映画『ファンタビ2』の解説、考察をしています!
ハリー・ポッターシリーズの続編で、ハリー達が生まれる前の世界を描くファンタビシリーズ第2作。
世界征服をもくろむ闇の魔法使いグリンデルバルドが本格始動する。
制作年:2018年
本編時間:134分
制作国:イギリス、アメリカ
監督:デヴィッド・イェーツ
脚本:J・K・ローリング
関連書籍:『ハリー・ポッター』シリーズ、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 』/J・K・ローリング著
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主要キャスト紹介
(引用:https://www.hellomagazine.com)
ニュート・スキャマンダー…エディ・レッドメイン
青年時代…ジョシュア・シェー
イギリス人魔法使いで変わり者な魔法生物学者。
魔法動物に関する本を完成させ、前作でグリンデルバルドを捕まえたこともあり世間的にも有名人になっている。
ホグワーツ時代の恩師ダンブルドアに頼まれてパリに居るクリーデンスの捜索をする。
(引用:https://www.catholicweekly.com.au)
ゲラート・グリンデルバルド…ジョニー・デップ
青年時代…ジェイミー・キャンベル
闇の魔法使い。前作でニュートが捕えてマクーザに収容されていたが、マクーザ内部に信奉者を作って移送中に脱走する。
魔法使いも人間も関係無く、グリンデルバルドと信奉者だけの世界を作ろうとしている。
純血の魔法使いを信奉者に集めて戦争の準備中。
© 2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. Wizarding WorldTM Publishing Rights © J.K. Rowling WIZARDING WORLD and all related characters and elements are trademarks of and © Warner Bros. Entertainment Inc.
ティナ・ゴールドスタイン…キャサリン・ウォーターストン
MACUSA(アメリカ合衆国魔法議会、通称マクーザ)の職員の闇祓い。
前作で死んだと思われたクリーデンスが生きてパリにいると情報を受け、保護するクリーデンスを捜索中。
前作ではニュートとの間にほのかな恋が芽生えていたが、ニュートが婚約したというゴシップ雑誌の虚偽情報を鵜のみにして傷ついている。
(引用:https://www.kapanlagi.com)
クリーデンス・ベアボーン…エズラ・ミラー
オブスキュラスを宿す青年。
ノー・マジが運営する孤児院で暮らしていたが、魔法使いを親に持つスクイブ(魔法が使えない人物)だった。
前作で死んだと思われていたが生還していたことが判明。
孤児院の書類から生まれ故郷がパリと知り、移動サーカスで出会ったナギニと一緒に出自を探る。
(引用:https://www.pedestrian.tv)
アルバス・ダンブルドア…ジュード・ロウ
青年時代…トビー・レグボ
イギリス人魔法使いでホグワーツ魔法学校の『防衛術』担当教師。
教え子のニュートにクリーデンスの救出を依頼する。
リタ・レストレンジ(テセウスの婚約者)…ゾーイ・クラヴィッツ、テア・ラム、ルビー・ウールフェンデン
テセウス・スキャマンダー(ニュートの兄、闇祓い)…カラム・ターナー
グリムゾン(闇祓い)…イングヴァール・シーグルトン
トーキル・トラバース…デレク・リデル
ステビンズ(闇祓い)…バート・ソロチンスキー
■闇の魔法使い
アバナシー(クイニーの上司)…ケヴィン・ガスリー
ロシエル…ポッピー・コービー・チューチ
クラフト…サイモン・ミーコック
クロール…デヴィッド・サクライ
■その他
クイニー(ティナの妹)…アリソン・スドル
ジェイコブ・コワルスキー(クイニーの恋人、ノー・マジ)…ダン・フォグラー
クリーデンス・ベアボーン(スクイブ)…エズラ・ミラー
ニコラス・フラメル…ブロンティス・ホドロフスキー
マレディクタス(ナギニ)…クラウディア・キム
ユスフ・カーマ…ウィリアム・ナディラム、イサーク・ドミンゴス
スピールマン(国際魔法使い連盟)…ウルフ・ロス
アーノルド・グズマン(国際魔法使い連盟)…コーネル・ジョン
バンティー(ニュートの補佐)…ビクトリア・イェーツ
セラフィーナ・ピッカリー(マクーザ議長)…カルメン・イジョゴ
アーマ・ドゥガード(ハーフエルフ)…ダニエル・ヒューズ
スケンダー(移動カーニバル団長)…オラフル・ダッリ・オラフソン
ミネルバ・マクゴナガル…フィオナ・グラスコット
マクラーガン(ホグワーツの生徒)…アルフィー・シモンズ
ユーラリー・ヒックス(イルヴァーモーニー魔法魔術学校の教授)…ジェシカ・ウィリアムズ
コーヴァス・レストレンジ・シニア(リタの父)…キース・チャンター
ロレナ・カーマ(リタとユスフの母)…イサウラ・バルベ・ブラウン
ムスタファ・カーマ(ユスフの父)…ヒュー・クオーシー
クリーデンスのおば…リンダ・サンティアゴ
バケツのポート・キーの男…デヴィッド・ウィルモット ほか
前作からの変化など
舞台は1927年のイギリスです。
魔法が使えない人間はイギリスでは『マグル』、アメリカでは『ノー・マジ(ノーマジックの略)』と呼ばれています。
イギリス魔法省に相当する組織は、アメリカ合衆国魔法議会(MACUSA通称『マクーザ』)です。
イギリスでは許されている魔法動物の飼育がアメリカでは違法とされていて、有害な魔法動物は全て駆除対象となっています。
動物を愛する主人公ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)は、そんな動物に厳しい世界を変えるため、彼らと共生できる世界を作ろうと奮闘しています。
ニュートは前作でグリンデルバルドを捕まえたことで有名人になり、前作で書きかけていた本『幻の生物とその生息地』も完成しています。
前作で仲良くなったマクーザの闇祓いティナ(キャサリン・ウォーターストン)に、ニュートは今でも恋心を抱いています。
前作でニュートが捕えた闇の魔法使いグリンデルバルド(ジョニー・デップ)は、アメリカからイギリスへの輸送中に信奉者の助けを借りて脱走しました。
グリンデルバルドは戦争の際大きな戦力になる純血の魔法使いを集めて、新世界創造計画の準備中です。
一方、前作で死んだと思われていたオブスキュラスを宿す青年のクリーデンス・ベアボーン(エズラ・ミラー)は生還していたことが判明します。
クリーデンスは孤児院の書類から故郷がパリだと知り、彼自身の出自を知るためにパリで両親や家族、その関係者を探しています。
魔法省がクリーデンスを保護しようと捜索する中、グリンデルバルドもクリーデンスを仲間に引き込もうと画策しています。
あらすじ:起
© 2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. Wizarding WorldTM Publishing Rights © J.K. Rowling WIZARDING WORLD and all related characters and elements are trademarks of and © Warner Bros. Entertainment Inc.
グリンデルバルドの逃亡から3か月後。
ニュートはイギリス魔法省に『国外旅行禁止条例』の撤廃を嘆願しに行きますが、交換条件として魔法省に就職し、ニュートの兄テセウスと一緒に闇祓いになり、パリに居るクリーデンスを探し出し、グリンデルバルドの手にかかる前に保護するのを手伝ってほしいと頼まれました。
どうしても気が進まなかったニュートは条例の撤廃も諦めて、テセウスの説得も振り切って帰宅しました。
ニュートが断ったため、クリーデンス探しはテセウスの同僚の闇祓いグリムソンが担当することになりました。
その後、ニュートはホグワーツ時代の恩師アルバス・ダンブルドア(ジュード・ロウ)に呼ばれ、またも「クリーデンスを助けてやって欲しい」と頼まれます。
この時ダンブルドアは、クリーデンスがフランスで有名な純血魔法使い家系の末裔で、ニュートも良く知る同級生リタ・レストレンジ(ゾーイ・クラヴィッツ)がクリーデンスの実の姉かもしれないと言いました。
ニュートがどうしようか悩んでいると、前作で仲良くなったノー・マジのアメリカ人ジェイコブ(ダン・フォグラー)と、ティナの妹でジェイコブの恋人のクイニー(アリソン・スドル)が突然ニュートを訪ねてきます。
ニュートはクイニーから、ティナもクリーデンスを探してパリにいることや、『ニュートとリタ婚約』というゴシップ雑誌の虚偽情報をリタが信じてしまい、現在傷心中だと聞かされました。
さらに、クイニーとジェイコブが結婚問題で喧嘩してしまい、クイニーはジェイコブを置いてティナのいるパリに行ってしまいます。
ニュートはダンブルドアの依頼を受けてティナの誤解も解くことを決意、ジェイコブはクイニーと仲直りするため、条約違反を犯して一緒にパリに行きました。
あらすじ:承
パリに着いたニュートとジェイコブは、魔法の痕跡や足跡から、ティナが接触したと思われる魔法使いユスフ・カーマに会いました。
ユスフはニュートとジェイコブをティナに会わせてくれますが、「もしもクリーデンスが私の弟なら、彼を殺さなければ」と言い倒れてしまいました。
ニュートはダンブルドアから「困った時は頼れ」と住所を渡されていた人物ニコラス・フラメルを訪ねてユスフを運び込んだ後、移動サーカスから逃亡してパリをさ迷っていた中国生まれの魔法動物『ズーウー』を保護しました。
ユスフが倒れた原因が寄生虫だったことがわかり、ニュートは寄生虫を取り除いて情報を引き出そうとしますが、ユスフはまだ毒が回っていてまともに喋れません。
そうこうしている内に、グリンデルバルドが仲間を招集する合図となる黒い垂れ幕が街中に現れました。
時間が無いと判断したニュートとティナはユスフの見張りをジェイコブに任せ、フランス魔法省に保管されているレストレンジ家の家系図を確認しに行きます。
そこでレストレンジ家の家系図を持ち去ろうとしていたリタと出会いますが、家系図はそこになく『ペール・ラシェーズ墓地に移動した』というメモが残されていました。
あらすじ:転
ペール・ラシェーズ墓地はレストレンジ家のお墓がある墓地でした。
墓地に着いたニュート、ティナ、リタは、既に墓地内に居たユスフ、クリーデンス、ナギニ、ジェイコブと出会います。
ジェイコブはクイニーがこの墓地に居ることをニコラス・フラメルの水晶玉で知って駆け付けていて、ユスフはクリーデンスがこの墓地に居ると知って駆け付け、クリーデンスとナギニはグリンデルバルドに墓地に行ってみろと言われて手がかりを探しに来てました。
この時、ユスフがなぜクリーデンスを殺そうとするのか明らかになりました。
ユスフの両親ムスタファ・カーマとロレナはフランス領セネガル名門の純血魔法使いで仲睦まじい家族でしたが、ある日ロレナが純血貴族の魔法使いコーヴァス・レストレンジ・シニアに見初められます。
レストレンジ・シニアはロレナに服従魔法をかけて連れ去り、無理やり妻にしました。
その後、ロレナはレストレンジとの間にできた女の子リタを生んだ直後に死亡します。
ロレナの死から3か月後にレストレンジは再婚しますが、愛のない結婚でした。
それでも初めての長男が生まれると、レストレンジはコーヴァス・レストレンジ・ジュニアと名付けて溺愛しました。
一方、ロレナの死を知ったムスタファは精神的ショックから病を患い、そのまま死んでしまいます。
ムスタファはユスフに「レストレンジ・シニアの最愛の者を殺して復讐しろ」と遺言を残しました。
復讐を知ったレストレンジは、ジュニアを隠すために召使いのアーマ・ドゥガードにジュニアとリタを預け、ベアボーンの孤児院に行かせました。
そしてユスフは調査の結果、クリーデンスがレストレンジ・ジュニアだと判断して殺しに来たと語りました。
しかし、ユスフの話を聞いたリタは「弟はもう死んでいる。私が殺した」と言い出しました。
リタはジュニアとアーマと一緒に乗ったアメリカ行きの船の中でジュニアの鳴き声に耐えられなくなり、同じ船に乗っていた大人しい男の子の赤ちゃんとジュニアを入れ替えてしまいました。
コーヴァスが泣き止んだら元に戻すつもりでしたが、船は嵐に襲われ、リタは赤ちゃんを元に戻す間もなく救命ボートに乗せられました。
そしてジュニアが載っていたもう1つの救命ボートは転覆してしまい、その子は海に沈んで溺れ死んだと打ち明けました。
その後、アメリカに着いたアーマは赤ちゃんがすり替わっていることに気付かないまま、ベアボーンの孤児院に預けてしまったそうです。
リタが取り換えた男の子の正体はリタ自身も知りませんでした。
リタは証拠を示すかのように墓地に置かれていたレストレンジ家の魔法の家系図を開くと、コーヴァス・レストレンジ・ジュニアは死亡したことになっていました。
あらすじ:結
その時、墓地の壁が開いて秘密の通路が現れました。
地下ではグリンデルバルドの集会が開かれようとしています。
聴衆の中にクイニーを見つけたジェイコブは、すぐに一緒に脱出しようとしますが、クイニーは「演説を聞くだけ聞きたい」と譲りません。
ニュートとティナは、家系図を墓地に移動したのはクリーデンスを集会におびき寄せるための罠だったと気づきますが、もう脱出出来なくなっていました。
やがて集会が始まると、グリンデルバルドは「選ばれた崇高な魂を持つ者だけに魔法は与えられた。
我々が作る新世界で重んじるのは『自由』と『真実』と『愛』だ。
ノー・マジやマグルは魔法使いとは別の種族だ。
彼らには私達とは違う価値があり『使い道』があるから、我々に従う者まで滅ぼす必要は無い。
ただし、権力欲と暴力性を持つマグルや魔法使いは別だ。
彼らは我々を排除しようと戦争を始めるだろう。
我々は戦争に勝ち、狂暴なマグルや魔法使いは全滅させなければならない」と持論を披露しました。
そこにグリンデルバルドを捕まえようと魔法省が駆けつけると、グリンデルバルドは集会の解散を告げて『プロテゴ・ディアポリカ(悪魔の護り)』の青い炎を出現させて、魔法省の魔法使いを次々に殺していきます。
そんな中、クイニーとクリーデンスがジェイコブとナギニの反対を押し切ってグリンデルバルドの仲間になってしまい、リタはグリンデルバルドを殺そうとして殺されました。
その後、グリンデルバルドは逃亡して争いは終わりますが、クイニーとクリーデンスを止められなかったことと、リタの死に対する悲しみが彼らを包みました。
そんな中、ニフラーがグリンデルバルドの『血の契りのネックレス』をくすねていたことが唯一の戦利品になりました。
血の契りは『交わしたもの同士は絶対に戦えない』という契約魔法で、グリンデルバルドとダンブルドアが過去に交わしたものです。
ニュートはダンブルドアに結果を報告しに行き、ネックレスを渡しました。
グリンデルバルド質はオーストラリアの山間にあるヌルメンガンド城に潜伏していました。
グリンデルバルドはクリーデンスに魔法の杖をプレゼントし、彼が拾って育てていた鳥のヒナを火の鳥に変えました。
火の鳥などの不死鳥はダンブルドア家系の者に危機が訪れると必ず現れる魔法動物です。
グリンデルバルドは、クリーデンスがダンブルドア家の血を継ぐ者で、本名はアウレリウス・ダンブルドアだと告げました。
解説、考察、感想など
待望のダンブルドアの登場でかなり高まりました!
前作よりも複雑さが増して、本格的に争いが始まる予感しかしない第2弾でした。
話が少し難しかったので、登場人物の行動理由などを中心に気付いた点を書き出します。
タイトル『黒い魔法使いの誕生』の意味
英語版のタイトルは『Crimes of Grindelwald(グリンデルバルドの罪)』でしたが、和訳のタイトルは『黒い魔法使いの誕生』でした。
タイトルだけ見ると最大の敵グリンデルバルドを連想してしまいますが、彼は既に闇になっているので、『黒い魔法使い』は話の流れから察するとクリーデンスを指します。
アイデンティティを求めたクリーデンスは、グリンデルバルドの高い魔法の力に魅せられ、話術に騙されて闇落ちしたことを凝縮したタイトルです。
ナギニについて
クリーデンスと行動を共にしていたナギニは、ハリーポッターシリーズでヴォルデモートのペットであり忠実なしもべだった大蛇ナギニが人間だった頃の姿です。
初登場から既に蛇の呪いをかけられた後でしたが、後にヴォルデモートの忠実な部下になるとは思えない程心優しいキャラクターです。
今後、彼女がどういう経緯で闇落ちしていくのか知りたいような知りたくないような複雑な気持ちです。
ダンブルドアがニュートに任せた理由
ダンブルドアとグリンデルバルドは幼少時代から兄弟同然に育った幼馴染みだったことが発覚し、さらに学生時代には『血の契り』の契約魔法を交わしていたことがわかりました。
『血の契り』の契約は、お互いに直接戦うことが出来ない魔法です。
ダンブルドアはグリンデルバルドを殺せないし、グリンデルバルドもダンブルドアを殺せないのです。
ダンブルドアは恐らく『自分以外なら誰がグリンデルバルドを倒せるか』と考えた時、性格上彼の得意な話術が効かず、正義と真実を追い求め、グリンデルバルドが軽視する『動物』を巧みに操るニュートが適任と考えたのでしょう。
それにニュートには前作で一度グリンデルバルドを捕まえた功績もあるので、それも理由のひとつかもしれません。
次のページに続きます!
2ページ目は『グリンデルバルドの罠とは』、『クリーデンスの正体』、『ダンブルドアが見たみぞの鏡』、『リタが恐れていたもの』、『クイニーがグリンデルバルドに付いて行った理由』などについて書いてます!
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