ディズニー長編「アナ雪」の解説、考察をしています!
「アレンデールの王族とトロールの関係」「キスしなくても魔法が解けた理由」「エルサ&アナとラプンツェルの関係」「原作童話『雪の女王』ってどんな話?」などについて書いてます!
鑑賞済みの方のための記事です。まだ見ていない方はネタバレにご注意ください(_ _)
制作年:2013年
本編時間:102分
制作国:アメリカ
監督:クリス・バック、ジェニファー・リー
脚本:ジェニファー・リー
原作小説:ハンス・クリスチャン・アンデルセン著『雪の女王』
映画『アナと雪の女王』は楽天TVで見られます!
※このページの情報は2023年8月時点のものです。最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。
声優キャスト&キャラクター紹介
(引用:https://twitter.com)
アナ…クリステン・ベル、神田沙也加
幼少時代…台詞:リビー・スタベンラッチ、稲葉菜月 歌:ケイティー・ロペス、アガサ・リー・モン、諸星すみれ
アレンデール王国の第2王女。
18歳のお転婆娘。
氷の魔法が使える姉のエルサがいるが、エルサの魔法のことは幼い頃の怪我が原因で記憶から消されている。
好きな食べ物はサンドイッチ。
(引用:https://twitter.com)
エルサ…イディナ・メンゼル、松たか子
幼い頃…エヴァ・ベラ、佐々木りお
10代…スペンサー・レイシー・ガーナス、小林柚葉
アナの姉の第一王女、21歳。
生まれつき手で触れた物を凍らせる魔法が使える。
性格はアナとは反対で、知的で大人しい。
幼い頃に魔法で遊んでいてアナを命の危険にさらしたことから、人と近づくことを恐れるようになる。
(引用:https://twitter.com)
クリストフ…ジョナサン・グロフ、原慎一郎
山の中で暮らす21歳の青年。
氷を売って生計を立てている。
相棒のトナカイ・スヴェンといつも一緒にいる。
『オーケンの店』でアナと出会い、行動を共にすることになる。
(引用:https://petitwings.com)
オラフ…ジョシュ・ギャッド、ピエール瀧→武内駿輔
エルサが魔法で作り、命を宿した雪だるま。
山の中でアナと出会い、一緒にエルサの所へ行く。
夏に憧れを抱いている。
(引用:https://twitter.com)
ハンス王子…サンティノ・フォンタナ、津田英佑
アレンデール王国の隣の国サザンアイルスの王子で、13人兄弟の末っ子23歳。
エルサの戴冠式の日にアナと出会って恋に落ちる。
・その他のキャスト
ウェーゼルトン公爵(貿易国の老紳士)…アラン・テュディック、多田野曜平
オーケン(『オーケンの店』の主人)…クリス・ウィリアムズ、北川勝博
マシュマロウ(雪男)…ポール・ブリッグス、藤原貴弘
パビー(トロールの長)…キーラン・ハインズ、安崎求
ブルダ(トロールのおばさん)…マイア・ウィルソン
カイ(お城の使用人)…ステファン・ジョン・アンダーソン、飯島肇
ゲルダ(お城の使用人)…エディ・マックラーグ ほか
あらすじ起:
(魔法で遊ぶエルサとアナ 引用:http://dailybreakingnews.unaux.com)
物語の主人公はアレンデール王国の王女姉妹エルサとアナです。
アナは普通の人間ですが、エルサは生まれつき『氷を操る魔法』が使えました。
アナとエルサは幼い頃は毎日仲良く魔法で遊んでいましたが、ある日エルサの飛ばした魔法がアナの頭に直撃してしまいました。
アナは意識不明のまま目覚めず、慌てた国王と王妃は急いで古い資料を漁り、アナとエルサを岩の妖精トロールの暮らす山奥に連れて行きました。
トロールの長老パビーはアナから魔法の氷を取り除き、念のためにアナから『魔法に関する記憶』も全て消しました。
パビーはエルサに「魔法は成長と共に強くなる。恐怖心を抱くと魔法は暴れだすから、感情に気を付けなさい。」と忠告しました。
エルサの魔法を恐れた国王と王妃はエルサにアナと遊ぶことを禁じ、さらに国民にも危険が及ばないようにエルサをお城に閉じ込めて門を閉ざしました。
エルサ自身もアナをケガさせてしまったことと、日に日に強くなる魔法への恐怖心から部屋に閉じこもるようになりました。
一方、魔法のことも事故のことも忘れているアナはその後も毎日エルサを遊びに誘いますが、エルサは遊ぶどころか会話もまともにしてくれませんでした。
アナは突然エルサが冷たくなった理由がわからず淋しい幼少時代を過ごしました。
年月は流れ、エルサとアナが十代後半になったある日、国王と王妃が海難事故で亡くなってしまいました。
さらに3年後。エルサは21歳になると同時に女王に即位するための戴冠式が行われ、この日だけは いつも閉ざされているお城が解放されます。
式が始まる数時間前。アナは隣の国サザンアイルスの王子ハンスと出会って恋に落ち、その日の内に結婚の約束も交わしました。
アナが大喜びでエルサに婚約を報告すると、エルサは驚いて「出会ったその日に結婚なんて絶対に認めません」と答え、アナの言い分を聞こうともせず立ち去ろうとしました。
(エルサに婚約報告するアナとハンス王子 引用:https://www.pinterest.jp)
怒ったアナはエルサがいつもはめている両親の形見の手袋を取り上げて、今のような閉ざされた生活には耐えられないと必死に訴えました。
この時 動揺したエルサはうっかり魔法を使ってしまい、アナとその場にいた人々は驚きました。
人々の視線に耐えられなくなったエルサは街から逃げて山に行き、ひとりであることに心地よさを覚えると魔法で山の頂上に豪華な氷のお城を建てて、これからもずっとひとりで生きていくことに決めました。
エルサの魔力の影響で夏だったアレンデールは冬になり、川や港まで凍りついたので船で他国から来ていたゲストはアレンデールから出られなくなってしまいました。
密かにアランデール国の財産を狙っていたウェーゼルトン国のウェーゼルトン公爵は「あの危険な魔女を追いかけて捕まえろ!」とわめきます。
責任を感じたアナは、国とお城の守りをハンスに任せると、ハンスの馬でエルサを追いかけてひとりで山に入りました。
(エルサが作った氷のお城 引用:https://www.rotoscopers.com)
あらすじ承
数時間後、アナは馬とはぐれて道に迷った末に凍え死にそうになり、山中にあった『オーケンの店』に立ち寄りました。
アナはそこで、山を愛する氷売りの青年クリストフと相棒のトナカイ スヴェンに出会います。
アナはクリストフを雇い、エルサがいるノースマウンテンまで連れていってもらうことにしました。
やがてノースマウンテンに近づいたアナ達は、オラフと名乗る動いて喋る雪だるまと出会いました。
オラフは姉妹が幼い頃に一緒に作った雪だるまにそっくりで、アナはオラフの「ぎゅーって抱きしめて!」という言葉を聞くと、パビーに消された魔法に関する記憶が蘇りました。
(オラフと出会ったアナ、クリストフ、スヴェン 引用:https://www.rotoscopers.com)
その後、アナ、クリストフ、スヴェン、オラフはエルサが作った氷のお城の前にたどり着きました。
アナは2人きりでエルサと会って「アレンデールに帰ろう」と説得しますが、エルサは「私は帰らない。離れていればもう誰も傷つけなくてすむ」の一点張りです。
アナとエルサは口論になり、今度はエルサの魔法がアナの胸に直撃してしまいます。
アナは胸の痛みを我慢して話し合いを続けようとしますが、エルサは魔法で巨大な雪男マシュマロウを出現させると、アナ達を無理やりお城から追い出しました。
アナたちは作戦を考えることにして一旦退避していると、やがてアナの髪に白髪が急に増えてきました。
クリストフは「知り合いに頼めば何とかしてもらえるかも」と言い、アナをトロール達の所に連れて行きます。
あらすじ転
クリストフは幼い頃からトロール達を家族同然に育ってきていました。
トロールのパビーにアナを見てもらうと、パビーは「胸に刺さった氷はどうすることもできない。氷を溶かすには『真実の愛』が必要だ。
このままだと、君はもうじき凍って死んでしまう」と告げました。
そうこうする内にアナはみるみる弱っていきます。
ハンス王子がアナにキスすれば助かるに違いないと考えたクリストフは、アナを連れてアレンデールへ急ぎました。
その頃、ハンス王子と部下はアナたちと入れ違いでエルサのお城にたどり着きます。
ハンスによってマシュマロウは退治され、エルサは強制的にアレンデールに連れ戻されて牢屋に監禁されました。
その後、クリストフはアレンデールに到着し、お城の従者にアナを渡しました。
アナがハンスに事情を説明してキスをせがむと、ハンスは豹変して「君とエルサには死んでもらって、私がアレンデールの国王になる」と言い、穴を寒い部屋に閉じ込めました。
(ハンスに裏切られるアナ 引用:https://alexbledsoe.com/)
13人兄弟の末っ子だったハンスは故郷サザンアイルスの王になれず、国王になるために別の国の王女との結婚を望んでいました。
ハンスは元々は王女であるエルサが独身と知って戴冠式に出席しましたが、エルサをオトすのは難しそうだったのでアナを狙うことにしたのです。
ハンスは部屋から出ると、すぐに「アナはエルサの魔法で死んだ エルサは死刑にする」と宣言しました。
その後ハンスはエルサに死刑を知らせに牢屋に行くと、エルサは魔法で外に逃げていました。
(髪が真っ白になってしまったアナ 引用:https://www.pinterest.jp/)
その頃、クリストフは山に戻りながらアナへの恋心を封印しようとしていましたが、ふと見るとアレンデール全体が見たこともない猛吹雪に包まれていました。
クリストフはアナが心配になり、すぐにスヴェンと共にアレンデールに戻りました。
あらすじ結
その頃、寒さでうずくまっていたアナの前にオラフが現れて暖炉に火をつけてくれました。
アナはオラフと話してクリストフに好かれていたことを知ると、クリストフとキスするためにオラフと一緒にお城から出ました。
アナがお城の庭に出ると同時に、庭の真ん中で泣き崩れるエルサと、エルサの命を狙うハンスが見えました。
エルサはハンスから「アナが魔法で死んだ」と聞かされて泣いています。
アナはエルサを守ろうとハンスの前に立ちはだかり、そのまま完全に氷りついてしまいました。
(凍ったアナ 引用:http://dailybreakingnews.unaux.com)
エルサは氷ったアナを抱きしめて号泣します。
すると、エルサの涙でアナの氷が溶けていき、アナは元の元気な姿に戻りました。
エルサとアナの『真実の愛』が氷の魔法を解いたのです。
愛の力で魔法が操れることを知ったエルサはアレンデール中の氷を溶かし、季節を元通りの『夏』に戻しました。
溶けそうになってしまったオラフは、エルサに『オラフ専用の雪雲』を作ってもらい、アナとエルサと一緒にお城で暮らすことになりました。
ハンス王子は捕えられ、アナが思いきり殴ってからサザンアイルスに強制送還されました。
アレンデールの財産を狙っていたウェーゼルトン公爵は絶縁宣言して追い出しました。
アナは壊れてしまったクリストフの雪ぞりを弁償し、最新式のそりをプレゼントします。
クリストフは喜んでアナにキスをして、2人は恋人になりました。
約15年間締め切られていたお城の門は再び開かれました。
エルサは魔法でお城の庭一面をスケート場に変えて、アナと一緒に滑って遊びました。
(仲直りしたアナとエルサ 引用:https://flipscreened.com)
『LET IT GO』エマニュエル・キリアコウ、アンドリュー・ゴールドスタイン
日本語版:『Let It Go~ありのままで~』May J
・挿入歌
・『VUELIE』フローデ・フェルハイム、クリストフ・ベック
・『FROZEN HEART』英語版声優陣
日本語版:『氷の心』小西のりゆき、Kuma、岡田誠、村上勧次朗、加藤凱也、鹿志村篤臣、朝隈濯朗、根本泰彦
・『DO YOU WANT TO BUILD A SNOWMAN?』クリステン・ベル、アガサ・リー・モン、ケイティー・ロペス 日本語版:『雪だるまつくろう』神田沙也加、稲葉菜月、諸星すみれ
・『FOR THE FIRST TIME IN FOREVER』クリステン・ベル、イディナ・メンゼル
日本語版:『生まれて初めて』神田沙也加、松たか子
『LOVE IS AN OPEN DOOR』クリステン・ベル、サンティーノ・フォンタナ
日本語版:『とびら開けて』神田沙也加、津田英佑
『LET IT GO』イディナ・メンゼル
日本語版:『Let It Go~ありのままで~』松たか子
『REINDEER(S)ARE BETTER THAN PEOPLE』ジョナサン・グロフ
日本語版:『トナカイのほうがずっといい』原慎一郎
『IN SUMMER』ジョシュ・ギャッド
日本語版:『あこがれの夏』武内俊輔
『FOR THE FIRST TIME IN FOREVER(REPRISE)』クリステン・ベル、イディナ・メンゼル
日本語版:『生まれて初めて(リプライズ)』神田沙也加、松たか子
『FIXER UPPER』マイア・ウィルソン&キャスト
日本語版:『愛さえあれば』杉村理加、安崎求
解説、考察、感想など
気になった点などを解説していきます!
エルサたち王族とトロールの関係
アナが幼少時代にエルサの魔法を頭に食らった時に、国王が見ていた古そうな本が登場しました。
あの本には、トロールの住み家が標されている地図と、トロールが人間に何か術をかけている絵(『トロールがアナの魔法を取り除いてくれた』という事を知っている前提で見ると、トロールが人間から魔法を取り除いているように見えます。)が描かれています。
これは魔法で困った時の対処法が書かれている本で、この本が昔からあるということは、アナとエルサの先祖もまた『魔法の存在を知っていて、昔からトロールの一族と少なからず交流がある』ということです。
国王と女王がアナとエルサをパビー(トロールの長)に見てもらった時、パビーも慣れた対応をしていたことも、トロールと王族が長年にわたって関係があったことを表しています。
王族の人間は魔法のことで困ったことがあればトロールを頼り助けてもらう代わりに、王族は人間達にトロールの住み家と魔法のクリスタルを一切荒らさない、近づかないという約束をしていたのでしょう。
アナがキスされなくても魔法が溶けた理由
結局アナはキスしなくても魔法が解けて生き返りました。
あの展開に驚いた人も多かったのではないでしょうか。
話の流れとしては『アナの胸に刺さった氷は真実の愛のキスがないと溶けない』という雰囲気で進んでいましたが、ここでパビーのセリフを思い出してみましょう。
パビーは「凍った心を溶かせるのは『真実の愛』だけなんだ」と言っています。
実は、パビーは『キス』とは一言も言っていません。
魔法を解くのに必要なのは元から『真実の愛』だけだったんですね。
キスどうこう言いだしたのは、パビーの後ろに立っていたおばさんトロールのブルダです。
もしかしたら、クリストフがアナにキスすれば良いと思って親心から言ってしまったのかもしれません。
ブルダの発言のおかげでアナとクリストフは勘違いしてしまい、結果、私たち観客もキスが必要だと思い込んでしまったわけです。
わかりづらかったのでアナの魔法が解けたときにでもパビーのセリフを流して欲しかったですw
魔法が解けるまでの過程を振り返ると、結局エルサの魔法を解けるのはエルサだけだったということになります。
誰の愛でもいいなら、幼少期にアナが魔法に当たった時、両親の愛で魔法が解けていても良いですもんね。
エルサもアナに対して両親と同じ位愛情を持っていたと思いますが、パビーがエルサに「恐怖心が敵だ」と言っていたように、愛情よりも恐怖心が勝っている間はエルサの魔法は解けなかったようです。
愛さえあれば魔法が解けていたのであれば、アナが胸に魔法が当たってもすぐに解けていたはずです。
エルサの中で初めて愛が恐怖に勝ったのが、アナが身を挺してエルサを守ってくれた時だったのでしょう。
アナの魔法が解けた時、エルサは初めて愛と恐怖と魔法の関係がわかったんですね。
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