2ページ目
ダンブルドアの計画はどういうものだったのか
ダンブルドアはハリーがヴォルデモートの分霊箱になっていることにかなり早い段階で気付いていました。
恐らくダンブルドアはハリーを生かしてヴォルデモートの分霊(魂の一部)だけを除去する方法を熟考した結果、ヴォルデモートが『ハリーの杖』で死の呪い(アバダケダブラ)を放ち、ハリーがそれを受ければ実現するかもしれない、むしろそれしかハリーが生き残れる可能性は無いと結論付けていたのではないでしょうか。
元々のハリーの杖とヴォルデモートの杖は兄弟杖だったので、ヴォルデモートがハリーを殺すために新たな杖を求めるのは明らかでした。
また、ヴォルデモートがニワトコの杖の存在を知ったタイミングは、杖職人やグリンデルバルドを尋問した時期からするとかなり最近(少なくともルシウスの杖が壊れた後)です。
タイミングから考えると、ヴォルデモートにニワトコの杖の存在を知らせたのはスネイプです。
これらから推測するとダンブルドアは、ヴォルテモートにハリーの杖を持たせるためにニワトコの杖とその特性に賭けたのです。
ニワトコの杖に関するデマ情報をヴォルデモートが信じていたのも、ダンブルドアとスネイプの根回しによるもので計画の一部だったと思われます。
杖の忠誠が移る正しい方法をヴォルデモートが知ってしまうと作戦が成功しないからです。
突き詰めていくとヴォルデモートがダンブルドアを殺す役目にドラコを指定した点も、スネイプが陰で誘導してヴォルデモートに選ばせた可能性が高くなります。
ドラコに杖の忠誠を移しておくことが、ドラコからハリーに杖の忠誠が移る可能性が高まりますが、エクスペリアームスを誰が誰にするかというのはもう予測不能なのでダンブルドアに出来るのはここまでで、実際にヴォルデモートがハリーを殺す時点でニワトコの杖の忠誠がハリーにあるかどうかはイチかバチかの賭けだったということになります。
ではなぜダンブルドアはニワトコの杖の忠誠に関する情報をハリーに教えていなかったのかを考えると、たとえヴォルデモートがハリーの杖でハリーにアバダケダブラしたとしても、事前に検証も出来ないので確信が無かったからではないかと想像しています。
ダンブルドアはなぜハリーに蘇りの石を託したのか
蘇りの石をスニッチに隠したのはダンブルドアです。
上の項に書いたように、ダンブルドアはハリーからヴォルデモートの魂を除去しても死なないようにできる限りの努力はしたものの、必ず生き残れる確証が無かったと思われます。
そうなると、ハリーには分霊箱を破壊するために死ぬ覚悟で挑んでもらわなければなりません。
なので、ダンブルドアの狙いは恐らくハリーに愛する死者達と再会させることで、死に対する恐怖を少しでも和らげること、もしくは愛する者をヴォルデモートに奪われたという事実を再確認してもらい、ヴォルデモートを倒すためなら死んでも構わないと思ってもらう(死への恐怖の克服)ためだったと解釈しています。
ハリーが蘇りの石とニワトコの杖を捨てたのはなぜ?
ハリーが死ぬ覚悟を決めた時、スニッチの中から蘇り石が出てきました。
これはダンブルドアが仕込んでいたものです。
ハリーは石の力で死んでしまった愛する人々(両親、ルーピン、シリウス)と再会して話をします。
ハリーがリリーに触れられなかった点を踏まえると、蘇りの石は死者に命を与えて生き返らせるものではなく、死者の魂を現世に呼び寄せるものだということがわかります。
『三人兄弟の物語』において、次男は石を使って愛する人の魂を現世に呼びますが、最終的には愛する人と本当に一緒になれることを望んで自ら死を選びました。
また、ダンブルドアも蘇りの石で家族を呼び戻そうと試みてしまい、大幅に寿命を縮めてしまいました。
ハリーは過去に石を使った人たちが幸せになっていない事実を知って、もう誰も蘇りの石を手にすることがないように捨ててしまったのではないでしょうか。
ハリーがニワトコの杖を捨ててしまった理由も同じで、この杖そのものが争いの種になりますし、『死』もそれを知った上でこの杖を作っているからです。
スネイプとリリーの守護霊が同じだった理由
(引用:https://www.mugglenet.com)
ハリーが憂いの篩でスネイプの記憶を見ると、スネイプとリリーの守護霊が同じ女鹿だったことがわかりました。
恐らくスネイプとリリーの守護霊が同じ動物だったのは、スネイプが一途にリリーを愛し続けたからで、リリーがハリーを命をかけて守ったように、スネイプもハリーを命をかけて守ったから(スネイプの生きる目的、何のために死んだかもリリーと同じだった、スネイプの心は常にリリーにあった)ことに関係していると思われます。
ハリーはなぜ生き返った?
ハリーが死を覚悟した直後に蘇りの石が現れたので、石の力が関係あるのかとも思いましたが、上の項にも書いてますが蘇りの石は死者を生き返らせるものではなく魂を現世に呼び寄せるものなので、石は関係ありませんでした。
ではなぜハリーは死なずに済んだのでしょうか。
こちらもダンブルドアの計画の項と内容がかぶってしまいますが、分霊箱であるハリーがヴォルデモートの分霊だけを除去して生き残る可能性として、ダンブルドアはヴォルデモートがハリーの杖でハリーを殺そうとすれば、杖の忠誠心によりハリーは死なずに済むかもしれないという仮説を恐らくですが立てていました。
ハリーが死なずに済んだのは、ダンブルドアの仮説が正しかった証拠ということなのでしょう。
ヴォルデモートがニワトコの杖でハリーを殺そうとしたとき、杖の忠誠心はハリーにありました。
杖の忠誠心がどれほどのものかはわかりませんが、オリバンダーとの会話から察すると、その忠誠心はあなどれず、本来の持ち主を守ろうとする力は強い可能性が高いです。
なのでニワトコの杖はハリーを守ろうとして、ハリーの中にいたハリーではないもの(ヴォルデモートの分霊)に呪いを向けたのではないかと想像しています。
もしくは単純に杖の主がヴォルデモートではなかったため、呪いが不完全だった可能性も考えられます。
ヴォルデモートはどうなったのか
ハリーがアバダケダブラを受けて死にかけた時、駅のような場所にいて、ダンブルドアはそこを『生と死の間のような場所』と言っていました。
ハリーが椅子の下に見つけた矮小な生き物は顔からしてヴォルデモートなので、これはハリーの魂の隅に潜んでいたヴォルデモートの魂の一部であり、ハリーから引き離され、魔法を受けて衰弱しきっていると思われます。
死の呪いを受けたはずなのにハリーもヴォルデモートの魂も死んでいないということは、やはりニワトコの杖はヴォルデモートの言うことを聞かず、別の魔法を出していたのかもしれませんね。
ヴォルデモートを倒すには全ての分霊箱を壊すことが必須でしたが、見方を変えるとヴォルデモートは全ての分霊をちゃんと壊さないと死ねないということになります。
他の分霊と本体は剣かバジリスクの牙で昇華していたように見えましたが、ハリーにくっついていたこの分霊は衰弱しているもののまだ生きていました。
恐らくヴォルデモートがもう現世に生き返ることはありませんが、完全に死ぬこともできなくなっていると思われます。
ダンブルドアはこの分霊を「我々に彼を救うことは出来ない」と言って放置しました。
もしかしたらこの分霊を何とかできればヴォルデモートは本当の意味で死ぬかもしれませんが、生と死のはざまにいるハリーとダンブルドアは恐らく杖を持っていませんし、あれに近づくと何をされるかわからないので近づきたくありません。
死神や天使のような存在か、あの世界に来た別の誰かが『死』へ向かう列車にでもあれを乗せてくれれば成仏できそうな気がするので、いつかそうなることを願います。
以上です!読んでいただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらハートマークを押してもらえると嬉しいです(^^)
・関連記事
・参考サイト様一覧
感想などお気軽に(^^)