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あらすじ④:結末
数分後、SEALはヘリコプターで救命ボートを照らし、無線で「降伏しなければ強硬手段に出る」と告げます。
追い詰められたムセはフィリップスに銃を向けました。
そのとき、交渉人から「金の話をしよう。村長に連絡は取った。話し合いたいからリーダーはSEALの船に来てほしい」と無線が入り、ムセはSEALの船に移動します。
ムセは「こんなことにはならないはずだった」と嘆きながらSEALの船に乗りました。
やがてSEALの隊員が救命ボートに近づいてきて、フィリップスに衣類を差し入れながら「これを来て、必ず同じ座席に座っていてください」と囁き、こっそりボートに盗聴器を取り付けました。
それはSEALが海賊に奇襲を仕掛けることを意味していました。
救命ボートはベインブリッジ号に港まで牽引してもらうことになりますが、命の危険を感じたフィリップスは、こっそりペンと紙を拾って家族に手紙を書こうとしました。
すると、ナジャがフィリップスから手紙を取り上げて「何を書いた!」と怒ります。
フィリップスとナジャは乱闘になり、フィリップスは海賊たちにロープで縛られてしまいます。
フィリップスはパニックになり「もう限界だ!家族に愛してると伝えてくれ!」と叫びました。
その瞬間、ボートに残った海賊3人がちょうど射程圏内に入ったため、SEALが3人いっぺんに射殺しました。
隊員がフィリップスを助けると同時にムセは逮捕され、アメリカで裁かれることになりました。
ムセは行きたかったアメリカに望まぬ形で連れていかれることになりました。
その後、フィリップス船長は2009年4月に家族と再会できました。
ムセは33年の懲役刑に処せられ、現在もインディアナ州の刑務所に服役中です。
フィリップス船長は翌年の2010年7月、海上勤務に戻りました。
解説・感想など
『海賊』を映像作品でしか見たことがない私は『フック』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』、『ワンピース』のようなかっこ良いイメージが先行してましたが、この映画で現実の海賊がどんなものか改めて思い知らされ、憧れや幻想が吹き飛びます。
彼らにも海賊をしなければならない理由があり、こんな状況から脱したいと思っているメンバーも居てちょっと同情してしまう…となる頃にSEALによってあっさり殺されてしまうのが悲しくてちょっと泣きました。
この映画は実在の事件『マースク・アラバマ号乗っ取り事件』が忠実に再現されていました。
以下は映画で描かれなかった点をまとめます。
マースク・アラバマ号乗っ取り事件
(引用:https://www.hollywoodreporter.com)
事件は2009年4月8日から12日に渡って起きた事件で、映画の内容の通り貧困層の青年たちが徒党を組んで海賊になり、その時たまたまソマリア海域を通ろうとしていたコンテナ船マースク・アラバマ号を乗っ取った海賊事件です。
フィリップス船長は事件が発生した4/8に身代金目的で誘拐されてしまい、4/12にSEALsの助けにより保護され、主犯格のムセが逮捕、その他メンバーは全員射殺されました。
ムセの身分を示すものは何もなく、ムセ自身も警察に身の上を明かしませんでしたが、マスコミはムセの生まれ育った村でムセの母親を特定してインタビューした時、ムセの母は「ムセはまだ16歳だから寛大に対応してほしい」と語っています。
また、ムセは米警察に「裕福な犯罪者に海賊をしてこいと命じられた」と自身も被害者であることを主張していましたが、2011年2月に33年9か月の実刑判決を受けてサウスカロライナ州にある矯正施設に収容されています。
模範囚だったのか刑期短縮されて出所予定は2038年と書かれています。
ムセは当時16歳だったという母親の証言が間違いなければ45歳で出所することになります。
映画でムセが「アメリカに行きたい」と夢を語っていましたが、刑務所に入る形で実現してしまったのが少し悲しいです。
以上です!読んで頂きありがとうございました。
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参考サイト様
Wikipedia:マースク・アラバマ号乗っ取り事件
AFP●bb News:米海軍、海賊の襲撃受けた米貨物船の船長を救出 海賊3人殺害
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