『見えない目撃者』解説考察|六根清浄について、犯人の目的は?セブンとの関連など | 映画の解説考察ブログ

『見えない目撃者』解説考察|六根清浄について、犯人の目的は?セブンとの関連など

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見えない目撃者 クライムドラマ

映画『見えない目撃者』の解説・考察をしています!
六根清浄、犯人の目的、映画『セブン』との関連などについて書いています。

鑑賞済みの方のための記事です。まだ観ていない方はネタバレにご注意ください。

見えない目撃者

制作年:2018年
本編時間:134分
制作国:日本
監督:森淳一
脚本:藤井清美、森淳一
原作映画:『見えない目撃者』アン・サンフン監督
この映画はR15+の年齢制限があります。
刺激の強い肉体損壊及び殺傷出血の描写がみられるためです。(参照:映倫

キャスト紹介

浜中 なつめ吉岡里帆
3年前の自動車事故で視力を失った元警察官。
若い女性を拉致した車を偶然見付けて警察に通報するが、視覚障害者であることを理由に信じてもらえなかったため、自力で捜査を始める。

国崎 春馬(くにさき はるま)…高杉真宙
拉致犯人の車と接触事故を起こした高校生。
浜中と一緒に誘拐犯を探す。

木村刑事…田口トモロヲ
吉野刑事…大倉孝二
日下部巡査…浅香航大
高橋刑事部長…酒向芳
浜中満代(なつめの母)…松田美由紀
風俗店店員…星田英利(ほっしゃん。)
桐野圭一(売春斡旋の男)…柳俊太郎
平山隆(元刑事)…國村隼
浜中大樹(なつめの弟)…松大航也
レイサ(誘拐された女性)…中田青渚
レイサの友人…坂ノ上茜 ほか

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※このページの情報は2023年3月時点のものです。最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。

あらすじ紹介

浜中なつめ(吉岡里帆)は警察学校を首席で卒業して東京で働いていましたが、ある夜、弟の大樹を車に乗せて帰宅しようとしていた時に自動車事故を起こしてしまいました。
なつめは駆けつけてくれた男性に助けられましたが、大樹は亡くなってしまいます。
なつめは事故で頭を強く打ったせいで視力を失い、大樹を助けられなかった罪の呵責からも立ち直れずに警察官を辞めました。

事故から3年後。なつめは盲導犬のパルを迎えて実家で母親と生活していましたが、大樹の死による心の傷はまだ癒えていませんでした。

ある日、なつめがパルと一緒に人けの少ない道を歩いていると、スケボーと車が接触したような音が聞こえました。
なつめが慌てて駆け寄ると、現場に止まっていた車の中から助けを求める若い女性の声が聞こえます。
なつめが名前を聞くと、女性は「レイサ」と答えました。
犯罪の匂いを感じたなつめが必死で車を開けようとしていると、どこからか男が現れて無言で運転席に乗り込み、そのまま車を発進させて消えてしまいました。

なつめはすぐに通報して警察に「女性が誘拐されていた」と訴えます。
担当になった木村刑事(田口トモロヲ)と吉野刑事(大倉孝二)は なつめの証言を元に、該当の車と接触したスケボー乗りの高校生 国崎春馬(高杉真宙)を見つけ出して話を聞くと、春馬は「車内に女はいなかった。運転手は帽子にメガネにマスクで顔が見えなくて怪しかったけど、芸能人かもしれないと思った」と証言しました。
木村と吉野は最終的に、なつめが視覚障害者で精神科に通院中であることを理由に『事件性無し』と判断して捜査を終わらせました。

捜査打ち切りの連絡を受けたなつめは納得できず、春馬に事情を説明して協力を求めます。




解説・考察・感想など

原作の中国・韓国版『見えない目撃者』は見れていません。
全体的には面白かったんですが、犯人は人をサクサク殺すのに晴馬(高杉真宙)だけ殺さなかったのが不思議で理由もわからずモヤモヤしました。
原作版にヒントがあるかもしれないので、機会があれば見てみようと思います。

ここでは事件解決の糸口になっていた『六根清浄』から、犯人が何をしたかったのかなど考えていきます。

『六根清浄』とは?

六根清浄とは仏教用語の1つで、人間に備わる6つの感覚(六根)である『視覚』『聴覚』『嗅覚』『味覚』『触覚』『意識』を清めることで、心が清められるという教えです。

仏教における最終目標である『涅槃(ねはん)』に達するためには俗世の欲望や執着を捨てる必要があり、修行僧たちは山籠もりするなどして俗世から離れることで六根を清めていました。

かなり簡単に言い換えると『大自然に触れることで全身リフレッシュする』という意味になり、登山好きの人々の間では有名な言葉のようです。

 

日下部(浅香航大)の目的とは?

見えない目撃者

©2019「見えない目撃者」フィルムパートナーズ/©MoonWatcher and N.E.W.

日下部はなつめに「俺はただ沢山人を殺したいだけ そのために警察官になった」と言いました。
殺したいだけなら六根清浄の儀式をする必要はないので、動機がよくわからなくなりました。

手がかりになるのは今から約15年前に起きた六根清浄絡みの殺人事件です。
この事件の犯人は若い女性を殺し、六根に該当する箇所を切断していたところを日下部少年にビデオ撮影されていて、そのビデオが警察に提出されて事件が発覚しました。

個人の想像ですが、警察官になった日下部は人を殺すにあたって殺人願望の原点となった15年前の事件を思い出し、犯人の男に代わって儀式を成し遂げようとしていたのかもしれません。
そして、六根清浄の儀式をすることで自分の罪や日々感じる絶望感を清めようともしていたように感じました。

また、木村刑事(田口トモロヲ)が平山(國村隼)と話したときに「グロテスクを好む人間は、そういう映像を見ると高揚感を得る」と言っていました。
そういえば日下部の犯行現場にはビデオカメラもあり、自宅には殺人の瞬間や切断の瞬間の映像がありました。
だとすると、日下部は初めて高揚感を得た15年前の事件を再現し、高揚感を追体験するために六根清浄をしようとしていたのかもしれません。

 

次のページに続きます!

2ページ目は『なつめが立ち直れた本当の理由』、『他作品との関連』です。




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