというのは考えづらいです。
次の違和感は、くんちゃんが絵本をかなりすらすら読んでいるシーンです。(途中から絵本のストーリーからは脱線していましたが)
まだくんちゃんは幼稚園の年中さんなのに、文字がすらすらと読めていたことも不思議でした。
(くんちゃんが未来ちゃんに読んでいた絵本→『オニババ対ヒゲ』)
また、くんちゃんが怒りまかせに描いた絵も、ぱっと見で誰なのかすぐにわかる『上手過ぎる絵』であることにも結構違和感あります。
くんちゃんの絵が見つからず載せられないのが残念ですが、リアル4歳児の描いた絵を載せておきます。
(4歳の子が描いた絵 引用:https://ai-mi.blog.so-net.ne.jp)
最後の指摘はハイスペックとは脱線してしまいますが、くんちゃんは過去にタイムスリップして、ひいじいじをお父さんと勘違いします。
この時思ったのですが、4歳の男の子って自分の父親を間違えるものなのでしょうか?
お父さんが外で働きづめでほとんど顔を合わせない、というならまだわかりますが、お父さんは主夫として毎日くんちゃんと接触してますから、くんちゃんもさすがにお父さんの顔や声は覚えているはずですよね。
ひいじいじはメガネもかけていないしお父さんとは雰囲気も全然違うのに、『お父さんと同じ発言をした』というだけで ひいじいじをお父さんと思い込む流れに無理がある気がしました。
くんちゃんがひいじいじを父親と勘違いさせることにした脚本上の理由を強いて予測するなら『小さな男の子が知らない男の人に簡単に付いていって一緒にバイクに乗る』という描写を避けたかったのかもしれません。(誘拐を連想するので)
些細な日常の出来事の描写が多い
本作は基本的に『くんちゃんが何かイヤな思いをする→不思議なことが起こる→くんちゃんが感じたイヤな感情を消化or克服して少し成長する』というショートストーリーの繰り返しでした。
この最初の段階である「くんちゃんが嫌な思いをする」の描写の中身が些細過ぎる、あるいはくんちゃんが横暴&わがまますぎてうるさくて、不快だと感じた人が多かったのではないでしょうか。
特にくんちゃんが未来ちゃんをおもちゃで殴るシーンは個人的に衝撃的でした。
私は、駄々をこねる時の声がうるさすぎて不快感を感じましたが、4歳の子が理不尽な理由で大声でぐずるのはよくあることのようなので、「この描写は年齢に忠実な描写なんだな」と思って見る目を変えてみようと思いました。
わがままを言うくんちゃんを見て感じる「不快感」こそが、子どもからわがままを言われた時に親が感じるいら立ちに近いのかもしれません。
次に、私が個人的に思った不快感は『おひな様の片付けのシーンが長すぎる』ことです。
片付けること自体にあまり重要性がなさそうなのにやたら長いので「もしかして時間稼ぎ?」と思わざるをえませんでした。
悪いところを探しすぎてそろそろしんどくなってきたので良かった点について書きます。
この作品のテーマ自体は「生命のつながり、過去のいくつもの些細な出来事や出会いが積み重なって今の自分に繋がっているという奇跡を知り、感謝する」というような内容で、とても素敵なテーマだと思います。
私ももっと『当たり前』に感謝できるようになりたいなと感じますが、心から素直に感謝できるのはもう少し時間がかかりそうです。
このテーマを本当に受け入れることが出来れば、本作ももっと面白く感じることができそうです。
参考にされた場所も色々あったらしい
本作は横浜が舞台となっていて、実際にある場所や建物も登場しています。
まず、くんちゃんがお父さんと行っていた公園は根岸森林公園という場所のようです。
くんちゃんが補助輪なし自転車に乗ろうとしてまっすぐ前を向いたとき、くんちゃんの視線の先にあった廃墟があります。
この公園一帯は以前は競馬場で、戦後しばらくして公園に変わったのだそうです。
そしてこの廃墟は、競馬を観戦するための旧一等馬見所がそのまま残されたものだそうです。
(引用:https://asobii.net)
この他にも、ひいじいじとバイクで走った道や、子どもの頃のお母さんがしゃがんでいた場所、水族館とのコラボなど、実際に磯子周辺にある景色を描いた場面が結構たくさんあるようなので、気になる方は詳しく書かれている方のブログをご覧ください(手抜きですみません)
私は下記ブログを参考にさせていただきました。
・聖地巡礼特集「未来のミライ 舞台探訪」
以上です。読んでいただきありがとうございました。
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関連記事
参考サイト様
あそびい横浜「根岸森林公園:広い芝生の広場に、お馬さん。ながーいすべり台もあって1日楽しめます[中区:ママレポ]」
聖地巡礼特集「未来のミライ 舞台探訪」
せかいく「絵から読み解く、子どもの発達。Vol.2」
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