「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」ネタバレ解説|実在詐欺師がモデル!本人も出演してます | 映画の解説考察ブログ - Part 2

「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」ネタバレ解説|実在詐欺師がモデル!本人も出演してます

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クライムドラマ

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あらすじ➅:結末

7か月後。ジュニアは元の小切手詐欺師に戻り、世界各地で詐欺を働きました。
この頃になると、ジュニアの小切手は発行元ですら偽物かどうかわからないほど精工になっていました。

ジュニアはアメリカに居ないため、カールの上司は「もう諦めろ」と言いますが、カールは諦めきれずに追い続けていました。
カールはジュニアが偽装小切手制作に使っている印刷機を特定し、その印刷機がある世界各地から、ジュニアの母ポーラの故郷であるフランスのモンリシャールに目星をつけました。

ジュニア19歳のクリスマスイブ。
カールはジュニアをモンリシャールにある印刷工場で逮捕しますが、その後すぐにジュニアはフランス警察に引き取られました。

約1年後の1966年。カールはジュニアをアメリカで受刑させる手続きを終え、ジュニアをフランスからアメリカに行く飛行機に乗せます。

飛行機の中でカールは、ジュニアがモンリシャールに潜伏していた間に父フランクが事故で亡くなっていることを告げました。
ジュニアは呆然としていましたが、飛行機の着陸直前に機内トイレに入ると、そこから配管を通って脱走しました。

ジュニア20歳のクリスマスイブの夜。
ジュニアはこっそり母ポーラの家の前に来ていました。
家の中にいるポーラの側には新しい夫(父フランクの友人だった男)がいて、窓際には2人の子どもの小さな女の子が見えます。

ジュニアが窓の外から3人を眺めていると、カールがパトカーで迎えにきました。
ジュニアはカールを見ると大人しくパトカーに乗りました。

さらに1年後。ジュニアは刑務所の中で21歳のクリスマスイブを迎え、その日はカールが面会に来ていました。
カールが今捜査中の犯人が作った偽装小切手をジュニアに見せると、ジュニアはその小切手の作り方を見てすぐに犯人の職種を特定しました。

ジュニアの才能に惚れたカールはジュニアの刑期が終わるまで、刑務作業代わりにFBIで働いてもらうことにしました。

職場には当時ジュニアを追っていた捜査官もいたので居心地の悪さもありましたが、カールだけはジュニアを信じてくれました。
ジュニアは刑期が終わるまで一度も逃げずにカールの下で働きました。

ジュニアはその後26歳で結婚し、3人の子どもに恵まれて現在は隠居生活を送っています。

1974年に刑期を終えた後は、FBIと共同で偽造防止小切手を考案しました。
ジュニアは銀行詐欺や偽装小切手防止の権威となり、今では多くの会社や銀行がジュニアの考案した小切手を使用しています。

かつてはジュニアにお金を盗まれていた会社や銀行が、今ではジュニアに何百万ドルもの『小切手使用料』を毎年支払っています。

ジュニアとカールは、今でも友人として交流が続いています。




解説・感想や考察など

ジュニアはなぜブレンダに恋をした?

ブレンダはジュニアと出会った当時22歳でしたが、年齢にしては振る舞いや言動に幼さがにじみ出ていた女性でした。
彼女の歯の矯正が、より『幼さ』を際立たせます。

フランクはブレンダのこの『子どもっぽさ』に惹かれたのではないでしょうか。
フランクは年齢を27歳とかたっていましたが、実年齢は当時17歳だったので、ブレンダに精神年齢の近さを感じて親近感が沸いたのではないでしょうか。

 

タイトル『Catch me if you can』の意味

この少し長いタイトル『Catch me if you can』は、直訳すると『捕まえられるものなら、捕まえてみろ』という意味になります。
英語圏の国では鬼ごっこの掛け声としてなじみ深いようですね。

捕まりかけても持ち前の機転の速さで逮捕を逃れ逃亡するフランクと、粘り強くジリジリとフランクを追い詰めるカールの関係が上手く表されていて良いタイトルだと思います。

このタイトルについては賛否両論あるようですが、変な邦題に変えるよりもよっぽど良かった気がします。

 

フランクの成りすましの勉強方法


(引用:https://www.cinematoday.jp

フランクは一番最初に成りすましたパイロットになる前、実際に航空会社へ足を運んでインタビューする形で情報を集めていました。
しかし、その後の医師や弁護士に成りすます前には、事前に該当の職業が登場するドラマや映画で勉強しています。

フランクがあえてドラマや映画を材料として選ぶ理由として一番重要なのは、フランクは『演技』の勉強をしていたという点です。
身分詐称で重要なのは、他者が見たときにいかに『それっぽく見せるか』なので、フランクにとってはドラマや映画の俳優が観客を騙す『成りすましのプロ』だったのだと思います。




主人公のモデル

キャッチミーイフユーキャン
(引用:https://allthatsinteresting.com

本作は、実在の天才詐欺師フランク・ウィリアム・アバグネイル・ジュニアの実体験をモデルに描かれたノンフィクション作品です。

ノンフィクションとは言っても「大げさな表現や脚色されている部分もある」とフランク本人はコメントしています。
実際のフランクの生い立ちを調べたのでざっくりと書き出します。映画と比べてみてください。

本作のモデルとなったフランク・ウィリアム・アバグネイル・ジュニアの半生

ジュニアは1948年4月、4人兄弟の2番目の子として生まれました。
裕福な家庭で育ちましたが、ジュニアは車を買ってもらった頃から家庭内で詐欺行為を働き始めます。

最初の被害者は父親でした。
ジュニアは父から渡されていた車の維持費用のクレジットカードで車関係の道具を買い、その後返品して現金を手に入れて遊びに使ったそうです。

ジュニアは16歳の頃、両親の離婚を苦に家出します。
家出直後はまっとうにアルバイトをしましたが、バイト代だけでは生活できないことに気付いて小切手詐欺で得たお金を生活費の足しにしていました。

そんな時、大手航空会社のパイロットに憧れたフランクは、パイロットに成りすますことを思いつきます。
パイロットに成りすますまでの経緯は映画で描かれた通りで、ジュニアがタダ乗りで行った国の数はは26か国に及び、その際のホテルでの宿泊代や飲食代は全て航空会社が支払っています。

その後、ジュニアは逮捕を逃れるためにパイロットを辞め、大学卒業資格を偽装して大学教授の助手としてアメリカのユタ州にある大学で働きますが、長くは続きませんでした。

その後はハーバード・メディカルスクールの卒業資格を偽装して小児科医としてジョージア州の病院で小児科のチーフの職を得ます。
ここで看護師のブレンダと出会い、仕事も研修医の指導や事務仕事で実際の治療には関わらないため、ジュニアには都合が良い環境でした。
医師としては約11か月働きましたが、またもFBIの気配を感じて姿を消します。

医師の後は弁護士を目指すことにしたジュニアは、ハーバード・ロー・スクールの卒業資格を偽造してルイジアナ州で司法試験に挑みます。
(司法試験を受けるためにはロー・スクールの卒業資格が必要です)
アメリカの司法試験は1960年代当時も現在も、1年に2回行われているようです。

ジュニアは3回目で司法試験をパスします。
ちなみに、日本は司法試験の受験回数には制限がありますが、アメリカは回数制限が無い州が多いようです。
なお、この試験にジュニアは自力で挑み、約2か月間の猛勉強で受かったそうです。

そして19歳(1966年)の時、司法長官の事務職員として働き始めます。
ジュニアはここで約8か月働きますが、同僚に経歴詐欺を疑われ、探られ始めたことを察して辞職しました。

少し飛んで1969年(22歳)。ジュニアは度々パイロットに扮して世界各地を飛び回っていましたが、この頃には指名手配犯としてポスターも作られていました。
過去に交際していたCAに通報され、フランスで逮捕されます。

フランスで半年、スウェーデンで半年服役し、その後アメリカに強制送還されます。
ジュニアはスウェーデンからアメリカに移送される際、着陸寸前の飛行機から脱走しました。
アメリカと犯罪者引渡条約が無いブラジルへ逃げようとしますが、別の空港でブラジル行きのチケットを買うために並んでいたところを捕まってしまいました。

1971年(24歳)、ジュニアはジョージア州アトランタで裁判を待っていましたが、その途中で拘置所からも脱走しています。
再びブラジルへ逃走しようとしますが、その途中で捕らえられます。

1974年(27歳)、ジュニアは12年の服役を課せられ、刑務所に入ります。
そこでFBI捜査官に偽装小切手に関する知識を買われたジュニアは、週に1度FBIで働くという条件で、刑期を5年に短縮してもらえることになりました。
この時の捜査官ジョー・シアが、映画でのカール・ハンラティのモデルになった人物です。
ジョー・シアは現在は故人ですが、ジュニアとシアは最後まで友好的な関係が続いたそうです。

ここから先のジュニアのその後は、映画では文章で簡略的に説明されたのみです。
出所後は前科を隠してスーパーの店員などの仕事をしましたが、前科がバレるとすぐに解雇されてしまったため、しばらくは様々な職を転々としました。

やがてジュニアは前科を隠すことをやめ、逆に経歴を生かして銀行に自分を売り込んで銀行員向けの詐欺対策セミナーを開き、その内容に満足すればお金をもらうということを始めます。
これがジュニアの本格的な社会復帰の第一歩となりました。

その後はオクラホマ州に企業向けの詐欺対策アドバイスを行う会社アバグネイル・アンド・アソシエイツを設立したり、FBIと協力して詐欺対策セミナーの開催や偽造防止小切手を考案しています。
かつては多くの企業から金をだまし取っていたジュニアが、現在では多くの企業がジュニアに対して偽造防止小切手の使用料を支払っています。
まさに逆転人生ですね!

ちなみに、ジュニア本人はフランス人の刑事役でカメオ出演しています。
ディカプリオ演じるジュニアが逮捕されるシーンで、ジュニアのボディチェックをしてからパトカーに乗せている男性です。

 

その他感想や考察など

若かりし頃のRディカプリオを見たい方必見の作品です。
制作当時Rディカプリオは27歳だったようですが、髪型や服装、演技力で16歳にそこそこ見えるところがすごい。
パイロット姿になれば年相応になりましたが、本物のフランクは髪色がシルバーで身長も高かったため、年齢を10歳サバ読んでもまかり通ったらしいです。

また、皆さん演技が上手ですが、やはりRディカプリオとTハンクスの演技力の高さは圧巻です。
個人的に好きなシーンは、カールがフランクと初めて対面した際、フランクがとっさにシークレットサービスのフリをしてカールを騙したシーンです。
フランクが盲目の紳士にデタラメを言った後のにごすような素振りや、カールの財布の投げ方がキレイなとこが(笑)
あと、Tハンクスのエクレアの食べっぷりも◎

以上です!読んでいただきありがとうございました。
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