映画『この世界の片隅に』すずが実家に帰ろうとした理由、スパイで爆笑する理由について解説考察 | 映画の解説考察ブログ

映画『この世界の片隅に』すずが実家に帰ろうとした理由、スパイで爆笑する理由について解説考察

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ヒューマンドラマ

アニメ映画「この世界の片隅に」の主人公すずと家族との関係について解説考察しています!

すずが周作と別れて実家に帰ろうとした理由、径子の「広島に帰ったら?」の真意、スパイと間違われて家族が爆笑した理由について書いています。

鑑賞済みの方のための考察記事です。
まだ見ていないかたはネタバレにご注意ください。

 

『この世界の片隅に』概要紹介

制作年:2016年
本編時間:129分
制作国:日本
監督・脚本:片渕須直
原作漫画:こうの史代著『この世界の片隅に

主要人物紹介

北條すずのん
旧姓は浦野。広島で生まれ育った少女。
非常にのんびりした性格で、絵を描くのが大好き。
北条周作との結婚を機に呉に移住した。

北條周作細谷佳正
すずの夫。すずとは幼い頃に偶然広島で出会い、大人になってからすずの居場所を探しだして結婚を申し込んだ。
軍法会議の書記官をしている。

黒村径子尾身美詞
周作の姉。気が強くてせっかち。
この時代には珍しく恋愛結婚して北条家から出ていたが、夫が戦死して娘の晴美を連れて北条家に戻ってくる。

黒村晴美稲葉菜月
径子の娘5歳位。おっとりしているがしっかり者で、すずによく懐く。
兄に教えてもらった軍艦が大好き。

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解説、考察

径子の「広島に帰ったら?」の真意

里帰りした径子がすずに「広島に帰ったら?」と言ったのは、恐らく「離婚して広島に帰れ」という意味です。
見る方によって解釈は別れるかもしれませんが、私にはそういう意味で言っていたように見えました。

径子の口調から意味を察した円太郎、サン、周作がとっさに「里帰りしてきたら?」と話をすり替えたので、すずは雰囲気に違和感を覚えつつ素直に里帰りさせてもらいます。

恐らくこの時点で径子はまだすずが『どんくさい女』に見えて、好きになれなかったのです。
径子は長男を黒田家に取られてしまったばかりだったので、若干八つ当たりが混ざっていたような気がしなくもないです。
それに径子自身が黒田と離婚して実家に戻るつもりだったので、径子が戻ったら北条家にすずは必要ないと思っていたのもありそうです。

また、周作がリンと結婚したがっていたことをもし径子が知っていたとしたら、自分でちゃんと結婚したい人と結婚した径子にとっては、周作にも意志を貫いてほしいとも考えていた面もあるかもしれません。




すずがスパイと間違われて家族が爆笑したのはなぜ?

この世界の片隅に

すずと水原 ©2019こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会

すずが畑で港の絵を描いていた時、憲兵がすずをスパイと勘違いして北条家に怒鳴りこみにくるシーンがありました。
家にいた径子とサンは黙って憲兵の話を聞いていましたが、憲兵が帰るとお腹を抱えて爆笑します。

これは、すずの性格をよく知る径子とサンにとっては、すずがスパイと間違われること自体がありえない話で面白かったからです。
感覚的にはアンジャッシュ(お笑いコンビ)の『勘違いコント』を笑う感覚に近い気がします。
最初はすずも「みんな楽しそうだからいいや」程度でしたが、円太郎と周作も大笑いしたので、すずは笑われすぎて最後はイジけてしまいました。

 

すずが実家に帰ろうとした理由

すずが周作に「広島に帰ろうと思う」と話した時、周作は止めますが、すずは聞きませんでした。
理由は少なくとも2つあり、まずひとつ目は『すずは右腕を失って家事が満足に出来なくなったから』です。

この時代の結婚はお見合いが主流で、結婚する理由も『男は女に身の回りの世話をしてもらうため』、『女は男に養ってもらう代わりに家事をして子どもを産み育てる』という合理的な意味が大きかったです。

径子がしたような『恋愛結婚』はまだまだマイナーで、誰もが抱く憧れのようなものでした。
すずがリンに『男の子を生むことの重要性』を話していたことから、すずも恐らく祖母や母から教わっていた当時の主流の結婚概念を理解していたのでしょう。

結婚直後、サンや円太郎の「(サンの)足が悪いから来てくれて助かる」という発言も、結婚の合理的な意味合い(サンの代わりに家事をして欲しい)を強めています。

結婚後、子供を授からなかったすずにとって、家事が出来なくなることは嫁ぎ先に居づらくなる大きな理由になりますし、右手が無いことで多少の介助も必要になるので、北条家に迷惑をかけたくないという思いもあったでしょう。

もうひとつの理由は晴美の死で、恐らくすずが帰りたくなった一番の要因です。
晴美はすずと一緒に居た時に死んでしまいました。
恐らくすずが何よりも耐え難かったのは、晴美の母 径子に対する負い目です。
それがわかるのは、すずが周作の説得には耳を貸さなかったのに対し、径子の許しには涙を流してすがったシーンです。

すずが一緒にいたのに助けられなかった上に自分だけ生き残り、晴美の死を悲しむ径子をそばで見るのが、すずにとって何よりも辛かったのでしょう。
すずは径子に許してもらうことが何よりも重要だったのです。

以上です。読んでいただきありがとうございました。
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