映画『A.I.』ネタバレ解説|デイビッドはなぜ人間になりたいのか、ラストについても考察。 | 映画鑑賞中。

映画『A.I.』ネタバレ解説|デイビッドはなぜ人間になりたいのか、ラストについても考察。

SF

映画『A.I.』のあらすじ紹介と解説、考察をしています!

大好きな作品なんですが、上映時間の8割位泣いて目が腫れてしまうのでたまにしか見れません(笑)

この記事では、舞台背景のまとめや観ていて感じた点などについて書いていきます。

≪U-NEXT≫で『A.I.』が見られます! 31日間無料キャンペーン実施中。
※本ページの情報は2022年2月時点のものです。最新の配信状況はサイトにてご確認ください。

映画『A.I』概要紹介

AI

原題:Artificial Intelligence:AI
制作年:2001年
本編時間:146分
制作国:アメリカ
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:イアン・ワトソン、スティーブン・スピルバーグ
原案:スタンリー・キューブリック
原作:『スーパートイズ』ブライアン・オールディス著

 

主要人物紹介

AI
©2001 DreamWorks LLC and Warner Bros. All Rights Reserved.
デイビッドハーレイ・ジョエル・オスメント
人間の子どもそっくりのアンドロイド『デイビッド』の初号機。
モニカとヘンリーの夫婦に預けられるが、人間の子ども達からのイジメにあった末に夫婦からも危険とみなされて森に捨てられてしまう。
モニカに愛されるために人間になりたいという夢を持ち、ピノキオを人間に変えたブルー・フェアリーを探す旅に出る。

 

AI
©2001 DreamWorks LLC and Warner Bros. All Rights Reserved.
モニカ・スウィントンフランシス・オコナー
デイビッドの使用テストを受けた主婦。
デイビッドに彼女が母親だとインプットするが、実子マーティンとの間にトラブルが起きたため、夫ヘンリーの強い主張でデイビッドを会社に返却することになる。
返却すると廃棄されると聞かされていたため、返却できず森に捨ててしまう。

 


©2001 DreamWorks LLC and Warner Bros. All Rights Reserved.
テディ…(声)ジャック・エンジェル
人工知能が搭載されたクマのぬいぐるみ。
元はマーティンのおもちゃだったが、モニカがデイビッドを捨てる時に1人では可哀そうだったので一緒に置いて行った。
 

 

AI
©2001 DreamWorks LLC and Warner Bros. All Rights Reserved.
ジゴロ・ジョー…ジュード・ロウ
人間の女性に性サービスを提供する派遣型ラブマシン。
人間男性に殺人の濡れ衣を着せられ、逃亡中にデイビッドと出会った。
デイビッドを風俗街にあるドクター・ノウの館に連れて行く。

 

ヘンリー・スウィントン(モニカの夫)…サム・ロバーズ
マーティン・スウィントン…ジェイク・トーマス
ホビー教授…ウィリアム・ハート
会議で質問する女性…エイプリル・グレイス
ジョンソン・ジョンソン(ジャンクフェア主催者)…ブレンダン・グリーソン
ジャンク・フェアの管理者…マイケル・ベレス
アマンダ…ヘイリー・キング
秘書マシン…サブリナ・グラデヴィック
ドクター・ノウ…ロビン・ウィリアムズ
2000年後のマシン達…ベン・キングスレー
ブルー・フェアリー…メリル・ストリープ
社長…ケン・レオン
ジゴロ・ジェーン…アシュリー・スコット
ジャンク・フェア参加者…キャスリン・モリス
若者達…エイドリアン・グレニアー、ジェームズ・レマー、マーク・スターバック
子どもの歌手…デイヴィ・チェイス
子守ロボット…クララ・ベラール
ロボット…キース・キャンベル、ティム・ローズ、ウェイン・ウィルダーソン、クリス・ロック
殺人犯…エンリコ・コラントーニ
殺された女性…ポーラ・マルコムソン
マシンオタク…ユージン・オスメント、クラーク・グレッグ、ケヴィン・サスマン、トム・ギャロップ ほか

 

あらすじ前半

人間そっくりのアンドロイドが貴重な労働力になっている近未来。
温暖化の影響で大陸の面積減少と食糧危機が起こり、先進国では厳しい妊娠・出産の規制がかけられています。

アンドロイド開発の大手サイバー・トロニクス社は、子供が欲しくても作れない夫婦向けに『親への無償の愛を持つ子どものアンドロイド』を開発し、初号機デイビッドの使用テストをヘンリーモニカ夫婦に依頼しました。

夫婦には実子マーティンがいますが数年前から病気による植物状態で、このまま死んでしまう可能性もあり得る絶望的な状態でした。
モニカはデイビッドと数日過ごして情が湧き、説明書を読んでモニカを母親として正式にインプットしますが、その後、開発された新薬でマーティンは奇跡的に回復、退院しました。

デイビッドとマーティンはモニカの愛情をめぐって争い、デイビッドはモニカが読み聞かせてくれた童話『ピノキオ』を聞いて、モニカに愛されるために本物の人間になりたいと願うようになります。

そんなある日、デイビッドはマーティンを誤って溺れさせてしまったことが決定打になり、サイバー・トロニクス社に返却が決まってしまいました。
デイビッドは一度母親をインプットすると二度と取り消せないため、返品されると廃棄になると聞いたモニカはデイビッドを会社に連れて行けず、いくらかの現金を渡してぬいぐるみのテディと一緒に森に置き去りにしました。

デイビッドとテディは森をさまよった末にマシン嫌いな人々のためのショー『ジャンク・フェア』に連れて行かれて破壊されかけますが、デイビッドの必死で命乞いする姿が人間にしか見えなかったため、無事に解放されました。

 

あらすじ後半※ネタバレ注意

デイビッドがジャンク・フェアで出会ったラブマシンのジゴロ・ジョーに「ブルー・フェアリー(ピノキオが願いを叶えてもらった妖精)を探してる」と話すと、ジゴロは風俗街『ルージュ・シティー』の中にある『ドクター・ノウの館』に連れて行ってくれました。

ドクター・ノウはお金を払えば大抵の質問には答えてくれるマシンです。
デイビッドが質問すると、ドクター・ノウは「真実を知りたければマンハッタンに行け」と答えました。

ドクター・ノウの館から出た直後、殺人の容疑者だったジゴロを追って警察が駆けつけます。
デイビッドは警察のヘリコプターを奪い、テディとジゴロと一緒にマンハッタンにたどり着きました。

マンハッタンに着いたデイビッドは、とある高層ビルに着地しました。
そのビルの中で、デイビッドを設計したホビー教授と出会います。
ホビー教授はドクター・ノウを操作してデイビッドをここに呼び寄せたと明かしました。

この時、デイビッドは『ホビー教授の死んだ息子を蘇らせたいという願望』から作られたことや、彼自身が大量生産されていること、ブルー・フェアリーは存在しないことなどを告げられて絶望します。

その後、ジゴロは駆け付けた警察に捕まってしまい、デイビッドは海底に沈んだ遊園地の中でブルー・フェアリーの像を発見します。
デイビッドはテディと共に、像の前で電源が切れるまで祈り続けました。

そのまま2000年が経過しました。
地球は氷河期を経て人類は絶滅し、人類が作ったマシンだけが生き残っています。
デイビッドは人類を研究している高知能AIマシンの『スペシャリスト』に発見されて再起動・記憶を読まれました。
スペシャリスト達はデイビッドを『人間と接触したことのある貴重なマシン』として重宝し、彼の記憶を元にモニカの自宅を再現したスペースを作ってくれました。

マシン達はデイビッドに、モニカがもう亡くなっていること、デイビッドを人間にすることは不可能だと告げた上で、何か望みはあるかと聞きました。
デイビッドが「ママを生き返らせてほしい」と答えると、マシンは「人間を生き返らせるにはDNAが必要だ」と言います。
すると、テディがモニカの髪の毛を体の破れた穴から取り出してデイビッドに渡しました。
それはデイビッドがマーティンにそそのかされて切ってしまったモニカの髪の毛です。

モニカを生き返らせてもらえることになりますが、DNAで蘇らせた人間は1日しか生きられず、眠ってしまうと二度と目覚めないことをスペシャリストはデイビッドに告げました。

やがて朝になり、デイビッドは蘇ったモニカとテディだけの幸せな1日を過ごしました。
夜になると、モニカはデイビッドに「愛してる」と囁いて眠りに落ち、二度と目覚めませんでした。
デイビッドはモニカの手を握ったまま隣に横たわると自ら電源を切り、一緒に永遠の夢の世界に旅立ちました。
ベッドに這い上がったテディは、デイビッドとモニカの眠りを見守り続けました。

解説・考察

本作はスタンリー・キューブリックが短編小説を元に原案を練った後、監督をスピルバーグ氏に依頼して作られた異例の作品です。

スピルバーグ監督は「『キューブリックならどうするか』を常に念頭に置いて製作した」とインタビューで答えています。

この記事では、舞台背景のまとめや観ていて感じた点などについて書いていきます。

舞台背景

舞台となるのは近未来のアメリカです。
温暖化で氷山が溶けて海面が上昇し、アムステルダム、ベニス、ニューヨークなどの海沿いの都市が海底に沈みました。

家を失った人々が溢れ、気候の変動は植物の成長に影響して貧しい国々は深刻な飢饉に苦しみます。
そんな中、先進国は人口を一定に保つために妊娠・出産に厳しい制約を設けました。
同時に、食料も資源も消費しないロボットが社会経済を成り立たせるために必要不可欠な存在になりました。

様々なタイプの人造人間の開発に成功しているサイバー・トロニクス社は、次は妊娠許可を得られない夫婦向けに『両親に対する無償の愛情を持ち、夢を追う子どものロボット』の開発を始めると発表しました。

アンドロイドを取り巻く社会的問題

子どものアンドロイド(メカチャイルド)を製作すると発表したホビー教授に対して、会議に参加していた女性が『人間に愛情を持つロボットを作るなら、人間もロボットに愛情を返す義務が生じるのではないか』と質問しています。

恐らくその女性は、『人間がロボットに対して愛情を持たなければ、人間を愛するロボットを作っても意味が無いのではないか』と言いたかったのでしょう。

実際、デイビッドはマーティンをはじめとするロボットを愛さない子どもたちにおもちゃ扱いされた挙句、飼えなくなったペットのように森に捨てられてしまいました。
これらは全てモニカもヘンリーもマーティンも、デイビッドに対して真の愛情を持てなかったために起きたことです。

また、作中に『ジャンク・フェア』が出てきたように、マシンに不快感を抱く人々が一定数存在して破壊活動が行われていたことも社会問題として描かれていました。

彼らがマシンを憎む大きな理由は、いずれマシンが人間にとって代わるのではと感じて恐ろしくなったからです。
これもマシンの容姿や思考回路を人間に近づけ過ぎたことが原因のひとつと思われます。

マシンを作る科学者達はマシンをどれだけ人間に近づけられるかを重要視していましたが、それがデイビッドのような悲劇を生むのであれば、それは科学者達が技術を誇示するための自己満足にしかなっていなかったのではないでしょうか。

スウィントン夫妻が選ばれた理由

モニカの夫ヘンリー・スウィントンはデイヴィッドが開発されたサイバー・トロニクス社の社員でした。
デイヴィッドを開発したホビー教授は、デイヴィッド1号機のモニターを探していて、社員の中からスウィントン夫妻が選ばれました。

モニカとヘンリーが選ばれた理由は、ホビー教授目線で、この夫婦がまさにメカ・チャイルドを試してみて欲しい状況にあったからです。

スウィントン夫妻とホビー教授の境遇は、似ているとまでは言えませんが共通点があったからなのでしょう。

スウィントン夫妻の実子マーティンは難病による植物状態で、治る見込みがないかもしれない状態でした。
マーティンが病気になってから5年経ってもモニカの悲しみは続き、彼女の精神面を心配したヘンリーがホビー教授からの打診を受けて了承しました。

よく考えたらモニターに選ぶとしたら『子どもが欲しいけど作れない夫婦』がベストな気がするんですが、ホビー教授があえて『子どもが居るのに育てられない夫婦』を選んだのは、子育て経験のある夫婦にあえてモニターを頼むことで、デイビッドがどれ位人間の子どもの代わりになれるのかを知りたかったのかもしれません。

次のページに続きます!

次のページは『鳥の絵』、『ジョーが逃亡した理由』、『デイビッドがもう1人のデイビッドを殺した理由』、『デイビッドが人間になりたい理由』、『スペシャリストがデイビッドを見つけた方法』などです!

感想などお気軽に(^^)

  1. 匿名 より:

    本日初めて拝読しました。とても読みやすくてわかりやすい考察で、こんなに丁寧に書いた文章を読ませていただき感謝しかありません>_<
    デイビットの気持ちを考えると…私も始めから終わりまでずっと泣いてしまいます…。
    読ませていただいて、この映画の良さを再発見し、作品への理解が深まりました!
    とても素敵な考察をありがとうございましたm(_ _)m

タイトルとURLをコピーしました