「未来のミライ」ネタバレ解説|全部妄想説、なぜつまらないのか、など6の考察

横浜に住むわがままで甘えん坊の4歳の男の子くんちゃんが、中庭にある不思議な樫の木の力で過去や未来を行き来して、少しずつ大人になる過程を描いたハートウォーミングな物語。
2019年日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞
2019年アニー賞 長編インディペンデント作品賞 を受賞した。
監督・脚本はアニメ映画「サマーウォーズ」(2009)の細田守。

制作年:2018年
本編時間:98分
制作国:日本
監督:細田守
脚本:細田守
原作:小説/細田守「未来のミライ

声の出演&キャラクター紹介

 

(引用:https://www.niwaka-movie.com

くんちゃん上白石萌歌

4歳の男の子。新幹線が大好きで甘えん坊でわがまま。
生まれたばかりの妹 未来ちゃんが家に来てからお父さんとお母さんがくんちゃんを構ってくれなくなったため、未来ちゃんが好きになれない。
不機嫌になると「好きくないの!」など、語尾に「の」が付く。

 

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(引用:https://hot-cool.blog.so-net.ne.jp

 

ミライちゃん黒木華
幼少期…本渡楓
くんちゃんの妹で、まだ生まれたばかり。
右手に生まれつきピンク色のアザがある。
なぜか成長した中学生の姿で庭にいるくんちゃんの前に現れる。

 

おとうさん

(引用:https://www.animatetimes.com

お父さん星野源
建築家で、最近脱サラしてフリーになった。
在宅勤務がメインになったため、お母さんと交代して主夫として未来ちゃんの面倒と家事を頑張ろうとしている。
くんちゃんが生まれた頃は仕事に逃げて全く何もしなかった。
時々ご近所さんに『良い父親、旦那』を演じてお母さんに批判されている。

 

スタジオ地図 on Instagram: “麻生久美子さんが演じるのは、くんちゃんとミライちゃんのおかあさん。 . #麻生久美子 #未来のミライ #mirai #mirainomirai #7月20日公開 #細田守 #mamoruhosoda #hosodamamoru #スタジオ地図 #studiochizu…”

(引用:https://www.pinterest.jp

お母さん麻生久美子
幼少時代…雑賀サクラ

未来ちゃんを生んで退院したばかりだが、昼間はお父さんに家事育児を任せて早々に職場復帰しようとしている。
くんちゃんが構って欲しさにいたずらするのでつい怒ってしまい『鬼ばば』と呼ばれて落ち込む。

 

「未来のミライ ゆっこ」の画像検索結果

(引用:https://twitter.com

ゆっこ吉原光夫
擬人化したゆっこ…吉原光夫

くんちゃんの家のペットのダックスフント(オス)。
くんちゃんより年上で、ボール遊びが大好き。
謎の男(おじさん)はゆっこが擬人化した姿。

・その他のキャスト
ばあば…宮崎美子
じいじ…役所広司
くんちゃんのひいじいじ…福山雅治
くんちゃんのひいばあば…真田アサミ
駅にいた男子高校生…畠中祐
遺失物係のロボット…神田松之丞

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あらすじネタバレ

とある12月。横浜に住む4歳の男の子くんちゃんの家に、生まれたばかりの妹 未来ちゃんがやってきた。
くんちゃんは初めて見る赤ちゃんに感動し、お母さんと「仲良くして、守ってあげる」と約束した。

もうすぐお母さんは会社に職場復帰する予定で、建築家のお父さんは脱サラして在宅勤務で昼間の家事育児をすることになって、今までと担当が逆転することになっていた。
2人は家事とミライちゃんの世話で忙しく、誰もくんちゃんを構ってくれなくなった。
未来ちゃんに嫉妬した くんちゃんは未来ちゃんをおもちゃで殴り「ミライちゃん好きくないの!」と言ってお母さんに怒られてしまった。
疎外感を感じた くんちゃんが泣きながら庭に出たとき、庭の真ん中の樫の木が青白く光り、奥の方から長髪の中年男が声をかけてきた。
くんちゃんは男の言っていることがよくわからなかったが、男が楽しそうにボール遊びするのを見て、男の正体がペットのゆっこだと気付いた。
くんちゃんはゆっこと鬼ごっこをして遊び、悲しかったのも忘れて楽しく走り回った。

月日はあわただしく過ぎて3月3日。
お母さんは「お雛様、今日中に片づけてね」と言い置いて一泊二日の出張に出ていった。
お父さんはまだ慣れない手つきで家事育児をこなし、一息つくとお雛様の片付けはそっちのけでパソコンを開いて仕事を始めた。

お父さんに遊んでもらえず退屈になったくんちゃんが庭に出ると、再び庭の木が光り、くんちゃんの前にセーラー服姿の少女が現れた。
4歳のくんちゃんを「お兄ちゃん」と呼び、右手にピンクのアザがあるこの少女は、未来のミライちゃんだった。

お雛様を3月3日を過ぎても出しっぱなしにしていると、1日置きに1年婚期が延びる』という言い伝えがある。
婚期が遅れるのがイヤだったミライちゃんはお雛様の片付けをしてもらおうと、くんちゃんに頼みに来たと言う。

人の姿のゆっこにも協力してもらうことになったが、お父さんには未来のミライちゃんの姿も人間になったゆっこも見られてはいけないため、
くんちゃんがお父さんの気を引いている隙に、ミライとゆっこが急いでお雛様を片づけた。
ミッションを終えると、2人は庭に出来た門をくぐって消えていった。

数か月後のある日。
くんちゃんは遊んだおもちゃの片付けを嫌がってお母さんに怒られた。
「お片付けしないなら、もう何にも買ってあげないよ!」と言われたくんちゃんは怒り、
お母さんへの嫌がらせにおもちゃ箱を全部ひっくり返した後、お絵かき帳に鬼ババのお母さんを書きなぐった。
そのまま庭に出ると、くんちゃんの前にまた未来のミライちゃんが現れた。
ミライちゃんにも怒られたくんちゃんはとうとう傷ついて、
「ミライちゃんやゆっこは可愛いのに、くんちゃんは可愛くない(お父さんもお母さんも くんちゃんが嫌いなんだ という意味
と泣き出してしまう。
ミライちゃんは慌てて くんちゃんを慰めようとしたが、くんちゃんはミライちゃんを振り払って走り出し、次元と次元を繋ぐ空間に入ってしまった。

気が付くと、くんちゃんは見たことのない一昔前の街並みの通りに立っていた。
周辺を見渡すと、電柱の影でくんちゃんより少し年上の女の子が泣いていた。
女の子の顔を見たくんちゃんは、その子が子どもの頃のお母さんだと気が付いた。
お母さんは「猫が飼いたいです お願いします」と書いた手紙をおばあちゃんの靴の中に入れるのが最近の日課で、許してもらえるまで書き続けると言う。
最近はくんちゃんに怒ってばかりのお母さんは、小さい頃はくんちゃんよりもずっといたずら好きで自信家で計算高かった。
くんちゃんは驚きながらも、子どものお母さんと一緒に家の中を思いっきり散らかして遊んだ。
2人が疲れてきた頃、ばあば(お母さんのお母さん)が帰宅する音が聞こえ、お母さんはくんちゃんを裏口から逃がした。
その後、家の中からばぁばが怒っている大声と、お母さんの泣き声が聞こえた。
ばぁばの怒り方は、お母さんがくんちゃんに怒る時の口調とそっくりだった。
くんちゃんが耳をふさいで走ると、いつの間にか家に戻っていた。

その後、くんちゃんはお母さんの靴の中に手紙を入れ、念願の自転車を買ってもらった。
新しい自転車に乗り、お父さんと未来ちゃんと一緒に公園に来たくんちゃんは、
周りの男の子が補助輪なしの自転車に乗っているのがカッコ良く見えた。
くんちゃんはすぐに補助輪を取ってもらって自転車に乗る練習をしたが、走っては転んでの繰り返し。
気が付くと、お父さんは泣き出した未来ちゃんの相手を始めて、くんちゃんは放置された。
周囲の男の子たちが「乗り方教えてあげる!」と仲間に誘ってくれたものの、くんちゃんはお父さんが相手をしてくれないのが気に入らず、大泣きしてしまった。

その日の夜。くんちゃんは「もう自転車乗らないの!」とお父さんに怒りをぶつけた。
お父さんは「何事にも最初があるよ(何だって最初から上手くいくもんじゃないよ)」と諭したが、くんちゃんは聞き入れなかった。
怒りが収まらないくんちゃんが中庭に出て自転車用のヘルメットを投げた瞬間、くんちゃんは大きなエンジンのある木造の倉庫にワープした。
くんちゃんは倉庫の中でオートバイをいじっていた青年に会った。
青年が「何事にも最初がある」と言ったことから、くんちゃんはこの青年がお父さんだと思い込む。
実はこの青年はお父さんのお祖父ちゃん(くんちゃんのひいお祖父ちゃん)だった。
くんちゃんは生まれて初めて馬やバイクに乗せてもらい、青年から「まっすぐ前を向けば怖くない」と教わった。

現代に戻ったくんちゃんはもう一度お父さんと公園に行って自転車の練習をし、青年に言われた通りに前を見ながらペダルをこいで、無事に補助輪なしの自転車に乗れるようになった。
この時くんちゃんが見た遠くの景色には、くんちゃんと青年がオートバイに乗って走った道の先で見た建物と同じ建物が立っていた。
家に帰ったくんちゃんはアルバムを見て、あの青年が去年亡くなったひいお祖父ちゃんだったと知った。
お父さんは今日のことをお母さんに報告しながら目をウルウルさせていた。

数か月後の夏のある日。未来ちゃんはハイハイが出来るほどに成長していた。
その日は家族みんなでじぃじとばぁばの家に遊びに行ってお泊りする予定だったが、くんちゃんは「黄色のズボンがいい」と駄々をこねていた。
お父さんもお母さんも相手をしてくれないことに怒ったくんちゃんは「もう行かない!」と叫び、家の中に隠れて皆を困らせようとした。
数分後。誰も探しに来てくれないことに怒ったくんちゃんがクローゼットから出ると、家の中に誰もいなかった。
くんちゃんは傷つき、家出を決意して泣きながらリュックにお菓子とジュースを詰めた。

中庭を横切るときにふと見ると、中庭が無人駅になっていた。
「磯子(いそご)駅」と書かれた駅名標が立っている。
待合スペースの中から怒っている声が聞こえるので中を覗いて見ると、1人の男子高校生がくんちゃんに文句を言っていた。
高校生に「黄色いズボンと楽しい思い出、どっちが大事なんだよ!」と聞かれ、くんちゃんはとっさに「ズボン!」と答えて喧嘩になった。
その時、駅に電車が到着し、くんちゃんは高校生が止めるのも聞かず電車に飛び乗った。

電車の窓には線路と田園風景が広がり、くんちゃんは時折見える新幹線にテンションが上がった。
しばらくして、くんちゃんが見たことのない新幹線を目にした瞬間、そこらじゅうに巨大なビルが立ち並ぶ都会の風景に変わった。
くんちゃんは未来に来てしまったのだ。
終点で東京駅にたどり着いたが、くんちゃんは帰り方がわからず迷子になってしまった。

落し物届け出コーナー』に助けを求めたくんちゃんは、車掌さんの恰好をしたロボットに家族の名前を聞かれた。
くんちゃんは答えられず、「家族の名前も言えない、どうしようもない迷子が行く特別な地下鉄乗り場」に連れていかれた。
(未来ちゃんは嫌いだったから名前を言わなかった)

車内は真っ赤でガイコツなどがついた恐ろしい電車が到着し、くんちゃん乗車を拒み続けてようやく「くんちゃんは、ミライちゃんのお兄ちゃん!」と声を振り絞った。
すると車掌ロボットがミライちゃんを呼び出してくれて、未来のミライちゃんが助けに来てくれた。
ミライちゃんはくんちゃんの手を掴んで空を飛びながら、中庭の木のことを教えてくれた。
中庭の樫の木は、くんちゃんたち家族の歴史をずっと記憶し続けている木なんだという。
くんちゃんはミライちゃんと一緒に「お父さんは体が弱くて中学生まで自転車に乗れず、必死に練習している場面」や、「戦争で足を悪くした若い頃のひいじいじが、ひいばあばにかけっこを挑んでプロポーズする場面」などを垣間見た。
ミライちゃんは、私たちが取った行動は未来に影響を与え、時には些細な行動が大きな影響を与えることがあるとくんちゃんに教えた。
未来の我が家に立ったくんちゃんはミライちゃんが好きになり、駅でケンカした男子高校生が未来のくんちゃんだったことを知った。

いるべき時代に戻ってきたくんちゃんは、黄色いズボンにこだわったり、すぐに怒ったりするのをやめた。
お父さんとお母さんはくんちゃんを置いて行ってしまったわけではなく、車に荷物を積めていただけだった。
くんちゃんは家の中にいた未来ちゃんにバナナを半分あげると、お母さんの呼ぶ声に大きな声で返事をした。

オープニング:山下達郎『ミライのテーマ』
エンディング:山下達郎『うたのきしゃ』

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簡単なあらすじ

長々と読む時間が無い方はこちらをどうぞ☆

主人公は横浜で暮らす4歳の男の子くんちゃん
くんちゃんは最近我が家にやってきた妹の未来ちゃんに両親の愛情を奪われた気がして未来ちゃんが好きになれず、両親の気を引こうとわざと周囲を困らせる行動をする子だった。
ある日くんちゃんの両親への不満が爆発したとき、自宅の中庭で人間の姿をしたペットのゆっこが話しかけてきた。
それからというもの、くんちゃんは何か嫌な出来事があるたびに家族の誰かの過去や未来へワープしてそこで何かを学び、徐々に成長していく。
最終的にくんちゃんは未来ちゃんへの嫉妬心と構ってちゃんを克服して「お兄ちゃん」になることの意味を理解し、未来ちゃんに優しく接するようになり、両親に駄々をこねて困らせることもなくなった。

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解説や考察、感想など

タイムリープ、ファンタジーものということで、考察のしがいはありました。
気になった点を考察していきます。

ゆっこが人間になっていた理由

関連画像

(引用:https://twitter.com

くんちゃん家のペットのゆっこ(推定5~7歳)はなぜか人間の姿でくんちゃんの前に現れます。
なぜ人間の姿だったのかは恐らく、くんちゃんの気持ちの代弁者としてゆっこに喋ってもらいたかったからだと思います。

新しい家族の未来ちゃんに両親を独占されたと感じたくんちゃんが、癇癪を起こして中庭に出たときにゆっこが現れました。
ゆっこはくんちゃんが生まれる前からお父さんとお母さんと一緒に暮らしていて、当時は子どものように可愛いがられていたのに、
ある日突然赤ちゃん(くんちゃん)にお父さんとお母さんの愛情を奪われて、あまり構ってもらえなくなって嫉妬していたと嘆いています。
これは今くんちゃんが抱いている感情そのものですが、4歳の男の子はまだ「嫉妬」や「愛情を奪われた」というのは肌で感じるだけで頭では理解できませんし、それを自分以外の人に上手く伝える言葉も知りません。
そこで、人間の年齢に直すと中年に差し掛かっている犬のゆっこに人間になってもらって、くんちゃんの代わりに気持ちを語ってもらったんだろうと思います。(人間になったついでにお雛様の片付けも手伝ってもらったのかもしれません笑)

未来の未来ちゃんがひな祭りを片付けた本当の理由は?

そもそも未来の未来ちゃんは、なぜ4歳のくんちゃんの前にタイムスリップしてきたのでしょうか。
中学生の未来ちゃんが初めて現れたのは、くんちゃんがお父さんに構ってもらえなくて退屈になったときでした。
未来ちゃんは「婚期が遅れるから出しっぱなしのお雛様を片付けてほしい」とくんちゃんに頼みますが、それだけの理由でわざわざタイムスリップしてきたとは、未来ちゃんの中学生という年頃(結婚を具体的に考える年齢ではない)を考えても無理があります。

そもそも未来ちゃんや未来のくんちゃんの目的は、物語の終盤でわかるように、くんちゃんが癇癪を起こすと未来ちゃんを殴ったり、お父さんやお母さんに構ってもらいたくてわざとわがままを言う性格(言動)を直してもらうことにあります。
それに、誰かに素直に言うことを聞いてもらおうと思ったら、まずはその人と仲良くなって信頼を得ることが重要です。
なので未来ちゃんが最初に「お雛様を片付けたい」と言ったのは、くんちゃんと仲良くなるためだったのではないでしょうか。
未来ちゃんとの別れ際に、未来ちゃんが「私のこと、少しは好きくなった?」と聞いたとき、くんちゃんは頑固に首を横に振っていますが、くんちゃんは未来ちゃんのハチゲームを気に入っていたので、少しは仲良くなれています。

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くんちゃんの体験はそもそも妄想説

映画「未来のミライ」の一場面。甘えん坊の4歳児、くんちゃん(声・上白石萌歌) (C) 2018 スタジオ地図

(引用:https://www.iza.ne.jp

他の方の評価や感想なんかを見ていると、くんちゃんの体験は全て妄想や夢だったのではないかとホラー的な推測していた方もいらっしゃいました。
それは恐らく、ただ単にタイムスリップしていたというだけでは説明できない現象(くんちゃんが半人半犬になったり、未来ちゃんと会った時に熱帯魚が周囲を泳いでいたり、元の世界に戻ってきたときにくんちゃんが寝ていたり)が起きていたからです。

そう思ってしまうのもわかりますが、ただ単に妄想というのでは納得できない体験もくんちゃんはしています。
例えばくんちゃんが子供の頃のお母さんと会うという体験の後に、お母さんは子どもの頃 靴の中に手紙を入れていたことが事実だったと裏付けるシーン(後のお母さんとばあばの会話)があるのも、妄想で片付けられない理由の一つです。

ではくんちゃんの体験は何だったのかと言うと、くんちゃんは樫の木を通して家族たちの記憶の中というか、精神世界のようなものの中にダイブしていたのではないか、そしてその能力(樫の木とつながる力)は くんちゃんと未来ちゃんだけが持っていたのではないか、というのが私の推測です。
例えば、くんちゃんがゆっこのしっぽを奪って半人半犬になったとき、家の中に入ってお父さんとお母さんの周りも走り回っています。
そのとき走っていたのはくんちゃんでしたが、現実で父親と母親がその姿を見たとき、走り回っていたのはゆっこでした。
このとき、ゆっこの精神世界に入ったくんちゃんは、ゆっこのしっぽを自分につけるという形でゆっこの身体をある意味乗っ取ったのだと解釈できます。
そして、おっさん姿のゆっこは、ゆっこの精神世界の中での姿(魂のようなもの)だと思われます。
また、くんちゃんが子どもの頃のお母さんの世界に行く前、中庭にはネオンテトラが泳いでいます。

(引用:https://ameblo.jp

しかし くんちゃんの家では熱帯魚を飼っていませんし、実際にネオンテトラを飼っている水槽が登場するのはその後に行くお母さんの実家の中です。
つまりこのとき中庭はお母さんの精神世界を映し出していたもので、その中にくんちゃん(と未来ちゃん)が入った、という解釈ができます。
精神世界の中であれば、自分のその時の感情が具現化するのも納得できます。
感情の具現化というのは、例えば終盤の怖い地下鉄のシーンでホームに来た電車が現実にはない恐ろしい電車だったのは、くんちゃんの恐怖心が具現化したものです。
駅のホームに赤ちゃんの未来ちゃんが突然現れたのも、くんちゃんがロボットに「家族の名前は?」と聞かれたときに未来ちゃんの名前を言わなかったことへの後悔や、未来ちゃんに助けを求める気持ちが具現化したのだと思われます。
このように考えると、ゆっこが現れたときの周囲の景色は外国のお城のバルコニーのような場所だったので、ゆっこは外国で生まれて日本に来た犬なのではないか?とか、未来の未来ちゃんが現れた際は植物がたくさん生えていたので、未来ちゃんは植物が好きなのか、といったことが伺えます。
個人的にはひいじいじも良かったけど、お父さんの過去にも飛んで欲しかったです。

 

未来ちゃんの手にアザがあった理由

未来ちゃんの右手にピンク色のあざがあった理由は恐らく、4歳のくんちゃんにも未来から来た未来ちゃんが未来ちゃんだとわかるようにするための目印だったんだと思われます。
くんちゃんは未来から未来ちゃんが来た時に手のアザで未来ちゃんだとわかっていて、その他にあざがストーリーに影響を与えているシーンはありません。
ちなみに、未来ちゃんの痣は新生児にたまに見られる「いちご状血管腫」だと思われます。
この記事を書いている私にも生まれた時に背中にいちご状血管腫がありましたが、成長と共に消えました。どーでもよくてすみません。

同じことを挙げると、お父さんの「何事にも最初がある」という言葉も、未来ちゃんのあざと同じ意味を持つセリフになります。
くんちゃんがひいじいじと会ったとき、ひいじいじがお父さんと同じ言葉「何事にも最初がある」と言ったことで、くんちゃんにも観客の私たちにも「この人はお父さんと関係のある人だ」と気づくことができます。

この作品が「つまらない」と言われた理由、原因

本作の評価を見ていると、「つまらない」「不快」といったマイナスな意見が多く見られました。
実際、私もあまり気持ちよくこの作品を観ることが出来なかったクチです。。
なぜ「面白くない」と言われてしまったのか、私が目にした評価内容をまとめて書き連ねてみます。
一応補足しておきますが、私は子供がおらず子育てしたことがありません。
なので、私の無知による先入観や偏見で批判している可能性のある内容もあるので、その辺を理解しつつ読み進めてくださればと思いますm(__)m

 

くんちゃんの声が違和感ありすぎる

(左:上白石萌歌、右:上白石萌音 引用:http://hanaflowerblooming.com

一番多かった意見がこれです。
とてもじゃないけど4歳児の声とは思えない」、「なぜ子どもを使わなかったのか」、「あんなに流暢に喋れて、会話の受け答えもちゃんとできる4歳児を見たことがない」といった意見が見られました。
言われてみるとたしかに、私が学生の頃に職業体験で保育園に行ったとき、私が何歳の子たちのクラスにいたのかはもう覚えていませんが、私の言葉の意味が理解できない様子で会話がちぐはぐになることが何度かありました。
しかし、くんちゃんはそんなことなく大人たちと普通に会話していましたね。

くんちゃんの声を演じたのは、女優の上白石萌歌さんです。
なぜ4歳のくんちゃんの声に子どもではなく彼女が選ばれたのかについては、芸能事務所が関係しているという噂があります。
上白石萌歌と言えば実の姉である上白石萌音が、大ヒットしたアニメ映画「君の名は。」で三葉の声を演じて一躍有名になりましたね。
事務所は、本作の主演に萌音の妹である萌歌を使うように圧力をかけ、萌音の二番煎じを狙おうとした、という話があります。
真偽のほどはわかりませんが、あくまでも噂ですので信じる信じないはご自身の判断にお任せします。

 

くんちゃんがあまりにもハイスペック

また主人公くんちゃんのことですが、まずくんちゃんは4歳児にしてプラレールをたった1人であっという間に部屋いっぱいに組み立てて電車を走らせて遊んでいます。
4歳にしてこんなに複雑な線路を組み立てることが出来るというのは考えずらいです。

次の違和感は、くんちゃんが絵本をかなりすらすら読んでいるシーンです。(途中から絵本のストーリーからは脱線していましたが)
まだくんちゃんは幼稚園の年中さんなのに、文字が普通に読めていたことも不思議でした。
くんちゃんが未来ちゃんに読んでいた絵本→『オニババ対ヒゲ
同時に、くんちゃんが怒りまかせに描いた絵も、ぱっと見で誰なのかすぐにわかる絵ということ自体が結構違和感でした。
くんちゃんの絵が見つからず載せられないのが残念ですが、リアル4歳児の描いた絵をいくつか載せておきます。

(4歳の子が描いた絵 引用:http://xn--u9j9edet4c2fzhoa9qmb7m.com

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(4歳の子が描いた絵② 引用:http://tabletalk.cc

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(4歳の子が描いた絵③ 引用:https://ai-mi.blog.so-net.ne.jp

最後の指摘はハイスペックとは脱線してしまいますが、くんちゃんは過去にタイムスリップして、ひいじいじをお父さんと勘違いします。
この時思ったのですが、4歳の男の子って自分の父親を間違えるものなの?
お父さんが外で働きづめでほとんど顔を合わせることがない、というならまだわかりますが、お父さんは主夫として毎日くんちゃんと接触してますから、くんちゃんもお父さんの顔や声は覚えているはずです。
ひいじいじはメガネもかけていないしお父さんとは雰囲気も全然違うのに、お父さんと同じ言葉を言ったというだけで ひいじいじをお父さんと思い込むに至った理由がわかりませんでした。

理由を強いて予測するなら『小さな男の子が知らない男の人に簡単に付いていって一緒にバイクに乗る』という描写を避けたかったのかもしれませんが(誘拐を連想するので)、それにしてもちょっと無理があるなぁと思ってしまいました。

 

些細な日常の出来事の描写が多い

本作は基本的に『くんちゃんが何かイヤな思いをする→不思議なことが起こる→くんちゃんが感じたイヤな感情を消化or克服して少し成長する』というショートストーリーの繰り返しでした。
この最初の段階である「くんちゃんが嫌な思いをする」の描写の中身が些細過ぎる、あるいはくんちゃんが横暴&わがまますぎてうるさくて、不快だと感じた人が多かったのではないでしょうか。
私は、くんちゃんが駄々をこねる時の声がうるさすぎて不快感を感じていましたが、4歳の子が理不尽な理由で大声でぐずるのはよくあることのようなので、「この描写は年齢に忠実な描写なんだな」と思って見る目を変えてみようと思いました。
わがままを言うくんちゃんを見て感じる「不快感」こそが、子どもからわがままを言われた時に親が感じるいら立ちそのものなのかもしれません。

次に、私が個人的に思った不快感は『ひな祭りの片付けのシーンが長すぎる』ことです。
片付けること自体にあまり重要性がなさそうなのに、お父さんに見つかりそうになってハラハラが数回、お父さんのお尻についた笏を取るまでもすごいタメていて、「もしかして時間稼ぎ?」と思わざるをえませんでした。

悪いところを探しすぎてそろそろしんどくなってきました(笑)
この作品のテーマ自体は「生命のつながり、過去のいくつもの些細な出来事や出会いが積み重なって今の自分に繋がっているという奇跡を知り、感謝する」というような内容で、とても素敵なテーマだと思います。
私ももっと”当たり前”に感謝できるようになればいいなと感じますが、心から素直に感謝できるのはもう少し時間がかかりそうです。
このテーマを本当に受け入れることが出来れば、本作ももっと面白く感じることができそうです。

参考にされた場所も色々あったらしい

本作は横浜が舞台となっていて、実際にある場所や建物も登場しています。
まず、くんちゃんがお父さんと行っていた公園は根岸森林公園という場所のようです。

くんちゃんが補助輪なし自転車に乗ろうとしてまっすぐ前を向いたとき、くんちゃんの視線の先にあった廃墟があります。
この公園一帯は以前は競馬場で、戦後しばらくして公園に変わったのだそうです。
そしてこの廃墟は、競馬を観戦するための旧一等馬見所がそのまま残されたものだそうです。

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(引用:https://asobii.net

この他にも、ひいじいじとバイクで走った道や、子どもの頃のお母さんがしゃがんでいた場所、水族館とのコラボなど、実際に磯子周辺にある景色を描いた場面が結構たくさんあるようなので、気になる方は詳しく書かれている方のブログをご覧ください(手抜きですみません)

私は下記ブログを参考にさせていただきました。
・聖地巡礼特集「未来のミライ 舞台探訪

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・参考記事
あそびい横浜「根岸森林公園:広い芝生の広場に、お馬さん。ながーいすべり台もあって1日楽しめます[中区:ママレポ]
聖地巡礼特集「未来のミライ 舞台探訪
せかいく「絵から読み解く、子どもの発達。Vol.2